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一夏5413

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2022.01.22
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カテゴリ: こはく文庫



2021年4月刊
くるみ舎・こはく文庫
著者:仙崎ひとみさん

「 母を亡くしたアリーシャは、父の後妻に虐げられている。針仕事を押し付けられ、クズ呼ばわり。後妻の連れ子で義姉となったクリスティーナからも意地悪されている。幼なじみの騎士フレデリックは親切にしてくれるものの、そのフレデリックもクリスティーナの婚約者となって、孤独な日々を健気に耐えていた。辛い時に思い出すのは、亡き父と母、それにヴィクターーーそうこの国の王である。4年前、父母とともに体調不調の国王を見舞った際、当時まだ王太子だったヴィクターと偶然出会った。戦で隻眼となり王位継承者として不適だと落ち込むヴィクターを、アリーシャは慰め、刺繍入りハンカチをお守りとしてプレゼントした。良き王になりたいと語るヴィクターに憧れを抱くアリーシャだったが、それはあまりにも遠い日のこと。今夜の国王の凱旋パーティに呼ばれることもない。だが、そのパーティから帰った義母と義姉から、国王から明日の催しに出席するよう命じられたと聞き……。」
↑楽天ブックスより、あらすじ文引用

例のごとくamazon kindle unlimited会員サービス読み放題対象作品で、そちらで読了。
今後もこはく文庫さんの感想が増えそうなため、カテゴリも電子書籍から分けていきます。


あらすじを見ればお分かりかと思いますが、まんまシンデレラストーリー。
そして、個人的な主観の<TL小説クソ家族ランキング>にて栄えある1位に輝いた母子が出てきます。こんな奴らに金と地位を与えちゃイカンばりのある意味テンプレな小悪党で、当然ざまぁ要員です。


ここからネタバレと感想。

公爵令嬢でありながら、母が亡くなりその後迎え入れられた後妻のケイトリンとその連れ子で2歳上の義姉クリスティーナに使用人の様にこき使われていたばかりではなく、毎日手酷く虐められる日々を過ごしているヒロイン・アリーシャ。
古参の使用人たちはアリーシャを不憫に思い、こっそり手を貸し、見つからないよう食事を取っておいて食べさせてくれたりと何かと助けてくれたけど、公爵夫人と令嬢に口出しできるはずもなく、いつも自分たちの力の無さを彼女に詫びますが、アリーシャはその気持ちだけで充分でした。

美しく優しい私たちの自慢のお嬢様が、と嘆くメイドたち。
数年前母が亡くなり、1年も経たずに後妻を迎えた父であるギルモア公爵ですが、その公爵も馬車の脱輪事故で死亡。父の存命中からも継母と義姉からのアリーシャへの風当たりは強かったけど、夫が亡くなるなり継母たちは好き勝手し始め、アリーシャから宝石やドレスを全て取り上げ、使っていた豪華な部屋から追い出した挙句に屋根裏部屋に追いやる暴挙に出ます。
当然、公爵令嬢への仕打ちではないと親戚連中からは批判が出るも、ケイトリンはアリーシャがクリスティーナを没落貴族の娘と苛め抜いており行儀作法もなってない、当主が亡くなった以上自分がアリーシャを指導しなければと。
嘘八百を並べて捲し立てて、飽く迄これは「躾」だと言うケイトリンの言葉に親戚たちも強く出れず、彼らの助けは望めない。
かくして、これがアリーシャの辛い生活の始まりでした。

もう序盤のこの時点で母子への印象最悪ですが、このすぐ後に熱い紅茶の入ったティーカップを投げつけ火傷を負わせて、食事を採らせる時間も与えないほど急ぎで夜会に持って行く用のハンカチへの刺繍2枚も用意させるなど、まぁ読者に植え付けるヘイト効果は抜群です。
因みに刺繍はヒロインの趣味であり特技。

ある日、長らく北方の平定のために出征していた国王・ヴィクターが凱旋し、4年ぶりに王宮へと帰還。それを祝しての祝賀会が数日間かけて行われることになり、ギルモア公爵家にも全員出席するよう招待状が届きます。
はしゃぐ義姉の着付けを手伝っていると、クリスティーナのエスコートにやって来たアリーシャの幼馴染であり侯爵家令息のフレデリックは、ケイトリンがアリーシャは留守番させると当然の如く言っていたので食って掛かります、上位貴族は全員出席とのお達しだったはずだと。
そんな彼にアリーシャは着ていくドレスも無いからと宥め、義姉のエスコートをお願いねと頼むのでした。両親を亡くしこんな生活になってからもフレデリックは変わらず優しく接してくれていたけど、それだけ。どうやら彼は義姉と婚約するらしい。
寂しい思いをしながら、屋根裏部屋に戻ったアリーシャはせめて一目ヴィクター様にお会いしたかったなと溢すのでした。

継母たちがスパートかけて来てますね。
この辺の継母たちは本家のシンデレラをモチーフにしてるのかな。そしてここから一気に好転していきます。

4年前、まだ母が存命中、先代国王が体調を崩しギルモア公爵夫妻はアリーシャを連れて王宮に見舞いに訪れたが、部屋に入れるのは夫妻だけでアリーシャは別室で待機となり、暇を持て余した彼女は城内を歩き回り案の定迷子に。
そこでアリーシャは片目を包帯で覆った青年に出会います。どうやら泣いていたらしい彼が心配で声をかける彼女に、まだ14歳の小娘な自分をレディ扱いしてくれた青年はヴィクターと名乗りますが、すぐそれが王太子だと気付き無礼を詫びるアリーシャ。
だが、彼は気にせず素直に泣いていた理由を尋ねる彼女に自分の事情と心情を語ります。
立派な王になるべく、戦場に赴き手柄は立てたものの片目を負傷し王位を継ぐものとして失格だと詰られ、国のために心血注いでいたのにこんなことで父の期待を裏切ってしまったと意気消沈していたのだと。
そんな彼に、生きて帰って来れたのだから片目のケガだけで済んで良かったと思わねば、いつか国王様も判ってくれますよと精一杯励ます彼女。
こんな自分と話したことで少しは気が楽になったのか、涙を拭う為に渡したハンカチをお守りにくれと請われ、自分は彼のハンカチを貰い親愛の証とした。

その後、国王は崩御。ヴィクターが次代国王に即位し、北方の平定の為に出征。
この度4年ぶりに王国へ帰還したと聞き、もうアリーシャとのことなど覚えていないかもしれないが、一目だけでもお会いしたかったと泣き疲れて眠りについた彼女は継母達の帰宅に叩き起こされ理不尽な罵詈雑言を投げつけられます。
同行していたフレデリックによればアリーシャを連れてこなかったことで、ケイトリン親子は国王に衆人環視の中で叱責されたらしい。
だからあれほどフレデリックもアリーシャも連れて行けと言ったのに、先ず王家からの招待状に記載されていた全員出席を無視するとかただのアホとしか。

翌日の海外からの特使も出席するパーティーには必ず連れて来いと念押しされ渋々了承したもののアリーシャに対しての怒りは収まらず、用意された彼女のドレスはクリスティーナのお下がりでガリガリに痩せてしまった彼女にはサイズが合わず、着付けられても何ともみっともない姿でした。というか、新しく買ってやる気が無いなら取り上げたアリーシャの持ち物から一式分だけでも返せばいいだけなのに、そんなにも彼女には目立ってほしくないのね。
おまけに、自分たちは豪華な馬車で迎い、アリーシャにはおんぼろ馬車で後から来させるとか、どこまで読者にヘイト意識を植え付けるのかw

当然、あんなドレスで出かけたアリーシャは門番に呼び止められた上に会場では周りからひそひそ言われ、居た堪れない思いから国王に一目会えたらこの場を辞そうと考えていると、いつの間に現れたヴィクターが目の前までやって来てファスーストダンスを申し込まれます。
ケイトリンが国王との間に入り、クリスティーナが正統なギルモア公爵令嬢だと訴えるも、ヴィクターは聞く耳持たず、一つもアクセサリーも付けずサイズの合わないドレスを着た酷い格好のアリーシャを見ると、王国の序列一等のギルモア公爵家の正統な血筋の彼女への無体な扱いを言及し叱責します。

自分を納得させられる理由が無いならそれ相応の厳罰を与えると告げると、踊り始めた二人は出会いの思い出話を語り、自分が遠征中にアリーシャの状況が激変していたことを知らず要らない苦労をさえたと詫びるヴィクター。
ただ会えただけで嬉しく、あの頃からお慕いしていたと答えた彼女を玉座近くまで連れて行くとヴィクターはアリーシャを王妃にすると宣言します。

家柄は申し分ないものの、さすがに突然の話で貴族たちから疑問の声も上がるも、ヴィクターが4年前の彼女の言葉で自分が救われたこと、その時から生涯の伴侶はアリーシャしかいないと決めており、相応しい男になるべく北方の遠征に出た。
そして彼女が18歳になったらプロポーズするつもりだったと明かすと、そんな二人の純愛に周りは一転祝福ムードで、異を唱える者はいませんでした。
その後すぐさまアリーシャは王宮に迎え入れられ、お妃教育を受けながら過ごした数か月後、二人は結婚し結ばれますが、ケイトリン親子は完全な逆恨みでアリーシャを憎んでいて・・・。

この後、あのアホ親子が何かするのかと思いきや、長ーい国王夫婦の初夜シーンを挟み、そこから更に3が月くらい時が経って、ケイトリン親子がヴィクター相手に騒ぎ立てているのを立ち聞きして、アリーシャが要らぬ誤解をするという何とも小さいやらかしでした(^_^;)
そこに付け込み、フレデリックが彼女に想いを打ち明け駆け落ちを提案するんですけど、今更どの口がと思ってたらヒロインもそう思ってた(笑)
現れたヴィクターが吐き捨てた、虐められてた彼女を傍観してただけなら何もしていないのと同じ(意訳)は、本それです。
家格が上の家の夫人や令嬢に早々口出しにくいのも判りますが、本当に好きならそれを推しても戦うべきだったよね。

アリーシャの誤解もヴィクターとの会話であっさり解け、ケイトリンが勝手にアリーシャ名義の公爵家の財産をほぼ使い果たしていたことが判り、窃盗と横領罪が適応され罰として公爵位が剥奪されていたらしく、どうやら今夜はその陳情に来ていたそうで。
一応は義理とは言え后の母親と姉であるため、言い分如何によってはと思っていたら相変わらずの嘘八百、おまけにアリーシャを侮辱してクリスティーナを王妃にしろと言ってきた。
爵位剝奪だけで済ませてやったのに、反省するどころかあの態度。
国王夫妻への不敬罪で国外追放の上、治安の悪い国への流刑を提案してきたヴィクターはアリーシャにあんな人たちでも父の選んだ人だからと懇願され思い止まります。
ここからまたラブシーンに突入するんですけど116ページしかない割に、拘りがあるのかラブシーンに随分ページ数使ってた気がする(^_^;)

エピローグでは国民に絶大な支持をされ大人気の王妃となったアリーシャがその後子供を産み、幸せに暮らしました的な〆でした。子供の性別は明かされておらず。


ヴィクターが良い男でしたねー。
外国の特使たちもいる中で自分たちの恋のなれそめを語って可愛い恋人を自慢する王。
大好物です( ̄ー ̄)ニヤリ 
なんというか、継母と義姉以外はほぼヒロインに好意的だった気がする。
そういえば爵位剥奪の憂き目にあったギルモア公爵邸の使用人たちはどうなったのか。
いい人たちばかりだったので、何かしらの救済があればいいな。ヴィクターが手を回してればいいけど。
継母達への罰はまぁ落としどころとしてはこんなものかなぁと。先ずヒロインが厳罰を望んでいないしね。
読み終わってよくよく考えれば、ギルモア公爵に女を見る目さえあればアリーシャがこんな酷い目に合わず、財産は食いつぶされ公爵位は剝奪の憂き目にもならなかったのでは?
一番の元凶はこの父な気がします。




評価:★★★★
不遇ヒロインものが好きな方には結構刺さるかも。





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最終更新日  2022.01.23 09:33:53
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