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コミンテルンのスパイ尾崎秀実(ほつみ)は、かつて朝日新聞にも在籍していた。共産主義革命を夢見る尾崎は言う。
《欧洲に戦争が始まった時人々はこれを英独の決闘であると見た。しかしながらソ連をも捲きこんだ現在ではこれを第二次世界大戦と見ることに何人(なんびと)も異義を挿(はさ)まないであろう。
私見ではこれを世界史的転換期の戦と見るのである。
英米陣営では独ソ戦が起った時、ひそかに英米旧秩序陣営の勝利に導びくものとしてほくそ笑んだのである。この種の見解はひとり英米陣営側のみならず中立的陣営乃至(ないし)反対側にすら多少浸透しつつありと見られる理由がある。英米側は旧秩序の再建――修正的復元――を夢みつつある。しかしながらこれは全くいわれなきことであって、それは今次の大戦の勃発するにいたった根本の理由を見れば明らかなことである。旧世界が完全に行詰り、英米的世界支配方式が力を失ったところから起った世界資本主義体制の不均衡の爆発に他ならないこの戦争が、英米的旧秩序に逆戻りし得る可能性は存在しないのである。戦争はやがて軍事的段階から社会・経済的段階に移行するであろう》(「対戦を最後まで戦い抜くために」:『尾崎秀実著作集』(勁草書房)第3巻、 p. 268 )
尾崎は、近衛文麿首相のブレーンでもあり、政界や軍部にも大きな影響力があった。尾崎の暗躍から、当時の日本がいかに左傾化していたかが分かる。
《当局は日本国民を率いて第二次世界大戦を戦い切る。勝ち抜けるという大きな日額に沿うて動揺することなからんことである、日米外交折衝もまたかかる目的のための一経過として役立たしめた場合にのみ意味があるものといい得る。又今日日本には依然として支那問題を局部的にのみ取扱わんとする見解が存在している。これは世界戦争の最終的解決の日まで片付き得ない性質のものであると観念すべきものであろう。
私見では第二次世界戦争は「世界最終戦」であろうとひそかに信じている。この最終戦を戦い抜くために国民を領導することこそ今日以後の戦国政治家の任務であらねばならない》(同)
ここから見えてくるのは、日本が共産主義革命に利用されていたということだ。支那事変が長期化し、英米と戦うことになったのも、資本主義体制を終わらせるためのコミンテルンの陰謀だったのだ。
が、今日、軍部の暴走を反省することはあっても、その思想的根拠たる共産革命思想を反省することはない。私はここに「反省」という言葉の恣意(しい)性を感じざるを得ないのである。【続】
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