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2011年08月07日
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カテゴリ: 故事成語
邯鄲(かんたん)の夢


唐の玄宗皇帝の時代の開元年間の頃のお話です。


 呂翁(りょおう)という道士が邯鄲の宿場で休んでいると、盧生(ろせい)という粗末な身なりの若者がそばにやってきて、自分の身の回りで起きる生活苦の不満を愚痴った。

盧生はひとしきり話すと眠くなり、呂翁から枕を借りて眠り込んだ。

陶器でできた枕で両端に穴が開いていた。

盧生が眠っていると枕の穴が大きくなり、人が入れるほどの大きさになったので入ってみた。

なんとそこには立派な家があり、その家は唐時代の名家である清河(せいが)の崔(さい)氏の持ち物で、そこの一人娘を娶ることになり、進士の試験に合格して役人になり、あっという間に出世して首都の長官にまで上り詰めた。

戦争に行っても夷てきを退けて手柄を立て、栄進して御史大夫(ぎょふたいし・皇帝の側近で副宰相格)兼吏部侍郎(りぶじろう・6つある省のなかの長官)になった。




そこに留まること3年、皇帝に呼び戻され戸部尚書(こぶしょうしょ・土地戸籍関係に役所の財務担当官)に任命されて、その後程なくして宰相の座についた。

皇帝をよく補佐して10年間勤め上げ名宰相の誉れ高かったという。

 盧生は平民としては上りつめるところまでいき得意満面であったが、謀反を企んでいる疑いをかけられ突然無実の罪で捕らえられたのである。

縄をかけられてひかれて行くときに妻にこういって嘆いた。

「わたしは山東の家にいた頃はいい田んぼをもっていた。欲にまかせて出世さえしなければ平穏に暮らせたのではないだろうか?

昔、邯鄲の町をボロをまとってさまよっていた時代が懐かしい。」

そして剣をとり自殺しようとしたが妻に止められ成し得なかった。

共に捕まった者はみな殺されたのに、彼の功績を惜しむ宦官の計らいによって死罪を免じられ、驥州(きしゅう)へ流された。


数年してから皇帝はそれが冤罪であったことを知り盧生を呼び戻し中書令とし、燕国公に封じ、恩寵はことのほか深かった。

5人の子はそれぞれ高官に上り、天下の名家と縁組して、十余人の孫に恵まれ幸せな晩年を過ごした。


やがて年老いてからしばしば辞職を願い出たが許されなかった。



しかしついには年齢に勝てず、盧生は亡くなってしまった。



 欠伸をして目を覚ますと、盧生はもとの邯鄲の宿に寝ていたのである。

そばには呂翁(りょおう)が座っている。

宿屋の主人が盧生が眠る前の粟を蒸していたが、それも出来上がってなかった。


すべては元のままだったのである。




呂翁は笑っていった。

「人生なんてそんなものさ。」



盧生はしばらくぼう然としていたが、やがて呂翁に感謝していった。

「栄辱(えいじょく=誉とはずかしめ)も、貧富も、死去も、何もかも経験しました。

これは先生がわたしの欲をふさいでくださったんだと思います。

よくわかりました。」


盧生は呂翁にねんごろにお辞儀して邯鄲の道を去っていった。




この話は唐の「枕中記・ちんちゅうき」のあらすじである。



人生まさに、「一睡の夢」なのである。



人生の大事なことに気が付いたら、

もうこんな歳?

ってことにならないように生きよう。



それにしても

過ぎてしまえば10年といえども

一瞬といえるでしょう。














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最終更新日  2012年03月25日 18時09分29秒
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