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一夏5413

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2022.01.15
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カテゴリ: 電子書籍



夢中文庫セレナイト
著者:高遠すばるさん

「 「かわいいアデーレ、私と結婚してほしい」ーーコンラート・フォン・シュナイダーはアデーレ・フォン・マジュラムを嫌っている。ひそやかにささやかれている噂は純然たる事実であり、かつて兄のように慕っていたコンラートは、ある日突然、アデーレを嫌いだしたのだった。……なのに、どうしてこんなことをするの? 周囲の目もあるデビュタントでの求婚の言葉と、その空気にアデーレは応えるしかなかった。ーー不安な思いで彼の妻となったが、コンラートは今までが嘘みたいに優しく、アデーレを甘やかしてくるように……。昔のように穏やかな時を過ごすうち、アデーレはコンラートの役に立ちたいと思うようになって行動しようとするが……」
↑楽天ブックスよりあらすじ文引用


こちらも割と新しめの作品。
リンクは電子書籍ですが、オンデマンドのペーパーバック版(電子の約2倍の値段ですけど)でも発売されてるようです。
amazonのkindle Uniimited会員の方は読み放題対象の作品なため無料で読めます。
私はそちらで読みました。

嫌われてると思い込んでた自分に自信のないヒロインが、長年苦手としていた高スペックな年上の幼馴染のヒーローに実は溺愛されていましたというお話です。
恋愛ものではよくある展開と内容だと言ってしまえばそれまでなんですけど、エピローグは少々駆け足な気もしましたが限られた少ないページ数にしては上手く纏まってたと思います。


ここからネタバレと感想。


ヒロインの伯爵令嬢・アデーレは親同士が親友で長らく家族ぐるみで交流があり、若くして公爵家を継いだコンラートが苦手でしょうがない。
幼い頃は何くれと面倒見てくれて兄のように優しかったコンラートのことが大好きだったアデーレですが、いつからか彼は自分から友達を奪い、貰った贈り物の類も取り上げて周囲から孤立させられていたから。
でもそんな行動の後には必ずコンラートから代わりにと言わんばかりの高価でセンスの良いプレゼントがわんさかと贈られていましたが、そんなことされたって嬉しくもない。
いつしか貴族たちのお茶会などの催しではアデーレはコンラートに嫌われているとまことしやかに噂されるように。

序盤でもうコンラートの行為が、嫌っているどころかアデーレを好き過ぎて嫉妬故に周りを牽制していただけだとすぐ判るんですけど、如何せん当の本人の自己評価が低すぎる上に鈍かった(^_^;)
まあ、好きな子ほど虐めるって状況とも違ったし、友人すら作らせなかったのは多少やり過ぎ感はありますね。女友達にすら妬いてたか。
コンラートの妨害にもめげず孤独になりかけていたアデーレと友達付き合い続けていた令嬢・キティは、すぐ自己嫌悪に陥る彼女に「あなたは変わらずそのままでいいのよ」(意訳)とお決まりのセリフを吐き慰めますが、コンラートはそのキティとの友人付き合いこそ特に嫌がっていました。

そんな二人の関係が大きく変わったのは、貴族令嬢なら誰もが待ち焦がれるデビュタントの日。
アデーレの苦手意識をまるで理解していない親同士の話で当日のエスコートをコンラートにしてもらうと父から聞かされたアデーレは愕然とするも、娘の晴れの日の準備に盛り上がる両親にもはや何も言えず。
周りの視線が痛い中、華やかな会場で突然コンラートは片膝をつきアデーレに求婚。
思いもかけない展開に彼女もパニックになりかけますが、いくら親同士が親友でも家格的に自分から断るなんてもってのほか、しかもそんな空気じゃない。
かくして二人の結婚は決まりました。

盛大な結婚式を挙げ、シュナイダー家に移り住んだアデーレ。
伯爵家とは比べ物にならないほどの贅沢な生活に、教育が行き届いているのか気持ち良く尽くしてくれる使用人たち、そして次期宰相候補として忙しい中でも新妻を溺愛するコンラート。
最初は面食らいながらも穏やかな生活を過ごすうち、幼い頃の想いを思い出し彼のふさわしい妻になりたいと考え始めたアデーレは思いもかけない事件に巻き込まれ・・・・。


戸惑いながらも愛されることで、少しずつでも自分に自信を持ち始めるヒロインの身に起こる事件が何とも痛々しくて、ここからちょっと読むのが辛い展開なんですが、貞操は無事だったのが救い。

見るからに怪しく、作中でも特に注意してコンラートが近づけないようしていたキティがずっと恋焦がれていた彼の妻に収まったアデーレを恨んでやらかすんですけど、一番の友人だと思っていたキティの裏切りに当然相当なショックを受けます。
が、荒事に慣れているはずもないのに、謂れのない暴力に対して勇気を振り絞り必死の抵抗をするアデーレは、まだ10代の少女なのに随分成長したなぁと思いました。
愛は人を強くするとはよく言ったもので。

着ていた白いドレスが真っ赤に染まるほど殴る蹴るの暴行を受けたアデーレは浚われた彼女を必死に探していたコンラートに救出され、キティも現行犯で逮捕となり事件は幕を閉じます。
目を覚ました彼女に助けに行くのが遅くなったことを詫び、改めて愛してると告げるコンラート。
裏でアレコレ画策して外堀埋める前に結婚する前から愛を囁いてればアデーレも妙な気を回さなかったんですけどね、そこをキティに上手く付け込まれてたわけですから。
キティもコンラートにストーカーチックな勝手な想いを膨らませていた上に薬物で精神を蝕まれ嫉妬に輪がかかりアデーレに懸想していた兄を唆して事件を起こしたそうだけど、長らくアデーレを騙して自己否定させた挙句コンラートへの苦手意識を増長させるよう仕向けてたり、ホント女の妬みとは恐ろしい。


事件後ほどなくして宰相となったコンラート。
結婚してから大恋愛をしたというシュナイダー公爵夫妻の話は王国で登場人物の名前を変えた歌劇ともなり後世にも語り継がれたそうで。
(アデーレが事件に巻き込まれたのも民衆にはドラマチックに見えたのかな)
まあ、この辺は多少蛇足な気もしますが、この時代の娯楽と言えば歌劇や演劇とかだったろうし、きっと晩年まで国民の話題に上るほど随分と仲睦まじい夫婦だったんでしょうね。
ラストは三男二女の子宝に恵まれ、更には六人目を妊娠中のアデーレとシュナイダー家の賑やかな日常が描かれています。


97ページという短さでよくこの内容を纏めたなと。
その分、二人の結婚が決まる展開も早かったりするんですが、よくある設定というのが功を奏したのかも。読者にも分かり易いから余計な説明にページを割かなくてもいいですからね。
おかげでさほど時間もかからずさらっと読めますが、終盤ヒロインがかなり痛い目に合う(結構な重症だった模様)のでそういう展開が苦手な方はご注意を。

タイトルにある「冷徹公爵」と言う程、冷徹だったかなと思う節はありましたが、基本ヒロイン以外どうでもいいヒーローだったのと、犯人達には容赦なかったからな。

評価:★★★★
個人的には好きなお話でした。
気軽に読めるページ数なのも◎







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最終更新日  2022.01.15 22:43:45
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