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一夏5413

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2026.09.06
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カテゴリ: その他ノベルス


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2025年7月刊
BKブックスf
著者:茨木野(敬称略)
​
魔法が全ての国において魔力を持たずに生まれたレイ・サイガは「無能令嬢」と言われ、家族からも周囲からも虐げられる毎日を送っていた。ある日、サイガ家に縁談が舞い込むが、その相手は【極東の悪魔】と呼ばれる悪名高い男、一乗寺護だった。レイを良く思っていない父は、義妹・アリアルの身代わりとして一乗寺家へ嫁ぐことをレイに命じる。レイは地獄のような家から抜け出したい一心で縁談を受け入れることを決意する。しかし、恐ろしい人物だと噂されていた護は意外にも温かく優しい旦那様だった!?そして護との出会いにより、魔力がないはずのレイにある力が秘められていることが判明し、彼女の生活は大きく変わっていくー。
​     ↑楽天ブックスよりあらすじ引用

登場人物
   レイ=西の大陸の伯爵令嬢。
      魔力を持たないため無能令嬢と呼ばれている。



魔法が全ての西の大陸で魔力を持たず産まれたレイは、伯爵家の長女でありながら家族から虐げられていた。いつもは屋敷の離れにある物置小屋で暮らしているレイだったが、今日は珍しく母屋に呼び出された。久しぶりに会う家族。一体何の用だろう。また理不尽な理由で暴力を振るわれるのだろうか・・・。しかし、父から発せられたのは極東の華族に嫁げという意外な言葉。

どうせもう決まったこと。それにここで生きていくのも疲れた。無能を産んだからといじめられ続けながらも母はいつも自分を守ってくれていた。その母ももういないのだ。
この縁談、謹んでお受けいたします。そう言って彼女は深々と頭を下げた。

極東までは十日ほどの船旅になる。
一乗寺家からの支度金を両親は一銭たりともレイに渡さず、船賃は母の形見を売って工面する羽目に。そうして十日目の朝、極東の港が見えて来た。長く鎖国をしていた国らしいが一体どんな所なんだろう。着いたら一乗寺様のお屋敷を探さなければ。だが、船が突如現れた魔物に襲われ、レイも海に落ちた。流されそうな船員を何とか助けようとしているとそこに一人の青年が飛び込んで来て魔物を倒した。そして青年によって二人は救われなんとか港に着くことが出来た。
あんた、もしかして!
レイの瞳の色ですぐに西の大陸の者と判ったのだろう。サイガ伯爵のお嬢さん?助けてもらった礼の言葉を遮られたものの、彼が一乗寺護と名乗ったのでビックリ。この方が。
あんた勇敢だな、しかもあの海坊主のこと見えてたんだろ?
うみぼうず、あの魔物のことだろうか。勇敢かはともかく魔物の姿がはっきり見えたのは確かで、おずおずと頷いた。見鬼の才があるのは珍しい、そう言った彼の話では大抵の人間は魔物を視認できないらしい。それに、俺に触れられる者は母以外に居なかったとなんだかとてもうれしそう。

極東には魔法の概念自体が無いのだそう。その代わりに異能力を持っており、力の強い者たちがこの国を守護している。護は「霊亀」という異能で最強の盾を展開し戦うらしいのだが、強い力にはリスクもある。常に体の周りにバリアが張られている状態で他人との接触が困難なのだと。なのに、あんたには触ることが出来た。凄いな、見鬼の才だけでなく「異能殺し」の力もあるなんて!
聊か興奮気味の彼に圧倒されつつ、自分は魔力を持たない無能であると打ち明けた。出来損ないがこの人の妻になんて烏滸がましい。父の話では護は「極東の悪魔」と呼ばれているそうだが、それも強すぎる故の異名なのだろう。こんなに良い方なのに。

しかし、彼女の告白に護はきょとんとして、確かに魔力は無いのかもしれないが異能力を二つも持ってて無能なわけないだろう。自分を卑下するなと卑屈になっていた態度を窘められた。

護が来ているからと助けを求めて来た市民が連れていた女児は妖魔に噛みつかれたままぐったりしていた。護の力で妖魔は祓えたが体内に毒が残り女児は痙攣。それを心配そうに見ていたレイが無意識に女児に触れるとその身体が光りを帯びた。少しするとけいれんが治まり女児は目を覚ましたのだった。
感謝しきりの女児の家族の様子に戸惑っていると、多分「異能殺しの力だ」と護がポツリと呟いた。自分にこんな力があったなんて・・・。
俄かには信じられないけれど、何だか救われた気がする。

一乗寺の屋敷には沢山の寄生型異能者がいた。
妖魔に寄生された者はその力を使える代わりに異形に変化してしまうと言うリスクがあると言う。レイの世話係に任命された朱乃は鬼を身体に宿し、年頃の娘とは思えない体格と容姿をしていた。本人もそれを気にして顔を隠して生活していると聞き、居た堪れなくなる。

数刻後に戻った護たちも驚いていて、これも「異能殺し」の力なのか?と茫然。数日後、レイの異能を調べることになり、結果判ったのはレイにはザシキワラシとトウテキという万象を消すと言われる妖魔の力があることが判明。異能力の高さも護の亡き母・守美以上と判り、レイの身辺警護をすべきと皆の意見も一致した。他の五家に狙われる可能性があるからだそうだが当人はピンと来ていない。
寄生型の能力を安定させるなんて、レイの力は本当に「異能殺し」なのだろうか、これはもっと詳しく調べる必要がある。護は伝手があるからと専門家に頼んでくれると言い、その間に自分でできることを、とレイは屋敷にいる寄生型能力者すべてを治療。力が安定したことで彼らは皆人と変わらない姿を取り戻し、彼女に感謝した。

亡き母が苦しんでいた姿を思い出し、困っている人を放っておけない気性の彼女はあちこちで人助けに奔走。やがてその活躍は極東の王の耳にも入った。
王城に招かれたレイは先祖返りで妖魔ハクタクに侵食されかかっていた国王を救うことになり、その褒賞として「大能力者」の称号を得た。
それから暫くして、護の友人・四月一日百春の検査によってレイには三つの異能があることが判り・・・。


不遇ヒロインが嫁ぎ先で才能を開花させ愛情も信頼も得ると言うシンデレラストーリーです。しかしながら、ほぼヒロインのアゲアゲ展開なのでヘイト部分は序盤のみ。それと、作中色々匂わせだけして全て中途半端なのがちょっと。どうせなら幸運をもたらしていた娘が去って後悔しきりの愚かな家族の断罪話とか、どれか一つでも解決して欲しかったなぁ。
ラスボスらしい「白面」は、行方不明(?)らしい護の父親じゃないかと踏んでるんだけど、どうなんだろう。総合的に見て、設定とかは面白かったんですが、色々と惜しいお話でした。
続編が発売されたらまた印象は変わるかも。


評価:★★★☆





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最終更新日  2026.09.06 16:00:43
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