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2007.01.07
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カテゴリ: 生きる
列島中が高速回転する坩堝の底に置かれた。風呂の栓を抜くと生じるコリオリの力の原理で左回りの烈しい気流が終日、雪雨霙に乾燥した大気の烈風となって山河をつつみこんだ。たまたまつけたテレビでは『第三の波』とかいう愚かな著作をあらわした老人と日本の田中直毅とかいう老人ふたりが対談をしている。窓の外はあいかわらず木の枝や落葉が巻き上がり谷間の広大な空間を踊っている。このふたりの映像を見ながらわたしはなぜか68年公開の映画『猿の惑星』に登場する狡猾なオラウンタン(?)の老猿を連想した。原作(脚本)はピエール・ブールだったか、監督はフランクリン・J・シャフナー。もちろんあの映画が当時の日本人(イエローモンキー)を揶揄したものであることは承知していたけれど、あのラストのニューヨークの自由の女神像のシーンがかの9.11という現実の歴史を経た現在のわれわれには、ほとんど笑止なブラックユーモアにさえ思えて、なるほどハリウッドはこのようにして帝国のプロパガンダを臆面もなく世界にまきちらしているのかとあらためてその愚劣な精神の退廃ぶりに感心してしまうのだった。…それからどうやらわたしはいつのまにか寝てしまったらしく、目覚めればもう8日の午前三時で、あいかわらず闇のなかで嵐はまだ生きていた。風は山ではいたるところで小さな竜巻を作った。わが山小屋のトタン屋根が轟音を発し、いまにも家ごと谷底へ吹き飛ぶかとおもうくらいの突風がときおり襲い、脳味噌の視床下部あたりでは火炎の周囲を踊り舞う蝶の絵を想い描き、怯える視覚は眼前する谷間の空間の闇を走り抜けてゆく得体の知れぬ魑魅魍魎をつい幻視してしまう。中天を覗き見上げれば月が煌々と輝き出ている。満月にはすこし足りないが山中に見る月光ははっとするほどの明るさで、つづいてわたしの脳内楽団はハチャトリアンの剣の舞の音楽を勝手にかなではじめ、そのとき、それほど寒くもない夜気の、千里さきまで漆黒に濡れた闇のなかに、たしかに巨大ななにものかの存在をわたしはみたのだった。





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Last updated  2007.01.08 04:44:02 コメント(4) | コメントを書く
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