ぜんちゃんの風に吹かれた日々

ぜんちゃんの風に吹かれた日々

2006年04月16日
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カテゴリ: ライフスタイル
くしゃみ鼻水でたちまちゴミ箱はティッシュの山になる。

しかし、それだけでもなさそうだ。連日のお疲れモードに体調が崩れたようで少々咳がでて風邪っぽい。
とにかく夜はあんまり吉野家で済ませないように帰宅時はなるべくスーパーでバランスよい買い物をして家で食事をしよう思う。

昨晩、九時半ごろスーパーに寄ったら厚手のブルゾンに深く帽子を被り大きなマスクをがっちりかけた男性を見つけた。
なんとなくその背格好、とりわけ太り気味の下半身が知合いの某くんに似ていた。
ボクはわざと近くに寄り様子をうかがった。
ははあん、やっぱり某くんだな。でも、ぜんぜん彼はボクに気付かないのでボクはわざと斜め下から見上げるように「やあ」と小声で言うと彼はたいそう驚いて「うあ、ぜんちゃん!よ、よくボクって分かりましたね?」と言った。

大きなマスクにボクは「花粉症?」と訊ねると彼は「そうなんですよ。それとねえ…鼻毛を切っていたら鼻の中を傷付けちゃって…」と大きなそのマスクをはずした瞬間、鼻の中に詰め込んでいた脱脂綿が鼻息と共にピューと吹き飛んだ。


と、ボクはここまでその状況を書いてはたと考える…。
このニュアンス…弾丸の如くに吹き飛んだ脱脂綿に「あ!?」「お!?」はたして賢明な読者に伝わるのだろうかと。
やっぱり文章化するのは難しいのだ。
あのときに発した言葉は言葉になってない訳で、つまり、けっして「あ」でもなく「お」でもなく「ん」とも「へ」でもない例えば「うんにゃ、はれ、ぱ、ぷ」みたいなニュアンスなのだ。

いまボクの仕事のアシスタントをしている若い女性がいる。
頭の回転が機敏だしよく気が付く。とにかく実に良く仕事をこなしてくれるのでとても助かっている。
数日前、お客さんから自宅売却査定の依頼の電話がありアシスタントの彼女を伴い調査に出かけた。
近道の公園前の道路に入り込んだら車は渋滞に巻き込まれてしまった。
ボクは横丁の道に逃れて回避しようと促したが進入禁止だったので仕方がなく渋滞が緩和されるのを待った。
車の頭上すれすれに満開の桜の枝が垂れていた。
「満開だね」とボクが言うと彼女ははしゃいだ口調で「そうですよ。満開ですう」とチャーミングに答えた。

ボクは「写真?」と聞くと「はい、キレイだから」と一枚シャッターを切った。
しかし彼女はその画像を覗き「ああ、ダメだ。うまく写らないです」と残念そうに言った。
少しずつ桜並木の下を車が流れてゆくと彼女は小さな声でこう言った。
「きょう早く仕事終わるといいな…」
なんと健気な子なのだろう。

妹以上、いや親と子に近いほど離れた彼女に「大事に育ててあげたい」と思ったのだ。
そして先輩として上司としてきちんと彼女の仕事を把握し組立ててやらなければと思ったのだ。
これはある意味、親心というものなのだろうか。
とにかく初めてボクのなかに芽生えた「人を育てる」感情なのだ。

「きょう早く仕事終わるといいな…」
この健気な一言をこのニュアンスをボクはどう表現したらいいのだろう…。
そして「とてもいい子だな」この感覚をどう表現したらいいのだろうか。






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最終更新日  2006年04月17日 02時07分59秒
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