CHET BAKER/LEE KONITZ IN CONCERT インディア・ナビゲーションという訳の分からないレーベルのライブ盤だが、内容はすごく良い。アルトとトランペット、ベースとドラムスの、何とピアノレスカルテットで、それゆえ得も言われぬ雰囲気が漂っている。いかにもどこぞの人知れぬ地下の暗がりで延々と繰り広げられていそうな感じの音だ。静かでシンプル。旋律を生み出すことに特化された楽器編成。何となくピアノ抜きでやんわりと始まったリハーサルが、いつの間にか熱気を帯びてきて本番になってしまい、気がついたら傑作が誕生していたのではないか?ホーン陣は二人とも肩の力が抜けているのに熱くスイングしているので不思議。①THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOUでは、ペッパーなど西海岸の連中がよくやったヒラヒラと蝶のように舞う掛け合いが美しい。音の紡ぎものができあがる様は圧巻。選曲も全曲スタンダードなのがうれしい。ふと登場するchetのボーカル④JUST FRIENDSが、何ともいえないほっとする感触を与える。彼はやっぱり何人でもへなへなと力を抜けさせる音の按摩師なのである。