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2018.08.27
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カテゴリ: エッセイ
高校を卒業した私は電車で2駅・バイクで30分かからない場所で、Sは祭りのあった公園の近くにある場所で働きだした。

右も左も分からない世界でのバタバタが落ち着いて秋の足音が聞こえはじめた頃、私はある取引先の会社でSの小学校時代の同級生と出会った。
彼の話によると、Sは小学校時代いじめに遭っていた時期があったそうだ。

そのときSはひどい事をされても言われても、その相手に向かって
「なんでそんなことするんや。」
「なんでそんなこと言うんや。」と言いながら泣いていたらしい。

子供の無邪気さはときとして残酷性と同居する。
まわりの人間はそれを楽しむためにSをいじめた。

Sは毎日毎日「なんでそんなことをするんや。」「なんでそんなこと言うんや。」と言って泣き続けた。


「今から考えたら、あれはいじめられた悔しさやのうて、ひどいことをしたり言うたりする相手の行為が悲しかったんとちゃうやろか。」

私もそう思った。

そして私もSにそう言われた。
私もSにそう言わしてしまった。
あの高校最後のSの町の夏祭りのあの夜だ。

あの夜Sは私に「なんでそんなこと言うんや。」と2回言った。
私は2回言わせてしまった。

あれはSが私の言葉を、いや私自身を悲しく思っての言葉だったのだろう。
このときはじめて私はそれに気づいた。





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最終更新日  2018.08.27 02:28:18
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