
20kmを過ぎて足が重くなった。スタート地点まで5分かかったので、キロ6分で行くと4時間を17分ほど超えてしまう。目標のサブ4を達成するためには5kmを28分程度で走らないといけないのだが、この差がなかなか埋まらない。通天閣と建設中の日本一高層ビルになるアベノはるかすが見える折り返しではほとんどのランナーが気づいていないようだった。道路の幅が狭くなり応援する人との距離が近くなり、人数も多くなったのだがいつ歩こうか、いつトイレに行こうかとだけ思い始めた。
30km過ぎでTVカメラを積んだバイクが追いついてきた。TV局のゼッケンをつけたランナーが取り囲んでいたのはNMB48の福本愛菜だった(実は前日受付の時もらった新聞で知ったばかりなのだが)。小柄ながら前傾で腕振りが力強いきれいなフォームだった。きっと良いコーチについているのだろうと思われる。カメラに映る位置はライバルが多くなかなか割り込めない。少し後ろで走るが、ペースの落ちたランナーを次々に追い抜いていけた。ペースアドバイザーがついているとはいえ、初マラソンで30km過ぎなのにまったくペースが落ちない。
ゴール直前で取り囲むランナーがますます増えた。最後の角を曲がってから左横に離れて走ったのは同タイムでゴールするためだ。NMB48の他のメンバーがゴールの左横に待ち構えていたのだが、本人は右側にゴールしたため気づいていない。ゴールしてしまったことを教えてあげようかと思っていたら、TV局のスタッフがあわてて走ってきた。「えっ、ウッソー」などと言いながら走って行き、福本愛菜を取り囲んだら、それまで笑顔で手を振っていたのだが、たちまち泣き崩れた。
家でビデオチェックしたらゴール前の数カットできっちり映っていた(ピンクのアンダーシャツにピンクと黄色のランニングシャツ、白の帽子)。こちらは必死で付いて行ったのに福本愛菜は沿道の応援に手を振りながらの余裕で走っていた。しかもラップタイムをみると最初の5km以外はすべて5km29分台で走っている。ペースアドバイザーがキロ当たり10秒上げていたら4時間切れていただろう。ゴールタイムは同タイムだったが、順位は自分の方が一つ上だった。これはたぶん足につける計測用チップを踏み出す足につけるかどうかの違いだろう。歳の差3倍以上の経験がものを言った。
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