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一夏5413

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2026.10.11
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カテゴリ: スターツ出版文庫


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2026年9月刊
スターツ出版文庫
著者:野口ひよら(敬称略)
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科学オタクの転生女官・麗麗は、美貌の宦官・冥焔と共に後宮の謎を解く毎日を送っていた。そんなある日、隣国から新たな妃・甜甜がやって来る。彼女はなんと、麗麗と同じ転生者だった。愛らしい容姿と笑顔、そして巧みな話術を持つ甜甜は、瞬く間に後宮の人気者に。しかし、なぜか麗麗だけを執拗に敵視する甜甜。影で巧妙に嫌がらせを行い、あたかも麗麗が悪いかのように悪評までを立てる始末。さらに同時に、後宮内で不可解な事件が多発し始め…。冥焔と共に調査を行う麗麗は、事件の裏にはいつも甜甜がいることに気づきーー。
​     ↑楽天ブックスよりあらすじ引用

登場人物
  麗麗=後宮の下級女官。科学オタクだった前世の記憶を持ち、冥焔と共に後宮
     で起きる怪事件の謎を解き明かしていく。
  冥焔=麗麗とコンビを組んでいる宦官。
     その正体は、早逝したと言われている先帝。
  甜甜=焱国の従属国・霜からやって来た仙術使い。後に徳妃になる。
  瑛琳=麗麗の主で四夫人の一人。
  恩雲=焱国皇帝。麗麗に「ガリレオ」という称号を授けた



わざわざ冥焔が呼びに来たということはまた怪異か。

一先ず、入り口や窓に日光を遮断する布を付けるようアドバイスして殿を出た。

後宮への帰り道、冥焔から従属国の霜から朝貢のため使節団が来訪すると聞かされた。一応、従属国の形を取ってはいるものの、昔から色々因縁がある国らしい。所謂招かれざる客ってことか。含みある話に麗麗は納得した。従属国らしく貢物を持参したという名目で痛くもない腹を探られるのは業腹だ。だから、あの手の騒動は早めに解決したかったとも。確かに凶兆が出たなんてのは折り合いの悪い国に知られたくないだろう。

わざわざこんな寒い時期に来なくても・・・。
元々、霜は雪国で雪深くなる前にとの判断なのかもしれないが、遥々数十日もかけてご苦労な事で。慣れない巫の衣装を着せられた麗麗は冥焔共々、皇帝の後ろに控えていた。
霜一の仙術使い・甜甜の使うのが本当に仙術なのか見極めろと命じられたが、挨拶代わりにと披露されたそれはどちらかと言えばマジックに近い。ある程度器用で薬品に詳しければ可能。
あの煌びやかな衣装も手元に注視されないための目くらましだろう。
でもまぁ、見慣れない焱の者たちには充分仙術に見えているはず。
それにしてもあの甜甜が妃として主上に献上されるとは。
現状、空席となっている徳妃としてどうか、と霜の使節団の責任者にゴリ押され、受け入れないわけにはいかない。皇帝に代わって「ありがたく」と答えた冥焔はどことなく不機嫌に見えた。

実のところ、甜甜を徳妃に、という打診は霜から前以てされていた。
しかも、あの歓迎の宴では、もうじき奉納祭でございましょう?ならばこの甜甜は必ずお役に立つはずとまで言って来た。徳妃の不在と奉納祭、なぜ霜はそうまで焱の後宮に詳しい?

恩雲と冥焔の叔父に当たる玄策は大罪人でありながら逃亡し現在行方知らずになっている。恐らくどこかの国に潜んでいるはずだ。それが霜だとしたら?
甜甜もきっと何か言い含められているだろう、仙術使いと言うのも厄介なのに妃に迎えねばならないとは。麗麗の検分によりあれは手妻(奇術)だと報告されているとはいえ、何か他に隠し玉を持っているかもしれない。恩雲は、霜から付いて来た女官は全て帰国させ、麗麗を甜甜の宮に送るよう指示した。しかし、冥焔はそんな危険な宮に、と反対したが、あの女の見張りには麗麗が最適解なのと、何より主上の命だ。聞き入れないわけにはいかなかった。

女官が全て帰国してしまったので甜甜が賜った宮には世話をする者がいない。なので、他の宮から数名ずつ一時的に派遣されることになった。瑛琳妃の所からは麗麗と雪梅。ムードメーカーの雪梅は頼もしい先輩だ。冥焔からの命で自分は仕事をしっつ甜甜の監視もこなさなければならない。
この人、ちょっと得体が知れないんだよなぁ。
あの宴の帰り道、冥焔が立ち去った後、宮の前で待ち伏せされていきなり「あなたも転生者なのでしょう?」と話しかけられて面食らったものだ。でも、冥焔をイケメンと称してた辺り、本当に彼女も自分と同じ転生者なのかもしれない。一先ずしらばっくれてみたけれど、ふとした会話によってバレてしまった。しかし、それを機に甜甜からの嫌がらせが始まった。

広めたのは当然、甜甜だ。頭痛、疲労に効果ありと大層な人気で、出所が出所だけにもしやヤバイ薬ではと心配になる。冥焔もそう思ったのかとっくに成分を調べさせていた。結果はシロ。原材料は葛粉と特に害のない生薬が少々。人間の脳は案外単純だ。話題の仙術使いから頭痛や疲労に効くと言われれば、それを飲めば治ると思い込む。結果本当に頭痛が治まったりするから侮れない。正に「病は気から」と言う奴だ。
だが、近頃宦官が勝手に部署変更してしまうという騒動に始まり、女官同士による刃傷沙汰、女官の集団自殺未遂など見過ごせない事件が次々起こっている。
どう考えても怪しいのは甜甜だ。
彼女が後宮に棲み始めた途端に起きたことなのに、なぜか誰も疑わず、それどころか人気は鰻登り。それにこの宮の女官たちの様子も段々おかしくなってきていた。プロらしからぬ怠慢さ、というか。女官にも先輩風をふかしてやりたくない仕事は後輩にさせるなんてのはままあるが、まったく仕事をしないなんてことはない。ましてや、臨時の助っ人できているのだからサボっていれば自分の主人の評判に傷がつく。だからこそ雪梅はひとしきり張り切っていた。なのに、皆、甜甜に心酔して仕事も投げ出すなんて。しかし、唯一の砦であった雪梅の様子までおかしくなり麗麗は焦った。すぐさま冥焔に報告したものの、彼の態度はいつもと違っていて・・・。


シリーズ三作目です。
従属国でありながら焱国に何か含みがある霜国。
そこには恩雲と冥焔の叔父であり最大の敵である玄策が潜んでいました。彼の入れ知恵により、とある目的をもって妃として入り込んだ甜甜は麗麗と同じく転生者でした。しかし、仲間意識はなく、どこか麗麗を敵視している態度。度重なる嫌がらせにさすがの麗麗もグロッキー気味だった頃、後宮では事件が相次ぎます。いつもなら冥焔が先導して麗麗と事件解決に乗り出すはずが、何か理由があるのか遠ざけられ、彼女は戸惑います。雪梅の豹変など、ダメージはマシマシ。心が折れかけていた頃、秘密裏にコンタクトを取って来た冥焔の心情を知って麗麗はある決意をして、という展開です。
彼女の行動は見事甜甜と霜の思惑を打ち破ったものの、実は霜にはもう一つの目論見があって麗麗はピンチに陥るんですけど、冥焔が間に合って事なきを得るのでした。
漸く、明確なる敵が姿を見せて来た感じですかね?
恩雲と冥焔も決して気を抜いてるわけじゃないんですけど、敵側のやることが姑息。甜甜も実はそこまで悪人ではなくて、これはもう産まれた国のせいとしか。彼女が霜で受けていたらしい仕打ちを思うと色々歪んでしまったのも判るような。焱に産まれていれば麗麗とも仲良くなれたのかも。
今回は逃げられてしまったので再登場はありそう。
それと予想以上に麗麗に惚れていた冥焔と、ちょっと恋心を自覚し始めた麗麗。結婚まで行き着くのには道のりが険しそうだけど、恋愛方面も取り敢えず進んでいて良かったです。


評価:★★★★★





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最終更新日  2026.10.11 12:45:39
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