遠恋しながら読書の日々。

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穴沢ジョージ @ Re:十一年ののち(の私)(08/18) おっとっとの、お懐かしや!isemariお嬢様…
isemari @ Re[1]:十一年ののち(の私)(08/18) ばあチャルさんへ うわあ、ばあチャルさん…
ばあチャル @ Re:十一年ののち(の私)(08/18) 結婚なさって英国暮らし、どうしていらっ…
isemari @ Re[1]:その後のいせまり。(09/25) 木奈子さん お久しぶりです!ありがと…
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May 25, 2004
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こんな夢を見た。

蒸し暑い夕暮れ時。

セピア色に染められた街を歩いている。
何かに追われているように焦燥感に駆られ、時折よろめきながら
駆け足に近い速さで歩いている。

風もそよとも吹かない。身体にまとわりつくような熱気。
不快感が押し寄せる。

背中をつたう汗。
小脇には正方形の箱を抱えている。

何処かにこの箱を捨ててこなければならない。
一刻も早く。

何処に、何処に。
取り付かれたように周りを見回す。
気ばかりが焦る。

横には延々と切れ間なく続く塀。
その横を歩いていく。

何処かに。

しかし、何処まで行っても塀には切れ間もなければ、
物をこっそり置いて帰るような場所もない。
電信柱さえ立っていない。
ただ延々と続く塀。

どこかでヒグラシが鳴いている。

捨てなければ、この箱を。
強迫観念のように繰り返す。揺り返してくる不安感。
もつれる足。
もう耐えられない。

その場に置いて行くことにした。

………
………

箱を置いてしばらく行ってから気がついた。
いったいこの箱には何が入っていたのだろう?

分からない。

分からない。

俄かに今度は箱の中身が知りたくてたまらなくなる。
知りたい。
知りたい。
乱れる息。
踵を返し、今度は箱の元へこけつまびろつ急ぐ。
震える手を伸ばす。

どこかでカラスが鳴いた。

蓋を開ける。
何かが入っているのだが視界がぼやけて見えない。

蛙?

そう思った瞬間、ぼんやりとした黒い影は
大きな蟇蛙になった。

思わず後ずさる。

醜い蟇蛙。
半眼をあける。

「あの男のところへ戻るんだ?」

不意にその不恰好に大きな口から放たれた言葉に驚いた。
どうやら私は恋した男のために、この箱を捨てようと歩き回っていたらしい。

「そんな一生懸命でも、あの男はすぐいなくなるよ。」

いなくならなくても君のほうが嫌になる。
恋ってそういうものデショ。そうだったデショ?
その上、所詮はつまらない男だからね。

「あの男が何をあげられる?
 約束もできない男だよ。」

 二人でいても何処にも行き着かない。
 共有すべき未来がないんだ。

 僕なら永遠をあげられる。

「永遠?」

「いっつも一緒にいるよ。」

 君のそばで、君が孤独なときには、君の話を聞いて、君を慰め、
 君が最後の息をするその瞬間まで君のために歌う。
 絶対一人にしない。

目を見合わせたまま、硬直して動けない。

相手は蟇蛙。
正直キモイ。

でも。
ああ、でも。

永遠という言葉の前では、恋愛感情などという言葉はどうしてこんなに軽いのだろう。

こめかみを汗がつたっていく。

ヤバイ。

この醜い蟇蛙の申し出が限りなく魅力的に思えてきた。


そこで目が覚めた。





午前4:30…。 おやすみなさい。
やっぱかえるは嫌だな。
でも一瞬魅力的だったぜ、君のオファー。





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Last updated  Jun 19, 2004 04:38:09 AM
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