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昨日は州庁行って、次男のアイディンのホッケーを見に行きました。………特筆することがありません。あ、庭で野生のリスを見ました!家は森の中にあるんですよ。尻尾がキュート!あと、スティーブンの父親と連日会うのはなぜでしょう?スティーブンの父はスキンヘッドに筋肉ムキムキ、オマケにサングラス……。怖!だけどめちゃくちゃ優しくておもしろい!ギャップが……
2008.07.30
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見たのはレースではなくモンスタージャムと呼ばれるスポーツカー競技でした。ディーゼルカーにダンプカー級の巨大なタイヤをつけたモンスタートラックが起伏のあるスタジアムを走り回ってポイントを競う競技です。ま、簡単に言えばでっかいタイヤのディーゼルカーがその場で高速スピンしたり左後輪だけで走ったりすると考えて下さい。ド迫力ですよ。この世のものとは思えないエンジン音をたててスタジアムを走り、勢いをつけてジャンプして着地したり、凄まじい土煙をたてて急回転したりするんですから。やばいじゃん。事故るじゃん。とか思ってたら事故りました。モンスタートラックが一回転して逆さまになったんです。幸い、運転手は無事でしたが、そのモンスタートラックは天井が潰れてました。今日はボストンの港で軍艦を見学しました。その写真はまた今度。じゃ
2008.07.29
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いや、ハナ・モンタナはスターではなくて大スターでした。 すごいステージでめちゃくちゃたくさんの観客の前で歌ってましたし。 それにしても、アメリカの食事はボリュームが…… ピザ一枚にしても日本よりでかい! 毎日腹が…… さて、昨日はビーチに行きました。 ホームステイ先のスクリブナー家は小さな船まで持ってるんです! ビーチはたくさんの人がいました。 で、ビーチでスクリブナー家の息子、コナーの友人のスティーブと遭遇。 なんかカニをとろう!的な事を言って、魚をいれた小さな網袋を見せてきたんです。 とれるはずがないだろーと思ってついていきました。 スティーブが彼の家の船からその網を浅瀬に入れて、しばらくすると引き上げました。 すると、いるわいるわ! うじゃうじゃくっついてました! 浅瀬をよく見たら、濁った水の向こうにうだるほどいました。 すげー。 で、ビーチで水着美女をたんのう……ゲフンゲフン、雰囲気を楽しみまして(いやマヂで)。 スクリブナー家の子供達の友人がたくさんいるのでずっと遊んでました。 アメリカ人は外向的ですね。 つくづく日本人が内向的だと実感します。 では、これからレースを見に行くので。 さらば
2008.07.28
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はい!日本にお住まいの皆さん、いかがお過ごしでしょうか。僕はただいま海外研修でボストンへ来ております。それにしても、飛行機で15時間はきつかった…ただいま、時差ボケで疲れきっております。ホームステイ先は可愛い子供達と優しい両親で助かってますけどね。詳しい報告はまたします。これからアメリカのスター、ハナ・モンタナの……なんだろ?コンサート?的な奴をテレビで見るので。なんか遊園地にあるような3Dメガネをかけて見るそうで……ホームステイ先の一族郎党が集まってめちゃくちゃ騒がしいです。子供だけで10人以上いますから……(笑
2008.07.27
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はい!てなわけでFALLを投稿しました!スランプ&急ピッチなんでひどいもんですが・・・。ま、FALLを見てテンションダウンした後、エックス・オブ・?さんの『リッカー』で盛り上がってください。ちなみに明日からアメリカなので感想はぜひともお早めに・・・。あと、登場人物が多いので、キャラ紹介や前話の見直しをお勧めします。~前回のあらすじ~南アメリカが暗黒大陸となってから10年・・・・。<SAF>はバーナード・ブルックベル教授の護衛として南アメリカへと渡ることとなった。しかし、グリーン・ベレーとの連絡が途絶え、さらには正体不明の怪物に撃墜されてしまう。怪物達に追い詰められた彼らを助けたのは、レジスタンス<抗う者達>と名乗る者達だった・・・ではでは、行ってまいります(・ω・)ノシ
2008.07.24
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第2章 RELIEF<救出>「ようこそ。我らが城へ」スコットがなぜか自慢げに言った。レジスタンスに案内され、一行はクリティロ近郊の山に来ていた。山肌には枯れた木が生い茂っている。「ここのどこがレジスタンスの基地なんだ?」と、レイ。山はただの山に見える。「なあに、見えないだけさ」ネイオはそう言うと、口笛を吹いた。高く、低く、一旦止め、高く吹く。同じような音がどこかから聞こえてきた。「ネイオだ。グンガンの耳」「グンガンのアホヅラ。よくお帰りで、指揮官」迷彩服を着て落ち葉や倒木に身を隠していたブラジル人兵士達が次々に姿を現した。見張りだ。「格納庫を開いてくれ」「アイサー」隊長格の男が手を振った。若い兵士が慌てて何かのスイッチを押した。ガガガガガガガガガ………きしんだ音をたてて、山肌が崖になり、垂直になっている部分が開き始めた。隠し格納庫だ。「ほえー……」シュンハが感心したようにつぶやく。ジープやトラックはそこに入っていった。再びシャッターが下りる。シャッターは岩肌そっくりにペイントされているから、外側から見るとただの崖の一部分にしか見えないだろう。「来てくれ」ネイオがトラックから降りながら言った。「あなた達の言う<SEAL>や<SAS>の動向が気になる。落ち着いて調べてみましょう」「そうだな」シュナイダーは頷いた。「ヒュウッ!」ガードナーが口笛を吹いた。「おー、すげえ………」アランがため息をつく。格納庫の先は、巨大な縦穴だった。縦穴は上方に丸い穴が空いており、光が底を照らしている。底部では、たくさんの人々がテントをつくり、生活していた。スラムのような環境だが、人々の顔にあきらめは無かった。なんとかこの南アメリカを脱出しようと試みて、日々励んでいるのだ。「あなたがたが来てくれて助かった」ネイオが言った。「これで助けが呼べる」「助け?」アランが聞き返した。「長距離通信機は全部ぶっ壊れてるぜ?」「んだとぉ!?」スコットが頭に手を当て、愕然と叫んだ。「ちょ、待てよ!じゃあ助けが呼べないじゃんか!」「そうなるな」クロウが頷いた。「帰れると思ったのにいいいいいいい!」スコットはそう言ってゴロゴロと転がった。その時、シュナイダーの近距離通信機が起動した。「お、なんか来た」シュナイダーはそう言うと通信機を取り出した。「―――! <SEAL>だ!」彼はすぐに繋げた。「こちら<SAF>!」『やあ、<SEAL>だ。まもなくクリティロ上空にさしかかるぞ』その言葉を聞いた瞬間、ネイオが焦った表情をした。「クリティロ上空だと!?まずい!退避しろ!」『なんだと?なにか問題でも―――』次の瞬間、爆発音が聞こえた。『な、なんだ!?』『わかりません!ミサイルをくらいました!不時着します!』『くそっ!何事だ!こちらシードラゴン1!シードラゴン2、援護してくれ!』『こちらシードラゴン2!無理です!被弾しました!』『なんだと!?ちくしょう!パラシュートを持て!脱出を―――』ブチッ!唐突に通信が途切れた。静寂が下りる。「……………やばいな」スコットがつぶやいた。<SEAL>隊の隊長、アレックスは壊れて役に立たなくなった通信機を投げ捨て、パラシュートをひっつかむと、空に飛び出した。制御を失ったヘリがぐるぐる回り、地面に墜ちていく。アレックスはもたつきながらも必死にパラシュートを開いた。パラシュートが膨らみ、なんとか着地する。クリティロはビルこそ無いものの、スーパーなど、生活に必要な物はそろった街だった。辺りの道路や家の屋根に、次々に20人の隊員達が着地した。中にはパラシュートを持たずに飛び出したため、時速100キロ以上で地面に顔面から着地した者もいたが。アレックスはすぐにサブマシンガンを構えた。彼の部下であるグリッグやジャンソン、ディックスが近づいてくる。「隊長、無事でしたか」グリッグが安心したように言った。「安心するにはまだ早いぜ」ディックスがサングラスをかけた細い顔を不安に歪める。「あのミサイルはいったいなんなんだ?」「さあ、わからんな」大柄なジャンソンが腕組みしながら答えた。「お前には聞いてない」ディックスがぷいとそっぽを向く。「ディックス、少し黙れ」アレックスはそう言うと、辺りを見回した。「よし、<SAF>と合流しよう。グリッグ、隊員の点呼を頼む。ジャンソン、犠牲者のチェックだ。ディックス、オレについてこい。周囲の状況を―――」アレックスは唐突に口をつぐんだ。「………なんだ?この音………」グリッグが不安そうに辺りを見回す。いつの間にか、周りから地を這うようなうめき声が響き渡っていた。あちこちで話していた<SEAL>達が、不安げにアレックス達の周囲に集まる。「……………近いな」ディックスはそう言うとサブマシンガンの握部を神経質に握った。「ああ、それに………」ジャンソンが真剣な表情で辺りを見回す。「数が多い」「それも半端なく、だ」アレックスはそう言いながら、うめき声に寒気を感じた。声に、生気が感じられない。<SEAL>が着陸した場所は、十字路のちょうど真ん中だった。近くの民家にヘリがいくつか墜落し、夜空に炎の赤い光を投げかけている。辺りにそれ以外の灯りは無かった。うめき声は地を這い、<SEAL>達の足に絡みつき、心臓を鷲掴みにした。<SEAL>達は、怯えていた。凄まじい修練を積んだ彼らが、アメリカ最強の1つと呼ばれる<SEAL>が、うめき声に怯えていた。徐々にうめき声が大きくなり、数を増やしていく。その時、アレックスは道路の先に蠢く影を見つけた。夜闇のため、姿は見えないが、何かがいる。それも、大量に。「………なんだ、あれ」ディックスがつぶやいた。影はどんどん数を増やし、うめき声は地を震わせるようだ。しかも、十字路を押し包むように4方向から来ていた。「………目標を正面に」アレックスは静かに指示した。<SEAL>達が十字路の真ん中で銃を構え、4方向から押し寄せてくる影に向けた。「……………敵、でしょうか?」グリッグがアレックスに訊く。「わからん。南アメリカに人が生き残ってると思うか?」「……わかりませんが、可能性は否めません」「………………よし、サーチライトの領域にあの影が入ったら決めよう」アレックスが言った。影達が近づいてくる。誰かの荒い息が聞こえた。影が、光の領域に踏み込んだ。誰もが、目を疑った。「う…………うわああああああああああああ!!」誰かが恐怖の悲鳴をあげ、サブマシンガンをでたらめに撃った。アレックスも半狂乱になりながら、トリガーを引いた。撃ち出された銃弾が次々にゾンビのような怪物に命中し、腐った肉を弾き飛ばす。が、ゾンビは撃たれた衝撃で立ち止まりはするものの、なかなか倒れない。凄まじい数のゾンビが十字路の真ん中に押し寄せてきていた。<SEAL>達はこの世のものとは思えない光景に戦慄しながらも、銃の引き金を引いた。銃声が響き、光が閃く。しかし、ゾンビ達はひるまずよろよろと歩いてくる。「な、なんなんだ!?こいつら!」グリッグが狼狽しきって叫ぶ。「ゾンビだろ!?」ジャンソンがライフルを撃ちまくりながら答える。「バカ!ゾンビなんているわけ―――」ディックスはそこまで言って、目の前に迫る怪物達を眺めた。「………まあ、いないことは無いな」「無駄口叩くくらいだったら撃て!」マガジンに弾を込めながらアレックスが怒鳴った。ゾンビ達はよたよたのろのろと歩き、着実に<SEAL>達に接近していた。腕がちぎれている者もいれば、撃たれた穴から腐った血を噴き出している者もいる。「ば、化け物!」グリッグが恐怖におののき、叫んだ。「ジャンソン!手榴弾だ!」アレックスの指示にジャンソンが頷き、腰の手榴弾を手にとると、ゾンビ達に向かって投げた。爆発が起き、ゾンビ達を吹き飛ばす。ジャンソンがガッツポーズをとった。だが、彼らに退路は無い。全滅は目前だった。「これ以上早く走れないのか!?」武装トラックの兵士輸送ベイでレイが叫んだ。「馬鹿言うな!クリティロは敵の巣窟だ!ヘタすりゃヴェノムに見つかる!」ネイオが怒鳴り返す。「ヴェノム?」シュンハが首をかしげた。「なんだ?それ」それを聞いたスコットが凄んだ笑みを見せる。「ま、その内お目にかかるだろうよ」彼らはクリティロの街中を疾走していた。もちろん、<SEAL>を救出するためだ。「勝算はあるのか?」ガードナーが訊く。「突っ込んで、拾って、脱出」スコットがなんでもないような感じで言う。「簡単だろ?」「全滅するのがな」ネイオがあきれたように言った。「作戦としては、まず<SEAL>の墜落地点とおぼしき地点を偵察し、<SEAL>とコンタクトをとって、内外からの同時波状攻撃で―――」「おいおいおい、そんな時間かけたら、それこそヴェノムに見つかっちまうぜ?」スコットが馬鹿にしたように言うと、ネイオはムッとした顔をした。「じゃあ、なにかいい考えでもあるのか?」「だから言ってるだろ?突っ込んで、拾って、脱出」「そして全滅と」ネイオがすかさず言うと、スコットはいらいらと言い返した。「五月蝿い!兵は拙速を尊ぶと言うだろ?」「自分の言葉、なんて書いてあるかわかるか?」ネイオが言うと、スコットは言葉につまった。「えー………と、『ごがつハエい!へいは……しゅつそくをとうとぶ?』」スコットの珍回答に、ネイオは吹き出した。「馬鹿。『うるさい!つわものはせっそくをたっとぶ』だ」「うるせーっ!なんだ!?やんのか!?ネイオ!」「やる暇はありませんよ」ずっと前方を見ていたローグが言った。「グールです!」全員、すぐに前を見た。前方では、何百匹というグールが十字路の真ん中に渦巻くように群がっていた。「人だ!」レイが叫んだ。確かに、十字路の真ん中では、数人の兵士達がグールと必死に格闘していた。「なあ、ネイオ」「うん?」「どっちの作戦をとる?」「…………好きにしろ」「よっしゃあ!」スコットはひとさし指を十字路に向けた。「突撃ぃ!」疲れきったアレックスは、信じられない物を見た。武装したトラックやジープが、グールの大群に突っ込んできたのだ。ジープの後部につけられたマシンガンが唸り、グールを薙ぎ倒していく。トラックから兵士が飛び降り、混乱しているグール達に向かって銃を乱射した。「味方だ………」ジャンソンが呆然とつぶやく。「おい、大丈夫か!」<SAF>の腕章を持つ男が駆け寄ってきた。グール達が十字路の各方向に引いていく。だが、彼らは逃げたわけでは無かった。体勢を立て直し、再び津波のような攻撃をしかけるつもりなのだ。「シュナイダーさん!早く!」武装トラックの兵士輸送ベイからサブマシンガンを撃っていたアメリカ海軍<ネイビー>の少年が叫んだ。「奴らが来ます!」「チッ!」シュナイダーと呼ばれた男は思わず舌打ちした。「生き残ったのは4人か?早くトラックへ!」
2008.07.24
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ローグは兵士輸送ベイからサブマシンガンを連射し、再び4方向から押し寄せてくるグール達を迎撃していた。隣ではレジスタンスのブラジル人がトラックに設置された固定マシンガンを撃ちまくり、トラックの周りに展開した<SAF>や武装ジープも激しく抵抗している。だが、グールの数は底なしだった。仲間が倒れても、その屍を乗り越え迫ってくる。<SEAL>の生き残った4人がトラックに乗り込んだ。「よし、撤収!」ネイオが叫ぶ。シュンハがまずトラックに飛び乗った。シュナイダーが続く。「ガードナー、早く!」アランが兵士輸送ベイに足をかけながら叫ぶ。最後まで抵抗していたガードナーが振り向き、トラックへ向けて走りだした。だが、その時。大量のグールをはね飛ばしながら、2つの長い影が戦場に躍り出た。体長は10メートル程。太さも1メートル近くあるだろう。「ヴィシス<凶暴>だーっ!」ブラジル人兵士が叫んだ。ガードナーが振り返る。そこには、鎌首をもたげ、鋭い牙を剥き出しにした濁眼の怪物ヘビがいた。「ガードナー、走れ!」クロウが叫び、ベイから銃を連射した。怪物ヘビに唖然としていた他の隊員達も、我に返って撃ち始める。だが、銃弾は次々にヴィシスのゴム状皮膚を突き破るものの、ヴィシスは全く気にしていなかった。「あ………あ…………」ガードナーがペタンと尻餅をつく。「馬鹿!ガードナー!」クロウが叫ぶ。「うわああああああああああああっ!」突然、悲鳴が響いた。ガードナーではない。武装バギーの1つが、もう1匹のヴィシスの尾による強力な打撃を受け、横転していた。ひしゃげた車体から2人のブラジル人兵士が這い出してくる。しかし、彼らは一瞬でヴィシスに貪り喰われた。「shit!」レイが毒づく。「あっちを忘れてた!」その頃、ガードナーは尻餅をつきながら呆然と口をあけ、ギラリと光るヴィシスの牙と、不気味に渦巻く二対の濁眼を見つめていた。恐怖に神経が麻痺し、何も言えなかった。ヴィシスとガードナーの間に、完全な静寂が降りる。「神よ………」ガードナーは震える唇でなんとかつぶやいた。次の瞬間、ヴィシスの牙が彼の体を貫いた。「ガードナーッ!」アランが悲痛な叫び声を上げた。ヴィシスはガードナーの骸をひと呑みにすると、トラックに狙いを定めた。バギーを破壊したヴィシスも、怪物のように吼えると、体を鞭のようにくねらせ、一気にトラックに向かってきた。「出せ!出すんだ!早く!」レイが恐怖に満ちた声で叫ぶ。トラックは疲れたかのように車体を震わせ、走り始めた。残った4台のジープやバギーが続く。「あの怪物達、いったいなんなんだ!?」<SEAL>の隊長格の男がサブマシンガンを撃ちながら訊く。「グール!ゾンビみたいな連中だ!」ネイオが説明した。「そしてあのヘビはもっとタチの悪い怪物だ!」トラックは徐々にスピードをあげ、確実にヴィシス達を引き離していた。ヴィシスがいらだった声をあげる。シュンハが銃を撃つ手を休め、額の汗を拭った。「ふう、もうだいじょう―――」次の瞬間、ヴィシスの1匹が、頭付近の筋肉を総動員し、頭を軸にして長い体をぐるりと横に、そう、まるで横殴りの鞭のように回転させた。1メートルの太さの鞭が、武装ジープの横っ腹に叩きつけられた。ジープがまるでオモチャのように回転しながら吹っ飛ぶ。それはトラックの真横にぶつかった。凄まじい衝撃がトラックを襲う。クロウはその衝撃で床に倒れた。頭が固い金属に叩きつけられ、意識が飛びかける。「つ………」クロウが後頭部をさすりながら起きあがると、レイが血相を変えて叫んだ。「アラン!!」クロウが見やると、アランが地面に投げ出されていた。ヴィシス達が喜んで突進していく。「アラン!」レイが再び叫んだ。アランが倒れたまま必死になってハンドガンを抜く。しかし、そのハンドガンが火を噴く前に、アランの体は牙に引き裂かれていた。レイが悲痛な叫び声をあげ、ベイから飛び出そうとした。「レイ!やめろ!」クロウがレイを後ろから抱きとめた。「放せ!アランが!アランがぁっ!!」レイが髪を振り乱しながら叫ぶ。「落ちつけ!落ちつくんだ!」クロウは怒鳴りながら、なんとか無理やりレイの体をベイに戻した。トラックはアランの屍を貪るヴィシス達から、急速に離れていった。「パパ?」リアナはレジスタンスのアジトで、彼女達に与えられたテントの中で荷物をまとめていたバーナードの背中に声をかけた。バーナードがビクンと体を震わせる。彼は振り返ると、リアナを見てひきつった笑みを見せた。「や、やぁ、リアナか。もうこんな時間じゃないか。早く寝なさい」「なにしてるの?」リアナは父の言葉に取り合わず、眉間にしわをよせ、ずかずかと詰め寄った。バーナードがたじたじと後ずさる。「い、いや、荷物の整理をだな………」「荷物の整理?じゃあなんで長距離通信機なんか持ってるの!?」リアナはカバンから顔を覗かせている長距離通信機をズバッと指さした。そしてハッと気づいた。「長距離通信機!?持ってるならなんで言わないのよ、パパ!」「……………………………………………………………お前には言うまいと思っていた」長い沈黙の後、バーナードはゆっくりと言った。「そのとおり、長距離通信機はここにある」「だったら―――」「だが!」バーナードはリアナの言葉を荒々しく遮った。「このレジスタンスの連中は数千人はいる!」「…………だからなに?」リアナは理解できないというように首をかしげた。次の瞬間、リアナが見たのは、今まで見たことも無いような残酷な笑みだった。「フィアやグールがレジスタンスのアジトを襲えば、素晴らしいデータを入手できる。奴らの指示系統、科学力、戦闘能力!そうすれば、わたしの生物学界における地位も飛躍的に―――」バーナードはそこで言葉を切った。「知っているか?あのゾンビを造り出したウイルスは、アメリカの兵器なんだ!わたしは前日、ネザル准将やアーサー・ホーク博士と会って、その詳細なデータの採集を頼まれたのだ。そして成功した暁には、多大な褒賞に地位、さらにはUウイルスという未知の分野に関する研究までさせてもらえるんだ!」バーナードは魅せられたかのようにつぶやくと、リアナに手をさしのべた。「さあ、行こう、リアナ」リアナはしばらく父を見つめた後、いやいやと言うように首をゆっくりと横に振りながら後ずさった。「そんな………こんなのパパじゃない……」「リアナ、来るんだ!」「いやあっ!」リアナは自らの腕を掴んだ父の手を振りほどこうと必死にもがいた。バーナードがいらだたしげに舌打ちし、もう片方の拳を振り上げる。リアナは悲鳴をあげた。「なにやってる?」突然、声が響いた。2人はテントの入り口にハッと目をやった。そこには、30歳程の男がいた。顔の片側の皮膚が、大火傷のせいでたるんでいる。男はずかずかとテントに入るとバーナードの腕をむんずと掴み、リアナを後ろに庇った。「自らの娘に暴力を振るうとは何事ですか、教授」バーナードは男を睨んだ。「君には関係無い事に首を突っ込むくせがあるようだな」バーナードはリアナを見つめた。「リアナ、本当にこないつもりか?」リアナは少し迷ったが、頷いた。「…………そうか」バーナードは寂しげに頷くと、荷物を持ち、テントから出ていった。リアナの目から、涙がこぼれ落ちた。「そんな……パパが……」涙は次々に溢れだしてきた。楽しかった父との思いでが、胸の内に蘇る。だが、その思いでは、父の残酷な笑みに踏みにじられた。リアナは、大声で泣いた。「ふむ、奴らはそんな連中だったのか」アレックスは顎に手をやって頷いた。「信じられないな」グリッグが腕を組み、懐疑的に言う。「じゃあ、あれがなんだと言うんだ?」クロウがいらいらと言った。グリッグが押し黙る。「長距離通信機なら、誰も持ってないぞ」ジャンソンが言った。「緊急事態だったからな」「そうか………」シュンハが残念そうに言った。「てことは、まだアメリカとは連絡がつかないのか………」「…………いや、待てよ」ディックスが思いついたように言った。「ここはリオデジャネイロの近くだろ?リオデジャネイロのテレビ局だったら、高能力の通信装置ぐらいあるんじゃないか?」「無駄さ」スコットが手をひらひらさすて言った。「フィアが全部ぶっ壊しちまった」「フィア?」アレックスが首をかしげる。「なんだ?それは」「グールから進化した新生物だ」クロウが言った。「あなどれない連中さ」「………ところで、これからどうするんですか?」ローグが口を開いた。「長距離通信機も無いんでしょう?」皆、一様に黙り込んだ。「あーー………、それだがな」今まで近距離通信機をいじっていたシュナイダーがおもむろに言った。「<SAS>がここから北に10キロメートルの地点に着陸した。現在、戦闘中だ」悲鳴があがり、<SAS>の隊員がまた1人倒れた。「ドルチェス!」コナーは物陰から叫んだが、どうにもならなかった。怪物達が持つ銃からレーザーが滝のごとく吐き出され、矢も盾もたまらない状況なのだ。このままでは長くはもたないだろう。「イングランド隊長!敵が背撃してきます!」隊員の1人が叫んだ。見ると、確かに敵の1隊が後ろに回り込もうとしていた。周りは瓦礫ばかり。後ろに忍び込むのは容易だろう。よし、相手の戦略を叩き潰してやる。「ジョン、エドワード、カトリーナ!お前達はグレイズドノットと一緒に<ホームズ>と<ワトソン>を守れ!」「了解!」「イエッサ!」「わかりました!」3人の隊員が返事をし、銃弾飛び交う戦場を横切りだした。「ドイル!」「はい!」コナーが呼ぶと、すぐに応答がきた。「敵が側面から来てる!そいつらを潰す!援護しろ!」「Yes,sir!」「OK,Let's move!」コナーは瓦礫に隠れての移動を開始した。背後にドイルが続く。じきに主戦場から離れ、少し静かな場所に来た。その時、コナーは咄嗟に身を潜めた。ドイルも素早く従う。怪物達がいた。体には装甲服を着用し、手にはレーザー・ガンを持っている。6匹はいるだろう。怪物達は薄気味悪い言葉で会話し、そろそろと歩いていた。まだコナー達には気づいていないようだ。コナーは怪物達を指し示し、人指し指を引き金を引くように動かした。ドイルが頷く。2人は瓦礫から顔を出すと、慎重に狙いを定めた。「FIRE!」コナーの高らかな声と共に、銃弾が放たれた。鉛の弾丸が次々に怪物達の体に突き刺さった。怪物が悲鳴をあげ、たじたじと後ずさる。「いいぞ!」コナーは空になった弾倉を取り換えながら言った。しかし、怪物達は倒れるどころか撃ち返してきた。「なっ!?」コナーは絶句したが、すぐに瓦礫に隠れた。「なぜ奴らは死なん!?急所に当てたはずだぞ!?」「わかりません!」ドイルも狼狽しきって答えた。怪物達が銃を撃ちまくりながら接近してくる。赤いレーザーが瓦礫の端を弾いた。「ええい!手榴弾だ、手榴弾!手榴弾を使え!」コナーはそう言うと腰から手榴弾を抜き、投げた。ドイルが続く。手榴弾が爆発し、怪物の悲鳴が聞こえた。「………………」「……………死んだか?」「さあ」「見てこい」「………正直、嫌です」「上官命令」「……卑怯者」ドイルはそう言うと、渋々立ち上がった。「大丈夫、後ろから援護するって」「20メートル後ろからですか?」「冗談冗談、私も行く」コナーはそう言うと、ドイルと共に瓦礫から足を踏み出した。何かの焦げた臭いがする。
2008.07.24
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「気をつけろ。あの回復力は脅威だ」コナーの言葉にドイルが頷き、静かにライフルを構える。次の瞬間、瓦礫の下から怪物が飛び出し、コナーが防ぐ間もなく彼の首を掴んだ。不気味な灰色の皮膚に覆われた手がコナーの首をギリギリと締め上げる。体のあちこちに傷が走り、顔の片側が真っ黒に焼け焦げた怪物が恐ろしい声をあげた。「隊長!」ドイルは慌て銃を撃とうとした。が、彼はうなじに殺気を感じ、素早く身を翻すと、目の前で口を開けていた別の怪物の顔に、銃弾を何発も撃ち込んだ。怪物が今度こそ絶命し、倒れる。だが、次の怪物がドイルに殴りかかってきた。その頃コナーは、首を締める手を剥がそうと躍起になっていた。既に酸素不足のせいで意識が朦朧とする。コナーは必死に腰からハンドガンを引き抜くと、立て続けに引き金を引いた。全弾命中。しかし、怪物は動じず、相変わらずコナーの首を締めていた。「く………そ…………」コナーは役に立たなくなった拳銃を捨て、ナイフに手を伸ばした。だが、もはや体力は限界だった。視界が血走ってくる…………突然、エンジンの音と共に銃声が聞こえた。コナーの首を締めていた怪物の手が震え、力を失った。コナーは激しく咳き込んだ。新鮮な空気が肺に入ってくる。「隊長!早く!」見ると、軍用武装ジープの運転席に乗ったグレイズドノットが銃を構えていた。隣には同じく軍用武装ジープ<ワトソン>があり、カトリーナが運転席にいる。ドイルが<ワトソン>の後部の銃座に素早く乗り込むのが見えた。軍用武装ジープは補助席にマシンガンが据えられており、後部は立って扱うマシンガンが備えられている。「グレイ!他の仲間は!?」グレイズドノット、通称グレイがかぶりを振った。「みんな殺られました!すぐ後ろに怪物達がいます!早く!」コナーは頷き、<ホームズ>の後部銃座に飛び乗った。グレイがアクセルを踏み、<ホームズ>が瓦礫ばかりの悪路を走り出す。怪物達が瓦礫を乗り越え、銃を撃ってきた。レーザーが地面に炸裂する。<ホームズ>と<ワトソン>は素早く瓦礫の山を走り抜け、戦場から離れた。周りは崩れた民家ばかりだ。「ふう………、全くなんなんだ、この街は……」コナーはつぶやき、額の汗を拭いた。その時、地響きが聞こえた。「…………?」周りを見回したが、何もいない。だが、グレイにも聞こえたようだ。ジープを運転しながら、しきりに周りを見回している。次の瞬間、破壊音と共に近くの民家が崩れた。並んだ民家が次々に崩壊していく。その中から現れたのは、4本の足を持った重兵器だった。青い光沢のある装甲に、流線型のコクピット。全てを踏み砕く頑丈な足。足の先には1本の鋭い爪がある。コクピットの両横にはガトリングとミサイル発射装置らしき物がついていた。「………なんだ、こりゃ」グレイがつぶやく。「モンスター?」と、コナー。「嫌な事言わないで下さいよ。きっと強力な装甲とガトリングを手に入れたクモです」「それも嫌だな」「ていうか、これどうみても兵器ですよね?」「わかっていることはただ1つ」コナーは顎を撫でながら言った。「ヤバい」次の瞬間、なんらかの兵器はガトリングを撃ちまくりながら接近してきた。4本の足で瓦礫を難なく越え、凄まじいスピードで迫ってくる。「逃げろ!」「言われなくても!」グレイは思い切りアクセルを踏み込んだ。<ホームズ>がぐんぐんスピードをあげる。<ワトソン>のカトリーナとドイルも必死についてきていた。「ヴェノム?」「ああ。<SAS>の連中がそのヴェノムと遭遇したら大変だなーー、と」「なんなんだ?そのヴェノムって」クロウがスコットに訊く。「えーと、確かここに記録が………」スコットはそう言うとバックパックをごそごそといじり、2枚の写真を取り出した。「数年前、ある街のフィア軍に向けて大規模な攻撃をしかけた時の写真だ。見てくれ」ヴェノム1ヴェノム2「………………これ、ゲーム画面………?」「気のせいだって」「ていうか、著作権とか大丈夫なのか?」「大丈夫じゃね?たぶん」「たぶん………」「とにかく!」シュナイダーが言った。「<SAS>と合流しないと!」「ああ、それなら大丈夫だぞ」ディックスが言いながら道路の前方を指さした。「来たぞ。おみやげ持って」「トラック!?」ドイルは前方の車団<コンボイ>を見て叫んだ。「<SAF>か!?」「わかりません!」運転しているカトリーナが言う。トラックやバギーの集団はこちらに向かってきていた。「………賭けよう。カトリーナ、このまま突っ走って!」「はい!」<ワトソン>は速度をあげた。みるみる内にコンボイが迫る。そして、トラックの後部から光が閃いた。「ロケット・ランチャー!」ドイルは喘いだ。ポータブル・ミサイルがぐんぐん<ワトソン>に近づいてくる。しかし、彼らには当たる事なく通過し、後方から追いすがっていた戦闘兵器に激突した。戦闘兵器は真正面からミサイルをくらい、足をもつれさせて無様に転んだ。「ひゃっはあ!見たか!このスコット様の腕前を!」「バカ。撃ったのはジャンソンだ」「知るか。弾を渡したのは俺だ」「脇役すぎるだろ………」トラックとすれ違いざまに、そんな会話が聞こえてきた。トラックとバギーやジープは素早くUターンし、<ホームズ>や<ワトソン>と並走した。「<SAS>だ。援護に感謝する。<SAF>か?それとも<SEAL>?」「どっちもだ。あとレジスタンス」<SAF>の隊長らしき男が言った。「とりあえず話をしよう。伝えなきゃならない事は山程ある」「なるほど、奴らはフィアというのだな」時は夕刻。徐々に黄昏ゆく中で、コナーは頷いた。一行はフィア達から身を隠すため、少々無理をして森の中にトラックを入れていた。「その通り。奴らの科学力は我々を絶する程だ。特にさっきのヴェノムという戦闘兵器を見ただろう?」シュナイダーが言った。「僕達はどうするんですか?このまま奴らが南アメリカでのさばるのを見過ごす訳にはいかない」と、ドイル。クロウが頷いた。「その事だが、長距離通信機を持ってないか?アメリカ軍を呼んで、奴らに攻撃をしかけるべきだ」グリッグがギョッとした顔をした。「正気か!?あの何千匹ものグールを見ただろ!?あれが何万といるんだぜ!?」「わかっているからこそだ」クロウは力強く言った。「フィアはグールをなんらかの形で支配している。あのグールの大軍に、フィアの科学力、さらにはUウイルスによって凶暴に進化した動物の力が合わされば、かなりの驚異になる」「だからって………」「議論はそこまでだ」アレックスが制した。「まずは長距離通信機があるかないかだ」全員の視線が<SAS>に集まる。<SAS>の隊員達は、お互いに目をやった。「あるぜ」グレイズドノットが言った。「だけど、中の部品が2、3イカれちまってる。修理が必要だ」「マジかよ………」ディックスが頭をかいた。突然、見ていたブラジル人の男が口を開いた。「修理の必要な部品は?」「えーと、ギアセクションの4-ACと、通信セクションの3-DGだ」それを聞いたブラジル人の男はしばらく考えていたが、静かに頷いた。「俺はリオデジャネイロで電気機器部品の工場に勤めていた。管理職に近かったから、工場で生産されていた物もわかる。工場に行けば、きっと必要な部品があるはずだ」「でかした!」スコットが嬉しそうに言った。「大手柄だぞ!えーと……」「パウロ。俺の名前はパウロだ」「そういえば、自己紹介がまだだったな」シュナイダーが背中をポリポリかきながら言った。「僕はシュナイダー。<SAF>の隊長です」「リ・シュンハ。<SAF>の隊員」「朝鮮人?」グリッグが嫌そうな顔をした。「北か?南か?どちらにしろ最低な民族だな」「南。君達には友好な方の朝鮮さ」シュンハはため息をつきながら言った。「君とは仲良くできそうに無いな」「で、彼がレイ・ジェーバックだ」シュナイダーがトラックの隅でボーッとしているレイを指し示して言った。「従兄弟を亡くしてね。ショックのあまり、口もきいてくれない」ジャンソンが同情の眼差しでレイを見つめた。「オレは……クロウ」クロウが銃の整備をしながら、顔も上げずに言う。「ローグです。アメリカ海兵隊に所属の二等兵」ローグが旅の汚れがつきまくった金髪を気にしながら言った。「バーナード教授とリアナの護衛を任されています」「ネイオ・ワーク。南アメリカで確認されたリッカーと呼ばれる怪物の調査にきた」「スコット・アンティリーズだ。任務はネイオと一緒」「アレックス。<SEAL>だ」筋肉隆々の男が自らを指し示しながら言った。「グリッグだ。よろしく」「ジャンソンです」「ディックス。電子機器は得意だ」「コナー・イングランド。<SAS>だ。で、こっちが…」「ドイルです。よろしくたのみます」「グレイズドノット。グレイと呼んでくれ。エンジニアだ」「カトリーナです。皆さん、力を合わせてこの難局を乗りきりましょう!」「いい考えだ」クロウがライフルをガシャリと鳴らしながら言った。「力を合わせて逃げるぞ。囲まれてる」「はぁ?」グリッグが疑わしげに言った。「そんなわけあるか。気配、それに物音すら――」グリッグの反論は唐突に途切れた。彼の目の前にライフルの銃口が突きつけられたのだ。「キャンキャン吠えるな、ヒヨッコ。生き抜いてきた修羅場が違うんだよ」グリッグは真っ青な表情をし、口をつぐんだ。「トラックに乗れ。今すぐだ」クロウの言葉に皆頷き、急いで乗り込んだ。「ほんとに囲まれてるのか?」コナーがクロウに訊いた。クロウは迷いなく頷いた。「間違いない。殺気が満ち溢れてる。早いとこリオデジャネイロに向かおう」「リオデジャネイロ?でも、アジトに置いてきたリアナやバーナード教授が心配です!」ローグが反論した。「ごちゃごちゃ言うな。早くしないと、くるぞ」クロウはそう言うと、トラックに乗り込んだ。ローグが不満げな顔をしながらも続く。コナーはため息をつくと、グレイの運転する<ホームズ>へ向けて歩き出した。全く、なんなんだこの状況は――「コナー、走れ!」突然、クロウが切羽詰まった声で叫んだ。「来たぞ!」「え――」次の瞬間、コナーもはっきりと感じた。殺気。コナーは慌てて駆け出した。<ホームズ>まであと20メートル、10、5――。次の瞬間、近くの茂みから獣が飛び出した。筋肉が剥き出しになった犬のような怪物だ。「ヘル・ハウンド<地獄の犬>だーっ!」パウロが叫ぶ。ヘル・ハウンドは一気に跳躍し、コナーの側に降り立つと、彼の足に噛みついた。コナーが悲鳴をあげる。「隊長!」グレイが叫び、銃をとった。だが、ヘル・ハウンドはコナーの足をくわえたまま暴れまわり、なかなか狙いがつけられない。コナーが苦渋の声をあげる。クロウが素早くライフルを構えた。ドイルがギョッとした表情をする。「バカ!隊長に当た――」パアン乾いた音が響いた。ヘル・ハウンドが悲鳴をあげて飛びのく。「……信じられん。当てやがった」ディックスが呆然と言った。だが、周りの茂みから次々にヘル・ハウンドが飛び出してきた。何十匹といる。その内の数匹がコナーの傷ついた足を再びくわえ、茂みに向かってずるずると引っ張りだした。コナーが悲鳴をあげ、じたばたと暴れる。「なんとかしろ!」「できるもんならしてる!」グリッグがわめき、シュナイダーが答えた。辺りに銃声と獣の戦吼が響く。
2008.07.24
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「カトリーナ!」ドイルは叫ぶとライフルを手に持ち、コナーを追った。カトリーナが続く。「バカ!よせ!」アレックスが叫んだが、彼らは無視した。コナーが茂みの向こうに連れ去られ、見えなくなる。パタリと悲鳴がやんだ。ドイルは迷いなく茂みに突っ込んだ。もはや時は夜。森の中はっ暗だ。ドイルはライトを点けた。とたんに、ヘル・ハウンドが彼に飛びかかってきた。ドイルは悲鳴をあげて倒れた。ヘル・ハウンドが恐ろしい唸り声をあげ、口を開く。ドイルは無我夢中でそれを押さえた。「ドイルさん!」カトリーナが叫び、震える手で銃を構える。ドイルは焦った。「バッ……!撃つな!殴れ!」カトリーナは慌てて銃口を持ち、振り回した。バキッ!という音と共に銃尻がヘル・ハウンドの頭にクリーンヒットした。ヘル・ハウンドがキャインと鳴き、転がる。「ナイス!」ドイルは起きあがりざまに拳銃を引き抜き、次々に銃弾をハウンドに浴びせた。ヘル・ハウンドが動かなくなる。その時、背後で物音がした。ドイルとカトリーナは素早く銃をそちらに向けた。が、すぐに下ろした。そこにいたのは全身汗だくのアレックスだった。「早くジープに!」「隊長が!」ドイルは食い下がった。「どの道助からない!早くしろ!」ドイルはしぶしぶアレックスに続いた。「出せ!出せってば!」スコットが焦ったように叫んだ。トラックがようやく走り出した。ブラジル人兵士の1人が武装バギーに走っていく。だが彼が運転席に乗り込んだ瞬間、ヘル・ハウンドもバギーに飛び込んだ。悲鳴が響き、血飛沫が飛ぶ。「全滅するぞ!」ネイオがマシンガンをでたらめに撃ちながら言った。「早く!」「やってるって!」グリッグが叫んだ。「だけど、アレックス隊長が―――」次の瞬間、彼にヘル・ハウンドが飛びかかってきた。「うわああっ!?」グリッグは悲鳴をあげて、ヘル・ハウンドと揉み合いながら地面を転がった。ヘル・ハウンドが獰猛な唸り声をあげ、グリッグの喉に食らいつこうとする。だが、その瞬間、ヘル・ハウンドはグリッグから引き剥がされた。「ジャンソン!」グリッグは喘ぎながら叫んだ。ジャンソンがヘル・ハウンドを無理矢理グリッグから引き剥がしたのだ。ジャンソンは両腕の中で暴れまわるヘル・ハウンドの首を絞めて屠ると、グリッグにニコリと笑いかけた。「やあ、大丈夫かい?」だが、彼の顔は突然苦痛の物に変わった。「ぐ…あ……」ジャンソンは痛みに耐えながら後ろを振り向いた。彼の広い背中に、ヘル・ハウンドが爪を突き立てていた。血がどくどくと湧き出ている。「くそ……この畜生…」ジャンソンは力無くつぶやいた。ヘル・ハウンドが勝ち誇ったように吼え、ジャンソンの首に噛みついた。「早く!」ドイルは叫びながら<ワトソン>の運転席に飛び込んだ。カトリーナが補助席に座り、アレックスが後部の銃座に飛び乗る。ドイルは一気にアクセルを踏み込んだ。<ワトソン>が爆音をたてて走り出す。トラックや<ホームズ>、それに他の武装ジープも走り出していた。たくさんのヘル・ハウンドが吼え、追いすがってくる。トラックの兵士輸送ベイから戦士達が銃撃していた。「もっとスピードは!?」「これが全速です!!」アレックスの問いに、ドイルは怒鳴って答えた。寄せ集めのコンボイ<車団>は、枝を弾き飛ばし、根を引き裂きながら森の中を疾走していた。ヘル・ハウンド達が激しく吼え、後ろに続く。「くそっ!どうにも――」アレックスが毒づこうとした次の瞬間、凄まじい衝撃音と共にトラックが止まった。「な、なんだ!?」ドイルも慌ててジープを止めた。スコットがなにやらわめいている。どうやら大木にぶつかり、止まってしまったらしい。「ま、まずいですよ!」カトリーナが狼狽して叫んだ。「マジかよ…」ドイルは呆然とつぶやいた。「ったく!誰だ!森の中に隠れようなんて迷案を考えついたのは!」ディックスがイライラと言った。「こんな事になるなんて、目に見えていただろう!?」ディックスの言葉に、スコットがカチンときたような顔をした。「んだと!?じゃあ他にヴェノムから隠れるいい方法があったって言うのか!?」「これよりはいい考えがあったはずだ!」ディックスも負けじと言い返した。「2人とも、いい加減にしろ!」クロウが怒鳴った。「まずはこいつらの相手だ」見ると、ヘル・ハウンド達がひたひたと迫っていた。「何匹いるんだよ…」シュンハが疲れたように言う。「レイ、戦えるか?」シュナイダーは側でサブマシンガンを握っているレイに訊いた。やはり、返事は無い。アランが殺されて以来、レイは戦いはするものの、頑なに口を開かなかった。シュナイダーはため息をつくと、ゆっくりと迫ってくるヘル・ハウンド達に銃を向けた。ドイルやアレックス、カトリーナ、グレイもジープから降り、トラックの周りに展開している。他の武装ジープに乗っていたレジスタンスのブラジル人達も同様だった。両陣営が激しく睨み合う。場は、一触即発だった。緊張が高まり、互いの心臓の音すら聞こえるような静寂が降りる。と、その時、突然ヘル・ハウンド達が引き始めた。素早く森の闇に後退していく。「な、なんだ?」ネイオが狼狽して言った。「さあ……?」グリッグが銃を下ろしながら言う。「……俺達を恐れて引いた、のか?」グレイが言うと、スコットがガッツポーズを取った。「いよっしゃあ!へっへん、犬畜生どもがこの俺に―――」「静かに!」クロウが片手で制した。スコットがすぐに口をつぐむ。………地響きズズン…ズズン…ズズン…皆、不安げに顔を見合わせた。その時、シュナイダーは、地面の水溜まりが音のたびに揺れ動くのを見つけた。確か…以前こんな映画が……。シュナイダーは首を捻り、必死にその映画の内容を思い出そうとした。確か……水溜まりが揺れて…そして……「ティラノサウルス……」シュナイダーはつぶやいた。そうだ。確かそうだった。「……おい、知ってるか?」突然、クロウが口を開いた。地響きはますます激しくなり、ヘル・ハウンド達が道を開け、平身低頭した。「ボスが通る時、シタッパ達は道を開けるらしい」クロウの言葉と共に、森の闇から巨大なリッカーがのっそりと姿を現した。リアナはレジスタンスが得ていたグールやフィア、その他の情報を必死に解析していた。もしかしたら、父の必要な情報を見つけ出し、父がフィア達をレジスタンスのアジトに導くのを思い止まらせられるかもしれない。彼女はこれで何杯目になるかもわからないコーヒーに口をつけた。もう何日も寝ていない。ノートパソコンのディスプレイの光で目がチカチカする。「無理するなよ」突然、声がかけられた。リアナをバーナードから助けた、顔の半分が火傷でただれた男だ。男はコーヒーをリアナの側におくと、側の椅子に腰かけた。「少し休憩するといい。君はもう頑張りすぎだ」「ありがとうございます」リアナは疲れた笑みを見せながら言った。「でも、これをやめるわけにはいかないわ。だって、ローグ達だってわたしよりずっと大変な所で頑張っているんだもの」「……がんばりやさんだな」男は微笑を見せながら言った。「昔、俺の知り合いにもいたよ、そんな奴。黒が好きでな、機転もきくし、狙撃は大得意。だけど、仲間のためには人一倍頑張れる奴で」男は微笑しながら湯気のあがるコーヒーを指し示した。「ほら、飲むといい。冷めたらまずいぞ」リアナもほほえみかえした。「ありがとう。えーと……」「ああ、そういえば自己紹介がまだだったな」男は席から立ち上がりながら言った。「俺はジェイク。仲良く頼むぜ、可愛いお嬢ちゃん」「リッ………カー……」ネイオが喘いだ。「なんだって?」グリッグが訊き返す。「リッカーだよ!」スコットがわめいた。「舐める者?」シュナイダーが額から冷や汗を流しながら言った。「なるほど。あの長い舌か」リッカーは虎のような体格で、鋭い牙を大量に生やし、巨大な口から長い舌をチロチロと出していた。唾液がボタリと地面に落ち、小さな瞳がキョトキョト動いている。リッカーの脳と筋肉は剥き出しで、蠢いていた。「………うえっぷ。気持ち悪……」グレイが本当に青い顔をして言った。「なんなんだ?こいつ」「みりゃわかるだろ?怪物だ」「……まあ、そうだな」「とりあえず」ローグが後ずさりしながら言った。「逃げません?」「あーー、残念だが、それにはちょーっと―――」スコットが頭をかきながら言った。「遅すぎだ」次の瞬間、リッカーが吼え、猛然と襲いかかってきた。レジスタンスのブラジル人が2人、銃を構える間もなく引き裂かれた。リッカーが巨大な爪を振り回す。幹をえぐりとられた木が轟音をあげて倒れた。「本物のバケモンだ!」グリッグが喘いだ。「ロケット・ランチャーだ!早く!」スコットが腕を振り回しながら叫ぶ。リッカーは凶暴な唸り声をあげ、ブラジル人兵士が乗っていたバギーに体当たりした。バギーが吹っ飛び、ひしゃげて転がった。リッカーが休む間も無く戦吼をあげ、ディックスめがけて飛び掛かった。「うわああっ!」ディックスはとっさに後ろへ跳んだ。目の前にリッカーがドスンと着地する。「死ねえ!このゲテモノ!」ディックスは半狂乱になって銃を連発した。銃弾が次々に剥き出しの脳に炸裂する。しかし次の瞬間、ディックスはリッカーに頭からかじられていた。血が飛び、ディックスの骸がビクンと跳ねる。「ディックスーーッ!!」グリッグは叫び、リッカーにサブマシンガンを撃ちまくった。ディックスを呑み込んだリッカーがのそのそとグリッグに向き直る。「ヒッ………」リッカーの威圧を感じたグリッグは、思わずたじたじと後ずさった。リッカーが長い舌で口の周りを舐め、にたあっと笑った。牙がぎらりと光る。リッカーが跳躍した。そして鉤爪を振り上げ、グリッグに―――次の瞬間、リッカーは強い横殴りの衝撃を受け、空中から撃ち落された。「うおっ!?当たった!」グレネード・ランチャーを構えたスコットが、自分でも驚いたように叫ぶ。「いいぞ!スコット!」ネイオは叫ぶと、銃をリッカーに向けた。「スイッチ!」次の瞬間、場にいる全員が一斉にリッカーに向けて銃を撃った。凄まじい銃撃を受け、たまらずリッカーも逃げ出した。「深追いするなよ!」「追いませんよ!あんなヤバそうな奴!」クロウの指示に、シュンハが汗を拭いながら答えた。「早くジープに!」ネイオは弾倉を入れ換えながら叫んだ。「逃げるぞ!」彼らは<ホームズ>と<ワトソン>、そして他のジープに電光石火の速度で乗り込んで逃げ出した。リッカーが再び追ってくる。「撃て撃て!」クロウが叫び、皆一様に引き金を引いた。銃弾が嵐のごとく吐き出され、リッカーに襲いかかる。しかし、リッカーはしつこかった。化け物はその図体に似合わず敏捷な動きでジープの1つに近づいた。乗っていたシュンハとシュナイダー、アレックス、そしてブラジル人が悲鳴をあげる。次の瞬間、リッカーはジープの後部に体当たりを食らわせた。ジープが制御を失い、ふらふらと大きくよろけた。「うわああっ!」悲鳴と共にシュンハとブラジル人が投げ出された。「シュンハ!」クロウが叫び、銃を構える。しかし、時、既に遅し。リッカーがシュンハとブラジル人兵士に覆い被さり、不気味な音をたてて喰らい始めた。「シュンハ!」シュナイダーが叫ぶ。「もうだめだ!逃げろ!」「なに言ってるんだ!?」「もう助けられない!」「口論してる暇は無いぞ!」一行はしかたなくきびすを返し、その場を後にしたのだった………
2008.07.24
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今日はほんとはFALLを投稿したかったんですが、いろいろまちがってたので修正。明日にします。それにしても、熱いね。僕んちは氷の過剰利用で供給が間に合ってません。いやー、やっぱり地球温暖化かね。皆さん、エコを心がけましょう!ま、エアコンの効いてる部屋で言っても全く重みがないんですが・・・。でも、ほんと冗談じゃないですからね。地球は大切にしましょう!!
2008.07.23
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ネタが無いったらネタが無い♪どうしましょ♪どうしましょ♪あきらめましょう♪おやすみなさい♪
2008.07.22
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今朝、朝5時30分に高速バスで名古屋につき、朝7時に我が家へ。んで、爆睡。起きたら午後4時。・・・・・・・・・・・・・4時?ぬああ!!1日を無駄にすごした!!てか、高速バスでも寝たんだよね・・・・。さて、セレブレ日記でも書きますか。19日23時30分general-fettと共に高速バスに乗り、初の東京へ。わくわくして眠れん!!決戦の日(20日)5時30分爆睡の末、東京駅についた。ビルが・・・・で、でかい・・・・でかすぎる・・・・・。その場でレントさんと合流。京葉線に乗り、一路幕張へ。7時30分舞浜に到着。夢の王国、ネズミーランドが目の前に・・・。嗚呼・・・行きたい・・・。7時45分海浜幕張に到着。周囲の人が全て同志に見える(笑8時ついに憧れのメッセへ!! もう並んでるよ・・・。 10時全軍、突撃せよ!!(開園です。)ヴェイダープレミアムの特典もらい、会場にアタック!入り口は高いところにありました。そして会場を眺めると・・・俺らの前にいた100人が恐ろしい勢いでセレブレストアやサイン会場に向かっている!!それも津波のように!!こ、これはヤヴァイ!!急がねば!てなわけで、そうそうgeneralと離れ離れになりました。(どんなわけだよま、捜すのも面倒なので(おい)、レント氏と氏のお母さんと共にレゴのブースへ突入!もちろん、狙いは超限定品のファイタータンク!!そして、なんとかセーフ!!レント氏は14番目、僕は15番目に!ファイタータンクは1日15個!勝った!スタッフの人が名前を聞いて、メモっていきます。そしてレント氏の登録が完了。そして僕の番・・・。しかし、ここである考えが僕の脳裏をかすめた!代金、1万超・・・。高い・・・。でも超限定・・・・。でもかなり高い・・・。でも・・・・・。そしてーーーーーーっ!!!!!スタッフ「買いますか?」僕「・・・いえ」ぬあああああああああ!!僕はこの決定を非常に悔やんでいる・・・・。で、レント氏購入。笑顔がまぶしいね、うん。しかたないから(?)レゴのブース内を撮りました。たくさんの新作レゴスタがありましたよ。 新作4兄弟です。 萌えですな。こんなたくさんのクローンやAT-TEの進軍風景は、少々軍隊好きな僕にとってはかなりの萌えです。generalの捜索を兼ねてセレブレストアへ。そして途中のミレニアム・ファルコンの壁紙の前で2人のストーム・トルーパーを発見!さっそく撮ってもらうことにしました。まずはレント氏。パシャリ。さて、次は僕・・・・と、思った次の瞬間、 帰りました。ふざけんなああああっ!!!JEDIMANは泣いたとか泣かなかったとか。で、気を取り直してセレブレストアでパンフレットを買い、再びファルコンの壁紙へ。すると・・・ ヴェイダー卿ではおまへんか!!(何弁!?さっそく 記念撮影!!(嬉!やべーーーーーっ!カッコイーーーー!!でも、目線が不気味・・・・・・。目線書かないほうがよかったかな?そして各ブースを周り、グッズあさり。やっぱり高かったので、あまり買ってませんが・・・。で、なんとなくgeneralと合流。あとはひたすら場の雰囲気を楽しみました。コスプレしてるスタッフや一般客がおおかったので嬉しい限りです。とても全員は写真におさめきれませんでした。そしていよいよサインをもらいに!!僕はダース・ヴェイダー役のデイビット・プラウズに、generalはフェット親子のジェレミー・ブロックとテムエラ・モリソンです。が、デイビットさまにはたくさんの人が並んで・・・。ま、必死こいて並びました。そしてついに・・・・ キターーーーーッ!!! キターーーーーッ!!! キターーーーーッ!!!握手までしてもらえて至極満悦なJEDIMANでした。ま、本音言うと一緒に記念撮影もしたかったけど、後ろにたくさんの人がいて、そんな雰囲気ではなかったです。generalはジェレミーさんやテムエラさんと記念撮影できて満足そうでしたが。次はスピーダーバイクで記念撮影をしようということになり、れっつらごー。 ・・・・・やっぱり目線が不気味・・・・・・。そして、おもしろい連中に遭遇しました。 号外!!ヴェイダー卿に息子が!?ルークやレイアとの関係が気になります!! ヴェイダーとグリーヴァスのガチンコバトル。時代錯誤もはなはだしい。 律儀にスピーダーバイクでの記念撮影の列に並ぶストーム・トルーパー。順番抜かしなどありきたりな悪の兵士の肩書きはいずこへ・・・。 ヴェイダー卿、ご乱心!? ・・・・・・いくら悪の化身だからといって、会場内での犯罪はご遠慮願います、ヴェイダー卿。 監督ーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!ぐっじょぶシリーズ あれよあれよというまに6時。最後に記念撮影をば。 やっぱり目線が怖い・・・・。もしかしたらgeneral-fettのブログでは目線なしバージョンの画像かもしれないです・・・。 さらばセレブレ・・・・・。君の事は一生忘れない・・・・・・。 本当に楽しい旅行だった・・・・。終わった後はみんなでサイゼリアで夕飯を食べ、一路、東京駅のレゴショップ『クリップ・ブリック』へ。(笑そこでレゴをあさりました。generalはインディのレゴを買ってました。そこでひょんな出会いが。クリブリの店員のお姉さん達がスターウォーズファンのようで、セレブレやレゴの事で、少々盛り上がりまして・・・。あーーーーーっ!!!お姉さん達のケータイのメルアド訊くの忘れた!!(黙らっしゃい!!で、クリブリで発見。 黄金のレゴです。とまあ、そんなこんなでバスに乗り、今朝、帰還しました。ここでわずかな戦利品を・・・。 サイン!!! あと、レゴR2-D2のキーホルダーと、カンバッジをゲッチュしました。非常に楽しかった!!僕は至極満悦です!!!!
2008.07.21
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いやあ、まさに天国!楽園!エデン!ユートピア!サタン!(イミフ周りはスターウォーズが好きな人ばかり。音楽はもちろんアレ!ストーム・トルーパーが練り歩き、ジェダイがライトセーバーを振りかざす………。It's heaven!!あった!天国がここにあったよママ!ま、詳しい出来事はまた折りを見て報告します。これから愛知までの長旅が始まるので…………。
2008.07.20
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ただいまより、セレブレへと出陣いたします!帰ってきたらまたご報告いたしますので!ま、general-fettとまったく同じ内容の報告になりますが・・・
2008.07.19
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いや~、楽しみです。このブログでもセレブレでの様子は報告しますね。general-fettが青筋たてて怒りそうですが。ネタがかぶることを恐れては、ブログはなりたたない!!(言い訳さて、セレブレで遊ぶために、今日は早く寝ます。なにしろ、19日の夜に千葉に出かけて21日の朝に愛知に帰るという強行軍ですから・・・・・
2008.07.18
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今日は気が向いたのでちょっとしたギャグを。最近FALLがスランプなのもありますが・・・。ていうか、FALL読んでる人にしかわからないネタ。クロウ「おい、ジェイク」ジェイク「あん?」クロウ「思うんだが」ジェイク「ふんふん」クロウ「僕とお前のペアと、ネイオとスコットのキャラ位置がかぶってね?」ジェイク「ああ、そりゃ作者があのエックス・オブ・?氏の小説をパ○ッたからさ」クロウ「なにその○」ジェイク「自主規制」クロウ「・・・・あそ。・・・・・・それにしてもまあ」ジェイク「?」クロウ「作者はとどまるところを知らないよな。パ○りの嵐だ。フィアはレジ○タンスのキ○ラだし、グールはバイ○ハザードのゾ○ビだし」ジェイク「○多くね?」クロウ「著作権対策」ジェイク「・・・・・・・・あそ」クロウ「・・・ところでさ」ジェイク「?」クロウ「僕の大切なカメラがぶっ壊れてたんだけど?」ジェイク「おおおおおおおお、オレは知らないぞおおおおお?」クロウ「鼻の穴が開いてる視線がさまよってる鼻の下がのびてるどうみてもきょどってる。」ジェイク「ネコじゃないのか?」クロウ「ティアが、ジェイクがカメラを机から落として、慌てて逃走したっていってるんだけど?」ジェイク「・・・・・証拠は!?」クロウ「お前がカメラを誤って落とすシーンを捉えた監視カメラ。バックアップは製作済み」ジェイク「・・・・・・許してくれたりしないかな~、なんて・・・」クロウ「笑止」ジェイク「ふぬああああああああああああああ!!!!!!!」ところでFALL2にゼブラム出すの忘れたorz削除しときます・・・
2008.07.17
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いやあ、疲れた疲れた。三者面談やりましてね。いろいろと大変でしたよ。さっきまでヘキサゴン見てました。最後に『泣かないで』と『日はまた昇る』をやってましたが、なんか『日はまた昇る』の歌詞が微妙に右翼よりな気が・・・・・。中国あたりが目ざとく見つけなければいいんですが・・・・。さて、本日はFALL第2部の第1章を投稿しました。スランプ状態なのでひどいしろものですが・・・(いつもかぜひご覧ください。
2008.07.16
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第1章 抵抗「だーかーら、お前はガサツすぎるんだよ!あんな風にアタックしたら、誰だって引く!」レイはイライラとアランに言った。アランが不服そうに口を尖らせる。「お前は静かすぎるんだって。あんな風に黙ってちゃ、女の子達だって盛り上がるに盛り上がれないだろーが」2人のやり取りを聞いていたリ・シュンハが、いつもの笑顔を絶やさずに場を収めようとする。「まあまあ、落ち着いて落ち着いて。いつかはちゃんと彼女ができるさ」「「モテモテのお前が言うな!!」」レイとアランはビシッとシュンハを指さし、見事にハモった。爽やか&性格良好&イケメン=モテモテなシュンハは、2人に言われてタハハと頭をかいた。次の瞬間、凄まじい音をたててロッカールームの扉が開いた。「き、さ、ま、らあああああああ!」そこには怒髪天のスーパーサイヤ人、もといシュナイダーがいた。こめかみが怒りでひくついている。「「ヤバ」」レイとアランは再び見事にハモった。「聞いたぞ、レイ、アラン…………。合コンに行くなど、この軟弱者!!」シュナイダーは足音も荒くロッカールームに踏み込んできた。「い、いや、俺達は女の子達と親交を………」アランが完全にパニクって、意味不明なジェスチャーをしながら言い訳しようとする。しかし、完全にキレたシュナイダーには逆効果だった。「貴様ら、そこになおれっ!!」「はいっ!」レイとアランは一瞬で直立した。シュナイダーはこうなったら誰にも止められない。彼は日本流の厳格な家で育ったため、合コンなどはまことに忌むべき行為なのだ。「軟弱な貴様らに、漢を叩き込んでやろう………」シュナイダーは凄まじいを放ちながら、ボキボキと拳の間接を鳴らした。目は血走り、血管が浮き出ている。レイとアランは、最終手段を使った。ため息をつき、覚悟したのだ。その後しばらく、のロッカールームからは、悲鳴が聞こえ続けていた。「うー………イテ……」レイは間接技を極(き)められて曲がった体を、正常な位置にゆっくりと戻しながらつぶやいた。少し動かすだけでも、痛みがピキピキとつまさきまで走る。アランはシュナイダーに窒息寸前まで首を絞められ、地面に倒れ伏している。気づくまで、まだ時間がかかるだろう。「ははは、災難だね」シュンハがロッカールームのベンチに座りながら言う。「てゆーか、これ完全に暴行罪だろ!」レイはキレた。「こんど会ったら、あのカタブツのツラにゲンコを叩き込んで―――」ピキィッ!「ミギャアアアアアア!」レイは叫ぶと再び床に倒れ込んだ。先程の間接技の影響か、あばら辺りを凄まじい痛みが駆け抜けたのだ。「…………骨、折れて無いだろうな……」レイは涙をはらはらと溢しながらつぶやいた。「全く………レイとアランときたら………」シュナイダーは足音も荒くの本部を歩いていた。怒りが収まらない。「おい、シュナイ……」「ああん!?」いきりたっていたシュナイダーは、語気も荒く振り返った。そして、後悔した。そこにいたのは、ブライ司令官だった。言わずと知れた、の最高権力者だ。「………やあ、シュナイダー君。君がご機嫌斜めとは珍しいね」ブライ司令官は眉をひそめて言った。「こ、これは失礼致しました、司令官!」シュナイダーは慌てて敬礼した。ブライは頷くと、再び口を開いた。「明日、3時にブリーフィング・ルームに来てくれ。重要な会議がある。君のチーム全員だ」「わかりました。任務ですか?」シュナイダーの問いに、ブライは頷いた。「ああ………。レベル・レッドのな」「レッ………!?」シュナイダーはブライの言葉を聞いて絶句した。レベル・レッド。それは相当重大な任務だ。任務のレベルは12段階にわけられている。一番下から順に、レベル・ナイン、レベル・エイト、レベル・セブン………そしてレベル・ワンともなればかなりの重要度だ。先日の中東でのサダ・アサラディへの攻撃は、レベル・ツーだった。そして、レベル・ワンより上位の任務は、いずれも国家存亡レベルだ。レベル・ブラックを最高とし、レベル・レッド、レベル・イエローと続く。つまり、今回のレベル・レッドは2ランク目に当たる。非常に重大な任務だろう。もちろん、シュナイダーはそのようなレベルの任務など初めてだった。心なしか、ブライの顔も緊張している。「…………わかりました。隊員達には私が」「うむ。頼むぞ」ブライはそう言うとシュナイダーの肩を叩き、司令室の方へ歩いて言った。シュナイダーはしばらく考え込んだ後、ゆっくりと歩き始めた。「よし。計画は完璧だ」アランの言葉にレイは頷き、にししと笑った。シュンハはその様子を困ったような、しかしおもしろそうな表情で見ている。「よし、アラン。シュナイダーを呼んでこい」「りょーかい!」アランは張り切って扉を開けた。その途端、ゴワン!タライがアランの頭に落ち、大きな音をたてた。レイは倒れたアランの体を思い切り蹴飛ばした。「なに自分が仕掛けたトラップにかかってんだよ!バカ!これじゃあやり直しじゃねえか!」「ほほう!この罠は何のために仕掛けたのかな?レイ」「そりゃ、シュナイダーをぎったんぎったんにしてやるためじゃんか」レイはムスッとして答えた。「へえ、タライが落ちた後、どうするつもりだったんだい?」「タライで倒れたシュナイダーをボコッた後、奴からズボンを強奪して逃げるつもりだったんだよ。シュナイダーの奴、上はTシャツ、下はパンツなんていう情けない格好じゃ、ロッカールームから出るに出られないからな!」レイはそう言うと、クックと忍び笑った。訳が分からない内にズボンを剥ぎ取られ、ロッカールームの中から廊下のレイ達に『ズボンを返してくれ』と情けない要求をしてくるシュナイダーが目に浮かぶ。「うん、実におもしろそうだね」「だろ?だろ?」レイはたまらなくなって笑いだした。「最後に質問いいかな?」レイは笑いながら頷いた。「君と会話してるのは一体誰?」レイの笑い声は凍りついた。そういえば誰だ。そして、今さらながらようやく気がついた。タライの攻撃を受けて気絶しているアランの向こうに、ひきつった笑顔を浮かべているシュナイダーがいる事に。「~~~♪~~~~~♪」の1人、ガードナーは、鼻歌を歌いながら廊下を歩いていた。そしてロッカールームの前に来ると、ちょうつがいに手をかけ、開けた。閉めた。ガードナーはしばらくちょうつがいを見つめた後、着替えるのは後にしようと思い、その場を去った。今着替えるならば、血が飛ぶなかで着替えねばならなくなる。翌日、午後3時、本部、ブリーフィング・ルーム―――「諸君、非常に重要な任務だ」ブライはブリーフィング・ルームの椅子に座る、20人の隊員に言った。シュナイダーのチームだ。その中には、たくさんの絆創膏を体に貼ったレイとアランの姿もある。「今回の作戦はレベル・レッド。言わなくてもわかるだろうが、非常に危険だ」ブライの言葉に場がざわつく。当然だ。レベル・イエロー以上の任務など、そうそうあるものではない。「しかも、シャドー・リクエストだ」何人かがため息をついた。シャドー・リクエストは政府からの非公式の任務だ。だが、次にブライが発した言葉に、皆は今まで以上に驚いた。「今回の作戦はグリーン・ベレー、、と合同で行う事になる」場が静かな驚きに満ちた。グリーン・ベレーに、それにだって!?グリーン・ベレーとは、デルタ・フォースと並び、アメリカ最強とうたわれる特殊部隊組織だ。そしてはイギリスでトップの特殊部隊組織。そんな彼らまで今回の任務に………。「君達には、彼らと合同である人物を護衛してもらう」「ある人物?」誰かの問いに、ブライは頷いた。「バーナード・ブルックベル教授とその娘、リアナ・ブルックベルだ」「しかし、たかがその人物の護衛の割りには大がかりなのでは?」シュンハが言った。ブライが頷く。「護衛自体は大した任務ではない。問題は、行き先なんだ」ブライはそう言うと言葉を切り、しばらくすると再び口を開いた。「教授の行き先は、暗黒大陸である南アメリカだ」「おい!ローグ!弾薬が足りないぞ!」「はい!」ネコ毛の金髪をした少年は、年配の男に怒鳴られ、慌てて塹壕の先にある弾薬庫へ向けて走り出した。銃撃音がこだまし、弾が地面を跳ねる。塹壕の中にいるから当たらないだろうが、危険だ。ローグと呼ばれた少年はアメリカ海兵隊の軍服を汗に濡らしながら弾薬庫に飛び込み、弾薬を満載した木箱を掴むと、再び塹壕内を走り始めた。木箱の余りの重さにふらつきながらも、ローグは塹壕内をひたすら走り続けた。耳をつんざくような銃声が鳴り響き、男達の怒号も聞こえる。「弾……持って……きました……」ローグは息を荒げながら、年配の兵士の側に木箱をゴトンと置いた。「おお、助かった。ちょうど切らしたところだったんだ」年配の兵士が木箱に手をのばす。と、その時、ドチュン音がした。年配の兵士が動きを止める。永遠と思える一秒。次の瞬間、年配の兵士はどさりと地面に倒れた。「サー!」ローグは年配兵士の側に慌て屈み込み、叫んだ。年配兵士は苦しげに胸を押さえ、ローグの顔を見た。「俺は………もうダメだ……」「いいえ、サー!大丈夫です!衛生兵を……」年配兵士は悲しげに首を振った。「この傷じゃ、もう助からない。ローグ、俺の分まで生き……ろ………」「サーーーッ!」叫んだ後、ローグはため息をついた。「いつまでふざけてるんですか?演習ですよ?」年配兵士はニカッと笑うと、パンパンと服から埃を払い落としながら立ち上がった。「なあに、軽いジョークだよ、ジョーク。かくいうお前もけっこうのってたじゃないか」ローグは否定できなかったので顔を背けた。上官が演習の終了を叫んでいる。ローグは足元の演習用ゴム弾を広い上げ、鼻くそを飛ばす要領でどこかに弾いた。今日の訓練も疲れた。
2008.07.16
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「ふう……」ローグはロッカールームのベンチに座り込み、軍服を脱いだ。次いで汗に濡れたタンクトップを脱ぐと、軍服と一緒にロッカーに突っ込んだ。汗の臭いが鼻にくる。ローグがタオルで汗を拭いていると、彼の名を呼ぶ者がいた。「ローグ二等兵?ローグ二等兵はいますか?」「あーはいはい、僕です」ローグは着替え中の筋肉ムキムキな男達の向こうに自らを呼ぶ者を見つけ、手を振った。「呼んでるぞ」ローグを捜していた男は、ロッカールームの扉を指さした。「?」ローグは不審に思いながらもTシャツを着て、ロッカールームの扉を開けた。そして―――「ローグーーッ!」「どうわ!?」いきなり誰かが抱きついてきて、ローグは思わず尻餅をついた。「えへへ……、ビックリした?」ローグにしがみついたまま、豊かなブロンドの髪の少女がいたずらっぽく笑った。「ビックリした?ってなぁ……」ローグは手を顔にあて、ため息をついた。「リアナ、お前、いいかげん僕につきまとうの……」「なんだ、ローグ、お前、女がいたのか」突然、別の声が降ってわいた。ローグの上司である年配兵士だ。「ち、違いますよ!そんなわけ無いじゃないですか!」慌てて否定したローグに、リアナが不満そうな顔をする。「なによ、そんなに否定しなくてもいいじゃない」「ていうか!なんで、リアナがここにいるんだ!?」「あ、そうそう。えーっと、確かここに……」リアナはそう言うと懐から小さな封筒を取り出し、はい、と笑顔でローグに渡した。ローグの脳裏を嫌な予感がかすめた。ローグは恐る恐る封筒を受けとると、まじまじと眺めた。封筒はアメリカ軍のマークがついたロウで封印されている。ローグはそれを剥がすと、中から手紙を取り出した。一番上にはワシをあしらったアメリカ軍のマークがある。そして、以下には次のように書かれていた。『アメリカ軍総司令部は、その権限において、海兵隊に所属するローグ・フロスト二等兵に一時的に部隊を離脱する事を命令する。ローグ・フロスト二等兵は、復隊許可が下りるまでバーナード・ブルックベル教授とその娘、リアナ・ブルックベルを護衛せよ』「……………はい?」「見ての通りよ」「なにが見ての通りだああああああああっ!」ローグは思わずリアナに掴みかかった。リアナは全く動じずにくすくすと笑い、いたずらっぽくローグの鼻をつついた。「だーかーら、あなたはわたしとパパの護衛☆」「わけわかんねえええええっ!!」基地に少年の声が響き渡った。「失礼します!」シュナイダーはそう言いながら部屋に入ると、デスクで何かを書いているブライ司令官に敬礼した。ブライが顔を上げる。「やあ、来たか、シュナイダー」ブライはそう言うと、よっこらせと立ち上がった。「例の任務の前に、君と会わせたい人物がいる。来たまえ」そう言うや否や、ブライはスタスタと歩き始めた。「は、はい」シュナイダーは慌てて彼の背中を追った。2人は司令室を出ると、しばらく白い廊下を歩いていた。そして3回目の角を曲がった時、向こうからやってきたレイとアランにぶつかりかけた。「うおっと……」レイはそうつぶやくと素早く脇に寄り、ブライに敬礼した。アランもすぐに同じようにする。ブライはレイ達の前を通り過ぎると、振り返らずに話しかけた。「シュナイダー、彼らも連れていこう。レイ、アラン、来なさい」レイとアランは顔を見合わせたが、素直についてきた。「……司令、どこへ行くんです?」シュナイダーはボソリとブライに耳打ちした。「なに、じきにわかるさ」ブライはそう言うと、シュナイダーに微笑みかけた。「って、ここ………」レイが辺りを見回しながら言った。「刑務所じゃないですか!」「おお、そうだとも」ブライは先をずんずんと歩きながら言った。「君達に会わせたい人物がここにいる」「犯罪者ですか?」「うむ」シュナイダーの問いに、ブライは頷いた。「そして元でもある」突然、ブライはある獄房の前で立ち止まった。獄房の側にいた看守がブライに敬礼した。獄房の中には、1人の男がいた。隅にうずくまり、顔を上げようとしない。「おい」ブライは男を呼んだ。「………なんですか」男はうつむいたまま言った。「調子はどうだね?」「絶好調に見えますか?」男は顔を上げた。目は落ち窪み、不健康な色の肌の中で、目が異様にぎらついている。顔は皮肉っぽく笑っていた。「おかげさまですこぶる健康ですよ、司令官」「うむ」ブライはそう言うと、シュナイダー達に向き直った。「見ての通り、性格は歪んだ奴だ」アランが蔑みと哀れみの混じった目で男を見つめる。「おい、お前、この者達にあの島での出来事を話してやってくれ」次の瞬間、男は目をカッと見開き、恐ろしい表情で鉄格子に飛びついた。ガシャンと大きな音がする。ブライは思わず後ずさった。シュナイダー、レイ、アランが瞬時にハンドガンを抜き、鉄格子の向こうの男に向ける。しかし、男はそんな物には物怖じせず、ブライを凄まじいぎょうそうで睨み付けた。「あの島での事を話せ、だと!」男は目をぎらぎらさせながら言った。「あの忌まわしき事件を思い出せと言うのか!」「落ち着け」ブライは冷静に言った。「君の願いを叶えてやれるのかもしれんのだぞ」とたんに男は黙り込み、ブライの後ろで拳銃を構えているレイ達を舐めるように見た。「………こいつらは?」「君の後輩だ。南アメリカに行く予定だ」ブライの言葉に、男は目を見開いた。「南アメリカ!?自殺する気か!?」「おいおい、お前ビビりか?」アランが軽蔑もあらわに言った。「確かに南アメリカは正体不明のウイルスがわんさかいる。だけどよ、そんな物は特殊部隊用対ウイルス特別マスクがあれば、どうって事ないんだぜ?」男は黙って、アランを見つめた。鋭い眼光がアランを射抜く。アランは思わずたじろいだ。「…………司令官」しばらくして、男が口を開いた。「このバカは何も知らないのですね?」「ああ、その通りだ」ブライはそう言うと、アラン達に向き直った。「君達には、上層部しか知らない事を話そう。10年前、南アメリカを正体不明のウイルスが制圧した事は当然知っているな?よろしい。だが、真実は違う」ブライは悲しげにかぶりを振った。「南アメリカに蔓延したウイルスは、ウイルス・Undead。通称Uウイルスだ。空気感染はしない」「空気感染はしない?じゃあ、あの異常な感染スピードはなんだったと言うんです?」シュナイダーが問う。ブライは懐から数枚の写真を取り出した。「見たまえ」「こ、これは―――」写真を受け取ったシュナイダーは息を飲んだ。そこに写っていたのは、見るもおぞましいゾンビ達だった。「グールだ」ブライは冷静に言った。「Uウイルスに感染した者は、脳と筋肉が異常に縮小し、身体組織の腐敗が発生する。そして脳に残るイメージ、戦闘本能と食欲にひたすら忠実に行動する………」ブライはそこで目を閉じた。「以前、アメリカ所有のある島にあったそのウイルスは、何らかのアクシデントでブラジル高原に放たれた。そして徐々に感染者を増やし、大挙して南アメリカの街や国を襲ったのだ」「奴らは何回も撃たないと死なない」突然、男が口を開いた。「既に死んでいるからだ」「な…そんな……これ……マジかよ……」レイがショックを隠しきれない様子でつぶやいた。「だがよ、なんでお前がそんな事を知ってるんだ?」アランが首を傾げて言った。「ああ、自己紹介がまだだったな。俺は……そうだな……クロウとでも呼んでもらおう。元、そして―――」男はやつれた表情をした。「島でグールと戦い、生存した者だ」「どういう事だよ!?」ローグは目の前のリアナを激しく問い詰めた。わけがわからない。「えーっと、詳しく説明するとね………」リアナはそう言いながら口元に手を当てた。「わたしとパパ、今度南アメリカに調査に行くの」「あの暗黒大陸に!?やめとけ!危ないぞ!」ローグの言葉に、リアナは顔を赤らめた。「ローグ、心配してくれてるんだね。嬉しい………」自らを気づかう言葉が、なんとか南アメリカへ行かない方法を見つけようとしている少年の作戦だとは、その少年にベタ惚れしている少女は知るよしも無い。「だけどわたし、行くよ!世のため人のためだもん!」「だからって僕を巻き込むなよ!」「だって………」急にリアナが恥ずかしげにうつむき、もじもじしだした。「護衛でたくさんの男の人が来るんだよ?
2008.07.16
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「かつて島で……グールと戦った……?」レイは呆然とつぶやいた。「それがどうかしたか?」アランは憮然として言った。「俺は『バイ〇ハザード』ってゲームをやった事がある。あんな感じだろ。楽勝だぜ」クロウが凄まじい眼でアランを睨んだ。「ほう、良いことを教えてやろうか、天下無双野郎。おれと島に向かった連中は素晴らしい戦士ばかりだったが、それでも生き残ったのはおれと、イカれた野郎と、知識欲の深さのあまり、他人を巻き込む科学者だ。ヒヨッコが吼えるな」クロウの言葉にアランは不服そうに口を尖らせたが、何も言い返さなかった。「それに、グールよりも恐ろしい存在がいる」クロウは言った。「フィアという連中だ。奴らは知力が人間より遥かに高い上、なぜかグールを操れる。奴らはこの世に生まれでてからわずか5年でカタパルトやボウガンを作り出していた。それが10年、ましてや資源の豊富な南アメリカでぬくぬくと進化しているんだ。今じゃ、どれだけの技術を有しているか………」「…………まじかよ」レイがつぶやいた。「最後に1つ、おもしろい話をしてやる。ティータ・ハーモニーという女性の話だ」クロウはレイ達の顔を順繰りに見ながら言った。「ある時、彼女は付き合っていた男性からプロポーズされた。彼女はその男を愛していたから、喜んで承知した。しばらくは幸せな生活が続いた。…………だが」クロウは顔をうつむけた。「恐ろしい事が起きた。男は毎晩、夢を見ていた。過去に体験した、ゾンビや怪物ヘビに追いかけられ、仲間が死んでいき、最後には自分が食われる悪夢だ。ティータは毎晩、悪夢にうなされる男を守り、慰め、励ました。だが、男の悪夢はちっとも薄れなかった。…………そしてある日、悪夢にうなされる男を起こそうとしたティータを、男は恐怖のあまり首を絞め、殺したんだ!」クロウは震える両手を見つめ、憑かれたようにしゃべった。「殺したんだ!この手で!理性など無かった!ただ、目の前に迫るグールが最愛の人物だとも知らず、戦慄の叫びをあげながら、彼女の首を絞めたんだ!」クロウはガックリと肩を落とした。誰も、しゃべろうとしない。「気づいた時、ティータはおれの隣で、シーツにくるまり、冷たくなっていた。おれは、発狂した。ティータの骸を抱き、ひたすら、いつまでも泣いた。自殺を、考えた。冷たくなったティータの骸を抱き、共に死のうと外へ出た。そして、捕まった」クロウは疲れきったようにレイ達を見た。「お前達が行こうとしてる南アメリカは、グールやフィアがわんさかいる。忠告しておく。行ったら最後、その悪夢から逃れる術はない」「その南アメリカ行きだが」突然、ブライが口を開いた。「クロウ、君にも行ってもらいたい。そうすれば、君の願いも叶うと思うのだが」クロウは力無く頷いた。「やはりそのためにおれを死刑から終身刑に減刑したんですね?………わかりました、行きましょう。こんなところでぐたぐたと生き長らえたくはない。クレイジーは?」クロウの言葉に、ブライは首を横に振った。「あれはもう正常な神経は持ち合わせとらんよ。今は精神患者として拘留されている」「なるほど、やはりそうですか」クロウは頷いた。「………クロウ、あなたの願い、とは?」シュナイダーがクロウに訊いた。クロウは力無く笑った。「『一刻も早く死ねますように』、だ」数日後―――<SAF>本部施設屋上のヘリポートは、たくさんの人員でごった返していた。1機の武装ヘリに、20人の隊員を運ぶ2機の輸送ヘリ、そして大量の物資を運ぶ3機の輸送ヘリだ。「諸君、これを見たまえ」ブライは整列した隊員達に、南アメリカの地図を見せた。「諸君の護衛対象であるバーナード・ブルックベル教授は、リオデジャネイロの近郊の街、クリティロに調査の拠点を置く予定だ。教授の率いる調査チームはパナマ沖の空母にいる。そこで合流できるはずだ。グリーン・ベレーや<SEAL>、そして<SAS>とは現地で合流してもらう。さあ、乗ってくれ」ブライの合図と共に、レイは人員輸送ヘリの1つに乗り込んだ。アランが続き、シュナイダー、ガードナー、リ・シュンハ、クロウ、他にも4名が乗ってきた。「May the god,be with you」<SAF>のスタッフがそう言って扉を閉めた。ヘリのプロペラが回りだす。機体がゆっくりと浮き上がった。武装ヘリがエスコートのため、周りを警戒するように飛ぶ。「ああ…あの時と同じだ……」クロウがぼんやりと小窓の外を見つめながら言った。レイは首を傾げた。「あの時?」「10年前、俺たちが島に向けて旅立った時だ」クロウはゆっくりと答えた。「硝煙、轟く銃声、食人鬼達のうめき声……。あの悪夢を再び見るとはな」「…………悪夢、ねぇ……」アランがぼそりとつぶやいた。ヘリはスピードをあげ、ニューヨークを飛び出した。「こちらグリフォン1。グリフォン2、応答せよ」『こちらグリフォン2!調査チームを乗せたオデュッセウスチームを確認!』コクピットから無線が聞こえてきた。『こちらオデュッセウス1。ブラジル本土の海岸を確認。あの海岸の少し奥にクリティロがある。建物が見えるか?』「こちらグリフォン1。肉眼で確認した」『こちらオデュッセウス1。降下体勢をとる。グリフォンチーム、我らを護衛する位置に移動してくれ』「こちらグリフォン1。了解」パイロットはそう言うと、隊員達を振り返った。「まもなくブラジル上空に入る。降下準備しろ」「聞いたな、準備しろ」シュナイダーが言った。レイは頷き、素早く装備をチェックした。「よし、やってやるぜ!南アメリカを潰した奴らを狩ってやる!」アランが鼻息も荒く言った。普段はヤンキーか何かみたいなアランだが、正義感は人一倍強かった。ガードナーやシュンハ、そして他の隊員達が緊張して武装を点検する。反面、クロウは物凄く落ち着いていた。彼はこの任務で死ぬのが本望なのだろう。苦しみから解放され、ティータの待つ天国へ行くのを待っているのだ。事実、クロウの顔から疲れが消え、スッキリした表情をしていた。「そういえば、グリーン・ベレーや<SEAL>、<SAS>は?」「別方面からクリティロに向かうらしいぞ。危険が無いか偵察をするらしい」ガードナーが答えた。ちょうどその時、通信が入った。『こちらグリーン・ベレー。現在リオデジャネイロを上空から偵察中』「こちら<SAF>。オデュッセウスチームを護衛し、まもなくブラジル上空に到着します」『こちらグリーン・ベレー。了解。すぐにそちらに―――』次の瞬間、爆発音が聞こえた。ガラスの割れる音や悲鳴が聞こえてくる。レイは体を硬直させ、通信に耳を傾けた。「どうしたんだ!?グリーン・ベレー!返事をしろ!」パイロットが怒鳴る。次の瞬間、先程より大きな爆発音がしたかと思うと、通信が途絶えた。雑音が響く。誰も、しゃべらなかった。いや、しゃべれなかった。「――――ッ!司令部、こちらグリフォン1!グリーン・ベレーになにかアクシデントがあったもよう!危険度Aと判断します!emergency!繰り返す!emergency!」パイロットが我にかえり、インカムに向けて怒鳴った。レイは小窓から海岸の様子を見ていた。砂浜の奥には小さな森があり、その向こうには街、クリティロが見える。その時、レイは森の端で動く物体をちらりと見た気がした。「………?」レイは必死に眼をこらした。次の瞬間、森から何かが飛び出した。「ミサイル!?」ミサイルは尾をひきながら空中を疾走し、レイ達が乗っているのとは別の兵員輸送ヘリに激突した。爆発。ヘリはギュルギュルと回転しながら海に突っ込んだ。爆発。波が塔のように高く上がった。森から大量の赤い光が飛んでくる。その光がヘリに当たり、衝撃が走った。「<L.A.S.E.R>!?」リ・シュンハが驚きに満ちた声で叫んだ。「馬鹿な!誘導放出性光増幅兵器はまだ実現していないはず―――」ガードナーが叫んだ瞬間、パイロットが唸り声をあげ、操縦桿を思い切り引いた。ミサイルがすぐ側を通り過ぎ、衝撃波をヘリにぶつける。レイは悲鳴をあげて床に転がった。機体が制御を失い、凄まじい動きをする。「こちらグリフォン1!緊急事態!何者かから激しい対空砲火を浴びている!緊急事態!」パイロットが必死に叫ぶ。オデュッセウスチームの輸送ヘリが爆発するのが、ちらりと見えた。武装ヘリがプロペラから火を噴き、ガトリングからめちゃくちゃに弾丸を撃ち出しながら墜ちていく。しばらくして、武装ヘリの爆発音が聞こえた。次の瞬間、レイは爆風と衝撃と熱波をもろに浴びた。機体後部が爆発したのだ。「ミサイル被弾!制御を保て無い!墜落するーーっ!」パイロットが悲鳴のように叫ぶ。爆発、炎、そして恐怖の絶叫がレイの耳を揺さぶる。次の瞬間、凄まじい衝撃と共に、レイの視界はブラックアウトした。銃声。レイの意識は急速に覚醒した。ヘリは浅瀬に墜落していた。森から海岸に大量のモンスターが現れ、手にした銃から赤く熱いレーザーを次々に放った。レーザーが海水に当たり、水が蒸発する。「フィアだ!」クロウの声が聞こえた。「残骸を盾にしろーっ!」シュナイダーの指示も聞こえてきた。空は対空砲火の嵐が吹き荒れ、残ったヘリを叩き落とそうとしている。「く………」レイはヘリの残骸の中からなんとか立ち上がると、アメリカ軍正式銃のサブマシンガンを構え、海岸からこちらに向けて撃ちまくってくるフィア達に応戦した。の1人が悲鳴をあげて倒れる。浅瀬にはあちこちにヘリが墜ち、炎を噴き上げていた。「数の差が圧倒的すぎる!」ガードナーが残骸から敵をうかがいながら叫んだ。「しかも奴ら、銃弾を受けてもなかなか死なないぞ!」「そりゃあ、フィアだからな」クロウはそう言うと、ヘヴィマシンガンを手にし、フィア達に向けて撃ちまくった。耳をつんざくような銃声がけたたましく響く。彼は墜落した物資輸送ヘリに向けて顎をしゃくった。「走れ!奴らは火に弱い!ロケット・ランチャーや手榴弾をあそこから持ち出せ!」アランとリ・シュンハ、それにガードナーが頷き、走っていく。墜落したオデュッセウスチーム、つまり調査チームの生存者達も、ささやかな抵抗を行っている。だが、科学者ばかりなので役にたちそうに無い。次々に撃たれ、浅瀬に倒れていくのが見えた。フィア達はじりじりと浜辺を前進してきていた。手にした銃からレーザーが吐き出され、残骸の陰から応戦するレイ達を狙う。「ダメだ!圧倒的すぎる!」レイの言葉に、クロウがオデュッセウスチームの生き残りを指さした。「彼らと合流しよう!軟弱な科学者達でも、わずかに戦力になる!おれが奴らの気を引く!」「了解!頼んだぞ!」シュナイダーはそう言うと浅瀬を走り出した。レイも慌て続く。海岸にはたくさんの死体があった。<SAF>や科学者ばかりだ。フィアの死体はほとんど無い。輸送ヘリからロケット・ランチャーを取り出したガードナーが弾を込め、放った。ポータブル・ミサイルが尾をひいて飛び、フィアを吹き飛ばす。その間に、シュナイダーとレイはオデュッセウスチームのヘリの残骸の1つの陰に駆け込んだ。アメリカ海軍<ネイビー>の軍服を着た少年が、アメリカ軍正式銃であるサブマシンガンでフィアと戦っている。男性と少女がその近くで震えていた。
2008.07.16
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「ブルックベル教授はいますか?」シュナイダーは怒鳴った。震えていた白髪の男が手をあげる。「わ、私だ。こ、こいつらはフィアだ!私を守ってくれ!」「なら、黙って隠れていて下さい!」シュナイダーはそう言うと、戦っている少年の側で銃を撃ち始めた。「君は!?」シュナイダーの言葉に、少年が振り返った。「ローグ・フロスト。二等兵です」「よし、ローグ、君はブルックベル教授とそこの娘を連れて、戦闘から離脱しろ」「無理です」妙にパニックになっているシュナイダーと違い、ローグは状況を冷静に観察していた。「完全に包囲されてます」シュナイダーはようやく気づいた。正面や側面からはフィアが迫り、背後には海しかない。「他に生き残りは!?」「オデュッセウスチームはぼくとリアナ、それに教授だけです。そちらは?」「僕を含めて7人!」シュナイダーはフィア達を一瞥した。100体はいるだろう。「……絶望的だな」レイがぼそりとつぶやいた。フィア達は銃からレーザーを撒き散らしながらじりじりと進撃してくる。全滅は目前だった。「くそっ………。the endか!」ローグが悔しげに叫んだ。その時。爆音が響いた。ドリフトの音が響き、ジープやバギーが5台、それに武装トラックが浜辺を突っ走ってきた。「な、なんだ!?」バーナードが狼狽して叫ぶ。フィア達が一斉に雄叫びをあげ、向かってきた車団に銃を向けた。バギーやジープの後部に取り付けられた銃座のマシンガンが轟く。たちまち、激しい銃撃戦が始まった。「人だ!」レイが叫んだ。確かに、突然現れた車団に乗っているのは人間だった。ジープが砂を撒き散らしながら砂浜を走り、フィアをはね飛ばす。武装トラックから銃を構えた男達が転がるように飛び出し、フィアと交戦を始めた。武装ジープや武装バギーが砂を高く巻き上げ、フィア達を翻弄する。「味方か!?」シュナイダーは怒鳴った。「味方だ!」武装トラックに乗っていた白人の男が、銃を掲げて叫んだ。「急いでトラックに乗れ!援護する!」「よし」シュナイダーは頷くと、再び怒鳴った。「アラン、ガードナー、シュンハ、先に行け!教授と娘さん、レイ、ローグは僕に続いて。クロウはしんがりを務めてくれ!」「Yes Sir!」アランが叫び、ライフルを撃ちながら、浜の武装トラックに向けて浅瀬を走り出した。ガードナーとシュンハが続く。フィアがバギーに吹っ飛ばされ、空高く舞い上がるのが見えた。アラン達が浜辺の戦線に加わり、敵に銃撃を浴びせ始める。「よし、続け!」シュナイダーは叫ぶと走り始めた。レイ、ローグ、バーナード、リアナが続く。レーザーが時折、海水を蒸発させた。リアナが悲鳴をあげる。「足を止めるな!」クロウが銃を撃ち、退却を援護する。「早く!」レイが叫んだ。バーナードが武装トラックの荷台に転がりこみ、リアナとローグもすぐに乗り込んだ。「救援、感謝する」シュナイダーはフィア達と交戦している男に言った。「助かったよ」「なら、急いで脱出しよう」男はシュナイダーの言葉に頷きながら言った。「スコット!撤収だ!」「りょーかい!」フィアに向けて銃撃していた別の白人の男が、ややふざけたように敬礼した。「ところで見たか?俺、奴らを30体倒したぞ!このスコットさまに勝とうなんざ100年はや……」「スコット、早くしろ!」男がいらいらと叫んだ。「あと、30体倒したなんてハッタリはやめろ。奴らを1人で30体倒せるなら、誰も苦労しない」「へーへー。わかりましたよ、ネイオ様。おい、引き上げるぞ!」スコットが言い、銃を撃っていた男達は次々に武装トラックに乗り込んだ。武装トラックは後ろのコンテナを積載する部分を兵員輸送ベイに改造し、鉄板で盾をつくり、マシンガン等を設置してある。レイやアラン達はその兵員輸送ベイに乗り込んだ。ネイオと呼ばれた男やスコットも飛び乗る。「撤収だ!全速力!」ネイオが怒鳴った。トラックが動きだし、砂を撒き散らしながら走り出した。タイヤにチェーンが巻いてあるため、砂浜でも走れるのだ。バギーやジープもついてくる。フィア達が次々に怒声をあげた。トラックは海岸線に沿っている小さな森に飛び込んだ。バキバキと枝を折りながら突き進んでいく。鳥が驚いて飛び立った。すぐに森を突っ切った。目の前には舗装された道路があった。武装トラックはそれに乗り、快適に走り始めた。バギーやジープが追いつき、トラックを護衛するように展開する。「で、あんた達は何者だ?」スコットが腰のマガジンをサブマシンガンに付けながら言った。「装備や物資の量からして、アメリカ軍か?」シュナイダーは頷いた。「アメリカの特殊部隊だ。バーナード教授率いる調査チームを連れてクリティロに向かう予定だったが、あの海岸で奴らから対空砲火を受けて、僕達以外は全滅した。………ところで、奴らは何者だ?」「フィアだ」答えたのはスコットではなく、クロウだった。「15年程前、アーサー・ホーク博士に発見された新生物、グールから進化したと思われる種だ。知力が異常で、人類を遥かに上回る知力を持っている。あの<L.A.S.E.R>技術が特にいい例だろう」「ああ、そのとおりだ」ネイオが頷いた。「奴らはレーザー・ガンを使い、異常な耐久力を誇り、しかもUウイルスに感染した他生物を好きなように操れる………」「………ところで、あんた達、いったいなにもんだ?」アランが疑いもあらわに言った。「南アメリカには、もう人間はいないと思ったぜ」スコットが頷く。「ああ、大部分の人間はグールと化した。だが、まだしぶとく抵抗してる人間もいるのさ。俺はスコット・アンティリーズ。こっちはネイオ・ワークだ。俺達はアメリカのある特殊部隊の一員だ。ブラジルに現れたとかいう謎の生物を調査するために送り込まれたんだが、あれよあれよというまに南アメリカが完全封鎖されてね。置いてけぼりをくらったのさ。だが、むざむざフィアに撃たれ、グールに貪り食われる気は無い。俺とネイオは生き残っている人間を集め、フィアに対抗する数千人の戦闘組織をつくりあげた。そう、俺達は―――」スコットはにやりと笑い、固く拳を握った。「レジスタンス<抗う者達>だ!!」
2008.07.16
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タイトルからぶっ飛んでますね。今日は・・・・あーーーーーー・・・・・・・ネタがなっすぃんグ~なわけで。毎日日記書いても、こんなのではザマあねえですな。とりあえず、明日はいっぱい書く予定。予定だす。あくまでも。
2008.07.15
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テストが帰ってきた。ま、結果を語る必要は無いでしょう。順位は190人中半分くらい・・・。それにしても、テスト、現代国語や歴史ばかりずば抜けていいな。それに比例するかのように数学、英語が・・・。ま、がんばりまっす。夏休みまで秒読み状態!楽しみだな~。ところでFALLがなんかスランプ・・・ヤヴァイ
2008.07.14
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オレの夏がやってくる!!(謎さて、暑い中、皆様どうお過ごしでしょうか。僕はがんがんにクーラー使ってますww嘘ですww(たぶんアイスが必須の時期になってきましたねえ。あと、怖い話も。怖いといえば、皆さん、霊感って信じますか?僕の友人に『見える』って奴がいるんですよ。嘘って割り切ればいいんですが、僕はそういうの信じちゃうタチなんで・・・。彼女の話によると、『話せるし、見える』だそうな。いいな~。見たいな~。でも、『背中にキノコがいっぱい生えてるよ』とか、『首から手が4本生えてるよ』とかいうのはかんべんしてほしいっす・・・・。僕怖がりなんで、怪談とかキモダメシはほんとにやばいんですよ。ホラー映画なんか予告編でダメですし、お化け屋敷には一回も足を踏み入れたことが無い・・・。これじゃあ彼女ができた時、お化け屋敷で彼女が『キャ~、こわーい』って抱きついてくるベタな展開ができないよ!!どうにかせねば・・・(動機が不純
2008.07.13
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ホームレス中学生は凄まじかったなあ。本は読んだことが無いんでww本当にあんなんだったんだろうか。凄まじいな・・・・気が向いたので、ローグとリアナの元ネタ。ローグ元ネタ。リアナ元ネタ。ナムコさん、ごめんなさいあと、グリッグ、ディックス、コナー、ドイルはCALL OF DUTYのキャラを参考にしました。グールやフィアは言わずもがなです。明日は英検準2の面接・・・・試験官の前にでると、頭が真っ白になるんだよな~・・・・マアダイジョブヤロ。(棒読み
2008.07.12
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ファントム・サザエマスオの攻撃カツオの復讐新たなるタラオワカメの逆襲ナミヘイの帰還の6本です。見てね~。どっかで見たタイトルなのは気のせいww今日はFALL<堕落>のプロローグと人物紹介を投稿します。また生き残り大予想してくれると嬉しいです。ちなみに第1部から10年後の設定です。ネザルとアーサーは出かけません。<SAS>と<SEAL>は実在の組織です。レイ・ジェーバック21歳。に所属する青年。ムキムキな筋肉美に憧れ、日々筋トレを重ねている。しかし、もともと細身なため、弾けるような筋肉まで成長しないのが現状。また、得意分野は電子機器であるが、サバイバルも得意とする。いとこのアランとは同年ゆえに気が合い、よくつるんでいる。アラン21歳。レイのいとこ。に所属している。シュナイダーいわく『チャラ男』。しかし、しっかりとした意志も抱いており、曲がった事は嫌いな性分。シュナイダーレイやアランの所属するチームの隊長。28歳とまだ若い。ただ、頭の固さは老人並み。アメリカでは珍しい日本流の厳格な家で育ったため、武士道、義理、人情をモットーとしている。日本人の精神面の腐敗を嘆いている。ガードナー38歳。に所属。元アメリカ海兵隊の黒人。口数は少ないが、実力は確か。重火器や爆薬を得意とする。リ・シュンハ韓国人の好青年。25歳。に所属。人当たりがよく、悪口も言わず、優しい。まさに人間関係の鑑と言える人物。得意分野は狙撃。いつもニコニコ笑っている。内の女性からは圧倒的な支持を得ているんだとか。ゼブラムのサポート役である60歳の老人。物静かで、人を包み込むような大きさがある。また、調理師、栄養士、医者の免許も持っており、非戦闘員でありながら内で最ベテランとして尊敬されている。アレックスアメリカ海軍特殊部隊に所属する軍人。36歳。地位は少佐。レイは彼のムキムキな筋肉に惚れた。文武両道に優れ、指揮官としてはよくできた人物。人を疑う事や騙す事を嫌っており、優しさと厳しさの満ち溢れる男。戦闘の腕もピカイチ。グリッグに所属する青年。地位は伍長。23歳。アレックスの補佐を務める。快活であるが、疑い深く、やの隊員を信用していない。ジャンソン・ウィリアムズに所属する軍人。地位は少尉。31歳。大柄な冗談好きの男。単純明快な展開を好み、回りくどい言い方等は嫌いな性分。また、穏やかな気性であり、彼がキレるのを人は見たことが無い。ディックスの隊員。地位は少尉。28歳。いつもサングラスをかけ、仲間に対しても冷酷な態度で臨む。特にジャンソンを嫌い、ひどい言葉を浴びせている。しかし、ジャンソン自身は穏やかな人柄なため、たいていはスルーされる。電子機器を担当し、ハッキング等を得意とする。最近は日本のオタク文化に手を出しているんだとか。コナー・イングランドイギリス陸軍特殊部隊に所属する軍人。地位は大尉。31歳。敵を殺す事は全く躊躇しないが、味方は命を賭してでも守ろうとする男。部下からの信頼は厚い。乗馬はプロ級で、昔はポロのイギリスナンバーワンチームに所属していた。それゆえ、状況判断能力や広い視野を持ち、指揮官としての素質は申し分無い。ドイルに所属する青年。地位は少尉。20歳。コナーの元でメキメキと頭角を現し、若いながらもコナーの副官を任されている。サバイバルよりも市街地での戦いを得意としているが、サバイバルでも高い戦闘能力を発揮する。性格は爽やか。グレイズドノット“グレイ”の愛称で呼ばれている。地位は中尉。26歳。エンジニア。しかし、の名に恥じない戦士でもある。メカオタでガンダムやエヴァンゲリオン、そしてもちろん実際の兵器類が大好き。カトリーナ。22歳。正義感に満ち溢れる女性。キリスト教の信心深いクリスチャンでもある。どんな人に対しても優しいが、おせっかいとも言える行動も。クロウかつてコードネーム『死者の墓』から脱出した元。32歳。現在は殺人罪で収監中。クレイジーかつてクロウらと共にコードネーム『死者の墓』から脱出した元。現在は精神患者収監施設に投獄されている。アーサー・ホーク生物学界の権威。42歳。とを発見した。現在はハーバード大学の教授を務めている。だが、彼の家には頻繁にネザルが出入りしているらしい。ネザルUウイルスや、そしての正体を知る数少ない人物。地位は准将。小太りで冷酷な男。バーナード・ブルックベル生物学界で有名な博士。45歳かつてアーサー・ホークが発表したやに多大な関心を見せる。リアナ・ブルックベルバーナードの娘。17歳。頭脳が抜群なため、父親の助手を務めている。昔は高飛車だったが、ローグとの出会いで優しい性格になった。現在はローグにベタぼれ中。ローグ17歳の青年。中学校でリアナと同じクラスになる。当時高飛車で高慢だった彼女の鼻を折り、優しく導いた事がある。その事でリアナの性格はだいぶマシになったが、それ以来つきまとわれ、迷惑している。アメリカ海兵隊の二等兵でもある。グールウイルス・Undead、通称Uウイルスに感染した人間。Uウイルスに感染すると脳と筋肉の異常的収縮が起き、身体組織が腐食する。また、小さな脳に残されたイメージ、つまり戦闘本能と食欲に突き動かされ、人間や動物を襲う。グールに噛みつかれた人間はグールになる。フィアグールから進化したらしき存在。白い濁眼と灰色のゴム状皮膚を持つ。知力が人間とはけた違いであり、この世に生を受けてからわずか6年でカタパルトやボウガンを作成するに至った。なぜフィアがグールや他のUウイルス被感染動物を操れるのか、長らく謎のベールに包まれていた。グール・ウルフ通称ヘル・ハウンド。Uウイルスに感染した犬が独自に進化したらしい。並みの狼や犬より大柄で、牙も鋭い。また、進化の過程でフィアのような灰色のゴム状皮膚を得られなかったため、Uウイルスの効果で筋肉が剥き出しになっている。怪物ヘビUウイルスに感染したヘビの一部が巨大化したらしい。フィアに生物兵器として利用されている。また、ヴィシス(凶暴)の名で恐れられている。
2008.07.11
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第2部 攪拌プロローグ―――以下は2018年現在の情報である。2008年9月26日ブラジル高原奥地の村々と連絡が取れなくなり始める。2008年10月9日サンパウロとの連絡が『ゾンビが来た』との通信を最後に途絶える。2008年10月11日ベロオリゾンテのアメリカ軍との連絡が断絶。アメリカは調査隊を送ったが、調査隊もブラジル高原で消息を断つ。2008年10月16日リオデジャネイロから緊急の援軍要請。アメリカ軍は大西洋の艦隊から援軍を発するが、リオデジャネイロに人影は無かった。アメリカ軍は着陸を諦め、退却した。2008年10月20日難民がパナマ陸峡に現れる。数日後には数万人に及んだ。パナマ陸狭諸国は対応に困り、難民を追い返し始める。2008年10月28日ブラジルのサルバドル、クリティパ、ポルトアレグレからの連絡が途絶え、ブラジル政府は原因不明な出来事による緊急事態宣言という極めて異例な命令を発令する。2008年11月1日ブラジルで連絡の取れない街が2万を超える。2008年11月5日ベネズエラ、コロンビア、ペルー、ボリビア、パラグアイ、ウルグアイ各国でも連絡の取れない街が出始める。2008年11月14日ブラジリアからの連絡が無くなる。ブラジル政府とは完全に連絡が取れなくなり、国家間連絡が断絶した。2008年12月2日アルゼンチン、チリでも連絡不能な街が発生。スリナム、ガイアナ、ウルグアイ、パラグアイからの音沙汰が完全に無くなる。2008年12月11日国連は南アメリカでの異変を『殺傷能力の極めて高い新型ウイルスによる脅威的感染』とし、アルゼンチン、チリ、エクアドル、ペルー、コロンビアからの住民の救済を開始。2009年2月2日南アメリカからの連絡は完全に途絶えた。パナマは国境を封鎖し、南アメリカは、事実上、暗黒大陸となった。2009年~2015年南アメリカ大陸喪失による世界的な資源不足と経済的混乱の時代。紛争はそれまでの2倍に拡大し、世界各国は資源を狙っていがみあった。暗黒の6年間とも呼ばれる。2016年経済が回復し、世界情勢はようやく安定した。そして2018年―――悪夢の物語は再び始まろうとしていた。「レイ、チビってないか?」後ろでアランのにやついた声がする。「まさか。だったらお前は?」レイは肩をすくめ、聞き返した。アランがばか笑いした。「もうとっくに漏らしてる!」レイはにやりと笑うと、下を見た。ヘリから垂れ下がったロープが下の地面までとどいている。「おしめをかえとけ、よっ!」レイは掛け声と共にロープを伝って飛び降りた。ヘリのガトリング砲座から弾が勢いよく射出されている。ギュルギュルギュルギュルギュル手にはめた軍用グローブとワイヤー・ロープがこすれ、音をたてる。レイは砂塵の吹き荒れる地上に着地した。辺りには中東風の民家が建ち並んでいる。ここは某中東国。アメリカ海兵隊はこの街を制圧した武装組織への攻撃を行っていた。レイ達はその武装組織の首領の身柄を取り押さえるべく、投入されたのだ。銃声が近づいてきた。「OK, Let's move out!」チームの隊長、シュナイダーが叫ぶ。地上に降りた達が頷く。次の瞬間、迫撃砲弾がすぐ近くの民家に炸裂した。爆発と共に壁が吹っ飛ぶ。「うわああああああ!?」の1人がその瓦礫に押し潰された。「カラード!」レイは慌てて駆け寄った。しかし、カラードの顔は既に血の気が無かった。脳髄が飛び出していたのだ。「In comei---ng!」シュナイダーが狼狽して叫ぶ。次の瞬間、付近に次々に迫撃砲弾が着弾した。「退避!退避ーーっ!」誰かが叫ぶ。レイはカラードを救うのをあきらめ、近くの民家に避難した。激しい爆発音が響く。「大丈夫かな……」レイは一緒に逃げ込んだ黒人に言った。ガードナーという名のその黒人は、迷いなく首を横に振った。「死ぬ」レイはそれを聞いてため息をつくと、近くの窓に駆け寄り、そっと覗き見た。遠くの広場に浅い塹壕が掘ってあり、そこの迫撃砲が砲弾を撃ちまくってくる。レイは通信機を取り出すと、そっとつぶやいた。「こちらレイ。ガードナーもいる。シュンハ、応答頼む」通信機がしばらく雑音をがなりたてた後、少しなまってはいるものの、流暢な英語が聞こえた。『こちらリ・シュンハ。ベイネルがやられました。アランとシュナイダー隊長が近くにいます』「敬語じゃなくていいって。シュンハ、迫撃砲が見えるか?」『いえ』「1時方向。広場が見えるか?」『ちょっと待って………。ああ、はい、見えました』「狙撃できるか?」『位置さえわかれば、赤子の手を捻るようなものです』レイは頷くと、ガードナーを手招きした。「殺ってくれ。オレが奴らの気を引く」『了解』レイは通信機を切ると、連射銃を構え、そろそろと移動し、戸口の側で照明弾を投げた。カッと光が閃く。武装組織員の混乱した声が聞こえた。その直後、立て続けに銃声が聞こえ、迫撃砲を制御していた3人の兵士が倒れた。「OK!Let's attack!GO、GO、GO!」レイの声と共に、ガードナーが扉から飛び出し、手にしたサブマシンガンを連発した。ロケット・ランチャー、RPGを担いでいた武装組織員が、体に2発の弾丸を受け、血を噴き出しながら倒れる。別の武装組織員が支離滅裂な事をわめきながら、連発銃をガードナーに向けた。鋭い銃声が響く。武装組織員はバタリと倒れた。狙撃。シュンハだ。爆発音と共に、右手の方角から銃閃が見えた。シュナイダーとアランだ。武装兵が次々に倒れていく。テレビ局の方で、火の手が上がった。海兵隊の連中は派手にやっているらしい。「サムは!?」レイはサブマシンガンで辺りを警戒しながらアランに訊いた。「さあな。俺は見てな―――」次の瞬間、2人は近くに着弾したポータブル・ミサイルによって薙ぎ倒された。RPGだ。「くっ!」レイはゴロゴロ転がって物陰に隠れると、応戦した。民家の壁にいくつもの弾痕がはっきりと残る。肩を撃ち抜かれた敵が、悲鳴をあげて転がった。「レイ!アランとシュンハを連れて港へ向かえ!サダ・アサラディがそちらで見つかったらしい!ここは僕達に任せろ!」シュナイダーが叫ぶ。サダ・アサラディは敵の首領だ。「了解!」レイはそう言うと粉塵の渦巻く道を走り出した。アランとリ・シュンハが続く。アメリカ兵やテロリスト達の死体が地面に転がり、砲撃を受けて崩れかけた民家には大量の弾痕がある。アフガニスタン爆撃やイラク戦争以降、アメリカ軍は中東で武装組織と戦い続けていた。そしてようやく武装組織の首領、サダ・アサラディを追い詰めたのだ。銃声が激しくなる。海兵隊がアサラディを港に追い詰め、猛攻をしかけているらしい。「くそっ!こんなに埃っぽいなんてな!きちんと掃除してんのかよ!」アランが毒づく。「黙って走れ!」レイが叱りつけた。その時である。破壊音と共に、港の上空を飛んでいたアメリカ軍の武装ヘリの右側が爆発した。RPGを受けたのだ。ヘリは制御を失い、回転しながらレイ達の方向に突っ込んできた。「退避ーーっ!!」レイは血相を変えて叫ぶと、近くの民家に飛び込んだ。次の瞬間、耳をつんざくような破壊音と共に、ヘリがレイ達のいた通りに突っ込んできた。民家が崩れ、破片が銃弾のように飛ぶ。レイは必死に身を屈めた。瓦礫が崩れてくる。…………静かになった。「う……」レイは動こうとした。そして気づいた。足が瓦礫に挟まれている。「くっ………」どかそうとしたが、重すぎて動かせない。突然、すぐ近くで銃声がした。アランの叫び声が聞こえる。中東の言葉が聞こえ、銃声がそれに続いた。サブマシンガンの発射音。悲鳴が聞こえた。中東の声と銃声はますます増えていく。「shit!」アラン達は押されているらしい。レイは腰から拳銃を抜くと、何とか撃てる位置まで移動しようとした。しかし、やはり動けない。アランとシュンハが倒れた民家を盾に、レイからは見えないが、武装組織兵と戦っているのが見えた。彼らの周りで銃弾が跳ね、炸裂する。手榴弾が爆発した。「GO back!GO back!」アランが左腕を振り回し、右手でサブマシンガンを撃ちながら叫ぶ。シュンハが頷き、2人は後退射撃を行いながら退却を始めた。「アラン!シュンハ!助けてくれ!」レイは叫んだが、その声は銃声にかき消され、2人の耳には届かなかった。2人が通りを後退していき、見えなくなった。その代わり、見たく無い連中が視界に入ってきた。先程アラン達と撃ち合っていた武装組織員達だ。何人もいる。恐らく、海兵隊の包囲を突破し、血路を開いているのだろう。武装組織員達が銃を撃ちまくりながら通りを前進していく。崩れた民家の中で這いつくばり、こちらを見ているレイには全く気づいていない。その内、悠然とした歩調で、1人の男が視界に現れた。サングラスをかけ、他の者より数段上等な服装をしている。サダ・アサラディだ。チャンス。レイは拳銃を這いつくばったまま、拳銃を構えた。撃った後に場を逃れる術は無いが、長らく中東を混乱に陥れてきたアサラディを殺せるなら、文句は無い。拳銃が火を噴いた。血が飛び、悲鳴が響く。アサラディが、悲鳴をあげたすぐ側の武装兵を見て、ギョッとした顔をする。レイは思わず舌打ちした。外した。アサラディがレイに気づき、拳銃を向ける。レイは急いで撃鉄を起こそうとした。次の瞬間、レイの拳銃はアサラディの放った銃弾を受け、吹っ飛んでいた。アサラディの拳銃の銃口が、正確にレイの頭を狙う。レイはアサラディを睨み、せめてもの抵抗を示した。アサラディがにやりと笑い、指先に力を込める。重い銃声が鳴り響いた。アサラディの額に、穴が空いた。アサラディは、訳が分からない、という表情をすると、バタリと倒れた。武装兵達が悲鳴をあげて倒れていく。通りに銃弾が掃射されていた。武装ヘリだ。アラン、リ・シュンハ、シュナイダー、ガードナーが通りを前進してくる。レイは声を張り上げ、手を振った。シュナイダーが気づいた。「レイ!」シュナイダーが駆け寄ってくる。「大丈夫か?」「まさか」レイは疲れた笑みを見せた。「足を挟まれてる。あげてくれ」シュナイダーは頷き、ガードナーを呼んだ。「おいおい、レイ、なにドジってるんだよ」アランがあきれたように言う。「うるせーや、いろいろ苦労したんだよ」レイはシュナイダーとガードナーがどかしてくれた瓦礫から這い出しながら言った。「まあまあ、2人共、落ち着いて落ち着いて」シュンハがニコニコしながら言う。「任務も無事、完了したんだしさ」レイはゆっくりと頷いた。「……カラード達の冥福を祈ろうじゃないか」中東の空には、煙がたなびいていた。
2008.07.11
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これはもう遊ぶしかないだろう。まあ、general-fettは弓道部があるそうですが。がんば!オレはお前の分まで家でゆっくりとくつろぐよ。さて!今日はスパイダーパニックを見ました。いやー、あの手の映画はFALL<堕落>の参考に役立ちますな。暇さえあれば読んどいてくださいな。ところで、セレブレで発売される商品が発表されました。バトルフロントrenegadesquadron や フォースアンリーシュドが出るかな?と淡い期待を抱いたのですが・・・・・。出ませんでしたーーーー。残念!!!(古!
2008.07.10
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昨日から腹の調子が悪く・・・・。嘔吐ばっかして・・・・。学校休みました・・・・・。病院いって・・・・。検査して・・・・・・・。8月終わりにもう一回大きな検査を・・・・・ え大きな検査!?お、オレの腹や腸は今いったい・・・・・!?だ、大丈夫なのかmy body!!あ、FALL<堕落>の第3章を投稿しました。(下の日記)~忘れてる方のために前回のあらすじ~アーサー・ホークの発見した<グール>、そして<フィア>。隊員達はその存在を知って戦慄する。その直後、クレイジーは感染していたナッドを撃ち殺し、ザーンによって隊を追放されてしまう。翌日、ザーンはクロウ、ジョージ、ドク、そしてアーサーを連れ、衛星アンテナを設置するため山頂へと出発した。しかし、その途中でジョージとドクを失い、ザーンはUウイルスに感染し、さらに衛星通信機が使い物にならないと知って、彼らの戦意は大幅に下がった。しかし、アーサーが北の施設に通信機がある可能性があると考え、クロウとザーンも施設に向かう事となった。一方、海岸にいたジェイク、マイク、レイナ、ティア、デイビットらもフィアからの攻撃を受け、北の施設に向かう事にした。しかし、レイナとデイビットは死亡し、ティアも左腕を切り落とすという大惨事となった。果たして、島は彼らを逃がすのだろうか。それとも・・・?
2008.07.09
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第3章 生への疾走時は深夜。ジャングルの天蓋が空を覆い、明かりがまるで無い。その発狂しそうな無限の闇の中で、無数の人影が動いていた。口からうめき声をもらし、よたよたと歩く彼らは、さながらゾンビのようであった。―――突如、閃光が閃いた。耳をつんざくような音と共に、銃撃がゾンビ達を襲う。「もう弾薬が無くなるぞ!?」ジェイクは先を進むマイクに声をかけた。しかし、黒人の戦士はそれを無視し、なおも敵に対して銃を撃ちまくった。ゾンビの声が地を這う。その場にいた3体のゾンビは、皆、地面に倒れ伏した。「ふぅ……」マイクが息をつきながら弾を装填する。「おい、マイク、聞いてんのか?」返事無し。ジェイクは会話を諦め、背負っているティアの顔を見た。その顔は今なお痛みに歪んでいる。さもあらん、麻酔も射たずに左腕を肩から切り落としたのだ。ジェイクは彼女の小柄な体をしょいなおすと、先をスタスタと歩くマイクを必死に追った。既に辺りは真っ暗だ。頼りになる灯りは、マイクの持つ懐中電灯だけだった。「う……………」突然、ジェイクの背中でティアが動いた。「ティア?気がついたか?」ジェイクは首を後ろに回しながらティアに訊いた。ティアはゆっくりと目を開いた。「ジェイ……ク?」「大丈夫か?」「うん、たぶん」ティアはそう言うと、顔についた泥を拭おうと体を動かした。しかし、そこで気がついた。左腕が無い。唐突に、卒倒する直前の記憶がフラッシュバックした。のし掛かり、左腕に噛みついてくるグール。その腐臭。左腕を切断した壮絶な痛み。「う………く……」ティアは辛そうに左肩に巻かれた布に手をやった。腕を失ったという、言い様の無い喪失感が彼女を襲う。ジェイクは、背中でティアがすすり泣くのを感じながら、ただ黙々と歩みを進めた。マイクは相変わらずザンザンと速いペースで歩いている。「ちょっ……まっ……マイク!待ってくれよ!」ジェイクは必死にマイクの後を追いながら、彼を呼んだ。いかにティアが小柄で軽いからといって、人を背負えばスピードは当然遅くなる。「マイク!」ジェイクは再び叫んだ。途端に、マイクが足を止めた。彼はそのままくるりと振り返り、ライフルをジェイク達に向けた。「なっ……!」ジェイクは絶句した。「や、やめろ!マイク!」「うるさい!」マイクは怒鳴り返した。「お、俺が悪いなら謝るよ。だからその銃を下ろし……」「黙れ!」マイクがいらいらと言った。「静かにしろ。感じないか?」ジェイクは口をつぐみ、感覚を研ぎ澄ませた。次第に、うなじにピリピリとした感じがしてきた。殺気だ。「後ろか?」マイクが頷く。「数は………20?」「だいたいそのくらいだろう」ジェイクは振り返った。闇の中に、いくつもの赤い眼が浮かんでいる。荒い息も聞こえてきた。「ヒュウッ」ジェイクは口笛を吹いた。「こりゃまたたくさんのワンちゃんだこと」次の瞬間、グール・ウルフのボスが狩りの咆哮をあげた。グール・ウルフ達が駆け出す。「36計逃げるにしかず、だな」ジェイクはそう言うと走り始めた。マイクのライフルが火を噴く。銃声がジャングルにこだました。「な、なに?なんなの?」背中で揺られながらティアが混乱した声をあげる。「ウイルスに感染した狼だ!」ジェイクは走りながら叫んだ。「狼!?南国に狼なんているの!?」「知るか!」「無駄口を叩くな!走れ!」マイクが彼らの前を走りながら怒鳴る。言わずもがな。ジェイクは足を速めた。しかし、やはりティアを背負っているゆえに、どうにも足が遅くなりがちだ。グール・ウルフ達の唸り声がすぐ後ろで聞こえる。その時、ティアがジェイクの耳元でソッとつぶやいた。「捨てて。そうすればあなたは逃げれる」「捨てない」ジェイクは即答した。「仲間を敵前に置いていくような真似はしないさ」「でも、このままだと………」「心配するな」ジェイクは荒い息をつきながら言った。「施設が見えた」ティアが顔を上げると、いつの間にかジャングルは開け、前方の砂浜に、白い施設がそびえていた。壁は汚れて黒ずみ、ツタが這っている。しかし、避難場所としてはまだまだ使えた。ジェイクの足音が変わった。地面が土からコンクリートに変わったのだ。施設まではあと30メートル。しかし、ここで彼らの運が尽きた。ジェイクは背後から飛びかかったグール・ウルフによって、もんどりうって倒れた。コンクリートの地面に顔をしたたかにぶつける。「いっ!」ジェイクは痛みに思わず言葉を発しながらも、慌てて周りを見回した。ティアは!?「ティア!」ジェイクは必死に呼んだ。しかし、それは彼にグール・ウルフが飛びかかってきた事で途切れた。「ぬぁっ!」暗くてよく見えないが、目の前にグール・ウルフの剥き出しになった口が迫るのがわかった。「なろっ!」ジェイクは拳を繰り出した。右拳がグール・ウルフの顔にめり込む。間髪いれずに左拳も繰り出された。グール・ウルフがよろよろと後ずさる。ジェイクはすかさず腰のハンドガンを抜くと、4、5回引き金を引いた。ドンドンと重い音が響く。グール・ウルフはどさりと倒れた。しかし、たくさんのグール・ウルフがわずか10メートルの位置にいた。赤い眼がらんらんと光っている。ジェイクは思わず覚悟を決めた。と、その時、ライフルの銃声が響き、グール・ウルフの悲鳴が聞こえた。マイクだ。「ジェイク!」いつの間にかティアが彼の側に立ち、右手で彼の腕を掴んでいた。「早く!」我にかえったジェイクは、慌てて施設へ向けて駆け出した。前方でマイクが施設の扉を開け放ち、飛び込むのが見えた。後方でグール・ウルフの吼え声が響く。ジェイクは必死だった。恐怖が背後から迫り、彼を押し潰さんとする。あと少し。ジェイクは疲れきった足を無理矢理前に出し、施設に飛び込んだ。「ドアを!早く!」ティアが右腕で両開きの扉を示す。ジェイクは急いでドアを押した。両開きの扉が閉まっていく。ズドン!突然、扉が揺れた。凄まじい唸り声と共に、扉に体当たりを浴びせたグール・ウルフが、わずかに残った扉の隙間に頭を押し込んできた。ティアが悲鳴をあげる。「下がれ!」突然、声がしたかと思うと、強烈な銃撃音が鳴り響き、グール・ウルフの頭が吹き飛んだ。「マイク!」ティアが嬉しそうに言う。彼らの後ろには、ショットガンを構えたマイクがいた。「扉を閉めろ!」マイクが銃口を下げながら怒鳴る。ジェイクは慌てて扉を閉め、二重のロックをかけた。金属製の扉にグール・ウルフ達が体当たりを食らわせているのか、扉が揺れた。「ふぅ……」ジェイクはため息をつき、ドサリと床に尻をついた。「大丈夫か」「ああ………」ジェイクは自らの体を見てみた。傷は無い。まだ感染はしていないという事だ。「ところで、そのショットガン、どこにあったんだ?」「ああ、これか?」マイクは弾薬を装填しながら言った。「そこらにいくらでも落ちてるぞ」言われてから、ジェイクはようやく気がついた。辺りには、争った形跡がたくさんあった。壁には弾痕や焦げ痕、そして血飛沫が大量に残っている。床には武器や破れた服などが落ちていた。グールが大挙して押し寄せた際、実験施設の職員が必死に抵抗した名残だろう。ただ、それを使っていた者の死骸は無かった。「マイク、灯りを」「ああ」マイクはそう言うと壁についた電力スイッチを入れた。部屋全体が明るくなる。彼らのいる場所は玄関エントランスで、左右に通路があり、前方には大きな両開きの扉があった。「ほら、ジェイク」マイクがジェイクにライフルを放ってよこした。「ああ、サンキュ」ジェイクはそれを受けとると、素早く整備した。6年前のシロモノだが、まだまだ使える。と、その時、唐突に電気が切れた。「キャッ!」ティアが短く叫び、ジェイクにしがみつく。「どうやら電力発生装置はお疲れみたいだな」マイクがつぶやく。「あとジェイク、鼻の下を伸ばすのはやめろ」ジェイクは慌てて顔を引き締めた。辺りは非常灯の不気味な光で浮かび上がり、恐怖がかきたてられる。―――パリン突然、正面の扉の向こうで、軽いガラスが落ちたような音がした。瞬間的にそちらに銃口を向けるマイクとジェイク。2人はゴクリと息を飲み、互いの顔を見ると頷きあった。2人は銃に取り付けられたライトを点けると、静かに扉に歩み寄った。扉の向こうからは、何も聞こえない。マイクが扉に張りつきながらショットガンを構え、ジェイクを見て頷く。ジェイクはマイクに頷き返すと、扉のちょうつがいに手を伸ばした。ゾッとするような冷たさが、ひんやりと彼の手のひらを包む。ジェイクは力を込め、ちょうつがいを捻り、一気に扉を開けた。マイクが突入する。何も起きなかった。ジェイクは慎重にマイクに続いた。ティアがジェイクの服を握り、恐る恐るついてくる。部屋は、広い実験室だった。縦長の部屋で、真ん中を通路が貫いており、左右にたくさんのディスプレイやコンピューター、実験器具が置いてある。やはり電気は消え、非常灯が青白い不気味な光を空中に投影している。ジェイクは素早く周りを確認した。銃口につけられたライトがライフルの動きに合わせて移動する。敵影は無かった。ただ、闇と虚が広がっているばかり。ジェイクは歩みを進めた。部屋の奥は暗がりになっており、まだ油断はできない。「この部屋、嫌……」ティアがジェイクの背後で小さくつぶやいた。マイクが彼らの前を歩きながら、頭をかいた。「なにもいないな。さっきの音は聞き違いだったかも―――」カサッ即座にマイクとジェイクは銃を構えた。「………聞こえたか」「ああ」「……どうする、背中合わせで行動するか、それとも散開するか」「背中合わせだと一撃で全滅。散開だと各個撃破されて全滅」「嫌な事言わないで下さい!」ティアがジェイクに小声で叫んだ。「どっちにしろ、この部屋はヤバイな」マイクの言葉に、ジェイクは頷いた。「マイクの言う通り―――」突然、ジェイクはバッと後ろを振り向いた。ティアが不思議そうな表情をしてジェイクを見つめる。「どうしたの?」「………いや、気のせいだ」ジェイクは再び前を向いた。嫌な感覚が背筋を走ったのだ。「ん?なんか奥で動いてないか?」「マイク、あんまり深入りするなよ」ジェイクはずんずん先へ進むマイクに言った。「さっきから悪寒が―――」―――ッ!ジェイクは振り向きざまに撃鉄を起こし、ライフルを連射した。ティアの悲鳴が響く。銃弾は彼女の髪をかすめ、彼女を背後から狙っていた者の頭脳を貫いた。
2008.07.09
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その者は悲鳴をあげ、床に落ちた。「クモ!?」ティアがゾッとして叫ぶ。床に落ちたのは、中型犬程はあろうかというクモに似た生物だった。しかし、肌はフィアや怪物ヘビと同じく灰色のゴム状で、頭部についた4つの目玉も白い濁眼だ。クモは毛の生えた8つの足をわさわさと動かし、必死に逃げようとしている。ジェイクは素早く銃弾をクモに撃ち込んだ。クモの足から力が抜け、床に伏した。「なんなんだ!?そのモンスターは」部屋の奥でマイクが叫んだ。「わからない」ジェイクはクモの側に膝まづき、死骸をじっくりと眺めた。「ただ、腹から糸を垂らして天井から吊り下がり、ティアの頭を後ろから貪ろうとしていたのは確かだな」ティアが顔を青くする。その時、ジェイクは気づいた。囁くような声がする。ティアとマイクも気づいたようだ。しきりに辺りを見回している。「―――ッ、まさか!?」ジェイクはそう言うと天井に銃口を向けた。ライトが闇を追い散らした。ティアの恐怖の絶叫が響く。天井は先程のクモで埋め尽くされていた。囁くような声は、クモの体が擦れ合う音だったのだ。クモ達は一斉に動き始めた。光やティアのかん高い悲鳴に、神経を逆撫でされたのだ。先程からの銃声や侵入者によって高まっていたクモ達のストレスが極限に達した。クモ達が黒い津波のように壁を伝い降り、部屋の隅から押し寄せ、またある者は天井から飛び降りてくる。「逃げろ!!」ジェイクはそう言うと身を翻し、出口へ向けて駆け出した。ティアが足をもつれさせながらもついてくる。ショットガンの射撃音。マイクだ。クモが一斉に怒声とも悲鳴ともつかないような音をたてる。部屋の壁から真ん中の通路に向けて、クモ達が押し寄せてくる。再び銃声が鳴り響いた。ジェイクはティアの手を引きながら、必死に出口を目指した。あと20メートル。クモがデスクの上を走り、実験器具やコンピューターが床に落ちた。ザザザザザザザザザザクモ達の足が床を擦る音が不気味に響く。ジェイクは足に絡みつこうとしたクモを蹴飛ばした。あと10メートル。クモが退路を塞ごうとする。ジェイクは彼らを力ずくで突破した。ジェイクに蹴り飛ばされたクモが宙を舞う。あと5メートル。マイクの悲鳴が響き渡った。「ザーン、アーサー、先に行くんだ!」クロウはそう言うと、正面の敵に軽マシンガンであるMP51を連射した。グールが次々に弾丸を受け、バタリと倒れる。「頼んだぞ!」アーサーが叫び、フラフラと歩くザーンを庇いながら逃げていく。クロウは頷き、弾倉を素早く装填した。グール達がうめきながら、よたよたと歩いてくる。「悪いな。お前達の仲間になる気はない」クロウはそう言うと、再びトリガーを引いた。銃弾が次々に吐き出され、再びグールが倒れる。だが、クロウはそこでようやく気がついた。―――弾切れ!?いつの間にか、弾は尽きていた。「チッ!」クロウは役立たずになったMP51を投げ捨てると、グール達に背を向けた。ハンドガンの弾はあるが、無駄使いはしたく無い。グールの声が徐々に遠ざかる。「さてと………」クロウは立ち止まり、一息ついた。「施設はどこかな………」彼はそう言うと懐からコンパスを取り出した。「っと、あっちか」クロウはコンパスをしまうと、再び歩き出そうとした。が、すぐに足を止めた。「チッ」いらだたしげな舌打ちが響く。「囲まれたか」彼は、グールに完全に包囲されていた。「奴ら、こんな賢かったか!?」クロウは言いながらハンドガンとナイフを抜き、それぞれ構えた。グールはザッと見ても30体はいる。血路を開くしかない。「うおおおお!」クロウは拳銃とナイフを手に、一番グールの層が薄いと思われる辺りへ向けて突進した。先頭のグールが腕を振り上げ、彼を迎える。だが、次の瞬間には、そのグールの腐った脳みそは拳銃の弾丸によって吹き飛ばされていた。「次!」クロウはそう言うと、噛みついてきた別のグールの顔にアッパーを食らわせ、体当たりで吹っ飛ばした。最後のグールがうめきながらジェイクに組みかかる。ジェイクは素早くその攻撃をいなすと、素早く拳銃の撃鉄を起こし、グールの顔に向けた。「さよなら!」クロウはそう言うとトリガーを―――クロウは絶句した。拳銃を向けている目の前のグールは、よく知っている男だった。「ジョー……ジ……?」クロウは途切れ途切れにつぶやいた。ジョージだった物がクロウを見つめる。その一瞬後、ジョージは大きく口を開けた。しかし、クロウはトリガーを引けなかった。ジョージを撃つ事など、できない。クロウは喘ぎ、近づいてくる片足のジョージを見つめた。ジョージの牙がクロウの首筋に近づく。銃声が鳴り響いたのは、その時だった。弾丸に脊髄を貫かれたジョージだった物はのけぞり、倒れた。しかし、クロウの拳銃は火を噴いていなかった。「クロウ!」そう言いながら近くの茂みから出てきたのは、クレイジーだった。手にはMP51が握られている。「動くなよ!」クレイジーはそう言うと再び銃を放った。銃弾がクロウの背後に迫っていたグールの頭蓋をぶちまける。クレイジーは銃を撃ちまくりながら、ボーッと突っ立っているクロウの腕を掴み、脱兎のごとく逃げ出した。グールの悔しげなうめき声が聞こえてくる。彼らはしばらく走った後、ようやく足を止めた。「………んのバカ野郎!」クレイジーはクロウの顔を思い切り殴り付けた。尻餅をついたクロウが、殴られた頬を押さえ、クレイジーをぼんやりと見上げる。「ためらうな!かつての仲間だろうと、今じゃただのゾンビだ!」「……………」クロウは言い返す気力も無く、ただ従順に頷いた。クレイジーがため息をつき、ガシガシと頭の後ろをかいた。「既に死んだ者を撃つ事をためらう必要なんてどこにある?生きているお前の命を優先しろ。それがこの状況を生き残る最良の行動だ」クレイジーはそう言うとクロウを助け起こした。「ところで、お前はなんでこんなところにいる?通信は?」「…………通信機は壊れた。だから、別の通信機を探しに島の北端の施設を目指しているんだ」クロウの言葉に、クレイジーは頷いた。「そういうことなら協力しよう。俺は確かに異常な性格かもしれないが、生き残りたいのは同じだ」「マイク!」ジェイクは振り返り、部屋の真ん中辺りで悲鳴を上げているマイクに向かって叫んだ。マイクの両足からクモ達が這い上がり、その脇腹や膝に牙を埋め込んでいく。マイクの絶叫が響いた。「マイク!」ジェイクはティアを掴んでいた手を放すと、マイクに突進した。数えきれない程のクモが次々にマイクに取りつき、牙を突き立て、肉を貪っている。「やめろおお!」ジェイクは叫び、床をジェイクに向けて津波のごとく突き進んでくるクモ達に対してライフルを構え、撃った。しかし、この大群が相手では、鉛の弾丸も焼け石に水だ。「ジェ……ジェイク!」マイクが苦しげに叫んだ。既にクモ達は彼の胸まで這い登り、体を埋め尽くしていた。「逃げろ!早く!」「馬鹿言うな!見捨てないぞ!」ジェイクはそう言ったが、この状況を打破するのは相当に困難だとわかっていた。ジェイク自身にもクモがさらに押し寄せてくる。「マイク!絶対に助けてやるからな!」ジェイクは必死に声を張り上げた。するとマイクは、ジェイクに向かってにこりと微笑みかけ、静かに首を振った。クモは既に彼の鎖骨付近まで、覆っている。さらに、彼の首を這い進み、クモが彼の顔に取りついた。「すまんな、ジェイク。おれはここまでのようだ」マイクはそう言うと静かに目を閉じた。彼の顔をクモが伝い、肉に食らいついていく。「…天の父なる我らが神よ。願わくは、その広き御胸に我の迷える魂を迎え入れ給え……」彼はそう言うと、自分の腰についた手榴弾を起動した。手榴弾が起動するまでのほんの数秒。そのわずかな間に、ジェイクは見た。マイクがジェイクに向けて微笑みかけたのを。それは、恐怖や苦しみから逃れた者の幸せな顔だった。マイク。ジェイクは叫んだつもりだったが、その声は手榴弾の連鎖爆発によってかきけされた。マイクの腰についた手榴弾が一斉に爆発し、火炎と衝撃波を辺りにぶつける。彼の周りのクモは一瞬で焼け死に、運良く離れていたクモも衝撃波で吹き飛び、混乱した。「マイ……ク……」ジェイクは黒焦げになったマイクの死体を呆然と見つめながらつぶやいた。「ジェイク!」ティアの声が、ジェイクをショック状態から現実に引き戻した。見ると、ようやく落ち着いたクモ達が、再び彼に狙いを定めていた。「くっ………!」ジェイクは慌てて身を翻すと、出口で待つティアのもとへ走り出した。クモ達もしつこく追ってくる。「くそっ!しっつけーな!」ジェイクはそう言うと手榴弾の栓を抜き、途中で下に落とした。2秒後、手榴弾が爆発し、クモを吹き飛ばした。「ジェイク、早く!」ティアが叫ぶ。ジェイクは足を速めた。しかし、左右からクモが迫り、足に絡みつこうとする。「ティア!」ジェイクはティアの名を叫ぶと、ヘッドスライディングで部屋から飛び出した。ティアが頷き、すぐに扉を閉める。扉の向こうから何かの音が聞こえてきたが、しばらくして静かになった。「ジェイク!」ティアはジェイクの側に膝まづき、彼の体を素早く調べた。怪我は、無い。「よかった……」ティアは安堵のため息をついた。「ティア……」突然、ジェイクが口を開いた。「?」疑問符を浮かべた彼女の唇を、ジェイクは突然奪った。余りに突飛な事に、ティアが目を白黒させる。口づけは、永遠のようにも、一瞬の出来事のようにも思えた。「…………もう、死んでも惜しくないや」顔を離したジェイクが、疲れた笑みを見せながら言った。ティアの顔が一気に赤く染まる。「や、な、あ、いま……」ガチャン窓の割れる音が響いた。2人はとっさに互いにしがみついた。「………聞いた?」「ああ」「………ぞ、ゾンビ?」「たぶん、な」ジェイクはそう言うと手元のライフルを掴み、立ち上がった。確か、音は食堂の方から聞こえた。ジェイクは慎重に歩き始めた。そのすぐ後ろをティアがびくびくしながらついてくる。青白い非常灯に照らされた廊下。不気味だ。―――カシャンまたどこかで音がした。ティアの体がびくんと震える。「大丈夫。大丈夫だ」ジェイクはティアを勇気づけるというよりかは、自らを説得するかのように言うと、歩みをさらに進めた。
2008.07.09
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彼らは薄暗い廊下をゆっくりと進み、ようやく角にたどり着いた。食堂は、この角の向こうだ。次の瞬間、ジェイクの心臓は止まりかけた。角の向こうから、足音がする。しかも、音の様子からして2人のようだ。ティアが顔面を蒼白にし、ジェイクの服にしがみつく。ジェイクは唾と緊張をまとめてゴクリと飲み下し、ライフルを構えた。足音はさらに近づいてくる。コツコツ、コツコツ、コツコツ………不気味な足音が否応なしに恐怖と緊張を高めていく。ジェイクは肝を決め、飛び出した。驚いた声が響き渡る。「ジェ、ジェイク!?」「教授!?」ジェイクは慌てて銃を下ろした。そこにいたのは、ザーンを支えながら歩いていたアーサーだった。「どうしてここに?」ジェイクの言葉に、アーサーは頭をかいた。「いや、実は通信機が使い物にならなくなってな。この施設に通信機が無いか探しに来たんだ。それより、なんで正面扉が開いてない?おかげで窓を割って入らざるを得なかったじゃないか」アーサーの不満そうな問いに、ジェイクは頷き、答えた。「さっき、ウイルスに感染したらしい狼に襲われたんです。おおかた、ここで実験用に飼われてた犬が感染したんでしょう」「ふむ、そうか」アーサーはそう言うと、ザーンの背中が壁で支えられるようにして、床に座らせた。「……隊長?」ジェイクはザーンの異常にようやく気がついた。ザーンの眼は落ち窪み、血走った目を落ち着き無く動かしている。「隊長?どうしたんですか!?」ザーンはゆっくりとジェイクを見上げると、口をもそもそと動かした。「感染………したんだ」ジェイクは驚愕した。「そんな………」喘ぎ声しかでない。ティアが息を呑む。「ゾンビ化まで、そう時間は無いだろう……」アーサーがうつむきながら言う。「彼まで……こうなるとは……」そう言ったアーサーを、ジェイクはハッと見つめた。「彼まで?……そういえば、ドクは?ジョージは?それにクロウは!?」アーサーはため息をつくと、疲れきった表情をジェイクに向けた。「ドクとジョージは…死亡した。クロウは……行方不明だ」「………そんな……」ジェイクは床にくずおれた。「そんな…………」キツかったが、楽しかった彼らとの日々が脳にフラッシュバックする。「…………てめええええ!!」ジェイクは叫ぶと、アーサーの襟首を掴んで押し倒した。「てめえがいなければっ、こんなことにはっ!!」ジェイクはそう言うと組み伏せたアーサーの首を掴んだ。「ジェイク、やめて!」ティアが必死にアーサーからジェイクを引き剥がそうとする。しかし、ジェイクの怒りは収まる所を知らなかった。彼は獣のように唸るとティアを突き飛ばし、ハンドガンを腰から抜いて、照準を青い顔をしているアーサーの額に向けた。「死ね!」ジェイクは怒り狂って叫んだ。アーサーが恐怖に目を見開き、自らの脳天を狙っている銃口を見つめる。「やめろ!」突然、声が響いた。ザーンだ。「ジェイク、今すぐ銃を下ろせ。ここで争っても、利点は何も無い!」ジェイクは怒りに血走った目をザーンに向けた。「だけど!」「けどもだっても無い!お前がやっている事は、ただの衝動に任せたガキのような行動だ!」ジェイクはしばし目を閉じると、あきらめたかのように深いため息をつき、銃を下げた。ザーンは続けた。「オレ達は〈SAF〉だ。その誇りを忘れ、護衛対象を殺すなんていう愚かな事をするな…」ザーンはそう言うと目を閉じた。「………教授、通信機を探しに行ってくれ」「あ、ああ………」アーサーはビクビクしながら立ち上がると、逃げるようにその場を逃れた。静寂が降りる。「……隊長」突然、ジェイクが口を開いた。「博士を護衛してきます。ここで彼に死なれては、俺達〈SAF〉の輝かしい功績に傷がつきますから」ザーンは目を閉じたまま、満足げに頷いた。「それでこそ、〈SAF〉だ」「よし、通信は送った」アーサーは通信機を置き、満足そうに言った。「すぐに救援のヘリを送るそうだ」「そうか」ジェイクは頷き、一言つぶやいた。「…………」「…………」気まずい沈黙が降りる。やがて、アーサーが口を開いた。「君達を巻き込んだ事に関しては……すまなく思う」「もういい」ジェイクは頭を振りながら言った。「彼らは〈SAF〉として立派に戦い、殉死したんだ。みんな満足だろうよ」彼はそう言うと、寂しげに笑った。「クロウ、ジョージ、ドク、マイク、ナッド、レイナ………。みんな俺を置いて二階級特進しちまいやがった」ジェイクはそう言うと、体の奥から込み上げる熱い物を必死に抑えた。「そう……!俺だけ置いて……!」しばらく、薄暗い室内は、すすり泣きの音に満ちた。「………すまない」アーサーはそうとだけ言うと、部屋を出た。月明かりが壊れた窓から廊下に射し込んでいる。アーサーはタバコを口にくわえると火をつけ、煙を吐いた。白い煙が暗闇に消えていく。「……こんなことになるとは、な」アーサーはそうつぶやくと、吸い終えたタバコを窓の外に捨てた。静寂が建物を包む。アーサーはしばし目を閉じ、その永遠のような静寂に身を任せた。その時だった。アーサーは静寂の中に、小さなうめき声を聞きつけた。それも、1つでは無い。「…………?」アーサーは感覚を研ぎ澄まし、耳を必死に傾けた。うめき声は地を這うように聞こえてくる。キィ………突然、アーサーの背後の扉が開いた。ジェイクだ。「なんだ?この音………」彼もうめき声を聞きつけていた。もちろん、アーサーにもわからなかった。2人は互いに首を傾げ、耳を澄ませた。うめき声のような音は次々に数を増やし、次第に大きくなっていく。次の瞬間、2人の脳に恐ろしい考えが浮かんだ。「「まさか………っ!?」」2人は同時に駆け出し、施設の屋上へと通じる階段を駆け上った。階段の先は扉で塞がれていたが、ジェイクの一蹴りで錆びていた鍵が弾け飛び、勢いよく開いた。2人は屋上に飛び出した。そして、信じられない物を目にした。施設は、大量のグールに包囲されていた。海のすぐ側にあるこの施設を、グールの大群が施設から50メートル程の間を空け、半円形に囲っている。うめき声は今や大合唱となり、地を不気味に這い進んでいた。「…………もう終わりだ」ジェイクはその場にへたりこんだ。「こんなに大量のグール………相手にできるはずが………」「…………なぜだ」アーサーが納得できないといった感じにつぶやいた。「グールに包囲を考えつくような知力があるか?」「奴らですよ」ジェイクは力無く敵の大群のまっただ中にいる連中を示した。そこにいたのは、50体程のフィアだった。ボウガンを構え、矢筒を背負い、カタパルトに岩を装填している。「Oh my GOD!」アーサーは驚きに打たれて叫んだ。「奴らがグールを指揮してるだって!?」「ああ、間違いない」ジェイクはフィア達から目を離さずに頷いた。「ジャングルでフィアがグールを指揮しているのを見た」「……………とりあえず」アーサーがやっとの事で口を開いた。「ザーンとティアに報せよう」「まずいな………」クレイジーが茂みから施設を眺めながらつぶやいた。「水も漏らさぬ重囲って、奴だぜ、ありゃ」クロウは彼の隣で頷いた。施設はグールの大群とフィア達に完全に包囲されている。フィアは2台のカタパルトを動員し、完全に攻城戦の構えだ。「どうする?」「どうするもこうするも………」クレイジーの問いに、クロウは呆然とつぶやいた。「どうしようも無いだろ」ジェイクがいくつかの銃を手に屋上へ再び飛び出したまさにその時、フィア達の雄叫びが響き、攻撃が始まった。カタパルトから放たれた2つの岩が弧を描き、二階建ての施設の一階と二階にそれぞれ激突した。施設が激しく揺れた。窓ガラスの割れる音や、壁の崩れる音がする。怒声と共に、3つの銃声が聞こえてきた。アーサー、ザーン、そしてティアが窓を銃眼にし、敵を迎撃しているのだ。「っと!俺も早くしないと!」ジェイクは慌てて屋上の柵に近づいた。柵は腰くらいの高さだ。ジェイクはその柵に施設の武器庫から持ち出した固定式のマシンガンを設置し、周りを見渡した。大量のグールが、血と肉に飢えたうめき声をあげながら施設に迫ってくる。ジェイクはミサイル・ランチャーを担ぎ上げると、照準をグールに合わせた。トリガーが引かれた。ポータブル・ミサイルが弾道を残して飛び、グール達の中に着弾した。爆発。グール達がバラバラになって吹っ飛ぶ。だが、その死体を踏み越え、新たなグールが迫ってくる。ジェイクはミサイル・ランチャーを捨て、グレネード・ランチャーを取り出した。素早く弾を込め、発射する。放たれたグレネードは弧を描き、地面に落ちて爆発した。火炎が飛び散り、グールの行く手を防ぐ。「よし、もういっちょう!」ジェイクがそう言って別の弾に手を伸ばしたその時、屋上にカタパルトから放たれた岩がぶつかった。岩がコンクリートを砕き、破片を飛び散らせる。「うわ!」ジェイクは慌てて伏せた。鋭い破片が彼の服を切り裂く。「んなろっ!」彼は立ち上がると固定式マシンガンを掴み、撃ちまくった。凄まじい勢いで弾が撃ち出され、グールを薙ぎ倒していく。その時、ジェイクは気がついた。「……なんでグールはフィアからの命令を聞くんだ?」次の瞬間、飛んできた岩が正面扉を破壊した。「く………」アーサーは茶色の帽子を抑え、這いつくばったまま顔を上げた。周りはもうもうと白い塵が舞い上がっている。岩が扉を押し潰したのだ。ジェイクのマシンガンの音が聞こえた。「ざ、ザーン!ティア!無事か!?」アーサーは急いで立ち上がった。返事は、無い。「ザーン!ティア!」アーサーは必死に周りを見回した。舞い上がった白い塵のせいで、視界は0に等しい。「ザーン………」その時、アーサーは気づいた。大量の白い塵の中に、人影がある。「ザーン?それともティアか?」アーサーはそう言いながら近づいていった。「無事か?怪我は―――」彼の声は、唐突に悲鳴に変わった。塵の中から現れたグールが、牙を剥き出しにして彼に襲いかかったのだ。彼はそのままグールに押し倒された。グールが腐った目をギラギラ光らせ、暖かい血に飢えた口をいっぱいに開く。そして目にも止まらぬ速さでアーサーの首筋に―――ダン!重い音が響き渡った。グールの体がビクンと震え、力を失ってアーサーの体からずるりと落ちた。「教授、立つんだ!」ザーンが疲れきった顔をして、アーサーに手を差しのべた。彼の顔はもはやほとんどゾンビと変わらない。手もところどころ腐食している。アーサーはその手を掴み立ち上がった。
2008.07.09
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「ティアは?」「2階へ逃げた!」ザーンはそう言うと目を見開き、アーサーの後ろを見つめた。「おいおいおい、ヤバいぞ!」アーサーが振り向くと、破壊された正面扉から、グールが雪崩れ込もうとしていた。「ちくしょう!」アーサーは素早くライフルを構え、撃った。先頭のグールが撃ち抜かれた首を押さえ、バタリと倒れる。アーサーは再び狙いを定めた。だが、次の瞬間、グール達を邪険に突き飛ばしながらフィアが飛び出し、手にしたボウガンを放った。矢が放たれ、アーサーの脇腹に突き刺さった。ズドッ!という音が響く。アーサーは呆然と、自らの脇腹に突き立ち、震えている矢を見つめた。「教授!」ぐらりとよろめいたアーサーを、ザーンが慌てて支えた。グール達が先を争ってザーン達に向かってくる。ザーンはアーサーを引きずって階段を上りながらハンドガンを抜き、連射した。グールの腐った皮膚が弾け飛ぶ。しかし、グール達はなおもよたよたと歩いてくる。「くそっ!このゾンビども―――」ドグンザーンの心臓が激しく鼓動した。「な………?」ザーンは自らの体に訪れた変異に、愕然とした。アーサーの襟首を掴んでいる手の皮膚が急激に腐り始め、筋肉が縮んでいく感覚がわかる。意識が朦朧としてきた。ゾンビ化の最終段階が始まったのだ。「―――ガハッ!」ザーンは嘔吐した。胃の中の物が、血や痰と共に飛び出す。「―――くそっ!」ザーンはアーサーの襟首を掴み直すと、力を振り絞って二階を目指した。「チャンスだな」岩が施設の正面扉を押し潰すのを見て、クレイジーがつぶやいた。「は?」そう聞き返したクロウを見て、クレイジーはにやりと笑った。「奴らに地獄を見せてやる。行くぞ!」クレイジーはそう言うと茂みから飛び出し、雄叫びをあげた。近くで2台のカタパルトを制御していたフィア達が驚いて振り返る。しかし、彼らは一瞬で脊髄を撃ち抜かれ、倒れていた。「無茶苦茶だ!」クロウは喘ぎながら言った。クレイジーがにやりと笑う。「上等だ!」彼はそう言うといならぶグール達の背中に向けて軽マシンガンであるMP51を連射しながら突撃した。クロウもしぶしぶ続く。撃たれたグールが振り返り、奇声をあげる。だが、彼らはクレイジーとクロウの銃さばきの前に、次々に倒れた。銃声が鳴り響き、腐った血が飛び散る。ほどなく、クロウとクレイジーは細いながらも突破口をつくり、施設の中に入った。どこからか銃声がする。「二階か?」「ああ」クロウはクレイジーの言葉に頷くと振り返った。「急ごう。死者の群れはすぐそこだ」グール達がクロウとクレイジーに倒された味方の死体を踏み越え、施設に乱入してくる。クレイジーは心底楽しそうに笑うと、階段を駆け上がった。「くそっ!」ジェイクは弾切れで使い物にならなくなった固定式マシンガンを捨て、屋上から施設の二階に駆け込んだ。銃声が鳴り響いている。彼は背中にくくりつけてあったライフルを手にとると、角からそっと先を覗き見た。廊下はグールやフィア達が歩き回り、獲物を求めて次々に部屋の扉を開け放っている。ジェイクは密かに味方の姿を探した。ザーン、アーサー、ティア。だが、彼らはいなかった。廊下にはフィア達の気味悪い唸り声――驚いた事に会話のようだ――が満ちていた。と、突然、廊下の中程にある階段の辺りで銃声が響いた。暗がりで、閃光が走るのが見える。フィア達が怒声をあげ、一斉にそちらへ向かった。しめた!ジェイクは素早くライフルを構え、近くのフィアに照準を向けた。銃口から弾丸が飛び出し、背中を向けていたフィアの体を貫いた。フィアが体を一瞬ビクリと震わせ、こちらに向き直る。その時、銃を撃ちまくりながら階段から廊下に飛び出した2人を見て、ジェイクは喘いだ。「クロウ!?」クロウもこちらを見て喘いだ。「ジェイク!?生きてたのか!?」次の瞬間、ジェイクは後ろから凄い力で引っ張られ、倒れた。一瞬前まで自分の首があった場所を矢が貫く。「ボーッとしないで!」ジェイクを引き倒したティアが鋭く言う。「ティア、いつの間に―――」ヒュン矢が2人をかすめる。「早く!上へ!」ティアの言葉にジェイクは頷き、ティアに従って屋上への階段を駆け上った。空は白み始めていた。ジェイクは屋上で周りを見渡した。施設は凄まじい数のグールに囲まれている。その時、フィアが彼らを追って屋上に飛び出した。トカゲ人間がジェイクを見つけ、ボウガンを向ける。しかし、ジェイクのライフルが火を噴き、フィアを何度も撃ち抜いた。フィアは撃たれる度によろよろと後退し、ついには端にまで追い詰められた。柵に寄りかかったフィアが最後に見たのは、自らに向かってくる弾丸だった。そのフィアは撃たれた衝撃で柵を乗り越え、下へと落ちていった。だが、ジェイク達が息をつく暇も無く、グール達が屋上になだれ込んできた。「くそっ!」ジェイクはライフルを撃ちまくった。銃弾が次々にゾンビを仕留めていく。「はっはぁ!まだまだ殺られないぜ!」ジェイクは調子に乗って叫んだ。ライフルが轟音をあげて弾を繰り出していく。ズドン!ズドン!ズドン!ズガキッ!「ズガキ?」「ジャム〈弾詰まり〉よ!」不審げな顔をしたジェイクに、傍らにいたティアが悲鳴のように叫んだ。確かに、ライフルの廃莢穴に薬莢が詰まっていた。これでは役にたたない。「くっ!」ジェイクは役たたずの銃を投げ捨て、ハンドガンを抜いた。数秒後。弾切れした。「ちくしょう………」ジェイクはいたたまれない思いで、迫りくるグール達を見つめた。既に屋上の端に追い詰められており、もはや逃げ場は無い。ジェイクは下をちらりと見た。下は、小さな桟橋のある海だった。施設は海の近くなため、裏手に出るとすぐに海なのだ。「ティア、命を俺に預けろ」「え?きゃあっ!?」ジェイクは言うや否やティアの腰と背中を抱え、屋上から飛び降りた。ティアの絶叫が響く。ズン!重い音と共に、ジェイクは地面に着地した。足を凄まじい痛みが駆け抜ける。「―――――――ッ!!」ジェイクは痛みに声をあげそうになりながらも、すぐ目の前の海に飛び込んだ。ティアが痛みに声をあげる。切断した左肩に海水が染み込んだのだ。「頼む、我慢してくれ………」ジェイクはそう言いながら木の桟橋の下に隠れた。息を潜め、ひたすら隠れた。ティアは痛みに歯をくいしばり、目に涙を浮かべている。突然、扉の開く音がした。ジェイクはソッと覗き見た。フィアだ。ボウガンを手に、辺りを素早く見回している。ジェイク達を探しているのだ。フィアはしきりに辺りを警戒しながら、ジェイク達の隠れている桟橋に近づいてきた。「…………もう、終わり、かな?」アーサーはソッとつぶやいた。ここは施設の武器庫。たくさんの銃や火薬、そして爆弾が箱詰めされている。鍵をかけた扉から、扉をぶち壊そうとしているゾンビ達のうめき声が聞こえた。「教授………あんたは早く逃げろ……」ザーンが苦しげに言った。顔は黒ずみ、皮膚はほとんど腐っている。「早く……。でないと、オレがあんたを殺しちまう……」「………わかった」アーサーはそう言うと立ち上がった。「……すまなかったな」アーサーのその言葉を聞いたザーンは、ゆっくりと首を横に振った。「気にしちゃいない。特殊戦闘部隊に所属している以上、遅かれ早かれこうなるさ」「………さよならだ、ザーン隊長」アーサーはそう言うと、武器庫の窓を割り、外へ出た。窓のすぐ下にはうまいぐあいに出っ張りがある。アーサーはそれに足をかけ、施設の外側を伝い進んだ。ザーンはそれを窓から身を乗り出して、満足げに見守った。アーサーが施設の端にある非常階段にたどり着き、駆け上っていくのが見えた。「………Don't worry」ザーンは静かに口ずさみながら振り返った。扉が内側にめり込み、バタリと倒れる。グール達がなだれこんで来た。「I will surely happiness」彼は口ずさみながら、腰につけた手榴弾を抜いた。「Don't worry」次の瞬間、光と火炎が爆発した。「うわあああああああ!?」屋上でグールと戦っていたクロウは、急に揺れた足元に狼狽した。建物の中腹の武器庫から火炎と衝撃波が飛び出し、次々に壁や床を叩き壊していく。瓦礫が吹っ飛び、グールの焼ける臭いがする。中腹を完全に吹っ飛ばされた建物は安定を失い、崩壊し始めた。屋上の床にひびが走り、がらがらと崩れていく。クロウは無我夢中で受け身をとった。クレイジーの声やグールのうめき声がパタリと消える。施設は崩壊した。ズドォン!!凄まじい破壊音と共に、建物の中腹が爆発した。火炎が飛び出し、桟橋に迫ってくる。フィアが混乱した声をあげたが、一瞬で炎に飲み込まれた。ジェイクは迫りくる炎壁を見て慌ててティアを抱きしめ、海に潜ろうとした。次の瞬間、炎が桟橋を、そしてジェイクとティアをも飲み込んだ。「う………」ジェイクはゆっくりと目を開いた。白い塵がもうもうと立ち上っていた。近くでクレイジーが倒れている。「クソッ………いってぇ………」クロウは体の上にのし掛かっていた瓦礫をどかしながら立ち上がった。辺りには瓦礫が大量に転がり、その間にはフィアやグールが倒れている。「………クレイジー、起きろ」クロウはクレイジーの体を揺さぶった。クレイジーが目をパチリと開く。「う?なんだ?何が起きたんだ?」「よくわからないけど、なんか大規模な爆発が起きて、施設が崩壊したんだ」クロウはクレイジーを助け起こしながら言った。「ま、当面のところ、崩壊の原因より、この場を切り抜ける事の方が重大だ」クロウは周りを見回した。白い塵のカーテンが徐々に晴れる。そのカーテンの向こうから現れたのは、施設に入りきれなかった運のいいゾンビ達だった。「…………まだ戦えるか?」クロウはナイフを腰から抜きながら言った。銃は崩落の際に落としていた。「ちとキツいな。あばらを3、4本折っちまった」クレイジーがそう言って、脂汗の浮かんだ笑みを見せる。「…………第一、あの数を相手に2人じゃ勝ち目が無い。地獄へご招待、だ」2人の間に絶望が漂う。その時、クロウの耳に、グール達のうめき声とは別の音が聞こえてきた。「おいおいおい、まさか!」クレイジーが叫ぶ。次の瞬間、ジャングルの向こうからプロペラの音をたてながら3機の軍用ヘリが現れた。2機の武装ヘリのガトリングが唸りをあげる。次々に銃弾が海岸にひしめくグールを薙ぎ倒していく。「いいぃぃぃぃぃぃぃやっはぁ!!」クレイジーが銃を振り上げて叫んだ。「助かったぁ!」
2008.07.09
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{SAF}と書かれた兵員輸送ヘリが、瓦礫の少ない辺りに着床した。扉が開き、完全武装した{SAF}隊員達が飛び出してくる。彼らのマシンガンが火を噴いた。凄まじい銃声が鳴り響く。ミサイルが着弾し、火炎を撒き散らした。「戦場だ………」クレイジーがつぶやいた。{SAF}隊員の1人がクロウとクレイジーを見つけ、駆け寄ってきた。「生存者ですね?急いでヘリに!」クロウは頷き、クレイジーと共にヘリに向かった。上空を2機の武装ヘリが飛び回り、グールを次々に倒している。クロウとクレイジーは2つのプロペラを持つ輸送ヘリに飛び込んだ。「よし、退却だ!」誰かが叫び、{SAF}隊員達が銃を撃ちながら輸送ヘリに戻ってくる。「ちょ、ちょっと待って下さい!」クロウは慌てた。このまま帰るだって?冗談じゃない!「なんだ?」黒人の隊員がクロウを見る。「さっき、施設の中でジェイクを、仲間を見たんだ!施設の崩落を生き延びているかも―――」「だから待てというのか?それは無理だ」黒人はかぶりを振り、クロウの言葉を遮った。「この島はあと2分で地図から消える。さあ、急いで乗れ!」黒人の指示を受け、まだ外にいた隊員達が乗り込んでくる。クロウは呆然としながら奥に詰めた。地図から消える、だって!?「ちょ、待ってくれ!」クロウは叫んだ。だが、無情にも、話を聞く者はいなかった。「仲間が、ジェイクが、生きてるかもしれないんだ!」そう叫んだクロウを、先ほどの黒人が見つめた。「あの崩壊じゃ、どのみち死んでるさ」その時だった。「おーい!待ってくれー!」声と共に、瓦礫の向こうから男が現れた。アーサーだ。彼は黒い袋を重そうに引きずっていた。「早くしろ!」黒人が叫ぶ。アーサーは息を切らしながらヘリに乗り込んだ。「よし、あげろ!」黒人の言葉にパイロットが頷き、ヘリを上昇させた。プロペラがヒュンヒュンと音をたてて回転し、機体が持ち上がる。「待て!まだジェイクがいるんだ!」クロウは必死に訴えた。だが、誰も耳を貸す者はいなかった。ヘリは無情に明け方の空へと舞い上がっていく。クロウはぼんやりと小窓から島を眺めた。ようやく昇ってきた太陽が、島を照らし始めている。その時、クロウは気づいた。島の向こうからたくさんの機影が近づいて来たことに。それは、何十という爆撃機だった。爆撃機から大量の爆弾が投下されていく。島の木々が次々に吹き飛び、炎上し始めた。「上層部の命令だ」唖然とするクロウに、黒人が告げた。「絨毯爆撃で、島を黒焦げにしろ、ってな。これからブラジルのアメリカ軍基地に向かうぞ」クロウはそれをぼんやりと聞きながら、島が隅々まで爆撃を受けるのを眺めていた。ヘリはブラジルのベロオリゾンテのアメリカ軍基地へ向け、広いブラジル高原を飛んでいた。隊員達は海岸で見たものについて興奮気味に話していた。彼らはゾンビのような怪物の正体について何度か質問したが、クロウはずっと小窓から見える光景を眺めていた。返事をする気など、わかなかった。ジェイクが、死んだ。それが彼の心に重くのし掛かっていた。ジェイクだけでは無い。ザーンも、ドクも、ジョージも、ナッドも、マイクも、レイナも、ティアも、デイビットも。みんな、死んだ。生き残ったのは自分とクレイジーとアーサーだけ。涙が溢れだした。視界が歪む。その時、その歪んだ視界がアーサーの足元に置かれた黒い袋を捕らえた。袋はちょうど大人ぐらいの大きさだ。次の瞬間、クロウは最悪な展開に気づき、アーサーを睨んだ。「………教授、その袋には何を?」アーサーがビクッと体を震わせる。クロウの声に何かを感じ取った隊員達やクレイジーは、ハッとそちらに集中した。「い、いや、研究資料を………」「見せろ」クロウはどす黒い声で言った。アーサーの額を冷や汗が伝い落ちる。「こ、これは今後の研究に多いに………」「見せろ!」クロウは立ち上がり、ナイフを抜いた。「わ、わかった!見せる!見せるよ!」アーサーが顔を恐怖に歪めて言う。彼は袋に手をかけると、開いた。隊員達が悲鳴をあげて後ずさる。そこにいたのは、白い濁眼をカッと見開き、自らの血にまみれたフィアだった。「………捨てろ」アーサーがクロウにすがるような視線を向けた。「頼む……。これは非常に重要な資料……」クロウは首を横に振った。アーサーが悲しそうな顔をする。クロウはパイロットに降下するように言うと、袋に入ったフィアを引きずり、後部の扉を開いた。50メートル下に、ブラジル高原の山々が見える。クロウはフィアを入れた袋を投げ捨てた。袋は次第に小さな点になり、山中に消えた。アーサーのため息が聞こえてきた。クロウは扉を閉め、席に座り、泥だらけの携帯電話を取り出すと電話をかけた。長い呼び出し音の後、電話が繋がった。『はぁい、ティータ・ハーモニーよ』「ティータか?」『クロウ!?良かった!連絡取れないから心配してたんだよ!』「なあ、ティータ」『うん?』「結婚しないか」数ヶ月後―――ブラジル高原の山中で、小さな灰色のネズミが死骸をかじっていた。灰色のゴムのような皮膚と白い濁眼を持った死骸だ。ネズミは満腹になると、近くの街の下水道に駆け込んだ。配管を伝い、空いた穴を走り、小さな民家の台所に出る。ネズミは机の上の食べ物を狙って走り出した。しかし、いくばくかも走らない内に、ネコの爪に捕まってしまった。鋭い悲鳴をあげるネズミ。ネコはそんなネズミを、一口で呑み込んだ。「おお、ロナー、またネズミを捕まえたのか。えらいな」主人の男がネコの頭を撫でた。数日後―――「うわっ!」主人の男は悲鳴をあげて後ずさった。飼いネコが凶暴な声をあげ、突如として襲いかかってきたのだ。「な、なんだ!?」男は傷ついた腕を押さえながら、暴れまわるネコを見つめていた。「パパー?どうしたの?」小さな女の子が部屋に入ってきた。次の瞬間、ネコが爪を振り立て、襲いかかった。鋭い悲鳴が響く。「こいつ!」男は台所の麺棒を掴むと、少女を攻撃しているネコの頭に思い切り振り下ろした。小動物ならば、絶命する程の衝撃。しかし、ネコはすぐに立ち直り、男に襲いかかってきた。「う、うわぁ!」男は麺棒をめちゃくちゃに振り回した。麺棒がネコの背骨にあたった。ゴキッ!鈍い音。するとネコは急に脱力し、床にのびた。「…………死んでるのか?」男はネコの死体をつついた。少女は傷の痛みに泣いている。男はとりあえず自らと娘の傷を消毒して、あとは人間の自然治癒力に任せる事にした。そして――――
2008.07.09
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今日、自分の部屋を掃除しました。思ひでの品が続々でてきました。赤ちゃんの頃・・・保育園の頃・・・小学生の頃・・・いやあ、懐かしい。それだけ・・・。
2008.07.08
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まあ、それはがんばるしかないですね。さてみなさん。まもなく夏がやってきます。夏といえば海。海といえば水着。水着といえば可愛い女のk・・・・ゲフンゲフン。まあ、なんにしても夏がくるわけです!みなさんはこの夏になにがしたいですかね?勉強努力、レゴ三昧、ゲーム狂、彼女get、世界征服などいろいろあるでしょう。僕はアメリカに短期留学に行くんで、それが楽しみっすね。ではでは!よい夏を~~。「ネタが無いんだね?」「うん・・・・・・・・・」
2008.07.07
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今日起床したのが1時半。・・・・・・・寝すぎた。まあ、テストで疲れてたんだから仕方ないよね☆(言い訳最近暑いね。むしむししてるよ。この頃、レゴキャッスルシリーズを買おうかと思案中。でも出費がより激しくなるしなあ・・・・。ま、ゆっくり考えます。今日、general-fettがレゴの画像(?)をアップしました。・・・・・すんげえ(汗急にあいつに後光がさした気がする。このままだと『レゴ好き』といっていた自分の立場がなくなるので、ジオラマでも作ってきます。さらば!↑RESISUTANCE2より持ってきました。自小説FALL<堕落>に登場する<フィア>はこんなイメージです。ほかにもこんな感じ。ではでは、さらば!
2008.07.06
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学校があった。ふ ざ け る なこちとらテストが終わったばっかで体力0に等しいんじゃああああああああ!!!で、結局休めなかった。さて、テスト続きで体力が無い。寝る。あ、ベアブリック買いました。R2とヴェイダーとストームとクローンです。やっぱびみょ。じゃね。眠い。
2008.07.05
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このつらき戦いの日々が終わりを告げたああああ!!さあ、遊ぶぜ!!今日はFALL<堕落>の第二章を投稿します。~忘れた方のために前回のあらすじ~アーサー・ホーク博士の護衛としてブラジル沖のある島に来たクロウら<SAF>。しかし、その島は実に不可解だった。人気が無いのに島の北端には施設があり、アーサーの行動も怪しい。そんな中、隊員の一人、ナッドがゾンビのような怪物に襲われる。チームの隊長であるザーンやクロウは再びアーサーに疑いの目を向けたが、それを追及しないまま、ベースキャンプが怪物蛇やゾンビの大群に襲われる。彼らは必死の防衛を展開し、武装兼兵員輸送ヘリ<ドラグーン>に乗り、沖へと逃れたのであった・・・第二章は下です。
2008.07.04
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第2章 死の行軍クロウはバシャバシャという音で目を覚ました。まず最初に目に入ったのは、隣で寝ているジェイクの顔だった。爽やかな目覚めとは言いがたいな。クロウはそうつぶやくと、ものすごく狭い状態の〈ドラグーン〉の中で、首を回して状況を確認した。皆、泥のように眠り込んでいる。昨夜、命懸けの脱出劇を繰り広げ、疲れきっていたのだ。「う………」クロウは凝り固まった体を、狭いスペースで蠢かした。小さな窓の外には、海原が広がっている。遠くに島影が見えた。ちょうど、日が落ちる時間だった。昼間は寝通してしまったらしい。機体は水に浮かべられた笹舟のように不安定に揺れている。バシャバシャという音は、波が機体を打つ音だった。クロウは〈ドラグーン〉の天井を見上げ、昨日の事を思い返した。重傷のナッド、ゾンビ、そして怪物ヘビ。訳がわからない。クロウはかゆい背中をかこうとあがいていたが、しばらくして起きているのが自分だけではないという事に気がついた。レイナとザーンが話していた。「…………燃料は?」「島に戻るのがやっとってところです。通信機はどうなんです?」「長距離用は………島に置いてきた。………おい、そんな目で見るな。仕方ないだろう。あんな状況で長距離通信機の重い機材を持ち出せるか?」「………じゃあ、どうするんです?」ザーンのため息が聞こえた。「…………島に戻ろう。どちらにしろ、通信ができないんじゃ意味が無い。奴らが通信機を破壊してない事を祈るのみだ」クロウはその言葉を聞いて凍りついた。またあの島に戻るのか。たくさんのアンデッドが脳裏に浮かんだ。昨夜は奇跡的に犠牲者が出なかったが、今日こそはでるかもしれない。クロウは不安に押し潰され、惨めに小さなスペースで丸くなった。夜、海岸に上陸した隊員達は、ベースの状況を見て絶句した。「ひでえな、こりゃ……」ジョージがつぶやいた。テントというテントは荒らされ、食糧は食い散らかされていた。辺り一面に食べかすが落ちている。だが、武器はどうやら無事のようだ。アンデッドどもに銃を使えるとは思えない。「長距離通信機はあったのか?」ドクがザーンに訊いた。ザーンが汗を拭きながら頷く。「ああ。だが、アメリカ本土と直接通信ができるアンテナが折れている」「ど、どうするんだ!?」ジェイクが砂浜に座って、ティアに折れた肋骨を看てもらいながら叫んだ。クロウも同感だった。こんな島からは、一刻も早くおさらばしたい。「安心しろ。衛星アンテナは生きている」ザーンは白い歯を見せながら言った。「あの山の頂上にこのアンテナを設置し、衛星を経由すれば、すぐにでも通信をアメリカに送れる」ザーンの言葉に、ジェイクがガッツポーズをとる。「だが、その前に訊いておかなければならん事がある」ザーンはそう言うと、おもむろにハンドガンを抜き、アーサーに突きつけた。アーサーが顔色一つ変えず、ザーンを見返す。「あなたの知っている事を全て話してもらおう、教授殿」静かだが、凄まじい威圧がその言葉には込められていた。アーサーは静かにため息をついた。「わかった、話そう。既に犠牲者まで出てしまったしな」「まだ誰も死んでないぞ?」ジョージが怪訝そうな顔をする。アーサーは再びため息をついた。「出たも同然だ。だが、まずは宿営をつくり、トーチカを築こう。また奴らが来るかもしれない」ザーンはゆっくりと銃を下ろした。「…………そうだな。よし、ジョージとクロウはナッドを入れるテントを見つけてこい。なるべく状態がいい奴だ。ドクとマイク、それにクレイジーはトーチカを作れ。ジェイク、レイナ、ティア、お前達はベースから出来る限りの物資を回収しろ」数分後破壊されていなかったテントを見つけだしたジョージとクロウは、ナッドをそのテントに入れていた。ナッドの顔は真っ青で、眼は落ち窪み、荒い息をつき、ひっきりなしにうわごとを言っている。首筋の傷口に巻いた包帯は、新たに湧き出てきた血で赤く染まっていた。「ナッドの奴、大丈夫かな……」クロウはテントから出ると、頭をガリガリかきながら言った。見る限り、ナッドの容態は芳しくない。「………ティアに任せるしかないさ」ジョージがうつむきながら言う。2人は黙りこくり、仲間の元へ歩いて行った。海岸には焚き火が焚かれ、皆そこに集まっている。アーサーが、デイビットから手渡された厚い封筒から、何枚かの紙と写真を取り出した。「私は4年前、この島に孤島状態による固有種がいないか調査に来た。その時に奴ら、あのゾンビと遭遇した。私は一体を殺し、遺体を標本としてベースに持ち帰った。この写真と資料は、その時の物だ」アーサーは焚き火の近くに写真と資料を置いた。写真には、何かの手術台のような物に乗せられたアンデッドが写っている。「私は奴らを〈グール〉と名づけた。まさに食人鬼(グール)という名がふさわしいからな」資料の方には、一番上に〈グール〉と書かれ、体重や背丈から始まり、精神伝達速度など事細かなデータが記されている。「奴らは知識のかけらも無い。筋肉は縮小し、正常な精神及び肉体活動―――つまり、生きる事もしていない。奴らは戦闘本能、及び食欲に忠実に動いている。筋肉への指令は小さくなった脳が微弱な精神信号で行っているんだ。つまり神経回路の集中している背骨を撃ち抜けば、奴らはあっという間に死ぬ。だが、私はもっと興味深い奴と遭遇した」アーサーはそう言うと、封筒から別の写真と資料を出した。「〈グール〉を捕らえた2日後に捕獲した奴だ」写真に写っていたのは、恐竜のような顔だちをしたトカゲ人間だった。瞳の無い大きな白い眼、ずらりと並んだ恐ろしい牙、灰色のゴムのような弾力ある皮膚、そして人型の体。その怪物は既に息絶えているはずだったが、それでもなお眼を見開き、恐怖を相手に与えている。「God!」ドクが恐怖にかられて叫んだ。アーサーが重々しく頷いた。「私はこいつらを〈フィア〉(恐怖)と名づけた。まさに名の通りの外観だろう?」その時、クロウは見た。焚き火の灯りに照らされたアーサーの顔が、歪んだ喜びに満ちているのを。それは、最強の兵器を開発した者が、それが大量の命を奪う物と知っていながら開発の成功を喜ぶのに似ていた。「この〈フィア〉は実に興味深い」アーサーは憑かれたかのように言った。「こいつらは〈グール〉から進化した者らしい。全く新しい生物だ!彼らの脳に当たる部分を分析すると、記憶力、理解力、応用力、全て申し分ない事がわかった。いや、それらは既に人間以上の域に発達している。彼らが我らの世界に進出できなかったのは、この島には木以外の資源が無いからだろう」アーサーはゆっくりと言い切った。「私がこの島を再び訪れた理由がわかるかい?〈フィア〉がどれだけの進化を遂げているかという事を調査しに来たんだ………」アーサーは目を閉じた。まぶたの裏に、一週間前の出来事が浮かんできた。一週間前、アメリカ、ニューヨーク、国立生物学総合研究所「―――であるからして、私は〈フィア〉は生物分類上、人類並みの、いや、以上の知力を持つ、孤島で独自に進化した種であると考えます」アーサー・ホークは、いならぶ生物学界の権威に対して、しっかりと言い切った。控えめな拍手が起こる。皆、この説を信じていないのは明らかだった。まず、〈グール〉の正体すらわかっていないのだ。その問題を省き、いきなり〈フィア〉がどうこうと言っても、なかなか同意を得られないのは明らかだった。だが、孤島にいる全く未知の生物は、生物学者達の注目を集めただろう。そう思いながら、アーサーは演壇を降りた。廊下を突っ切り、受付嬢の挨拶を軽く受け流し、研究所の外に飛び出す。アーサーは一刻も早く、この場から逃れたかった。国が彼の存在に気づいたかどうかはわからない。だが―――ガシッ!突然、肩を掴まれた。アーサーはピタリと動きを止めた。嫌な汗がこめかみを伝う。アーサーはごくりと唾を飲み込むと、ゆっくりと振り返った。彼の肩を掴んだのは、大柄な兵士だった。兵士の後ろにスーツを着た小太りの眼鏡の男が立っている。男は、ずるそうな目でアーサーをじっくりと観察すると、口を開いた。「アーサー・ホーク博士ですな?」アーサーは額から汗を噴き出しながら頷いた。「私はネザル。先ほど、教授の発表した論文に多大な興味を持ちましてな」ネザルはそう言うと、満面の、しかし冷酷な笑みを浮かべた。「ぜひともお話をお聞かせ願いたい」アーサーは目隠しと猿ぐつわを取られた。突然の事に、思わず目をまたたかせる。そこは、小ぢんまりとした薄暗い部屋だった。部屋の真ん中には机が置いてあり、高級なワインが乗っている。「さて、博士」ネザルはワイングラスにワインを注ぎながら言った。「手短に言おう。君の発見した新種の生物は、我々の開発した新兵器だ」ネザルは言い終えると、アーサーの顔をちらりと見た。眉一つ動かしていない。ネザルはにやりと笑った。「どうやら気づいていたようだな」アーサーは頷いた。「島の北端にあるあの施設。あれはあなた方の物だろう?」ネザルは頷き、ワインを回しながら、うっとりとその深紅の液体に見とれた。「8年前、生物兵器開発局が、人間の戦闘意欲を飛躍的に高めるウイルスを完成させた。それを投与されると人間は一種の興奮状態に陥り、喜んで戦場に飛び込んでいくんだ。しかも、陶酔状態ゆえに神経が麻痺し、撃たれまくられなければ倒れないというオマケ付だ。もちろん、傷による失血死等はあり得るがね。これを死刑囚などに投与し、最前線へ投入すれば、非常に我が軍に有利な展開を導き出せる。開発局はその素晴らしい効能に狂喜した。だが、思わぬ弊害が明らかになった」ネザルはそう言うとため息をつき、アーサーを見た。「なんだと思う?」「ウイルスによる筋肉と脳の異常的縮小。及び、皮膚や体内組織の腐化」「その通りだ」ネザルはアーサーの答えに満足げに頷いた。「君の言う通り、ウイルス・No.Undead、通称Uウイルスは、筋肉と脳の大幅な縮小、そして皮膚の腐化をもたらした。実験台としてウイルスを投与された犯罪者達は、感染2日後には待ち伏せや挟み撃ち程度の作戦もできなくなった。筋肉は痩せ細り、歩いてもヨロヨロとしか進めない。皮膚は腐り落ち、ぐちゃぐちゃになる。頭の中にはウイルスによる戦闘本能しかない。奴らは血への欲求を満たすため、さ迷い歩く。そう、まさにゾンビのように………」ネザルはそう言うと、冷酷な目でアーサーを見つめた。「それが君の発見した〈グール〉だ」「しかし、なぜあの島に?」「おお、そうとも。大事なのはそこだ」ネザルはそう言うとにやりと笑った。
2008.07.04
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「生物兵器開発局は思わぬ弊害に困惑しながらも、兵器のデータを取るため、アメリカ政府の所有するブラジル沖のある島を選んだ。君が4年前に訪れた島だ、教授。生物兵器開発局はその島の北端に観察施設をつくると、10人のウイルス感染者、つまりグールを島に解き放った。その後、開発局は定期的に犯罪者を放ち、犯罪者につけた体温センサーが何も感知しなくなるまで、つまり犯罪者が死ぬ時間までを計測したりして、次々にデータを取っていた。だが、彼らも予想していなかった事が起きた」ネザルはため息をついた。「グールに食いつかれた人間はウイルスに感染し、死後もウイルスによって体を動かされるんだ」アーサーは絶句した。ネザルが続ける。「グールによって死んだ人間はグールになり、すっかり小さくなった脳に強く残るイメージ、つまり戦闘意欲や食欲にひたすら忠実に行動する。また、筋肉の痩化、脳の縮小、さらには『死亡』により、驚異的な低エネルギーでの活動を実現させた。彼らは何も食わなくても30年は『生きる』だろうな。そして、島に犯罪者は放たれ続けた。2年後、つまり今から6年前、島の施設からの通信が途絶えた。おそらく、数の膨れ上がったグールどもに殺られたのだろう」アーサーは目眩がした。「ちょっと待って下さい。話をまとめます。軍はウイルス兵器を開発した。しかしそれは失敗だった。ウイルス感染者、つまりグールは知能のかけらも無く、運動能力も極めて低い。だが、感染しても、あるいは感染した状態で死亡しても、体の構成物質が崩壊するまでウイルスによって脳に残った強いイメージ、つまり戦闘意欲に動かされる。そして、グールに噛みつかれた者は感染する、という事ですか?」ネザルは頷いた。「そうなるな」「では、〈フィア〉は?あの驚く程に知能の高い新生物は?」ネザルはアーサーに冷たい笑みを見せた。「それがまさに君をよんだ理由だよ、教授。奴らに関しては、我々も一切のデータを持っていない。つまり、見るのも聞くのも全く初めての生物だ」次にネザルの言った言葉に、アーサーは息を飲んだ。「アーサー・ホーク博士、あなたにあの島へ赴き、〈フィア〉の精密な調査をしていただきたい」「そして、私は承知した。グール、つまりウイルスによって変質した人類から新たに進化した種族、〈フィア〉。彼らを政府の完全なバックアップのもと調査してほしいという要求は、私にとって極上の蜜だったんだ」パチン火にくべた薪が折れ、火花を散らした。皆、一様に黙りこくっている。聞いた話にショックを受けているのだ。今まで信じてきた政府が、陰でこのような恐ろしい生物兵器を開発してきたという事実。あのゾンビ達が、実は人間だったという事実。この島にはいまだに何者かも分からない〈フィア〉という生物がいるという事実。そして、ナッドが感染しているという事実。しばらく、沈黙が続いた。焚き火が再びはぜた。おもむろに、クレイジーが立ち上がった。「どうし―――」クロウが口を開いた瞬間、クレイジーが腰からハンドガンを抜き、ナッドのいるテントに向けて2連射した。ビチッという音とうめき声が聞こえ、テント幕の内側に血が大量に飛んだ。テントの中のランタンの光で、血がより鮮やかに映える。ティアが悲鳴をあげた。銃声が闇夜に虚ろに響く。あまりの事に、誰も動けなかった。クレイジーは肩をすくめた。「感染者だ」次の瞬間、ドクの拳がクレイジーの頬にめり込んだ。クレイジーが火にくべられた薪を吹っ飛ばして尻餅をつく。「ドク!落ち着け!やめろ!」クロウは再び拳をあげたドクを背中から抱きしめ、必死に押さえた。「放せ!」目を血走らせたドクがわめく。「こいつは!ナッドを!」クレイジーは口から血を吐き飛ばしながら立ち上がった。その彼の頭に、ザーンがハンドガンを突きつけた。「共に戦ったよしみだ。今ここで貴様の頭蓋をぶち抜く事だけはやめておく。さっさとこの場を去れ!」クレイジーは理解しがたいと言いたげな表情でザーンを見た。「あんたらはあのままナッドを殺さずにおけるとでも思ったのか?」「黙れ!」ザーンはわめいた。「さっさと失せろ!イカれたクズ野郎!」クレイジーは肩をすくめると足元の軽マシンガンを拾い上げ、弾薬ベルトを肩からかけると、悠々と口笛を吹きながらジャングルへと入って行った。彼の姿が見えなくなると、ベースは再び静寂に包まれた。波が陸を打つ音だけが、夜空に響く。「……………明日、あの山の頂上に衛星中継アンテナを設置しに行く。ドク、ジョージ、クロウはついてこい」「私も行こう」アーサーが言った。「この島を調査したい」「勝手にしろ」ザーンは吐き捨てるかのように言うと、海辺にどっかりと座った。「寝ろ。オレが最初の見張りにつく」クロウはノロノロと頷くと、自らの寝袋を引っ張り出し、中に収まった。ティアがすすり泣き、ジェイクが必死になぐさめている。「………最悪だ」クロウはつぶやき、少しでも体を休めようと目を閉じた。ヒタ………ヒタ……クロウは奇妙な音に目を覚ました。「う…ん………」彼は渋々と目を開けた。誰だ、こんな夜中に歩くのは―――次の瞬間、クロウの心臓は止まりかけた。彼のすぐ目の前には、ナッドがいた。『ウイルスは死体を常に活動状態にするため、グールは体を完全に破壊しない限り死なない』アーサーの言葉が鮮やかに脳裏に浮かぶ。ナッドが口を開けた。喉が血を求めるかのように蠢いている。クロウは悲鳴をあげ―――飛び起きた。夜明けだった。マイクが心配そうにこちらを見ている。「大丈夫か?」クロウはぼんやりとマイクを見て、頷いた。彼の服は汗でびっしょりだった。「ナッドは?」「ザーンとアーサー、それにデイビットが埋葬した」マイクは砂浜にできた盛り土を指さした。盛り土にはナッドの愛用した銃が刺さっている。「クロウ、起きたか?」ドクが近づいてきた。彼はサバイバル戦闘服を着て、腰には拳銃にナイフ、背中にはアサルト・ライフルを背負い、完全戦闘体勢だ。「早く準備しろ。行くぞ」「了解」クロウはいそいそと寝袋から出た。二度寝など、したくもなかった。午前9時、クロウ達はマイクやティア達が見守る中、ジャングルに入った。先頭を進むザーンは、落ち着き無くカービン銃をあちこちに向けた。ジョージが衛星通信アンテナパッドを背負い、ザーンに続く。ジョージの後ろを歩くアーサーは、アサルト・ライフルを背中に回し、周りの様子を一心にメモしていた。ドクがアサルト・ライフルを油断無く構え、アーサーの後ろを歩く。クロウは一番後ろでしんがりを務めていた。「それにしても凄まじく暑いな………」重い通信パッドを背負うジョージが、しんどそうに言った。汗が彼のこめかみを伝っている。「植物の天蓋が湿気を逃がさないからな」アーサーがメモに物凄い勢いで何かを書きながら言った。「もっと暑くなるのを覚悟した方がいいぞ」11時頃、一行は疲れきっていた。高温のサウナを延々と歩き続けている感じだ。「隊長、休みませんか?」クロウが言うが、ザーンは首を横に振った。「日が暮れるぞ!」しばらく歩くと、彼らは岩場に出た。川があるらしい。滝の轟も聞こえた。「ジョージ、大丈夫か」ドクの問いに、ジョージは荒い息で返した。汗が尋常ではない。「ザーン、やはり休もう。ジョージが死んじまう」ドクがザーンに言ったが、ザーンはやはり首を横に振った。「今日中に頂上にたどり着きたいんだ」ザーンはそう言うと、大きな岩をよじ登った。「早くこんな島から逃げ―――」殺気。クロウ達はさっと身構えた。アーサーが唇に人差し指を当てる。静かに、という事だろう。ザーンもすぐに岩から降り、カービン銃を構えた。滝の轟きが遠くから聞こえてくる。ガサッ!突然、葉擦れの音がしたかと思うと、奇妙な生物が現れた。体格は狼にそっくりだ。奇妙な生物はウイルスによる皮膚の退化によって赤い筋肉をさらけ出し、狼のように筋肉質でスマートな足で岩場を優雅に歩いている。だが、体つきは異常にがっしりとしていた。並の狼の1回り以上の大きさはあるだろう。10センチはあろうかという牙が、日を浴びてギラリと光った。「あー、博士、あれは?」クロウの問いに、アーサーは首をかしげた。「見たことも無いな。恐らく、グールに感染した犬から進化したんじゃないか?フィアとは別の種のようだ」「どっちにしろ」ドクが続々とジャングルから現れてくる狼もどきを見て、不安げに言った。狼は既に10匹に達している。子供の狼もどきもいた。「危険じゃないか?」だが、アーサーは既に聞いていなかった。「見ろ!子供がいる!奴らは繁殖しているんだ!それに、あのスマートかつ筋肉質な足に、立派な牙!恐らく、狩りに特化した肉食種に違いない!名前は………そうだな……」「簡単ですよ」クロウは狼に怯えながら言った。「単純にグール・ウルフだ」次の瞬間、狼達がその赤く血走った目を一斉にクロウ達に向けた。「おいおい、クロウ、お前のネーミングセンスにご立腹のようだぞ」ジョージが冗談とは裏腹に、冷や汗を滝のように流しながら言う。「いや、どちらかと言うと……」ザーンが後退りしながら言った。「獲物を見つけた肉食獣の目だ」グール・ウルフ達が明らかに殺気を放ち始めた。ご丁寧に舌なめずりしている者までいる。「あの、隊長」ジョージが言った。「なんだ」「1つ、意見を言わせてもらっていいですか?」「ああ」「尻尾巻いて逃げましょう」「いい考えだ」次の瞬間、5人は脱兎のごとく逃げ出した。ウルフ達が吼え、一斉に走り出す。「ったく、何なんだよこの島は!」「黙って走れ!」ザーンは文句を言ったクロウに怒鳴りながら、必死に岩場を走った。グール・ウルフの唸り声がどんどん近づいてくる。銃声が聞こえた。ウルフの吼え声が激しくなる。ザーンは足をくじきそうになりながらも必死に走った。前方に川が見えた。青く清浄な流れが渦を巻いている。2メートルの深さはあるだろう。川の速さは、とてもではないが人間が泳げるような速さではない。「くそっ!」ザーンは思わず舌打ちした。このままでは、みんなお陀仏だ。その時、ザーンは川を横切る様に丸木が倒れているのを見つけた。朽ちかけてはいるものの、橋としては十分だ。アーサーが彼の近くでアサルト・ライフルをぶっ放した。グール・ウルフが1匹吹っ飛ぶ。しかし、すぐに立ち上がり、再び迫ってきた。どうやら、グールの耐久力も持ち合わせているらしい。「オマケにあの足の速さ……」アーサーはつぶやいた。「実に危険だ」「早く渡れ!」ザーンはアーサーに怒鳴ると、丸木に足をかけた。丸木がギシリと揺れ、一瞬ヒヤリとしたものの、彼は一気に渡った。アーサーが続く。ザーンはカービン銃をウルフに向けて連射した。銃声が轟く。グール・ウルフ達の筋肉に次々に銃弾が命中し、穴を空けた。しかし、ウルフは一瞬怯むものの、すぐに追ってくる。「だめだ!効果が無い!」アーサーが叫んだ。「泣きごと言ってる暇があったら援護してくれ!」ドクがそう叫びながら拳銃を撃ちまくり、丸木を渡っている。
2008.07.04
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クロウは軽マシンガンを撃ってグール・ウルフを牽制しながら、丸木へと向かっていた。彼の先をジョージが荒い息を吐きながら走っている。重い通信パッドが彼の動きを制限しているのだ。向こう岸から銃声が聞こえ、次々にグール・ウルフ達に炸裂した。2匹程が倒れ、ようやく動きを止める。死んだのだ。ザーンが歓声をあげるのが聞こえた。「急げ!」アーサーの声が聞こえる。振り返ると、ジョージが丸木に足をかけたところだった。下の濁流を見てか、足が震えている。高さはそれほど高く無いが、落ちた瞬間溺れ死ぬのは目に見えていた。と、その時、ザーンがクロウの名を叫んだ。クロウはハッと前を見て、銃を構えたが遅かった。グール・ウルフが口からよだれを足らしながらクロウに飛びかかった。狼の巨体がクロウを押し倒す。次の瞬間、クロウは凄まじい痛みを感じた。岩に頭をしたたかに打ったのだ。ドクの声と銃声が遠くから聞こえる。クロウは朦朧とした意識の中で、自らを押し倒したウルフが大きく口を開くのが見えた。牙がギラリと光る。クロウは必死に腕を突きだし、敵の頭を両横から掴むと、一気に右に回した。ゴキッ!という音と共に、ウルフがばたりと倒れる。だが、すぐに次のグール・ウルフがクロウに飛びかかってきた。目を血走らせ、血に飢えた口を開く。クロウは手頃な石を掴むと、無我夢中でグール・ウルフの喉に突っ込んだ。ウルフが突然口内に侵入した異物に目を見開き、よろよろと後ずさる。クロウは自らにかぶさった狼の死体を蹴飛ばすと、グルカナイフを抜き、口に入った石に辟易しているウルフの喉を斬り裂いた。グール・ウルフが悲鳴らしき唸り声をあげる。しかし、別のグール・ウルフがクロウに飛びかかった。だが、クロウは今度は冷静に対象した。飛びかかったウルフの体をヒラリとかわしたのだ。ウルフはそのままクロウの側を飛び過ぎ、凄まじい流れの川に飛び込んだ。流されていく狼が見える。だが、息をついている暇は無かった。グール・ウルフの群れはまだたくさんいる。クロウは丸木に足をかけ、走り出した。すぐ下で濁流が口を開ける。だが、クロウはわき目もふらずに走り切り、何とか対岸へ渡った。ザーンが筋肉を盛り上げながら丸木を動かし始めた。グール・ウルフ達が丸木に飛び乗り、器用に走ってくる。アーサーがアサルト・ライフルを撃った。先頭を走っていたグール・ウルフが撃たれた衝撃で川に落ちた。後ろのウルフが一瞬怯む。その一瞬で十分だった。ザーンは唸り声をあげながら丸木を動かし、渦巻く濁流に落とした。ウルフ達が川に落ち、流されていく。「ふぅ………」ジョージが額の汗を拭いた。皆、額から汗を滝のごとく流している。「危なかっ―――」「しっ!」突然、ドクがジョージの言葉を遮った。「なんだよ」不満げな顔をしたジョージに、ドクはすぐ近くの平たい岩の上を指さした。クロウは心臓が止まりかけた。平たい岩の上には、海岸で遭遇したのと同じ怪物ヘビがとぐろを巻いていた。巨大な胴。灰色のゴムのような皮膚。瞳の無い、白く濁った目は、今は閉じられている。どこと無く、アーサーの発見した〈フィア〉に顔つきが似ていた。ただ、〈フィア〉の体は人型だったが、こちらは完全にヘビである。大蛇はゆっくりと規則的な呼吸を繰り返していた。恐らく、温まった岩の上で日光浴を楽しんでいるのだろう。ザーンが緊張で凝り固まった表情をしたまま、大蛇の先にあるジャングルを目で示した。あそこまで行くぞ、という事なのだろう。他の4人は頷き、抜き足さし足でゆっくりとヘビの側を通り抜け始めた。ヘビの呼吸を感じる程だ。クロウは、ゴクリ、と息を飲んだ。ドクの顔も緊張に満ちている。その時、誰かがありきたりかつ致命的なミスをした。岩場に引っ掛かっていた小枝を踏み砕いたのだ。パキッ…………小さいが凄まじい騒音が、静寂の空間に響く。その瞬間、ヘビがカッと目を開き、鎌首をもたげ、太陽を背に、5人を見下ろした。白い濁眼が、凶暴な炎を燃やす。大蛇はグール・ウイルスに感染したヘビが進化したもののようたが、大蛇がグール特有の果てしなき空腹と戦闘本能に突き動かされているのは明らかだった。しばらくの間、5人と大蛇は見つめあった。「……グッモーニン」ジョージがつぶやいた。ジェイクは暇だった。正直、彼はクロウ達と共に山頂へ行きたかった。(ティアと一緒にいられるのは嬉しかったが)ジェイクは皿の上の鶏の唐揚げをがっつくと、海を見つめた。唐揚げはティアが作ってくれたものだ。マイクは生真面目に即席のトーチカからジャングルをジッと睨んでおり、デイビットは難しそうな図鑑をじっと眺めている。レイナとティアは不安を吹っ飛ばそうと、アーティストや美容の話に花を咲かせている。だが、両者の顔からも一抹の不安が見てとれた。ま、ナッドがあんな事になっちまった後だもんな。ジェイクはそうつぶやくと、手頃な石を手にとり、海に向かって投げた。石が水面を跳ね、遠くに落ちる。ジェイクはため息をついた。その時、彼は気づいた。ジャングルから、不気味な音が聞こえてくる。レイナとティアも不安げにジャングルを見やり、マイクはトーチカに設置した重マシンガンを固く握っている。「なんだ?」ジェイクは立ち上がると、近くにあったスナイプ・ライフルを手に取った。ジャングルから聞こえるざわめきは、ますます大きくなった。囁くような優しい声にも、気分を害するような気持ち悪い唸り声にも聞こえる。レイナがティアを後ろに庇い、軽マシンガンを構えた。ざわめきがどんどん迫ってくる。そして―――バヒュウッ!何かが空を切る音がしたかと思うと、ジャングルの木々の向こうから、何かが空に飛び出した。それはこちらに向かって飛んできた。「い、岩ぁ!?」ジェイクが思わずすっとんきょうな声をあげた瞬間、直径1メートル程の丸い岩がテントの1つを押し潰した。歓声のような唸り声が地を震わす。途端に、ジャングルの闇からたくさんの生物が現れた。〈フィア〉だ。フィア達は手に構えた木のボウガンを次々に放った。石の矢じりを持つ矢が、砂浜に雨あられと降り注ぐ。「に、逃げろ!〈ドラグーン〉に!」ジェイクは叫ぶと、浅瀬に着水している〈ドラグーン〉へ向けて走り出した。背後で矢が砂に突き立つ音がする。ジェイクは〈ドラグーン〉の右側のドアを開けて中に入ると小窓を叩き割り、銃眼を作ると、そこからスナイプ・ライフルで正確に相手の脊髄を狙い、射撃した。バタリとフィアが倒れる。ティアが〈ドラグーン〉に飛び込み、扉の陰からハンドガンで敵に応戦する。コクピットに乗り込んだレイナが、弾を充填したガトリングを敵に向け、放った。振動が〈ドラグーン〉を震わせる。マイクは近くの浅瀬でフィアと取っ組み合いをしていた。彼の振り回した銃の柄尻がフィアの顔を叩き飛ばす。フィアはばったりと浅瀬に倒れた。顎が砕けただろう。その時、ジャングルから車輪を転がしながら、カタパルトが出てきた。スプーン状の部分に岩がすっぽり収まっている。「たった6年でこんな技術を!?」ティアが驚きに満ちた声で叫ぶ。カタパルトから勢いよく岩が放たれた。岩は弧を描き、見事にヘリの後部に突っ込んだ。バキバキという音と共に、金属が押し潰される。ティアとデイビットが仲良く悲鳴をあげた。ヘリの中に置いてあった荷物がギシギシ揺れる。フィア達の放った矢が機体に当たり、バラバラと音を立てた。「逃げるべきよ!」レイナがコクピットで怒鳴った。「じゃないと、みんなお陀仏だわ!」ジェイクは頷くと、潰れた機体後部をちらりと見た。これでは飛べないだろう。ならば、どこへ逃げるというのか。「北の施設!あそこへ逃げましょう!」デイビットが震えながら言った。「ここよりは安全なはずです!」ジェイクは頷いた。「よし。ティア、デイビット、レイナ、荷物をまとめろ。俺とマイクで奴らを足止めする」ジェイクはそう言うと、外へ飛び出した。フィアは〈ドラグーン〉のガトリングによってだいぶ掃討されているが、矢の数は減ったように見えなかった。マイクがカービン銃を撃ちまくり、敵の進撃を阻んでいる。ジェイクは〈ドラグーン〉から持ち出した軽マシンガンでマイクを援護した。「マイク、北の施設へ逃れるぞ!」銃声で聞こえないかと思ったが、マイクはすぐに頷いた。フィアどもがボウガンを手に、砂浜をじりじりと攻め寄せてくる。突然、〈ドラグーン〉から凄まじい音が響いた。ミサイルだ。ミサイルは低空を飛行し、マイクとジェイクに衝撃波をぶつけると、砂浜にうようよいるフィアに突っ込んだ。大爆発が起き、大量のフィアが薙ぎ倒された。敵は皆、生まれて初めて見る兵器に、目を白黒させている。「今だ!」ジェイクは怒鳴った。ティア、デイビット、レイナが〈ドラグーン〉から走り出てくる。だが、フィア達は思ったより早く立ち直り、再び矢を雨あられと射かけてきた。「くそっ!逃げろ!」ジェイクは叫びながら手榴弾を投げた。爆発が数体のフィアを吹っ飛ばす。「っし!」ジェイクがそう言ってガッツポーズをとる。その時、彼の背後で悲鳴が響いた。ジェイクが振り向くと、レイナが砂浜にうずくまっていた。太ももに矢が刺さっているのが見えた。「レイナ!」ジェイクは急いでレイナに駆け寄った。服に血が滲んでいる。「大丈夫か!?」レイナは弱々しい笑みを見せた。「立てないっぽい………」それを聞いたジェイクは、彼女をおぶった。マイクがカービン銃で敵を必死に食い止めている。フィア達はグールと同じく、弾を何回も撃ち込まないと死なないようだった。しかも、グールと違い、奴らにはボウガンという遠距離武器がある。「早く早く!ジャングルに逃げましょう!」デイビットが先頭を走る。ジェイクとティアは必死に彼を追った。デイビットがジャングルに飛び込む。その3秒後、デイビットの悲鳴が聞こえた。大蛇は口を開き、唸り声をあげ、体をしならせながらクロウ達に踊りかかった。アーサーが悲鳴をあげ、尻餅をつく。それが彼の命を救った。先程まで彼の首があった場所を、大蛇の顎が通り過ぎたのだ。アーサーの茶色の帽子をヘビの顎がかすり、帽子が近くに落ちた。帽子を命の次に大事にしているアーサーは、体をそちらへ伸ばし、とろうとした。それが再び、彼の命を救った。その事により、大蛇のくねらせた太い胴は、彼の頭蓋を外したのだ。アーサーは悲鳴をあげながら、岩場を転がった。手にはしっかりと帽子を握っている。「この化け物ヘビがぁ!」ザーンが怒鳴りながらカービン銃を連発した。ヘビの体にビチビチと音をたてて銃弾が命中する。しかし、それは大蛇の灰色の皮膚を吹き飛ばすだけで、ほとんど効果をあげなかった。
2008.07.04
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大蛇はいらだったように体を振ると、ザーンに向かって首を伸ばした。しかし、ザーンは大蛇の顎を華麗に避わすと、その頭をカービン銃で殴り付けた。大蛇がうめき声をあげる。「隊長、避けて!」ジョージが叫び、彼とクロウが同時に何発もの銃弾をヘビの体に撃ち込んだ。常人なら、一瞬で絶命するだろう。しかし、大蛇はいらだったような声をあげただけだった。ヘビの尾がムチのようにしなり、クロウの腹にぶつかった。クロウがカエルの潰れるような声をあげ、吹っ飛ぶ。彼は岩場に突っ込むと、動かなくなった。「クロウ!」ドクは叫ぶと、クロウの側に駆け寄り、助け起こした。クロウの額から、血が流れ出している。次の瞬間、ドクは殺気を感じ、クロウ共々、右へ転がった。ヘビの尾が、今の今までドク達がいた場所に叩きつけられ、小石を吹っ飛ばした。大蛇が吼える。アーサーのアサルト・ライフルが火を噴くのが見えた。「ジャングルへ逃げ込め!」ザーンが怒鳴る。ドクは必死にクロウを引きずり、ジャングルまで進み出した。背後で銃声や大蛇の怒り狂う声がする。だが、ドクは振り返らずにジャングルの端にたどりついた。彼は気絶しているクロウを下ろすと、銃を手に取り、遠距離から大蛇に向けて撃った。銃声とヘビの悲鳴が入り雑じる。ザーン達がその隙にこちらへ逃げ出した。大蛇はそれを見ると体をくねらせ、岩と岩との間を素早く滑り、ザーン達を追いかけ始めた。「ドク、援護してくれ!」ジョージが必死に走りながら叫ぶ。ドクが頷き、再び銃を乱射する。しかし、ヘビは岩の隙間を素早く這い進んでくるため、なかなか弾が当たらない。銃弾が岩に当たり、はじかれる音が聞こえた。「くそっ!当たらない!」ドクはいらだって叫んだ。その時だった。ザーンが岩場に倒れた。足を岩と岩との隙間に挟み、動けなくなったのだ。「ザーン!」アーサーが叫びながらザーンに駆け寄る。「何してる!さっさと行け!」ザーンが痛みに耐えながら言った。しかし、アーサーはそんな言葉に耳を貸さず、ザーンの足を挟みこんでいる岩をどかし始めた。「これ以上犠牲者を出したくないんだ!」アーサーは汗をたらしながら叫んだ。次の瞬間、ザーン達のすぐ近くで、岩をはね飛ばしながら大蛇が鎌首をもたげた。大蛇の白い濁眼に2体の獲物が映る。大蛇が吼えた。「逃げろ!」ドクの声が聞こえる。大蛇はアーサーとザーンを睨み、口を開いた。牙のずらりと並んだ顎が見える。アーサーは思わず目を閉じた。その時、銃声と共に、弾丸が大蛇の頭を貫いた。大蛇が悲鳴をあげ、銃を構えたジョージに向き直る。怒り狂ったヘビは一気に体を滑らせ、ジョージの足に噛みついた。ジョージが悲鳴をあげた。大蛇の顎がジョージの右足を引きちぎる。ジョージは足から血を大量に噴き出しながら倒れた。「ジョージ!」ザーンは叫んだが、何もできなかった。大蛇がジョージの体に食らいつく。血霧が飛んだ。「ジョージぃッ!!」ザーンが怒りの声をあげる。彼は岩場から足を引き抜くと、ハンドガンを撃ちながら大蛇に突進した。ヘビがザーンに向き直り、吼える。大蛇は尾を突きだし、ザーンの体に素早く巻きつけた。「ぐ…………」ザーンが辛そうにうめく。ヘビの太い胴にぎちぎちと体を締めつけられているのだ。ヘビが勝ち誇ったかのような叫び声をあげ、身動きのとれないザーンの肩に噛みついた。ザーンがつんざくような悲鳴をあげる。だが、ヘビはアーサーを忘れていた。大蛇は脳に弾丸をぶちこまれ、衝撃で後ろにのけぞった。「ザーン、逃げろ!」アーサーが怒鳴る。ザーンは緩んだ締めつけからなんとか逃れると、腰の手榴弾を手に取り、痙攣しているヘビの喉に突っ込んだ。「伏せろ!」彼は叫ぶと、岩場に伏せた。次の瞬間、爆発が起きた。ヘビの頭が張り裂け、肉片と血、そして脳髄らしき物が飛び散る。どさっとヘビの骸が倒れた。ドクが走り寄ってくる。「ジョージ!」ザーンはぼんやりとジョージを見た。ジョージは、無惨な姿になっていた。大蛇の牙にズタズタに引き裂かれていたのだ。ザーンはジョージの側まで歩くと、カッと開かれた目を閉じてやった。ジョージの死に顔は、安らかになった。ザーンはジョージの背負っていた通信パッドを取り、背負うと、一言つぶやいた。「行くぞ」ジャングルに飛び込んだジェイクが目にしたのは、デイビットに覆いかぶさり、首筋に噛みついているグールだった。デイビットは痛みに悲鳴をあげている。「デイビット!」ジェイクはレイナを下ろし、近くに落ちていた棍棒サイズの木の棒を手にすると、グールの頭を思い切り殴りつけた。グールがどさりと倒れる。デイビットは自らの傷口から溢れる血を見て、卒倒した。しかし、ジェイクはそれにかまっている暇は無かった。ジャングルの奥から、何体かのグールがのそのそと歩いてきていたのだ。「ティア、デイビットを!」ジェイクはそう言うと、軽マシンガンを構え、真ん前にいるグールに何発もの銃弾を撃ち込んだ。グールが倒れる。ジェイクは弾を装填しながら、素早く周りを確認した。妙だ。アーサーは、グールには知識のかけらも無いと言っていたが、奴らは明らかにジェイク達を包囲していた。周囲からじりじりと迫ってくる。その時、ジェイクは気づいた。ジャングルの奥の方で、フィアがこちらを観察しているのを。「まさか……っ!」ジェイクは喘いだ。「フィアがグールを指揮しているのか!?」「きゃあああああああ!?」突然の悲鳴に、ジェイクは急いで振り返った。先程デイビットに噛みついたグールが立ち上がり、ティアに迫っている。「なろっ!まだ生きてたのか!」ジェイクはそう言いながら照準を素早くそのグールに向けた。そして引き金を―――ジェイクは絶句した。先程デイビットに噛みつき、今またティアに襲いかかろうとしていたのは、ナッドだったのだ。ジェイクは喘いだ。「そんなバカな…………っ!」その一瞬が、ティアにとっては遅すぎた。グールは唸り声をあげながらティアの左腕に噛みついた。ティアの悲痛な叫びが響く。「―――っく!」ジェイクは我にかえると、急いで引き金を引いた。銃弾が放たれ、次々にナッドだった物に命中する。ナッドだった物は唸り、バタリと倒れた。「ティア!」ジェイクは急いで駆け寄った。ティアは傷ついた左腕を押さえていた。「ティア、大丈……」「切り落として」ジェイクはティアの言っている言葉が理解できなかった。「は………?」彼女は痛みに潤んだ目で彼を見つめた。「ウイルスが回る前に!早く!」「お、おう!」ジェイクはようやく彼女が自らの腕を切り落とせと言っている事に気がついた。彼は腰からグルカナイフを抜いたが、どうすればいいのかわからなかった。ティアの腕がいかにか細いとはいえ、一閃で肉を斬り骨を断つ事ができるようなグルカナイフは存在しない。とは言え、このまま彼女の腕をこのままにしても………。「早く!」ティアが怒鳴った。「お願い………」彼女の涙で潤んだ目を見て、ジェイクの心は決まった。「歯ぁ食いしばれ!舌を噛み切らないようにな!」ティアは頷き、目を閉じると歯を食いしばった。ジェイクは額から汗を拭くと、グルカナイフを一気に彼女の左肩に突き立てた。ティアの声無き悲鳴が響く。ジェイクは手に伝わる金属が骨を切り裂く感覚を無視し、ギリギリとグルカナイフを動かしていった。麻酔すら射たれずに腕を切断するなど、拷問以外の何物でもない。ジェイクはナイフに力を込め、ティアの左腕を肩から切り落とした。ドサッと音がして、左腕が地面に落ちる。途端に、ティアは卒倒した。今頃流れ出した大粒の涙が、彼女の肌を流れる。拷問まがいの事をされたのだ。涙をこぼして当然だろう。ジェイクは急いで服の裾をちぎると、血が噴き出しているティアの肩に巻き、止血した。その時、ジェイクは背後に迫っている物体にようやく気づいた。「やべっ………!」グールの事をすっかり忘れていたのだ。振り返ると、すぐ後ろにグールが2体いた。手前のグールが腕をのばす。「くっ!」ジェイクはその腕を掴み、一気に引き寄せると、背負い投げの要領で地面に叩きつけた。しかし、もう一体は対処しきれず、ジェイクは押し倒された。グールが温かい血を求め、首に食らいつこうとする。ジェイクは無我夢中でそのグールの顔を押さえた。グールがいらだったような声をあげる。ジェイクは必死に腰のハンドガンに手を伸ばした。届かない。グールの体が邪魔なのだ。目の前にグールの口が迫る。悲鳴が聞こえたのはその時だった。レイナだ。「レイナ!」ジェイクは必死にグールの攻撃を防ぎながら叫んだ。足を怪我したレイナが、3体のグールに囲まれ、悲鳴をあげている。そして、グールが彼女にのし掛かった。「や、やめて!離れて!た、助け―――」レイナの声がふっつりと途切れた。グールが何かを貪るような音がする。「レイナーーっ!!」ジェイクはグールの下敷きになりながら叫んだ。返事は、無かった。ザーン達は大蛇に襲われてからというもの、黙々と歩き続け、山の上の方にある、川の源泉となっている泉でようやく休憩していた。誰も、なにも言わなかった。水がさらさらと流れる音だけがする。「…………グールになるのは何時間後だ?アーサー」突然、ザーンが口を開いた。アーサーはしばらく迷った後、ザーンに小さな声で告げた。「………だいたい36時間後だ。2日後にはグールになっている」「そうか………」ザーンはそう言うと黙りこくった。再び静寂が場を支配する。ドクが埃まみれになった顔を洗おうと、手を清浄な流れにつけた。冷たく清い水が、ゴツい手を撫でる。だが、その一瞬後、凄まじい痛みが彼の手を襲った。ドクは悲鳴をあげ、慌て手を上げた。鮮血がボタボタと水に落ちる。ドクの手には、何匹もの魚が食いついていた。どの魚もピラニアのような牙を持ち、その牙をドクの手に深く刺している。ぽちゃぽちゃっと音をたて、何匹かの魚が泉に落ちた。気づけば、たくさんの魚がドクの手から滴り落ちた血の周りを泳いでいた。血を飲んでいるのだ。魚達の目は落ち窪み、異様に光る眼球がひっきりなしに動いている。「グール・ウイルスに感染した魚だ………!」アーサーが驚きに身を震わせながらつぶやいた。「おそらく、川に落ちたグールでも食らったん……」アーサーの言葉は、ドクの間延びした恐ろしい悲鳴にかきけされた。ドクの精神状態は、この2日で異常な状態に陥っていた。グール。深夜の海岸からの退却。クレイジーに殺されたおい、ナッド。ジョージの死。そして、グール・フィッシュに噛みつかれた事による、自らのウイルス感染。ドクの緊張の糸がプツンと切れた。彼は悲鳴をあげながら、大きく腕を振り回した。手に食いついていた魚が吹っ飛んでいく。ドクは軽マシンガンを持つと、水中の血に群がるグール・フィッシュに向けて撃ちまくった。「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ねぇぇぇぇぇっ!!」銃口が火を噴き、水面にいくつもの小さな水柱が立つ。突然、銃撃が止まった。弾が切れたのだ。ドクは狂ったように意味不明な言葉を叫び続けながらナイフを抜き、水中に飛び込んだ。魚達が喜んでドクの体に突進していく。クロウは思わず顔を背けた。しばらくバシャバシャと大きな音がした後、急に静かになった。………………数分後、クロウは唾を飲み込むと、ドクの飛び込んだ場所を振り返った。何も、無かった。血も。肉片も。骨すら、無かった。全て、魚達が食い尽くしたのだろう。後には、さらさらと水が流れているばかり。魚の姿も、もう無かった。
2008.07.04
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銃声が轟いた。途端に、ジェイクにのし掛かっていたグールが体を震わせ、力を失った。首に穴が空いている。銃弾が脊髄を貫いたのだ。「立て!」銃を撃ったマイクが叫んだ。「マイク!」ジェイクはマイクを見て喘いだ。「大丈夫なのか!?」マイクの左肩と右脇腹には、矢が深く刺さっていた。サバイバル用戦闘服を、血が染めている。マイクが痛そうな顔をしながらも、必死に言った。「急げ!」「? なん―――」ストッ軽い音をたて、ジェイクの顔のすぐ側に矢が突き立った。「うわわわわわわわわ!?」ジェイクは慌て起き上がった。近くの木に矢が刺さる。マイクが舌打ちした。「フィアが来る!急げ!」ジェイクの脳裏に、ボウガンを構えた人間もどき達が浮かんだ。ジェイクはマイクの言葉に急いで頷くと、卒倒していたティアを背中に乗せ、デイビットを捜した。「デイビット?デイビッ―――」その時、彼は気づいた。グールに噛まれ、卒倒していたデイビットの胸に、矢が刺さっているのを。「――――!」ジェイクは愕然とし、デイビットを見つめた。「そ、そんな…………」そうつぶやきかけたジェイクの腕を、マイクがぐいっと引いた。今までジェイクがいた場所を、矢が通り過ぎた。「死にたいのか!?」マイクが怒ったように言う。気づけば、たくさんの矢が、木々をすり抜け、ジェイク達をかすめていた。「島の北端の施設を目指すぞ!」マイクがそう言って走り出す。「くそ……………」ジェイクはマイクの背中を追いながら、力無くつぶやいた。「なんでだよっ!なんでこんなに仲間が死ななくちゃならないんだっ!………………」「ちくしょう!」ザーンはそう言うと、苦労して運んできた通信パッドを地面に投げつけた。中の部品が壊れていたのだ。大蛇との戦闘の際、壊れたらしい。クロウはよろよろと近くの岩にもたれかかった。「苦労して頂上まで来たのに、無駄足かよ………」既に日はだいぶ傾いている。「助けは呼べないのか?」「…………ああ」ザーンが答えた。「長距離通信機はもう無い」ザーンはそう言うと、頭を抱えた。「死ぬしか無いんだよ!」絶望が場を支配する。………………どれだけの時がたっただろうか。唐突に、アーサーが口を開いた。「北の施設………」「なんだ?」クロウが顔をあげる。「そうだ!あの実験観察施設!」アーサーが希望に満ちた声で叫んだ。「島の北端の施設!あそこなら、まだ通信機が生きているかもしれない!」「…………確かにそうだな」ザーンが顎を手で撫でながらつぶやいた。「よし、クロウ、短距離通信機でベースに連絡しろ。衛星通信は不可能だった。北の施設で長距離通信機が無いか探索する、とな」「了解」クロウは頷くと、腰から小さな通信機を取り出し、ベースに置いてある通信機に繋いだ。「こちらザーン・チーム。マイク・チーム、応答願う」応答は、無かった。雑音が虚しく聞こえるばかり。「…………マイク・チーム?」雑音。「…………」クロウはゆっくりと通信機を切り、つぶやいた。「嘘だろ……………?」
2008.07.04
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明日でテスト最終日だけどどうしようもう心身ともに力つきたよじゃ、また
2008.07.03
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テスト勉強が終わらん。さらば。
2008.07.02
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今日の僕劇場僕「ふはは、今日は保健と家庭科と国語だ。保健と家庭科はともかく、国語など僕の前ではまるで塵芥。国語1位経験者の力を見せてくれるわっっ!!」テスト終了「 は い ?なんですかこの難しさは。こ、これが高校!?ぬああああああああ、点数の稼ぎどころがああああああああああああああああああああ!!!!!!!」今日の僕でした。結論オチがみつからない。
2008.07.01
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