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則(すなわ)ち、清国の計図(けいと)たる、明(あきらか)に朝鮮国治安の責をして、帰する所あらざらしめ、帝国が率先して、之を諸独立国の列に伍せしめたる朝鮮の地位は、之を表示するの条約と共に、之を蒙晦(もうかい)に付し、以って帝国の権利、利益を損傷し、以って東洋の平和をして、永く担保なからしむるに存するや、疑うべからず。― 「清国ニ対スル宣戦ノ詔勅」
(すなわち、清国の計略は、あきらかに朝鮮国の治安の責任所在をなくし、日本が率先して、独立諸国の列に加えた朝鮮の地位を、それらを明記した〔天津〕条約と共に有って無きが如きものとし、日本の権利、利益を毀損(きそん)して、東洋の平和を永く保証しないことにあるのは疑いようがない)
熟々(つらつら)其の為す所に就(つき)て、深く其の謀計の存する所を揣(はか)るに、実に始めより平和を犠牲として、其の非望を遂げんとするものと謂(い)わざるべからず。― 同
(よくよく清国のなすことに関し、その謀略がどこにあるのかを考えると、まことに初めから平和を犠牲にし、その分不相応な大望を遂げようとしていると言わざるを得ない)
事既に、茲に至る。朕、平和と相終始(あいしゅうし)して、以って帝国の光栄を中外に宣揚(せんよう)するに専(もっぱら)なりと雖(いえども)、亦(また)公(おおやけ)に戦を宣せざるを得ざるなり。汝、有衆の忠実勇武に倚頼(いらい)し、速(すみやか)に平和を永遠に克復(こくふく)し、以って帝国の光栄を全くせむことを期す。 ― 同
(事態は、既に、ここまで来てしまった。朕は、始めから終わりまで平和であらんとし、日本の栄光を広く世の中にはっきりと示すことに専心しているのだけれども、公式に宣戦布告せざるを得ない。忠実で勇武な汝ら国民に頼み、すみやかに克(か)って、平和を永遠に回復して、日本の栄光を全うすることを決意する)
さて、政治と距離を置くのが皇室の伝統であるから、天皇自らがこのようなことを宣言するのは、まさに伝統に悖(もと)る行為だと言うしかない。伝統に基づく天皇に出来ることは、政府が決定したことを「裁可」することだけである。が、それでは大同団結し、国を挙げて戦うには弱いと踏んだ政府が、天皇の権威を利用して、このような政治文書を作成したのだろう。
が、皇室の伝統および天皇権威を傷付けないためにも、このような天皇の政治利用はやめるべきではなかろうか。さらに言えば、日本国憲法にあるような、伝統に基づかぬ天皇の「職務」規定も削除しなければならない。天皇は、伝統に基づく存在であり、憲法に規定されたる「機関」ではない。
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