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2007年06月21日
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テーマ: 京都。(6436)
カテゴリ: 伝統文化
立派な床の間に必ず飾られる掛軸。「掛物ほど第一の道具はなし」と千利休が言ったように、掛軸は季節や客に合わせて掛け替える、お茶会の演出にとって最も重要な道具です。表具は、書画などを掛軸や屏風に仕立てるもので、掛軸の重要な構成要素です。歴史的な作品ほど、表具と一体化しています。しかし、そのセンスの善し悪しは、なかなか知ることができません。それこそ、自分で掛軸を注文しながら、高い授業料を払って学んでいくのが普通です。ところが、今回、伝統未来塾の授業で、京表具の第一人者、陽光堂の山本之夫さんの話を聞くことができました。山本さんは、2002年に表具師として初の個展を開き、2006年にはロンドンでも個展を開きました。2005年11月には「現代の名工」として厚生労働省から表彰されています。

表具@陽光堂

表具師の仕事は、書や絵画の美を見極めて、それにふさわしい裂地(きれじ)を取り合わせ、作品を引き立てることです。ですから、書、絵画、裂地、紙、金属、塗りに詳しくなくてはいけない、といいます。

○取り合わせのときに考えること
最初に作品が表現している季節を考えます。春なら浅黄、秋なら枯葉(茶)を中心に検討します。一文字で「わさびをきかす」。際の重みをどうするかは、音楽と同じで、やわらかくいくか、重くいくか、感覚で決めます。作品を見て一発でピンと来ることもあるし、実際にあててみたら「アカン!」というときもあります。

○京表具と、他(東京、金沢など)の表具との違い
ひとつは京表具は裏打ちを3枚すること(他はもっと少ない)。もうひとつは、あっさりとした感覚です。 この「あっさりとした感覚」、自分の印象では、天地、中縁に薄めの色を使い、一文字にやや濃いめの色や、強い文様を使って全体を引き締めているように見えましたが、これが難しくて、京表具を修行した人でも4年遠ざかれば、その感覚が違ってくるのだそうです。

○湿度に敏感
古い書画の裂地には薄墨や草木染めを繰り返して、古さに合わせた色をつけます。仕立てには、和紙に糊をつけ、裂地の裏打ちと乾燥を繰り返して行います。このため、湿度には非常に敏感で、陽光堂の蔵は、常に湿度60%を保っているということでした。

このほかに、山本さんは、

「さりげないのが最高の美。『これでもか!』というのは、道具屋好みで良くない」
などなど、表具師ならではの感覚を話されました。

蔵から取り出しては、いろいろな掛軸を見せていただきました。様々な裂地も次々と出していただきました。素手で触っていいのかどうかもわかりません。こんな機会は滅多にないなと思いながらも、何が良くて、何がダメなのか、いまひとつはっきりしません。中心となる書や絵画、その時代背景によって応用範囲が広く、表装には明快な方程式が存在しないからです。結局、センスの善し悪しは、様々な掛軸を見ながら、自分で感覚を養うしかなさそうです。まさに、「表装に王道なし!」という世界なのでした。





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最終更新日  2012年04月07日 16時07分29秒
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