花日和

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2008.01.02
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カテゴリ: 本
祖父が亡くなったので帰省はしたものの静かな正月でした。親戚の挨拶が少ないのをいいことに炬燵の中で上
橋菜穂子の守り人シリーズを読みまくる。狐笛のかなたで嵌ったのです。一日一殺、じゃなかった、一日一冊。
読み終わってしまうと寂しいものです。早く全部文庫にならないかなー。

精霊の守り人
偶然、皇子・チャムグを助けたことから彼の用心棒を勤めることになったバルサ。ヒロインが武術の達人って設定は珍しくないけれど、三十路ってのはかなり希少なんじゃないかと思う。美少女戦士には無い魅力が新鮮でした。
正義感は強いけれど、無敵ではない彼女は勝てない戦はきっぱりと断る(結局引き受けるけれど)。そんな頭の良さや責任感の強さなんかが溜まらない。人物描写がとても丁寧で、厚みが感じられ、ファンタジーなのにとてもリアルティーがある。
精霊の卵を宿してしまった為に実の父から暗殺されかけ、逃れる為にバルサと逃げるチャムグ。この子、いい子なのです。彼の成長は本当に気持ちいい。なんで自分がこんな目に!という思いを持て余していたチャムグが卵を守りたいと思うようになり、そして、卵に憑かれていても卵を守るのがこんなに怖いのに、赤の他人のバルサは命懸で守ってくれたのだと気がつくようになって、おかあさん、嬉しい!
バルサを生かす為にそれまでの人生を捨てた上、八人の友と殺し合いをした養父のジグロ。彼の為にバルサは病床のジグロに「八人の命を救う」と誓うけれど、ジグロは苦笑いをする。チャムグの「俺は何人目?」という問いに答えるバルサが切ない。「ジグロは正しかったよ。争いのさなかにある人を助けるには、別の人を傷つけなければならない。ひとり助ける間に、二人、三人の恨みをかってね。足し算も引き算もできなくなっちまった。-いまは、ただ、生きているだけさ」闘鶏のような彼女に心休まる結末はあるのか楽しみ。
精霊のベースは蜃気楼を吐く蛤でしょうか?


チャムグを守ったことで養父の気持ちが少し理解できたバルサ。過去にケジメをつけるために25年ぶりに故郷へ。陰謀に巻き込まれ、父を殺され、父の親友のジグロとの逃亡生活の日々。故郷では突然失踪したジグロは濡れ衣を着せられ、一族の恥さらしとされていた。バルサはジグロの汚名を晴らそうとするけれど、根は深く、複雑で・・・・・。
精霊の守り人の時もそうだったけれど、神話や伝説、英雄憚に纏わる嘘は実に巧み。「嘘」というよりは勝者が正義の勝者たるための物語という感じですが。
闇の守り人となったジグロと槍舞をしながらバルサはジグロの思いが聞えてくるシーンが圧巻。
―バルサさえ、いなければ・・・・。
それに対してバルサも怒りをぶつける。「私に何ができたというのだ!たった6歳だった私に!」「私は助けて欲しいなんて言わなかった!あんたが勝手に助けたんだ」「あんた、知らないとでも思っていたのか?友を殺すたびに、私は、私を恨んでいるのを感じていた。-ずっと、感じていたんだ」
そして、最後に伝わってくるジグロの思いが切ない。
哀しみをかかえながらー苦しみに、うめきながらージグロは、それでもずっと、バルサをかかえ、抱き締めて、生きてきたのだ・・・・・。
バルサのせいで人生を狂わされたジグロ。故郷に戻れず、追っ手となった八人のかつての友と殺し合わなければならなかった人生。バルサを恨んだもの本当。でも、バルサが居て幸せだったのも本当。ずっと養父に負い目を感じていたバルサが自分の為に生きていこう、自分の為に楽しんでいいんだと気がつけたようで嬉しい。

夢の守り人
<花>の定義が最後までよく理解できなかったけれど、夢に囚われたお話。呪術師トロガイの過去なんていう美味しいお話もあり、トロガイの弟子、タンダとバルサの絡みも存分でかなり嬉しい。タンダとバルサはまぁ、お互い年なので(笑)、初々しさはないけれど、タンダのバルサに寄せる信頼や、バルサのタンダ寄せる優しさがツボ。<花守り>の体を乗っ取られたタンダVSバルサが良い。すごく良い。
体を乗っ取られ、夢の国から出られないタンダも大活躍。伝言をチャムグに託し、彼を隼にして飛ばせるシーンが好き。兄の急死により皇太子になったチャムグ。精霊の守り人にされ、一旦下々の生活を知ってしまったチャムグは今更、飾りの王にはなれない。バルサやタンダに逢いたいと思いつつも窮屈な生活とその先の人生に絶望している彼が憐れ。まだ子どもなのに、彼の人生に選択肢は無いのだ。それでも出来ることを精一杯する賢い少年。かつて自分を暗殺しようとした父親に一芝居打つ度胸は流石。ちゃっかり自分の要求も組み込んでるし(笑)。



休みの日には外出しなくちゃいけない強制観念にしばられてる私には珍しく予定が少ない冬休み。ボケーと過ごしてみるのも良いかも。
今年中に仕事は決着つけたい。ドタンバでビビリませんように。
恋はうん、まぁ、ガンバろっと。
友達といっぱい遊びたいな。
良い年になりますように。





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最終更新日  2008.01.02 21:02:28
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