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2010.05.28
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カテゴリ: 本
岩井志麻子著。この雨月物語の語り手は(オリキャラもしくはキャラ立てされた主に死者の)女性。原作をちゃんと真面目に読んだことがないので比べることはできませんが、少々オリキャラの女性が浮いていることがあるような気がします。しかし、圧倒されるのは「女の情念」の濃さ。作者の十八番。読んでいてゾクゾクします。
「柳は夏が過ぎて秋を告げる風が吹けば、散り始めてしまいます。青い血の泡も吹かず。ただはらはらと散っていく柳の下で、貴方の子だと一目でわかる男の子を抱き、妾も散って消えたく思いました。嘘つき、嘘つきと、呪詛の言葉を吐き散らしました」の一文とか好きです。

雨月物語で一番有名なのは「浅茅の宿」でしょうか?これがモチーフになった話は多いような気がします。私がこの話でいいなと思うのが、七年ぶりに帰還した夫の前に現れた幽霊の妻がやつれ果てた姿だということ。どうせもう死んでいるんだし、夫を恨んでる訳でもないのなだから、別れた時と変わらぬ美しい姿で一夜を楽しむって展開もアリだと思うのです。そういう展開にしなかったからこそ名作として残っているのでしょう。

オリキャラ(?)で一番好きなのは「青頭巾」に出てくる僧侶に憑いた幽霊。女は成仏する気もなく、でも呪う気もなく、僧侶は僧侶で気が向いたときに諭したり可愛がったりするだけで救う気なんかサラサラ無くて楽しすぎです。稚児を失って鬼となった僧侶と女憑きの僧侶の対比が面白い。







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最終更新日  2010.05.28 22:56:00
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