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2018.10.05
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カテゴリ: エッセイ
20数年前の雪の夜、父が飲み屋が密集する雑居ビルの2階から地面に転落し救急車で脳外科病院に運ばれた。
かなり危険な状態と言われたが奇跡的に手術は成功し、5日後に父は意識を取り戻した。

担当医は「もううちでできることはないからすぐに退院してくれ」と母に告げた。
母はまだ手術の跡が完治していないので連れては帰れないと言ったそうだが、その担当医は一方的に退院期日を指定してきた。

それを聞いて担当医と話をしようと病院を訪ねた私を、父と同部屋に入院している男性の奥さんが呼び止めた。
彼女が言うには、あの担当医には何かを包んで持っていかなければならないとのことだった。
何かとは、ずばりお金だった。

彼女はご主人のために定期的にその『何か』をその医師に渡しているとのことだった。

事実彼女のご主人はかなり前に手術をしたらしいが、そのときはもうピンピンしていた。しかしその時点では退院日は未定とのことだった。


じつに【あからさま】だった。

その担当医は私には丁寧に接するが、ひとりでいるときの母にはそうではなかった。
勝手に指定した退院期日が近づいても『何か』を渡さない母に対してそのうち「そんなアホ(私の父)はそのまま治らへん。アホのまんまじゃ!」なんて言うようになり、実に【あからさま】にアタリがきつくなった。

その様子を連日悔しそうに電話で私に伝えていた母からある日、退院期日が2日延びた、たった2日とはいえ助かった、との電話があった。





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最終更新日  2018.10.05 03:15:47
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