晴 陶 句 読

晴 陶 句 読

2010.05.13
XML
テーマ: 一冊仕掛人(459)
カテゴリ: 「本」の紹介

『炎天』
・吉村 昭   ・筑摩書房

~巻末、津村節子が「句会のこと、句集のこと」のなかでの思い出語り。


「かれの唯一の句集『炎天』は唱和62年5月1日発行である。五月一日

はかれの誕生日で、仲間たちが還暦を祝って限定15部を出版してくださ


った。」当時の句は各季前半に載せ「『炎天』が出てから、句会はさらに十

八年も続いた。各季後半の"補遺"は (中略) あらたに選んで追加したも

のである。」


吉村昭と津村節子のであいは、学習院大学時代、吉村が受講に遅刻した

際に教授に手渡したメモの句 【今日もまた 桜の中を遅刻かな】 だったそう

な・・・そんなエピソードと、短文の俳句エッセイ5篇もある。


「俳句にも専門家と素人の間に厳然とした隔壁があり、私にはそれを越え

視覚を満足させる句に出会う

ことが楽しいからで、小説を書く上での刺激にもなる。」






春シヨール出所の肩にひるがへる   (補遺)

遮断機の降りて人なき油照り

物納の敷地の隅に烏瓜       (補遺)

意地はりて生きてきにけり燗熱し



・・・現地取材と徹底した史料・資料集めの著者らしい句に偲ばれる・・・ 






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2010.05.13 16:13:00
コメント(4) | コメントを書く
[「本」の紹介] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: