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2013.08.30
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カテゴリ: 保護者の皆様へ!
先日懐かしい人から連絡があった。
私がはじめて中学校の教壇に立ったときに副担任をしてくれていた先生であった。
彼女から連絡があるときは、ただの安否確認か元生徒の結婚式の知らせか、あるいは悲しい知らせと相場は決まっている。

今回は悲しい知らせだった。
彼女が届けてくれたのはKさんの訃報だった。

Kさんは私がはじめて担任をしたクラスの保護者だった。
大柄で子沢山、いつも笑顔で元気いっぱい!それがKさんだ。
当時新米先生だった私を会うたびに満面の笑顔で激励してくれた。
「先生は先生のまんまでいいんや。子供の顔を見たら分かる。みんな生き生きとしとる」といつも言ってくれた。


私が教員としてはじめてPTA役員会に出るとき1人の先輩先生から役員の皆さんに運動場の一画に砂をいれてもらえるように依頼するように言われた。

その運動場の一画については「なんでここだけこんなにえぐれてるんやろ?」と
私も気にはなっていた。

私はその先輩教員に尋ねた。
あの一画を埋まるのに必要な砂の量、そしてその費用についてだった。
しかしその先輩教員は「そんなことは保護者に任せたらいい。いつもそうやってやってもらってる。」としか言わなかった。

役員会当日、私は言われたとおりに役員のみなさんに話をした。

すると案の定、私に質問が集中した。
「どれくらいの量の砂が必要か」「その砂はどこからもってくればいいのか」「どうやってその砂を運搬するのか」「何人の人手が必要なのか」等々、、、

私は助け舟を求めてその先輩教員に目線を向けたが、彼は「我関せず」の表情を決め込んでいた。

その横顔を見て私は「またやられた」ことを知った。


そのときだった。
Kさんが声をあげた。
「先生!わし暇やからやっとくわ。任しとき。」
思わず私が「いいんですか?」と言うと「かまわんよ。次の議題にいこうや。早よ帰って一杯やりたいわ。」との即答で笑いまでとって、その場を和やかにしてくれた。

役員会の後、私はその先輩教員に詰め寄ったが『暖簾に腕押し』『ヌカに釘』だった。


翌日の昼過ぎ、私が2階の教室で授業をしていると、炎天下の中1人で軽トラ一杯に乗せた砂を黙々と運動場のえぐれた部分につめてくれているKさんの姿が見えた。
授業を中断して駆け寄っていきたい気持ちではあるが、そうもいかない。

その日の授業を終えて掃除の時間になってやっと私に運動場へ出る時間ができた。
しかしそのときにはもうすでにKさんの姿は無く、運動場はきっちり整備されていた。
これだけの量の砂をどこで用意したのか!
これだけの量の砂を1人で軽トラックに積んで1人で降ろすのは、どれほど重労働であっただろうか!
、、、それを考えると本当に申し訳ないことをしてしまったと痛感した。

私はKさんに電話をして丁重にお礼をいった。
電話の向こうでKさんは笑って「わしもたまには身体を動かさんとな。また何かあったら言うてよ。」と言ってくれた。

もちろんKさんは暇なわけではないことも私には分かっていた。
自分の仕事を後まわしにして運動場に砂を入れてくれたのだ。

いつも笑顔で話かけてくれたKさん。
しかし私にとってKさんといえば、あの黙々と軽トラから砂を降ろす汗まみれの大きな背中だ。

『言葉でも理屈でもない。人は背中で語るものだ!』それを私に教えてくれたあの大きな背中だ!

Kさんは覚えておられるでしょうか?
あれははじめての家庭訪問のときでした。
教壇に立ってまだ1ヶ月もしない私に、
県外からやってきて、だれも知る人のいないあの小さな島で生活をはじめて1ヶ月もしない私に、
「わしは難しいことは分からんけどこの島のことだけはよう知っとる。だから島で困ったことがあったら、わしでよかったら何でも相談してよ!おこがましいけど島での先生の親父やと思うてや。わしは子沢山やから1人くらい増えたってビクともせんけん!」
と言ってくれましたね。

今でもKさんは私にとって『島の親父』です!
これからもその大きな背中を追いかけますよ!
何の恩返しもできていない私ですが、その背中を忘れす追いかけることだけは続けます。
だからこれからも見ていてくださいね。






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最終更新日  2013.08.31 02:05:45
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