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2023.02.10
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一週間ほど前、久しぶりに林浩平さんの「饒舌三昧」を覗いてみたら、ちょうど西脇順三郎「フローラの旅」展の記事が投稿されていた。
毎年開かれている「アムバルワリア祭」(今年のテーマは「西脇順三郎と女性性」) というシンポジウムと並行して、今年は西脇順三郎没後40年記念ということで、「フローラの旅」と題する展示会が催されているらしい。

東京まで見に行く金も元気もない田舎の年金暮らしの老人にとっては、林さんのようなブログは大変ありがたい。
労せずして貴重な写真を只で見せてもらえるだけでなく、解説までしてもらえるのだから。
そして終いは「えてるにたす」のエンディングで締めるあたり、この人、なかなかええ趣味してまんなあ。 笑

あ、ごめん、ごめん。
このブログを読んでいる人のこと、すっかり忘れてた。
たぶん、自分だけご満悦で、何のこっちゃと思われているんじゃないかな。

西脇先生も自分が面白いと思うことだけに没頭して、その他のことは完全スルーみたいな人だったみたい。 笑
でも、考えてみると、人は概して自分が面白いと思うことしか話題にできないんだよね。
そして、その面白さを架空の読み手に丁寧に説明するのはけっこう面倒くさいのも確か。
何が言いたいかというと、「フローラの旅」に興味がある人は林浩平さんのブログへどうぞってこと。
ここはとりあえず、そのポスター写真にオマケの写真をもう一枚添えてお茶を濁すことにする。
続きはまたそれから考えよう。 笑




川辺信一 撮影

この写真、渋いなあ。
たぶん70〜75歳くらいの頃じゃないかな。
散歩姿が実によく似合う詩人ではある。
でも、この詩人、晩年は身近な人に「自分は詩人じゃない。学者なんだ」と繰り返し言っていたそうだ。

とは言え、教育者として熱心だったわけでもなく、学内ビジネスができるほど世渡り上手だったわけでもないらしい。
まあ、骨の髄まで学問の人であり、学者としての自負心もあったのだろう。
実際のところ、筑摩書房から出ている「西脇順三郎全集」全11巻のうち、詩集は3巻あまりであり、後は詩論、文学論、随筆に当てられている。
世間一般的には詩人としての名声の方が高い人ではあるが、ご本人としてはそれだけの人間と思われたくなかったのかもしれない。
あるいは、詩は自らの詩論の実例として趣味で(=楽しみで)書いているだけで、それで飯を食ってるわけじゃない(=詩は仕事じゃない)という思いがあったのかもしれない。

「先生は詩もお上手ですね」というふうに、「も」を強調して言うと、上機嫌だったらしい。 笑
というわけで、私が常々西脇順三郎のことを「西脇先生」と呼ぶのは、まあ、リスペクトもあるけど、第一にはこの人が単純に大学の先生だったからなんだよね。

そう言えば、慶應義塾大学が西脇順三郎の業績を讃えて設けた賞も「西脇順三郎学術賞」だったな。
でもねえ、そうは言っても、やっぱりこの人は天性の詩人なんだよね。
だから詩人として後世に語り継がれていくべき人ではないかと思う。
そういう意味では、今年から小千谷市(詩人の生誕地)が「西脇順三郎賞」という詩の賞を新設したのはめでたいことではないかと思う。
ただ没後40年目というのは、ちょっと遅すぎるのではないかという気もするが。
もちろん、小千谷市が今まで西脇順三郎に関して何もしなかったわけではない。
それなりのイベントやPR活動は行なってきている。
まあ、今まではそれだけでもよかったのだろう。
なにせ西脇順三郎というのは、昭和40年代には高校の国語の教科書に載っていた詩人である。
どれだけの人がこの人の詩集を買って読んだかは知らないが、現代詩の詩人の中では抜群の知名度を誇る人なので、小千谷市の職員がそれに胡座をかいていたとしてもなんらおかしな話ではない。
しかし、時は流れ、この詩人の詩をリアルタイムで読んでいた世代の人も次々に他界し、私らのような最後の世代も前期高齢者の仲間入りをしようかという今日この頃、このままいくと、この詩人の名前すら忘れられる時がそのうちやって来るのではないか、ヤバい、と彼らが危機感を抱いた可能性もある。 笑

まあ、でも、そんなことはどうでもいいか。
それより、最終候補に残った人の名前を見て、思わず笑ってしまった。
候補者6名のうち、5人はこちらの知らない名前。(現代詩の世界では皆さん著名な方のようだが)
が、笑ったのは最後の名前だった。
なんと、「吉増剛造」とあるではないか。
吉増剛造のおそらく最後の詩集になるのではないかと思われる「Voix」がノミネートされているのである。
この賞は公募(自薦他薦を問わない)とあるので、どうやら本人あるいは関係者が応募したことになる。
でも、「今さら何で?」って感じ。
吉増剛造くらいの人になれば、もう賞なんていらんだろう。
そんなもん、もう腐るほどもらってるだろうし、文化功労者でもあり、芸術院会員でもある人が、さらなる名誉なんて欲しがるだろうか。
そう考えると、これはどうも関係者の思惑が絡んでいるのではないかと疑いたくなる。
西脇順三郎というビッグネームを冠した賞の第1回目とあって、今回の選考は詩の世界ではかなり注目を集めているらしい。
というわけで、栄えある第1回の受賞者には是非ともそれにふさわしいビッグネームの詩人が欲しい。
これは主催者側の切なる願いではないのか。
選考委員の中には吉増剛造に多大な影響を受けているとされる人がちゃんと入っているところを見ると、ますます怪しい。 笑
でも、仮に万一吉増剛造が落とされるということにでもなれば、それはそれでまた面白いかもしれない。
そういうことになれば、受賞者は吉増剛造を蹴落として受賞した詩人として注目を浴びるし、吉増剛造の方は詩壇の長老として話題づくりのための客寄せパンダの役を買って出た功を評価されるかもしれない。
なんか野次馬根性丸出しみたいになるけど、結果発表(2/28)がちょっと楽しみやなあ。

と、ここまで文字を打ってみて気づいた。
ああ、もうこんなにたくさん駄文が並んでしまった。
別に駄文が悪いというわけじゃない。
ちょっと余計な話をしすぎたかなってこと。
実を言うと、林浩平さんの記事がきっかけで、その後数日間は西脇先生の詩や随筆を読んで過ごしたので、今回はそこで面白いと思ったことを綴ってみようと思って始めたわけなんだけど…
まあ、いいか。
夜も更けてきたし、今回はこの辺でやめにしとこう。
残りはまた後日ということでよろしく。





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Last updated  2023.05.12 21:15:30
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