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2020.12.04
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72

今日は午後から風が強く吹いている。
遠くに見える大樹がユサユサと揺れている。
流れていく雲も刻々と形や光の加減が変わったりする。
それを黙って見ているだけで楽しい。
ごくごくありきたりの自然現象ですら、実は不思議現象に匹敵するようなプチワンダー(小さな驚き)をもたらしてくれたりもするんだなあ、といまさらながら感じ入ったりする。

仮に、今、空の彼方にUFOが忽然と現れたとしても、逆にそれほど驚かないかもしれないなと思ったりもする。笑
何?超常現象?

この3次元物理空間と重なるようにして、人間には認識できない別次元のエネルギー空間が茫漠と広がっているんだぜ。

「ノンフィクション作家のマイケル・タルボットは現実とは決して客観的なものではなく、人間の精神が生み出す間主観的なホログラムである、と述べたうえで、ホログラフィックな別次元からUFOが現れるのではないかと推測している。」
(Wikipedia の記事より)

つまり、何かの拍子にお隣の異次元からヒョコリ、未確認飛行物体が現れたり、またそこへと消えていったりするようなことが起こるってわけだ。
別にそれはUFOでなければならないというわけでもない。
何なら、鳥や岩石でもいいわけだ。

まあ、鳥くらいなら、私もそれに類した現象に遭遇したことはある。
でも、一回コッキリの瞬間的な体験だったので、不思議だなあという印象だけが微かに残っているだけである。

近頃はそういうレベルのプチワンダーを体験することもめっきり少なくはなってきたが、だからといって3次元的な楽しみに埋没しているというわけでもない。
むしろ歳を重ねるごとに世俗的な楽しみからは遠ざかっていくばかり。
畢竟、生きることの醍醐味は、3次元にいながらにして別次元の気配を感じること、これに尽きますなあ。笑




先日、日野啓三の「冥府と永遠の花」という短編を読んでいると、最後の方で、以前紹介したジャイアントロベリアやジャイアントセネシオのことが書かれていて、ちょっとテンションが上がった。
いずれも増沢武弘さんの本 (『極限に生きる植物』) に載っている写真どおりの描写だったので、とても懐かしい気分になった。
その後にもう一種、私の知らない植物が出てくる。

「そして荒凉たる岩陰の冷たい水溜りの中に、小型のヒマワリのような形の草花が花開いているではないか。ただし花の色はヒマワリの黄色ではなく、分厚く固い葉はサボテンのようだ。中央の丸い頭状花序の部分は灰色、そのまわりに何十枚も重なり合って開いている舌状花は透き徹る白、付け根の部分だけがうっすらと紅い。(中略)
その奇跡のような可憐な花の学名はヘリクリサム・スツールマンニイ、麓の部族の人たちは古来『永遠の花』と呼んできたという。」



どんな花なのか写真で確かめたいと思い、ネットで調べてみたが、ヘリクリサムというのがキク科ムギワラギク属の植物だということがわかっただけで、残念ながら、スツールマンニイの画像は見つからず、従って、その姿は文章からイメージするしかない。

文章によってポエジイを喚起されながら、いざ画像を求めても叶わないという経験はよくあることだ。
キングドン-ウォードの『植物巡礼』を読んでいる時も、何種類かをネットで検索してみたが、標本しか残っていないようなレベルの植物はやはり見つからなかった。

例えば、カンパニュラ・カルキコーラ。
キングドン-ウォード曰く「小妖精の芸術作品」とも言えるこの植物は、訳者の注によると、イワギキョウの類らしいが、カンパニュラという名前からして、ホタルブクロ属のイメージであることは間違いない。

「コンパクトで均整のとれた姿、優美な葉、その上で互いに寄り添い、短い針金のような茎の先でうつむく繊細な鐘型の花、印象的な色の配合、それも孔雀石がちりばめられた暗緑色の葉に映える、淡いヒアシンス・ブルーの花」

キングドン-ウォードが四川で見つけたこの植物は、後に種が英国に送られて開花するも、1、2年のうちに枯れてしまい、それ以来、彼は「これを野生でも栽培でも見ていない」という。
その後、他のプラントハンターによって再発見されたかどうかは寡聞にして知らないが、栽培種の噂も聞かないし、ネット上で画像も見当たらないくらいだから、おそらくいまだに幻の花なのではあるまいか。

いや、幻の花というより、天上の花と言うべきか。
だけど、そんな花でもいつかは見られると思っていたい。
ある日、知らぬ間にクォンタム・ジャンプして、即身アセンション(現代版即身成仏)が叶った暁には、おそらく足元にカンパニュラ・カルキコーラのような花が咲いていることだろう。





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Last updated  2021.03.01 13:04:37
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