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夜烏になった三郎 2
神様の命を受けて、三郎を除く三人がそれぞれの日に旅に出ました。満月は、今日から28日後にやってきます。太郎はこの日に間に合わすために、一生懸命、北へ北へと夜を日に継いで歩き続けました。12日目の晩、太郎はようやく北の地に着きました。太郎は大変疲れておりました。半分ほどになった月を眺めました。ろくなものを食べていないので、お腹は空いていましたが、そのうち野原で、深い深い眠りについてしまいました。太郎が目を覚ましたのは、15日目の真昼でした。起き上がると、辺りは黄色い枯れ草が、さわさわと風になびいて波打ってました。しかし、それは黄色い種を沢山つけた五寸ほどの房でした。これが粟でした。太郎は、その穂を10本取り、持ってきた袋や懐に忍ばせました。なぜ、10本も摘んだのかといいますと、途中で亡くしても予備の穂があれば、心配なく帰れたからです。太郎はその日、この北の地で眠りました。空には半分ほどになった月が輝いていました。帰るための日にちは、この月が満月になる時までです。満月になるには、まだ時間があると思った太郎は安心したせいか、また、深い眠りに落ちました。目が覚めた時は月はだいぶ円くなっていました。太郎はすっかり慌ててしまい、帰りを急ぎました。懸命に走り続けました。一生懸命走りましたので、のどが渇きました。ちょうど島の中央部にさしかかったころ、太郎はもう喉の渇きに耐えられなくなり、どこか水がないかと探しまわりましたが、水の湧き出ていそうなところはどこにもありません。途方にくれて歩いておりますと、道端に樽がふたつあり、ひとつには透き通ったおいしそうな水が、もうひとつには濁った汚い水が入っています。太郎は喜んで、「この水は、神様が私のためにお与えくださったのだ」と思い,きれいな方の水に、顔を近づけました。
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