2009年10月19日
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今日のまとめ

1.中国の輸出は力強くリバウンドしている
2.人民元が弱いドルにリンクされているのが好調の一因
3.内需のストーリーには異変が出ている

力強くリバウンドする中国の貿易


先週、中国税関総局が9月の貿易統計を発表しました。それによると下のグラフのように輸出も輸入も力強くリバウンドしています。

中国の輸入と輸出1

いま輸出を例にとると、リーマン・ショック直後の去年の10月の1364億ドルから今年の2月には649億ドルまで、実に52%も落ち込みました。去年の11月に4兆人民元の景気刺激策が発表されたこともあり、この時点で世界の投資家は「中国株は当面、内需のストーリーで攻めるしかない」と投資方針を決めました。(私も当然、その一人です。)しかしここへきて輸出も輸入も鋭角的に戻してきており、輸出絶望論はどうやら間違っていたことが明らかになりつつあります。それではなぜ輸出は息を吹き返しているのでしょうか?

中国の貿易の復調の理由


リーマン・ショックの直後、消費の落ち込みを懸念した米国の小売業者は新しい在庫の発注を凍結しました。この在庫調整が終わり、再び在庫の積み増しの動きが出ていることが復調のひとつの理由です。

もうひとつの理由が、最近のドル安です。去年の10月頃まで、中国は人民元を米ドルに対して緩やかなペースで切り上げてきました。しかし世界経済が混乱に陥ってからはこの切り上げを止め、レートは下のチャートに見られるように横ばいのままです。つまり人民元は弱い米ドルに再びペグ(連動)されてしまったのです。

人民元2

一方、他の新興国の通貨はこのところ軒並み強含んでおり、人民元の割安感が強くなっています。下のグラフは韓国ウォンですが、下に行くほど通貨が強くなっていることを表します。

韓国ウォン3



内需は様子がヘンになっている


さて、この一方で内需に目を転ずるとこれまでのカンカンの強気のストーリーが少し崩れつつあります。先ず国内の経済活動を窺い知る格好のデータ・ポイントのひとつである中国国内の鉄鋼製品価格は軟調に推移しています。

中国の鉄鋼製品価格4

国内の建設活動はそれなりに上向いているので、なぜ鉄鋼製品価格がこうまで弱いのか、私には上手く説明できません。強いて言えば、4兆人民元の景気テコ入れ策の効果を先回りする形で投機筋が在庫を貯え込んだとか、そもそも零細な製鉄所が中国は乱立しており、それらの多くが増産に走ったとか、そのような理由ではないかと察します。折から中国政府は過剰投資を抑制するために新規の製鉄所の設備への投資を規制する行政指導に乗り出しています。

銀行セクターにも暗雲?


先週の金曜日に中国の銀行監督当局が4大銀行の幹部を呼びつけて、過剰融資を戒めるとともに将来予想される貸し倒れに対する引当金のカバレッジ・レシオを年末までに150%へ持って行くように指示しました。これは特に不動産セクターに見られ始めているバブルに対して、当局が監視の目を強化していることの表れです。バブルが大きくならないうちに締め付けに転じた銀行監督当局の今回の対応は高く評価されるべきだと思います。

投資家の気迷いを反映する株価指数


さて、このところの中国株のパフォーマンスは他のBRICs各国がビュンビュン値を飛ばしているのに比べるとイライラしてしまいます。これは上に述べてきたような微妙なストーリーの変化を目前にして、世界の投資家が気迷いしていることを反映しているのではないでしょうか?ただ、中国のファンダメンタルズは他のBRICs各国と比べても決して悪くないし、このところのアンダーパフォーマンスで割安感が際立ち始めています。ここは焦らずじっくりと次の方向性を見定めたいと思います。





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最終更新日  2009年10月19日 19時01分42秒


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