今が生死

今が生死

2020.06.08
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カテゴリ: 読書


遺伝学者柳澤桂子さんが書いた「永遠の中に生きる」を読んだ。今から45億年前地球が出現し、宇宙では星の誕生と爆発が繰り返されており、爆発した星のかけらが地球にも降り注ぎ、炭素、水素、窒素、などの原子が結びついて分子を作り、何億年の経過の中で細菌のような単細胞生物が出現し、30億年後位に多細胞生物が出現した。多細胞生物は生殖細胞と体細胞の2種類の細胞を作り、生殖細胞は遺伝子を次から次に次世代に受け渡してきた。その際DNAの鎖の一部が変異することによって鳥や魚、人類などが分化してきた。現在動物や植物は様々な形や色、鳴き声などを持っているがその起源は全く同じで一つの単細胞生物である細菌から進化してきたものである。現在も進化は続いており、人間の進化の行き先について予測を述べていた。2足歩行になり手が使えるようになって様々な機能が進化してきたが精神面での進化はどうであろうか。現状をみると戦争したり動物を殺した瞬間に快感をえる遺伝子が受け継がれていて人間や動物を殺すことにスリルを感ずる残虐性を持っている人がいると述べていたが、そのような遺伝子を持っている人はいるかも知れないが、そんなスリルは全く感ぜず却って嫌悪感を感ずる人もいる。残虐性遺伝子は一部の人にはまだ残っているかも知れないが大半の人には退化して受け継がれてきていないと考える。一方人類は他の人のために尽くすことに喜びを感じ、慈悲の行いに喜びを感ずる遺伝子を持っていると信ずると述べているが、こちらの方も全ての人がその遺伝子を受け継いでいるのではなく、そういう人もいればそうでない人もいるという社会だと思う。何十億年かかって生物も人類も進化してきたが現在も進化の途中である。進化の原則は弱い者、集団にとって不要な者、能力の無い者は淘汰されて強くて早く走れて集団に必要な者が生き残ることだが、人類の場合、残虐性とか攻撃性の遺伝子が残存している人もいるし慈悲の遺伝子を持っている人もいる。進化がどちらの方向に行くかは社会への適応によって決まる。戦争がずっと続く世の中では攻撃性や残虐性の遺伝子が生き残っていった方が有利である。平和で思いやりの社会なら慈悲の遺伝子が受け継がれていった方がよい。よい遺伝子を継承するためには社会をよくしていくことが必要だと思った。





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Last updated  2020.06.11 14:08:30 コメント(10) | コメントを書く


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