今が生死

今が生死

2019.07.10
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カテゴリ: 健康
長命者が増え高齢者人口が増えてきて高齢者に対する医療対応が変わってきた。数十年前は80歳以上の高齢者には胃カメラはしなかった。検査そのものが大変だったし、検査で何か見つかっても手術も出来ないので無意味な検査とされてきた。ところが今は2か月くらい前のブログにも書いたが胃の幽門が狭窄して食事が食べられなくなった97歳女性を山梨大第一外科で引き受けてくれて先日無事手術が終了してリハビリ目的で当院に転入院してきた。食事が食べられるようになり近々当院からも退院予定である。昔ならとても考えられないことである。私は今の病院に勤めて12年位になるが、勤め始めのころは、入院患者さんで90歳以上はめったにいなかった。いれば人生の終末で静かに見守ってやるのが良いとされてきた。所が今は入院患者さんの殆どは90歳以上である。数か月前94歳の男性を受け持った。認知症があり、食事が食べられなくなって点滴で栄養をつないでいたがいよいよ人生の終末を迎える時がきたものと認識していた。呼吸困難や痙攣などがあっても終末への一症状としてそれほど重視していなくて家族に連絡しなかったら、見舞いに来た家族から状態が変わっているのに連絡してくれなかったと随分苦情を言われた。高齢で認知症などがあり口もきけなくて意思疎通ができないような患者さんの場合、老衰でいよいよその時が近づいてきているのでその覚悟をしておいて下さいと家族に言ってきたが、今はその状況が変わってきていることを実感した。たとえ90歳以上であっても、認知症があっても、食事を食べなくなっていてももう寿命を迎える段階ですとは言えなくなってきている。まだまだこれから何年も生きるのではないかと思える時代になってきたのだと思う。医療者側の考えも変えていかなくてはならないと思った。食事をたべないとか発熱とか貧血とか高齢者にはつきものだが90歳以上だからとかは言えなくなってきた。いくら90歳以上でも様々な症状に対して 今まで以上に細心の注意を払いながら診療していこうと思っている。









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Last updated  2019.07.10 21:32:41 コメント(6) | コメントを書く


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