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2012年11月28日

ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q

テーマ：ヱヴァンゲリヲン新劇場版(55)

カテゴリ：サブカル全般

先日、映画館に出向いて『ヱヴァンゲリヲン新劇場版：Q』を観てきた。
ウワサには聞いていたが謎だらけの展開でかなり困惑させられた。まず初見で全容を把握すること自体が困難で、面白いとか面白くないとかの評価は「保留」せざるを得ない。

個人的には『劇場版パトレイバー２』や『旧劇場版』のようなリアル寄りの作画が好みなので、ますますディフォルメ化が進んだアニメ絵には思うところもあるが、作画のクオリティは申し分ない。逆に『天元突破グレンラガン』のような冒険活劇調の絵柄にしたのも何か意味があるのでは…と邪推させるのがエヴァの凄いところだ。

『旧劇』のリアルな絵は非情な戦闘とシンジの揺れ動く精神を客観視させるのに効果的だったが、今回やたらとキャラ（特にアスカ）の目が大きいのはもっと感情移入させようという演出か。

実際『Q』でこれだけ突拍子もない展開にされると『旧劇場版』キャラが観る「作品内作品」というムチャな設定もあながち無い話ではない。

『ヱヴァＱ』は「エヴァがオカルトを科学で翻訳した世界観に基づいた物語であること」を念頭に置いて観なければ常識が洞察をセーブしてしまって内容を把握できない。しかし深読み自体がヱヴァ作品を楽しむ醍醐味でもあるので、マジな考察はその筋の人々に任せるとして妄想を一席。

シンジがシンクロ率200%で生きたままLCL化するエピソードは『旧エヴァ』にもあったが、ゼーレメンバーが肉体を持たず魂をデジタル化（？）させていたりシンジのサルベージがあっさり描かれていたりと『Ｑ』世界の人間は神にも等しいテクノロジーを持っている。

これまで新劇場版はループものと推測する向きも多かったが、『Ｑ』での急な舞台変更とカヲルの台詞、EOE版の惚流らしき特徴を持つアスカなど、並行世界ものとして考えられそうな要素が出てきた。

『EOE』版のアスカと『破』直後のシンジが同時に存在するとしたら、『Ｑ』世界の設定では並行世界から魂をサルベージ可能なのかもしれない。

『破』との繋がりがあやふやになってしまったので根拠としては薄いが、加持がゲンドウにもたらした「ネブガドネザルの鍵」というのが文字通りカギを握っているのではないかと思う。
ネブガドネザルというとバビロニアの王「ネブガドネザル２世」を思い出すが、ウィキペディアによれば「ネブガドネザル」という名前は「ナブー神（知恵と書記の神）よ、国境の境界石を守りたまえ」という意味らしい。
LCL記録媒体説に従えば「LCLよ、ATフィールドを保持せしめたまえ」という願いに読めなくもない。だとするとゲンドウの目的はLCLから魂をサルベージすることと関わりがあるということになる。

しかしカヲルの「ピアノ反復練習」発言とあわせて考えるとループしてもLCLの情報はリセットされずそのまま蓄積されており、何かの目的達成のためにEOEアスカや破シンジをサルベージして集めた「新旧ヒーロー大集合！」回が『Ｑ』ということも考えられる。

…うむ、仮定のうえに仮定を積み上げていくと収集がつかない。妄想はこのへんで。

ユイの苗字が「碇」から「綾波」に変更されたのは「惚流」が「式波」になったのと関係があるのだろうか。ゲンドウの旧姓「六分儀」もどこへ行ったのやら…。

次回作の『シン･エヴァンゲリオン劇場版:||』もヱとヲの表記が戻っていたりとまったくもって予測不能だが必ず期待に応えてくれると信じている。