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一夏5413

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2026.07.20
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カテゴリ: ティアラ文庫



2025年4月刊
ティアラ文庫
著者:真波トウカ(敬称略)
転生先で皇帝ラーシュから突然求婚されたシルヴィア。娘に『悪女教育』をしろと言われ戸惑うけれど、彼女が前世に読んだ小説の悪役令嬢だとわかり!?断罪の未来を阻止すべく、奮闘していたら「愛するつもりはない」と冷徹だった夫に変化が…?「お前の蕩けた顔もかわいい」優しく気遣われながらの愛撫。奥深くまで繋がれば、幸せに満たされー。孤独な氷の皇帝の雪解け愛!
​     ↑楽天ブックスよりあらすじ引用

登場人物
 シルヴィア=王子を誑し込んだ悪女として国外追放になった男爵令嬢。
  ラーシュ=ローガイル帝国皇帝。シルヴィアを妃に迎える。
   アリス=ラーシュの義娘。
アンジェリカ=ラーシュの妹。公爵家に降嫁した。



第一王子の誕生日祝いのパーティーの夜、ルースト男爵令嬢・シルヴィアは国外追放を言い渡された。どうやら私は第一王子を誑し込み、かなりの額を貢がせていたらしい。

それは拙いわ、だって私、ここがどこかも判らないんだもの。

中世ヨーロッパ風の装いの人達、シルヴィアと呼ばれた自分も豪華なドレスを身に着けている。もしかしてこれも王子に強請って買ってもらったのかしら。
しかも、手玉に取っていたのは王子だけではないらしい。弟の証言によれば他数名からも貢がせその見返りにただならぬ関係を続けていたのだと。森野舞子だった頃は奥手で初めて出来た彼氏も深い関係になる前にフラれていた。そんな自分が恋多き悪女とは。
とにかく、私は異世界転生とやらをしてしまったらしい。見覚えのない罪で裁かれるのは悲しいけれど、国外追放で済んだだけマシだと思わなければ。
この断罪劇で初めて自分が騙されていたと知った王子はさめざめ泣いていて、足元には彼が用意していたらしい大粒のダイヤモンドの指輪が転がりシャンデリアの明かりを受けてきらめいていた。
なんか、ほんとごめんなさい。

兵士の一人がシルヴィアの手を引き連れ出そうとしていると、それを止める声が。彼女は我が国へ連れ帰る。そう宣言したのは大国ローガイル帝国皇帝ラーシュだった。
しかも、なんと彼はシルヴィアを自分の妃にするつもりらしい。
必死に止める宰相の言葉に効く耳持たず、なんと彼は王子がショックを受けて落としたあの指輪を拾い上げ、シルヴィアの左手薬指に嵌めるとニヤリと笑んだ。

数日後、シルヴィアはローガイル帝国皇宮にいた。
あの指輪の件と言い、どう考えてもシルヴィアに惚れて求婚したとかでないのは判る。一体何のつもりでこんな悪女を迎え入れたのか。

ガウン姿の彼を見て、まぁ一応するつもりはあるのね。内心がっくりしながら身体を固くしていると。その前に話があると言う。
ラーシュが告げたのは娘の教育をシルヴィアに任せたいのだそう。
しかし、皇女ならば専門の教育係がいるはず。一介の男爵令嬢に教えられることがあるとは思えない。疑問に思っていると、お前に教えて欲しいのは悪女のたしなみだととんでもないことを言い出した。
とにかく娘には図太く強かになってもらいたい。
その内容にシルヴィアはポカン。この人正気?


しまったと思っても後の祭り、あの夜以来ラーシュとは顔を合わせていない。
そんなある日、彼女は庭園で皇女・アリスと遭遇。
その容姿と名前で、漸くここが前世で愛読していた「恋と情熱のセレナーデ」の世界だと把握。でもこの子が。年齢を聞いたらまだ十歳だと言う。物語のアリスは十七歳だったから、物語の始まる前の世界か。でもこの子、こんなに大人しいのに七年後にはヒロインを虐めその恋を邪魔する悪役キャラになるのよね。しかも色々やり過ぎて処刑されてしまう。
もしや、シルヴィアの悪女教育のせい!?
ラーシュの依頼でそのまま悪女たらんと教え込まれた結果があの最後なら可哀想すぎる。全く何考えてんのよ、あの男。可愛い娘が死んでもいいわけ?
一層怒りを募らせたシルヴィアはアリスの手をガッシリと握ると先日輿入れして来た皇妃よ、仲良くしてねと微笑んだ。

中庭から聞こえる笑い声に目線を向けるとシルヴィアとアリスが楽しそうにおしゃべりしている。仲良くなったのはいいが悪女教育しているようには見えない。
男爵令嬢風情が多くの高位貴族達と関係を結び、第一王子まで篭絡していたと聞いて正直驚いたが、その強かさは大したものだと思う。その図太さがアリスにも備わればあの子もビクビクすることはなくなるだろう。シルヴィアを皇妃に迎えたのはそれだけの理由だ。まぁ、見返りとして国母に位はしてやってもいい。そう提案したら最低だと拳で殴られた。全く何が気に入らないんだ。
アリスを懐柔してどうするつもりだかしらないが、警戒するに越したことはない。幼少時に毒殺されかかってからというもの、ラーシュは他人を一切信じられなくなっていた。

少し厳し過ぎやしないかしら。
教育係のカミラは皇女と言えど容赦しなかった。
皇族は強大な魔力を持つ者が多く、ラーシュとアリスは氷魔法を使う。
自在に使いこなせるよう習うのは当然の授業だが、問題は教え方だ。口出ししないと言う約束で見学しているシルヴィアはイライラ。同じ授業を受けているアリスの従兄弟イクセルばかり褒められて彼女は落ち込んでいる。そのあとお茶の時間にアリスが自主練したいというので付き合い、なら自分もとわずかに使える土魔法の練習を始めた。おかげで簡単なアレンジ法も覚えてご満悦。
数日後、今日も二人で自主練に向かうと訓練場が妙に暑い。
不思議に思いつつ、足を踏み入れると火柱が上がり二人を包み込んだ。
何とか土魔法でドームを作りその中に逃げ込んだものの、アリスを庇いシルヴィアはあちこちにやけどを負った。ドームを維持するため魔力を使い過ぎ眩暈を起こしたシルヴィアは倒れ込む寸前誰かに抱き留められていた。

目を覚ますと自室のベッドでラーシュが付き添っていた。
なんと自分は数日間眠っていたらしい。
ラーシュの話によれば酷い火傷を負ったが治癒魔法が効いて暫くすれば完治するそう。失神したのは魔力が枯渇したから。どうやら火柱を発見した彼が氷魔法で火を鎮圧。アリスとシルヴィアを救出したのもラーシュだった。素直に礼を言えば、その前に謝らせてほしいと彼は立ち上がるといきなり土下座した。
呆気に取られていると、君のおかげで兄の大事な忘れ形見を守ることが出来たのだと、自らが産まれてからと言うもの、この皇室で起きた事件を語った。
元々、この皇族は暗殺が多かったのだそう。
かくいう自分も毒殺されかけ、毒見後以外の食事は受付なくなり家族にも気を配った。だが、ラーシュの兄である先帝とその妃が毒殺された。犯人は料理人夫婦ですぐに逮捕され処刑になった。
一人になったアリスを養子にし、迂闊に他人を信じるなと教え込んだ。図太くしたたかに生きろと。彼に話を聞いてなるほど、悪女になれってそういう意味だったのねとシルヴィアも納得。
でも、それじゃダメなのよ、ラーシュ。
確かに強さも必要だろう、でもまずはアリスを信じ愛してあげなきゃ。
素直に意見を述べれば彼は理解不能と言った表情。だが、君のことなら信じられる。そう言って俺はこれから君を心から愛そうと思う。
またなんか変なこと言い出したよ、この人。
信用してくれるのはありがいが、何か極端なのよねこの人。
今もおかゆを手ずから食べさせようとシルヴィアに口を開けるよう促している。
仕方なく口を開け受け入れ、犯人に心当たりはあるのかと尋ねれば、渋い表情で降嫁した妹かもしれないとポツリ。ああ、イクセルを王位に就けるため?
教育係のカミラの態度からして、秘密裏にそう言い含められているのかも。
氷の大地を炎の力で切り開いたと言う建国神話があるこの国には炎魔法使いの皇族が皇位を継ぐべきと主張する赤のイニティウム教団がある。そこがラーシュの妹・アンジェリカを焚き付けていたとしたら?
アリスの為にも、シルヴィアは自分も調査に協力すると申し出て・・・。


悪女に転生した主人公と他人を信用できない皇帝のお話です。
子育てものでもあるので、人気ジャンルのいいとこどりの内容になってます。
そんなヒーローとヒロインが、とある教団の調査に乗り出します。
果たして本当にラーシュの妹は教団と結託してアリスを狙い、実の兄をも殺そうとしているのか?しかし、調べが進むうちに意外な事実が判明して、という展開です。
結果的に、ラーシュの身内は全員シロだったわけですが、モブかと思ってたキャラが内通者で先帝夫妻の殺害にも関与していたのが判ってビックリ。正直、このキャラは数ページの出番かと(^_^;)
色々ハプニングに見舞われながらラーシュを意識し始めるシルヴィアは最後は彼を受け入れ、エピローグではすっかりラブラブ夫婦に。
子どもも授かり、アリスを交えた皇帝一家の日常が描かれて物語は幕。
大筋は結構シリアスなんですけど、コミカルなやり取りも多く面白かったです。


評価:★★★★☆





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最終更新日  2026.07.20 12:14:03
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