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一夏5413

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2022.01.29
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カテゴリ: ベリーズ文庫



ベリーズ文庫
著者:田崎くるみさん

「 大手家電メーカーで働くさくらは、実家のお店の常連である誠司に密かに憧れていた。店先で他愛ない会話ができる日々に幸せを感じていたさくら。しかし、二人の距離が縮まってきた矢先、彼はさくらの勤め先の副社長・村瀬誠司であることが発覚。身分の違いを憂い身を引こうとするが、誠司の溺愛は止まらず二人の関係は加速する。そんな中、誠司の長期海外出張中に、さくらの妊娠が発覚し…。」
↑公式サイトより、あらすじ文引用


約2年前の作品ですが、購入したのは去年の11月くらいだったかと。
地元の書店さんが結構ベリーズ文庫の既刊を揃えててくれてて、以前電子で読んで面白かった作家さんだったので手に取りました。
何でもベリーズカフェ総合ランキング1位を取ったお話だそうです。
サイト掲載時のタイトルは「ごめん、どうしようもないほどキミが好きなんだ」
個人的「タイトル、原題の方が良くない?」シリーズ2作目(笑)

まあ、タイトル詐欺って程でもないんですが、TL小説って作中何回か致してるせいか、ヒロインの妊娠・出産ENDが普通に多いんですけど、このレーベルさんは中盤で妊娠が発覚する展開だと大抵あらすじとタイトルとにぶっ込んでくるんで、多分一定数の需要があるんだろうな。


ここからネタバレと感想。


ヒロイン・猪狩さくらは大手家電メーカーの社員食堂で管理栄養士として勤めている傍ら、終業後は両親が営む弁当屋を手伝っています。そんなさくらには気になっている男性がいました。
仕事終わりがギリギリなのか、いつも閉店間際に急いでやってくる村瀬誠司。
手作り弁当の味を気に入り、常連になってくれた彼のために、この時間には先ず残らない日替わり弁当をわざわざ取り置き、彼が来るのを心待ちするように。
両親も娘の気持ちに気付いたのか、さりげなく村瀬に売り込むので焦るさくらでしたが、彼もまんざらではない様子で、ついに休日出掛けないかと誘われます。

長期出張があるから仕事が落ち着いたら改めて誘うという村瀬に嬉しい気持ちは山々だったけど、何故か複雑な心境になるのは村瀬が自分が勤める会社の会長の孫で副社長だと知ってしまったから。
村瀬に好意を持ったのは勿論彼の正体を知る前でしたが、それ以前にデートの誘いは単に社交辞令ではないのかと悶々とするさくら。
両親は村瀬さんはそんな人じゃないと思うとは言ってくれたけど・・・。

村瀬が二か月ほどの海外出張に旅立ってから2週間ほどたった頃、栃木で食堂を営む祖父がガンを患い、手術後は療養するそうで、これを機に両親は弁当屋を畳み祖父の世話をしながら食堂の跡を継ぐことにしたと娘に告げます。
成人して会社勤めのさくらは無論東京に残り独り暮らしとなるけれど、それより連絡先も交換していないのに店が無くなったら村瀬との連絡方法が無い。
人事部に尋ねようかとも思ったが一介の社員に副社長の連絡先など教えてくれるはずもなく。
幼馴染にも相談してどうしようと考えてるうちに時が過ぎ、村瀬が帰国する一週間前に昔なじみの商店街の面々と常連客に惜しまれつつ両親の弁当屋は店を閉めた。

帰国した村瀬は嬉々としてさくらの店に向かったものの、閉店のお知らせを見て茫然。
村瀬もさくらに好意を抱いており、所謂理想の女性で帰国したら結婚を前提とした交際を申し込むつもりでした。
こんなことならあの時先に連絡先を聞いておけば、と激しく後悔していると、秘書の山浦が副社長が仕事に打ち込めるようにと、さくら探しを引き受けてくれます。
結果、山浦の聞き込みの際、気のいい商店街の連中によりさくらの所在と事情はすぐに知れ、両親が祖父母の食堂を継ぐため田舎に帰ったこと、さくらは現在商店街近くのアパートで独り暮らしの上、驚くことに彼女は自社社員だと報告。

同じビルの社員食堂にいると分かり飛び出していこうとする村瀬を抑え、昼食の席を設けるから二人で話せと山浦に言われ、漸く再会を果たします。
そこでお互いのことを話し、さくらが自分が社員だと知ったら村瀬の態度が変わってしまうのが怖かったのだと胸の内を明かすとそれは杞憂だと分かり、後日約束通りデートすると案外子供好きだったり意外な村瀬の一面を知って益々彼に惹かれていくさくら。
帰り道で村瀬から告白され二人の交際がスタートします。

お付き合いは順調で、村瀬は栃木まで出向き改めてさくらの両親に彼女との結婚の許しを請います。人柄には好感を持たれていても、娘が勤める大手家電メーカーの副社長だったと知り両親は驚き、将来は社長を継ぐ村瀬との婚約に案の定両親は難色を示しました。
が、二人の意志が固いことと村瀬がさくらを守ると誓ったことで承諾します。さくらも村瀬の両親と会い、こちらからも認められ晴れて二人は婚約者となったのだけど、それを快く思わない者たちもいました。
村瀬の叔父で専務を務める勝次と幼馴染で社長令嬢の早乙女彩芽です。

彩芽は秘書課に勤めており、二人の交際を知るとさくらに対して地味な嫌がらせを仕掛けてきます。
これがねぇ、結構ムカつくやり方なんですよ。
まあ苦労知らずのお嬢さんだからこその方法なんですが、さくらは元より食堂のおばちゃんたちの怒りを買って言い合いに発展、騒ぎを聞きつけた山浦に彩芽が叱責されて事なきを得るも、彩芽はまだ何やら企んでるようでさくらを敵視し続けます。

さくらは村瀬には黙っていてくれと山浦に騒動の口止めをしますが、村瀬がまた海外出張に出かけていたある日、さくらの妊娠が発覚。
診察を受け母子手帳の交付をしに役所に出掛けた際に運悪く彩芽に遭遇して妊娠がバレた挙句罵られたさくら。不味いことになったと思いつつ、それより彩芽に言われたようにまだ婚約中なのに先に妊娠したことで村瀬に迷惑をかけないかの方が心配になるのでした。
加えて専務からも身分違いの結婚だとネチネチ言われる始末。

正直、好きな人に婚約者が出来てその人が妊娠までしてたら、嫌がらせや罵られた程度で別れるわきゃないだろうと思うし、さくらを責めるのもお門違い。
でも、彩芽も何か意趣返ししないと気が収まらないとこまで来てるんだろうな。
専務については、うっせーわこのおっさんって感じ。

さくらの不安を他所に帰国した村瀬に妊娠を報告すると彼は大喜び。だと思った。
二人で話し合い、さくらの意向で働けるギリギリまで栄養士として勤め、その後退職すると決めた。
そんなある日、彩芽が食堂で妊婦が作った食事なんて悪阻で吐いてたら不衛生だしこんなの食べさせる気か(意訳)と、世の妊婦さんに喧嘩売るようなセリフで騒ぎを起こし、社員たちも釣られてざわめき出した頃、山浦から報告を受け飛んできた村瀬が現れ彩芽を諫めます。追い詰められた彩芽の自分への気持ちを知った彼は妹みたいな存在で今更恋愛対象として見られないと詫びます。
そして、その場にいる全員の前でさくらと婚約しており入籍も近いこと、彼女が自分の子を妊娠していることを告げ頭を下げるとその真摯な態度に一転して周りは祝福ムード。かくて二人の関係は全社員が知ることとなりました。

ここまで行っても専務はさくらとの結婚に異を唱えていましたが、実は彩芽の父の会社との繋がりを持ちたかったのと、自社製品の情報漏洩もしていたらしい。
だが、村瀬とその父である社長にその不正がバレて地方支社に飛ばされたことで、二人の結婚に絡む一連の騒動も幕を閉じます。
大体親が認めてんのに横から叔父が甥の結婚に何度も口出してれば不振に思われて当然よな。

数年後、子供が歩けるようになってから式を挙げた二人。
彩芽からの詫びと祝いの言葉が綴られた短い手紙を読み涙するさくら。
あの子も根は悪い子じゃなかったのは良かった。

更に数年後、第二子を妊娠中のさくらと賑やかな村瀬家の一コマで了。


あらすじに身を引こうとするという一文がありますが、そこまで大事にはなっていません。
叔父が小悪党だったくらいで、妊婦さん達への偏見と暴言は許せませんが、その他の彩芽の嫌がらせも可愛いもんです。食堂のおばちゃんにやり込められてるくらいだし、上司の叱責も受けたからな。
それに大勢の前で想い人にフラれたのが相当の罰だったと思います。
このレーベルさんにしては厚めの本ですけど、読みやすい文面でさくさく展開も進みます。
あと、村瀬が良い男なんですよ~。さくらが羨ましい。


評価:★★★★★
さすがは総合ランキング1位作品、割と日常的なお話なんですけどその分共感もできるので話に入り込みやすく、何より面白い。商店街の面々やヒロインの幼馴染二人もいいキャラしてた。
現代TLものとしては一番のおススメかも。









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最終更新日  2022.01.30 16:41:34
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