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「大きな仕事したかった」虎・マートン、電光石火の先制３ラン！

テーマ：タイガース党(8645)

カテゴリ：阪神2014

「大きな仕事したかった」虎・マートン、電光石火の先制３ラン！

　「シンプルに考えて、力まずにストライクをしっかり打てた。大きな試合で大きな仕事をしたかった。打ててよかったよ」

　虎党のボルテージを一回から最高潮にした。二死一、二塁。今季セ・リーグ首位打者に輝いた男のバットが火を噴いた。小山のフォークをすくい上げると、打球は左翼席中段へ吸い込まれた。

　今季１３勝で最多勝を獲得したメッセンジャーとは同期入団の、来日５年目。ともに同じ思いを抱いていた。「メッセンジャーとも話していたんだ。タイガースで５年間プレーして、こういう機会はなかった。素晴らしい試合ができて、よかったよ」。

　ただここから先は、頼れる助っ人も未知の領域だ。「プレッシャーというものは感じていない。関西のファンも楽しみにしていると思うし、頑張るよ。今はすごくうれしいが、まだ途中だから。これからまだまだやらないといけない」。悲願の日本一へ。自らの手で虎を導く。

虎・福留、マートンに続いたＧ粉砕弾！「初回から集中していた」

白球はあっという間に右翼ポール際に吸い込まれた。阪神・福留はＣＳの最初から最後まで、スゴかった。マートンの先制３ランで冷や汗ダラダラの巨人・小山に遠慮することなく、ひざを折らせた。

　「うまく打てたね。（４連勝を）選手全員が思っていたし、初回から集中していた」

　一回二死。内角直球を一閃した。打った瞬間という当たりに虎党は狂喜乱舞！　悲鳴の塊となった右翼席に着弾させた。

　開幕３戦目の３月３０日。守備時に二塁手・西岡と交錯した。自身も鎖骨と肋骨が折れ、帽子のつばは、血で真っ赤に染まっていた。

　阪神入団１年目の昨季は両ひざの故障もあり、打率・１９８と期待を裏切った。もともと練習の虫だが、今春のキャンプではさらに拍車がかかった。自然と、猛特訓の末にベッドに入ればすぐに眠りに落ち、日の出前には目が覚めた。ソチ五輪の応援とも縁を絶った。

　スマートフォンに送られてくる長女・桜楓（はるか）ちゃん（３）がテレビの前で浅田真央のマネをし、クルクルまわる動画こそが、福留にとって“五輪”だった。

　ＣＳはファーストステージ開幕の１１日、広島戦（甲子園）でも決勝ソロを放つなど、計６試合で打率・３５０（２０打数７安打）、２本塁打、２打点。「今の状態をキープして、次に向かいたい。まずはゆっくり休む！」。充電を完了させて、自身２００６年以来となる日本シリーズに挑む。

西岡、下克上日本一へ猛虎けん引「必要とされたことに感謝」

真っ先にベンチを飛び出した。もちろん阪神・西岡だ。勝利の瞬間、タテジマ屈指の元気者は右手を突き上げ、マウンドへ一直線。そしてプレート板の上で高くジャンプ。歓喜の輪の中心で、背番号７が弾けた。

　「けがをして、１年間戦っていないのに、一番大事なところで使ってもらい、１番を任され、必要とされたことに感謝したいです」

　勝利を不動のものとした一撃は二回。一死二塁で巡ってきた第２打席、カウント３－０。待つのか？　積極策か？

　「ベンチを見たら、監督と目があって、ジェスチャーしてくれた」

　和田監督の「打て！」のサインに心が決まった。「低めを捨てて、高めだけを狙って。決め打ちできました」。集中した時の西岡ほど怖いものはない。思い切り振り抜くと打球は右翼席へ。点差は「４」から「６」へ。誰もが「日本シリーズへ進むのは阪神」を確信した瞬間だった。

　さらに２安打を加え、今ＣＳ２度目の猛打賞。６試合で打率・３７０。姿でも、数字でも、タテジマを引っ張った。

　けがに泣いた１年。開幕カードの３月３０日、ここ東京ドームの巨人戦で福留と激突した。鎖骨と肋骨を骨折したのに始まり、慢性的なひじ痛に悩まされた。三塁守備に就いたＣＳ。何とも弱々しい一塁送球をするシーンがあった。実は痛みは収まっていない。トレーナーに痛み止めの薬をもらいながら、満身創痍の出陣だった。

　でも決して弱音を吐かない。明るく楽しく、こそが西岡スタイル。ロッテ時代、２００５年は２位、１０年は３位から下克上日本一を成し遂げた。

　物足りなさに、ちょっぴり寂しそうにしながらも、「阪神・西岡」として生まれ変わっている思いを口にした。

　「このシリーズに必要とされたことで、２０１４年シーズンに参加したことを残せる」

　そして次なるステージへ。さあ、日本シリーズ。お祭り男が、苦闘の１年を笑って終えるための最後の戦いに挑む。

データＢＯＸ
　一回にマートンと福留が２者連続本塁打。ＣＳ、プレーオフ（ＰＯ）での２者連続弾はタイ記録で９度目（九回に巨人・セペダ、坂本が１０度目を記録）

　阪神は第２戦から３試合連続２桁安打（１０→１１→１１）。ＰＯ、ＣＳタイ記録で、０７年第２ステージ第３－５戦の日本ハム以来７年ぶり２度目

さすが４番＆打点王！虎・ゴメス、Ｇメッタ撃ちでＣＳ８打点

日本シリーズへの切符を確実にしたのは、やっぱり２０１４年の得点パターンだった。終盤打点王の前に走者がたまる。阪神・ゴメスが期待通りの打撃で応え、試合の行方は決まった。

　「この瞬間を味わうために１年間やってきたからね。日本シリーズに出場できて、ベストを尽くして勝利に貢献できて本当によかったよ」

　６－２の七回一死満塁。それまで２三振を喫していたが、やはり好機では違う。久保の低めのフォークをミートに徹して左前へ。三回以降は追加点がなかったが、２点打で突き放した。

　ファイナルステージは４試合で８打点。セ・リーグ新記録だ。ＭＶＰこそ呉昇桓に譲ったが、劣らぬ活躍だ。１６打数６安打、うち５本が打点つき。初戦の一回に２ランを放つと、前日の第３戦は決勝打など３打点。そしてこの日は巨人に引導を渡した。過去２年の和田阪神に欠けていた「４番」。来日１年で虎打線の象徴となった助っ人は、大一番でも輝きを放った。

　「家族のサポートに感謝しているよ。それから監督やコーチが信頼して使ってくれたことにも感謝だね」

　夫人の出産の立ち会いのために来日が遅れたことから今季は始まったが、見事に成功を収めて家族にも恩返し。この日の球場入り前にファンからプレゼントをもらった。「楽しみだね」。どうやら、中身は部屋の飾り付けなどのパーティーグッズ。同行している家族とのささやかな祝勝会が、最高のご褒美になるはずだ。

　「（日本シリーズは）普段と同じようにグラウンドでベストを尽くすだけだよ」

　米国時代はポストシーズンの経験がなかった男が、最後のステージに歩みを進めた。次々と「初体験」をクリアしてきた主砲に、この先も死角はない。　（安藤理）

データＢＯＸ
　ゴメスはファイナルステージ通算８打点。ＰＯ、ＣＳでの同一ステージ８打点は、０８年の巨人・小笠原道大、０９年の中日・森野将彦の６打点（いずれも第２ステージ）を抜くリーグ最多。なおＣＳ記録は０９年第２ステージの日本ハム・スレッジで１０打点

阪神・ゴメス、日本シリーズ進出に「この瞬間のためにやってきた」

阪神の主砲ゴメスが七回にダメ押しの２点適時打を放った。来日１年目での日本シリーズ進出に「この瞬間のために１年間やってきた。貢献できてうれしい」と無邪気に喜んだ。

　レギュラーシーズンの打点王は、ＣＳファイナルステージでも４試合で８打点と面目躍如の大活躍。和田監督もその働きぶりに「勝負強さ、集中力は素晴らしい」とうなった。（共同）

虎・鳥谷、ファイナルＳ打率・４１２と日本Ｓ進出に大きく貢献

阪神・鳥谷はファーストステージから全６試合で安打を放った。一回一死一塁から中前打でつないで大量点を呼んだ。ＣＳ前はチームとは別メニューで調整。「結果がよければベストコンディション、悪ければそうではなかったということでしょう」と話していたが、結果的に成功。特にファイナルステージは１７打数７安打、３打点。打率・４１２と大きく貢献した。

阪神・上本、シーズン終盤の不振吹き飛ばす３戦連続安打

３試合連続安打の阪神・上本が先制、ダメ押しの起点となった。一回一死から三塁内野安打で出塁して一挙４点を呼ぶと、七回には左前打と二盗で追加点につなげた。１６日の第２戦で頭部に死球を受けながらも、その後の２試合で２安打。レギュラーシーズン終盤の不振を完全に吹き飛ばした。「日本シリーズもいつも通りに戦いたい」と頼もしかった。

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