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2020.12.23
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77

忙しさから解放されて、何もすることがなくなると、人はありふれた景色をボーっと眺めたりするものです。
そうすると、今まで見過ごしていたこの世界の美しさにハッと気づいたりもするものです。
それは人によってはまさにエピファニーのようなものかもしれませんね。

「午後には烈しい直射日光と光化学スモッグにさらされて森は生気を失うが、夕暮れが近づいて夕日が黄ばんでくると、葉がいっせいに金色にくるめき始めて、思わず男は『ああ』とか『おお』とかわけのわからぬ感嘆の声をあげる。
とくに前夜激しい雷雨が荒れた翌日、空気も森も洗われてみずみずしい緑が風にそよぐのを眺めたときなど、空を白い雲が流れて森を風が渡る、それ以上の何がこの世界にあるだろう、というような言葉が心の中を過って驚く。」

これは日野啓三の「牧師館」という短編の中の一節です。
入院中の初老の男が、病室の窓から外苑の樹木を眺めている場面ですが、私もよく部屋の中から遠くに見える木々を飽きもせず長い間眺めていたりすることがあるので、この文章にはことのほか共鳴してしまいます。


この世界って、見るもの聞くものすべてがまるで映画みたいだなあ。
そう感じるのは、あんたがヒマジンだからさ。
そうそう、思いだした。
「イマジン」って、実はヒマジン礼讃の歌なんだよなあ。
知ってました?
ジョン・レノンは密かにこう歌ってるんです。
「想像してごらん、世界中のみんながヒマジンになることを」笑


78

先週の木曜だったか金曜だったかは忘れたけど、報道ステーションのオープニングの映像は素晴らしかった。
大雪のため、関越自動車道で千台以上もの車が立ち往生しているということをアナウンサーが説明している中、モニターに映し出された映像は、インターチェンジの高圧ナトリウム灯の光が降り積もった雪をオレンジ色に染め上げているためか、まるで映画のワンシーンのように美しく、思わず見惚れてしまった。

報道番組には時々、歳時記的な時候の映像が差し挟まれることがあるが、そういったステレオタイプなカットではなく、中継現場からの長回し的な映像の中にも、ドキッとするような絵が紛れていたりする。

まあ、いずれにせよ、ニュース番組の映像美が巷で話題になることはない。
世の中の多くは、事柄には関心を寄せても、微細な感覚に関しては当然の如くスルーしてしまう。
ただひとり、またしてもヒマジンのみがそこにこだわってしまうのかもしれない。

限りなく降る雪何をもたらすや (西東三鬼)

たぶん、おそらく、maybe, perhaps , 来年は豊作だべ。笑









パンデミックと競馬界がどれほどリンクしているかはわかりませんが、今年は史上初がポンポン飛び出した年でした。
12月になってもその流れはおさまらず、つい先日も、2歳女王を決める阪神ジュベナイルフィリーズで、金子オーナー所有のソダシがJRA史上初、世界初となる白毛馬によるG1制覇を成し遂げました。

白い馬がG1を勝つのがそんなに珍しいことなのか?
何年か前、あんたのブログでも、ヒシミラクルとかゴールドシップとかいう白い馬のことが話題になったけど、アレも白毛の馬じゃないのか?
ああ、あれらの馬は芦毛ですね。
芦毛の馬は初めは灰色っぽい毛をしているんですが、年を経るにつれ、白くなってくるんです。
一方、白毛馬というのは、生まれた時からアルビノでもないのに真っ白なんです。

競走馬の毛色は、鹿毛、黒鹿毛、青鹿毛、栗毛、栃栗毛、青毛、芦毛、白毛の8種類で、そのうち白毛の自然発現率は0.04%といわれています。
ちなみに、現在JRAに登録されている競走馬は8100頭ほどですが、白毛の馬はわずか8頭しかいないそうです。
要するに、存在自体が超レアな白毛馬が、デビューからトントン拍子で4連勝(内重賞3勝) 、しかもG1まで勝ってしまうというのは、まるで漫画やファンタジーのような話なんですね。
その衝撃度は二刀流のまま海を渡った大谷翔平とか、10代で二冠達成した藤井聡太8段に勝るとも劣りません。

これまで、白毛の馬というのは見た目が美しく、レースで走ると目立つので、人寄せパンダとしてはもってこいだったのですが、その反面、成績は今ひとつパッとしませんでした。
たしかに競走馬としての能力という観点で見ると、茶色や黒い馬と比べて、筋肉の盛り上がり方などにも迫力がないし、肌もピンク色っぽくて、いかにも弱そう、走らなそう、といった雰囲気を醸し出していました。

そんな白毛馬を積極的に購入し、自分が所有する強力な種牡馬と掛け合わせて、わずか3世代目でG1馬まで出してしまう金子真人オーナーという人は、やはりちょっと違う次元の人かもしれない。
たぶんこの人にはソダシがG1を勝つのがとっくの昔に見えていたのだと思います。
この馬が天上で駆ける姿を見て、「よし、これを3次元の世界に連れて来る(物質化する)のが私の次の役目だ」と思い、1996年、父サンデーサイレンス(青鹿毛)、母ウェイブウィンド(鹿毛)との間に突然変異で生まれたシラユキヒメ(白毛)を購入したに違いありません。笑
お次はそのシラユキヒメにキングカメハメハを掛け合わせて、ソダシの母ブチコ(白毛)を誕生させます。
そして、今度はそのブチコにクロフネを掛け合わせてソダシが生まれてきたわけです。
うーん、この交配は確信犯的で凄すぎる! 笑

競馬のことをあまり知らない人のために言っておきますが、この金子オーナーという人は、「一国の宰相になるより難しい」と言われるダービーオーナーの座に4回も就いています。
ディープインパクトやアパパネといった3冠馬も所有していましたし、旧8大レースはすべて制しており、まさに強運を誇示するにも程があると言いたくなるような人です。
もうこのくらいのレベルの人になれば、競走馬を走らせることは純粋な楽しみ(道楽)以外のなにものでもないと思われます。
金も名誉も腐るほど持っているわけですから、後はロマンの追求だけですね。
というわけで、金子オーナーの夢が結実した天上の白毛馬が来年どうなるか、とても楽しみです。





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Last updated  2021.03.01 17:15:49
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