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2013年01月27日
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(その4)の続き。

 蛇足。
 悲惨な話です。吉野氏が「ただの金銭や利権目当ての嘘つき野郎」ではなかった、という点が。

 インタビューを行った伊藤明彦氏は(言葉の真の意味で)大変誠実な方ですね。それは吉野氏の虚偽に対する態度で良く判ります。真偽の裏づけをちゃんと取りつつ、しかし、吉野氏を“裁かない”。
 ニポンサヨクであれば、どんな滅茶苦茶なつじつまが合わない内容でも“弱者”が語った事ならば、“自己脳内検閲”が働いて、疑問に思わないものでしょう(所謂従軍慰安婦問題の「疑う事自体、セカンドレイプ」なる理屈)。また「オカシイじゃないか」と感づく(または第三者に感づかれる)と、そのインタビュー自体、なかった事にするでしょう。

 でも、先ずスタートラインに立たなきゃね。人間存在の奥深くには、このような心理があるのだと。 “意味”への渇望
 これは普遍的な人間の欲望だと思います(そしてそれ故、人間は“欲深い”)。



 (これは日本人だけに見られる問題ではないでしょう。1994年1月10日ドイツのザクセン・アンハルト州ハレ市で実際に起きた事件で、身体障碍者の少女がネオナチから暴行を受け、額にナイフでカギ十字を刻まれた、とされる事件がありました。一万人を超える大規模な抗議デモも起きたのですが、後にそれが虚偽と判明。四日後、自分で刻んだと捜査当局に自白したのです。これも一種の「ただの障碍者である事に耐えられない。意味が欲しい」という事なのでしょう。なお、一万人の抗議デモ参加者の誰一人として「ネオナチはケシカランが、この事件に関しては濡れ衣だったので謝罪しよう」と言う者はおらず、事件自体“なかった事”になったらしいですね。ドイツ版ニポンサヨク(笑)でしょうか。)

 珍妙な所謂“従軍慰安婦”の証言(「従軍慰安婦の仲間がニポン軍人に首を切り落とされ、大鍋でグツグツ煮られ、そのスープを飲まされた」式の発言ね)も、こうした観点からの考察が必要なのでしょう(こっちは、単純に金銭的利益の側面が大きいのか)。


 「意味づけの得られない苦悩は、いっそう、耐え難い重みを増す。」「人間はしばしば、意味づけの得られない生よりも、意味づけの得られる死のほうを選ぶ。」(この心理は日本ミステリー三大奇書の一つとも言われる傑作『虚無への供物』でも取り上げられていたような気がします。あやふや。あれ長いから読み直したくないの)

(p85)著者のもとを訪問した「ある文芸雑誌の文学賞を受賞した長崎出身の被爆者」とは石田雅子さんか。

 私の母も長崎で被爆していますが、ある日見知らぬ客が「私がその時その場に居た、と証言出来る人を御存知ありませんか」と訪ねて来たという事があったそうです。言外に「貴方に証言して欲しい」という意が見え隠れしたとの事(母は、偽証をするわけにもいかず、丁重に断りました)。
 こういうのは判断が難しいですね。家族親族、友人知人が全滅に近い状態に置かれた大変不孝な方かも知れません。或は訪問してきたのは被爆とは関係なく、単に淋しいだけだったのかも知れません。或は、医療費の無料化を狙った詐欺師か(まず病気しなければならない(笑)から、あんまりウマミはないでしょうが)。


 虚構は虚構(虚偽とはあえて言いませんが)。
 (吉野氏の語ったような)“文学”が人間存在の本質を穿つという事はあるでしょう。しかしそれは個別の事象を超えたものである筈です。個別の事象の元に立ち現れる“ルール”の世界とごっちゃにしてはイカンです。(「“文学”で“裁く”」ニポンサヨク)。その“世界”を“求める”のはいいけど、その“世界”から“見下ろし”てはダメ。


 このドキュメンタリー、映画化されないかな。周防監督あたりにやって欲しい。





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最終更新日  2013年01月31日 20時17分44秒
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