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ダメな管理会社が多いから、マンション管理士の仕事がある。
マンション管理士をこのように思っている方がいます。
現状、マンション管理士の仕事は、管理会社の不満による問題解決の相談からスタートすることが多いのは事実。
仮に、将来マンション管理業界が成熟し、サービスの質、競争原理による委託費の軽減が実現するようになれば、マンション管理士の仕事は激減し、ボランティア程度でしか活躍する場がなくなることになります。
インターネットですぐに「生の声」が伝わる時代。管理組合にとって存在価値のないマンション管理士の噂はすぐ広がります。NPO団体を傘にして仕事を取っている営業力のないマンション管理士さん、口だけで中身のないマンション管理士さんは建前論もしくは管理会社の悪口を言うことで管理組合からの信頼を得ているのですから、マンション管理業界が良くなれば、淘汰されていくでしょう。これは間違いがありません。
それではマンション管理士の未来がないか?私は違うと考えます。
理由を述べると・・
1、将来管理会社はサービスが向上しても、管理会社のスタンスを超えた仕事をしないと思います。管理会社は、管理組合とは利益相反の関係です。管理会社が利益を追求する企業である限り、管理会社が管理組合、区分所有者の絶対的な味方であることはありえません。管理組合が主体性をもって運営するためのお手伝いを、管理会社が積極的にすることは将来的にも考えられにくいのです。
2、管理会社のサービス、価格について、10のマンションのうち、10管理組合全てが満足することは考えられにくい。どんなに良くて8割、残り2割りの管理組合はサービス、価格に満足することはありません。なぜなら、管理組合を構成する組合員はマンションごとに全て異なります。人の集合体である管理組合。人の性格と同じように、管理組合も個性=パーソナリティーがでるからです。満足度の尺度は人によって異なります。どんなにサービスを向上させたとしても、不満を持つ管理組合はなくなることはないのです。
3、人の欲求は尽きることがありません。管理会社のサービスが良くなれば、管理組合は更にそれ以上のことを望むようになります。今の管理業界をみると、最低ラインが0だとすると、マイナスレベルで仕事をする会社が多いのです。0になってあたりまえ。プラスになっても、もっとプラスを求めるのが人間の心理です。
4、マンション管理士の立ち位置は、管理組合側のアドバイザー。セカンドオピニオンです。依頼内容によっては、管理会社と同じような業務をすることがあるかと思いますが、基本は第三者の中立的な専門家「コンサルタント」です。利益相反関係にある管理会社は、管理組合側のアドバイザーにはなり得ません。
5、管理組合が委託する管理会社の仕事は、マンション管理に係わる仕事全てです。広く浅くはできたとしても、あまりに仕事の守備範囲が広すぎるため、オールマイティーにこなすことは難しいでしょう。フロントマンの個人能力に依存する管理業界です。この体制化で全部委託を受ける管理会社に無理があるのです。できないとわかっていながら受けてしまう。これでは管理組合の不満はなくなることはありません。
6、管理会社が個人能力に依存しない体制ができるとサービスが改善されるのでは?これを実現するには、一つのマンションにつき複数の人材を投与することになります。その結果、最も高くつく人件費を増やすことにつながります。原価のUPは、委託費の増加を招き、管理組合の負担を増やします。利益率を大きく下げてまで、サービスの質を向上しようとする企業はなかなか現れないでしょう。しかも、どんなに企業努力したとしても2、のリスクを孕むのですから、「今のまま」で十分と考え、フロントマン依存の体制は大きく変わることはないでしょう。
マンション管理士の立ち位置については、いろいろな側面から持論がありますが、今回の日記では、管理会社とマンション管理士の二つの側面から、その存在意義を書いてみました。