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2021.09.03
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カテゴリ: 問題提起
右の頬を下に向けると必然的に左の頬が上に上がる。

三男の左頬は押さえつけられているコタツの骨組みの板の無い部分に持ち上げられる。
これでは次男に左の頬を殴ってくださいと言っているようなものだった。
まずいと思った三男はその頬の前に何とか左手を持っていった。
試験前日に顔にキズを負いたくなかったからだ。

しかしそれも裏目にでる。

その行為が三男の意図を次男に理解させてしまった。
「弱いくせに!」「えらそうにしやがって!」「ウジ虫!」と歯を食いしばったままの叫びを続けながら、次男は右手で三男の左腕に殴りかかる。

次男は三男を殴るときは必ず拳の中指を一段上に突き上げた。

同じ一撃でもより三男にダメージを与える方法を常に次男は考えて行動に移してきた。
彼はそれほど三男の存在が憎かったのだ。
三男にはその理由は分からなかったが、心から憎まれていることだけは理解できていた。

それまではなんとか動ける状態でその拳を喰らっていたので、何とか殴られる場所の角度を拳が当たる瞬間に変化させることでダメージを受け流していた。
それを可能にするために三男は目を閉じなかった。
もちろん拳をかわすこともできたが、それをするとさらに次男が逆上することも経験で知っていた。

ダメージを極力軽減させながら暴力を受け止めて次男が満足するまで我慢するのが最善の対処法だった。

しかし。
このときばかりは角度を変えることはできなかった。





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最終更新日  2021.09.03 01:19:15
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