晴 陶 句 読

晴 陶 句 読

2010.05.03
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テーマ: 一冊仕掛人(459)
カテゴリ: 「本」の紹介

★『花かぶきの美学』

・華道家 吉田泰巳(ひろみ)   ・淡交社


~「あとがき」から抜粋したカバー惹句「現代いけばなへの警鐘、"相聞奏華"にかける

想い-- 相聞奏華 。それは、何ものにも束縛されず素朴で優しくしなやかな艶を含んだ


いけばなを挿けること。  "守破離" の言葉のごとく既成観念から離れ、万葉人や王朝の

様に、素直に自分の思いを一輪の花に奏でさせることです。」


第一章 海の道から 第二章 神と仏の声 第三章 日本の景色 第四章 異世界に学

ぶ 第五章 いけばなを聞く 第六章 心の出合い


「いけばなを学ぶことは日本を学ぶこと、日本を学ぶことはいけばなを学ぶこと、いけば

なは日本学といえるでしょう。現在、少子化や趣味の多様化によっていけばなの世界は




なおし、確かな考え方を確立することが必要だと思います。」・・・と、力の入った一冊。


具体的に引用したい箇所は多々あるのですが、章内の篇タイトルの一部だけでも。


・日本人は雑種民族 ・太平洋をめぐる入れ墨、鉢巻き文化圏 ・魏志倭人伝に登場しな

い松 ・孫悟空と桃といけばな ・鳥居は、神と人を繋ぐ依代 ・いけばなは「華曼荼羅」


・心を自由にする特効薬、「般若心経」 ・日本と米と桜とトンボ ・芭蕉は空海に教わって

いた ・世間といけばなは相似形 ・無用のことをせぬという心 ・儒教に奪われたいけば

なの本質 ・いけばなは花のデコレーションを超えることができるか・・・ホンの一部です。



・・・連歌・落語・やきものなどなど興味深い上、その考察と該博に"目からウロコ"的・・・


最後にわかりやすいフレーズを「いけばなが床の間を脱出して、私たちの身近に生き続

けるのは、いけばなが主役でなく脇役に徹してきたからではないでしょうか。分をわきま


え、対価を求めず、目立たぬところで脇役に徹する。このことが日本の良き精神を守ると

同時に、いけばなの生き残る唯一の道だと思います。」



・・・口絵にある著者のユニーク且つオリジナリティに溢れた挿華はその思想の生真面目

さが顕われていて圧倒的である。





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最終更新日  2010.05.03 13:58:25
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