晴 陶 句 読

晴 陶 句 読

2010.05.15
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テーマ: 一冊仕掛人(459)
カテゴリ: 「本」の紹介
★★『十七音の履歴書』 -俳句をめぐるヒト、コト、モノ。

・正木 ゆう子   ・春秋社


~ふるさと熊本の「熊本日日新聞」(2005年夏から41回連載)でのエッセイ

を柱にした「本書は文章の第一弾である。」


【NHK俳句】での、自然に対するそのやさしい眼差しを描いて読み進み「おし

ゃべりのようなこの本」に、句とともにいっそうの好感度UP!



1章は書名と同タイトルで「来し方」を、2章 樹木へ 3章 ラッキー、この辺

も、お人柄をしのばせる、各篇末には著者句。


 「インドで、私は”今”を自分の外に見ようとしていた。だからわからなか

ったのだ。”今”は私の存在そのものであり、厳密に言えば私の命のこと

であった。   【わたしにはわたしがついてゐる淑気】


歌人と俳人は、よく言われることだが、全く似ていない。(中略)歌人が個

性的なのに比べると、俳人はいったいにぼんやりしている。」(フフフフ)



(中略) そして、【サヨナラがバンザイに似る花菜道】




しないので、俳句の材料はすべてといっていいほど夫との車の旅で得たも

のである。(中略)私の自然志向も、夫がさまざまな美しい場所に連れてい


ってくれる中で、しだいに芽生えたのだった。 (中略) 【息触れて初夢ふ

たつ響きあふ】・・亡くなった兄浩一さんからの影響と深い思いも語られる。


「俳句とは端的に言えば、言葉によって世界と繋がる装置である。繋がる

というより、繋がっているのが分かる装置といった方がいいだろうか。その

実感は年々強くなる。」


「足す一が二にならないからこそ俳句の面白さがあり、」「瞬間瞬間におい

て、自然はなんと完璧なことだろう。」と言い「いのちは瞬間瞬間にそこに


湧き継いで世界をかたちどっている。俳句はそれを掬うことのできる希な

器なのだ。」という”愛”の言葉で謳いあげている!


総身に遺伝子らせんなす春よ






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最終更新日  2010.05.15 14:13:36
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