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2007年10月29日
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テーマ: 精神の世界(126)
カテゴリ: 宗教
更に仏に成る基となるべき法はこれだけではあるまいと思って探求する賢者について、経典では以下のように示されている。

『斯くして第六の堪忍波羅密を見出して斯う考えた。「汝はこれから後、堪忍波羅密を全うせよ。褒められても見下げられても、唯それを恕せよ。恰も大地に、人が清浄なものを投げても不浄なものを投げても、それがために大地は親しみもせず怨みもせず、それを恕し堪え忍ぶのみであるのとのと同じように、汝も褒められ見下げられるを唯寛恕していれば、遂に仏となるであろう」とて、彼は堪忍波羅密を堅く持して決心した』と。

これらの言葉は、恰も仏性の情解の如くであるが、心情に於いて仏性を円満にしようと努めるなら、ここに示唆されているが如きは当然の行為でなくてはならない。

天上界に生の基盤を持つ者なら、斯かる堪忍波羅密は日常茶飯に実践されていることであるが、それは真理の世界を見た者には最上の情解にもなっているからだ。

普段に於いては、つまり世間的会話に於いてはという限定ではあるが、褒めるも見下げるも真如に関わらない偽装である場合が多い。つまり殆どは真ならざる言動である。言い換えれば発言の中に自身への化粧行為が持ち込まれているのが普通でもあるからだ。

また世には誰かが法を探求したり述べ伝えようとしている場に首を突っ込んで、「それは間違いだ」とか「くだらん話だ」などと不遜な発言をしたがる迷妄も後を絶たない。このような行動もまた、真如覚が開かれていない迷妄の為せる業なのだ。つまり真如実相を持ち出すなら、一切の言語表現は、最良の場合でも方便の域を超えられないことが悟られていなくてはならないということだ。従って彼らの行動の意味もまた、一つの虚構であり、自分を自他に向けて飾って見せたいが為の虚栄欲が働いている結果なのである。私の記憶を辿っても、事実そのような不遜な態度を取る人物に限って、極めて低俗な理念しか持ってはいない。

このような認識と判断に基づいて堪忍波羅密に入るのが情解の視点である。世人の大多数は真理を述べる者を見ることに喜びを持たない。それは世人が他者の幸福を喜ばない心に似ている。では不真理を述べる者、或いは不幸に苦しむ者、これらを見て汝の心は弾むであろうか。もしそのような心の残存が見えたなら、それらを滅却する道がこの堪忍波羅密なのである。

また真如観の視点からこの堪忍波羅密を十全する場合もある。これは悟りの境地から下って波羅密を満足させる行為であり、前者が衆生心から出離する方向での修行になるのに対し、菩提心に基づいて衆生心を鎮めるという菩薩業として理解される。この理が説明されるまでもなく自心に明瞭になること、これがこの堪忍波羅密の果位である。ここではこのような境地に入ることを指して、仏に成ると言われている。





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最終更新日  2007年10月29日 07時05分55秒
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