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一夏5413

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2026.07.08
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カテゴリ: ベリーズ文庫

2026年6月刊
ベリーズ文庫
著者:にしのムラサキ(敬称略)
仕事で自衛隊基地を訪れたシングルマザーの明優。なんと娘の父親である航空自衛官・駆と再会する。妊娠発覚直後、明優はある事情から逃げるように姿を消した。なのに駆は執愛滾る笑みを浮かべ、「待ってたよ。俺は君なしでは息もできないんだ」と言ってきて…!自分の元へ戻ってくるよう仕組んだ彼を怪しんでいたがー「死ぬまで離さないって言ったろ?」執着の裏に隠された底なしの一途愛が明らかに!?


登場人物
 羽村明優=家族の協力を得ながら子供育てるシングルマザー。
  天瀬駆=明優の元カレのエリート航空自衛官。
 羽村美空=駆と明優の娘。
 天瀬聡子=駆の再従姉。



実家で二歳の娘を育てながら在宅SEの仕事をしている明優は、大口の仕事が入ったからと本社から都内にある航空総隊に赴くよう頼まれ上司と現地へ。
妙に胸が騒ぐのはここが航空自衛隊の本部だからだろうか。
でも飛行機が置いていないし、あの人はいないわよね?
仕事の打ち合わせを終えると、見計らっていたようなタイミングでこのプロジェクトの指揮官が明優に会いたいと明優一人だけ別室に呼ばれることに。担当者が天瀬一尉と声をかけているのを耳にして彼女は肩を落とした。入るよう促された明優はかつての恋人・天瀬駆と対峙していた。


当時、転勤で福岡の会社に勤めていた時に知り合い、そのひと月後に彼からの告白で交際をスタート。三ヶ月後には同棲もしていた。美空を授かったのもその頃のこと。
毎日が幸せだった。しかし、ある日突然彼女はある選択を迫られることに。
会社が吸収合併され、新たに赴任したCEO夫妻は天瀬と名乗り、明優を呼び出すと駆と別れるよう命じたのだ。当然突っぱねたが、兄夫婦は放置しているが甥っ子は大事なうちの後継でね。酷薄な笑みを浮かべたCEOは「だから、判るね?」と猫なで声で問いかけた。
実家とは縁を切っていると以前、駆から聞いてはいた。
もう戻るつもりはないし、結婚してもわざわざ知らせないと言っていたのも今なら判る。彼は心底実家の面々を嫌っていたから。何なのこの人達。終いには金が欲しいのか、とバカにされて流石の明優もブチギレ。聞く耳持たずにいたら最後の手段とばかりに仲の良い社員達全員減俸にすると宣言。しかも駆に航空自衛隊を辞めさせることもできるとほのめかされ、とうとう明優は折れたのだった。
自分への嫌がらせより、他人への害の方が効果があると見抜かれてしまった時点で彼女に勝ち目はなかった。駆のことなら特に。結局、妊娠を告げられないまま一人東京に戻った明優は実家に身を寄せた。詳しい住所は教えてないから駆も探しようがないだろう。
そう思っていたのだが、思いがけない縁でこうして再会してしまうとは。

制服姿の彼を見てまだ自衛官を続けていられたことに胸を撫で下ろす。
ふいに抱き寄せられて目を丸くしていると、もう大丈夫だからと囁かれた。全部片付いたと言うけれどどういうこと?なんと駆は美空のことも知っていた。それにこうして仕事を依頼し、呼び出したと言うことは彼は何もかもお見通しだったのだろう。
色々話したいことがある。そう言われて彼女は頷いた。

日を改めて対峙した彼が語ったのは天瀬家のお家騒動について。

総帥の意向ならと周囲も黙っていたのだが、三年前に当主が急死。遺言には駆を後継にという文言と全財産の贈与と記載されていた。そしてもし駆が放棄するならばその妻と子に権利を委譲すると。
駆は放棄するつもりだったのだが、そうなると明優と美空に財産と後継の話が行ってしまう。焦ったのは親戚達だ。それでCEOたちがあんなことを・・・。
CEOは総帥の妾の子だそうで、いくつか会社は貰ったが、総帥にはなれないことを長くコンプレックスに思っていたらしい。そこで自分達が後見している遠縁の娘・藍那を駆に嫁がせようと明優の排除に動いていた。そういえば、CEOとの話のあと、若い女性の声で駆と別れろと電話で脅されたこともあったっけ。その時はもう身を引くつもりだったから・・・。
明優が姿を消した後、すぐに彼は天瀬家の誰かの仕業だと気付いたらしい。先ずは父親に確認を取り兼ねてより握っていた弱みをチラつかせて手出しを禁じると、再従姉の聡子に連絡。
優秀ながら女ということで外部の会社に追いやられていた聡子に総帥にならないかと持ち掛け、協力を得た。その後、叔父夫婦と藍那の裏を掴み報復を果たした頃には明優が姿を消してから一年以上経っていた。


想像以上内容に明優も茫然。
天瀬財閥ともなると受け継ぐ側も大変だ。しかも知らない間に自分と美空も相続者になる所だったなんて。駆によれば、次の総帥は彼の再従姉の聡子が継いだそうで、もうバカな騒ぎは起こらないはずだと言う。多分、漸く後顧の憂いが晴れたからこうして彼も会う決心がついたのだろう。
そして俺を守ってくれてありがとうと頭を下げられ明優は涙をこぼした。
もう一度やり直したいの言葉に頷いたが、問題は美空のこと。パパがいると言ったことが無いのでどう反応するか。
二人で実家に帰ると家族は復縁を喜び、駆を歓迎。実はずっと養育費も貰っていたのだと母から聞いてビックリ。内緒にしてくれって頼まれたから、でももういいわよねと笑う母に苦笑しつつ、ずっと守られていたんだなと自覚する。そうするうちに弟がお迎えに行っていた美空が漸く帰って来た。
だが、娘は見知らぬ男性である駆を激しく拒絶し・・・。


財産狙いの親戚のせいで離れ離れになっていた恋人たちの復縁ストーリーです。+シークレットベビー。叔父さんも色々嫌な目に遭ったのかもだけど、明優を虐めたことで駆の怒りを買って立場を失くしていました。ここでやめときゃいいのに、しつこく藍那をけしかけ明優を脅す始末。
しかし、母になった明優は強かった。何であなたたちの言うこと聞かないといけないんですか?と逆に返され、ぐぬぬとなってるところに乗り込んで来たのは駆と聡子。
いい加減にしときなさいと叱責を受け、連れて行かれます。
一方、駆を毛嫌いしていた美空もだんだん打ち解け、やがて彼を「ぱぱ」と呼ぶように。十年後くらいを描いたエピローグでは、天瀬家の賑やかな日常が描かれていました。
書き下ろしの番外編は新婚時代の二人のお話。
金持故のゴタゴタは額が大きいだけに巻き込まれた方も大変で、明優ちゃんはホント、頑張った。キャラとしてはアニメキャラが初恋で以降恋が出来ないと言う聡子さんがお気に入りです。
総帥になった途端、製作会社を買収したと言うオタクも極まれりなことしてる辺り、そう言えば数年前に某国の王族が資金を出して製作したロボットアニメがあったけなぁと思い出しました。


評価:★★★★☆
叔父さん、諦めわるすぎぃ





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最終更新日  2026.07.08 15:08:59
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