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2013.06.24
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カテゴリ: その他
前回のblogで紹介した奈須正裕先生(上智大学)は、著書「子どもと創る授業 学びを見とる目、深める技」(ぎょうせい)の中で、富山市立堀川小学校のことについて次のように書かれている。

・・・・・

 まずもって、一人の語りが長い。平気で三分とか五分語り続けます。自分が今、この題材をめぐって考えていること、感じていることのすべてを、仲間に向けて、教師に向けて、そして何より自分に向けて、率直に正確に語りきろうとする。決して「だいたい」では語らない。理由ははっきりしていて、それでは自分に対して、仲間や教師に対して、学んでいる題材に対して不誠実だからです。
 なので、語りの前半部と結論とは直接関係のない一週間も前の出来事の詳しい描写だったりするんですが、その子にすればその出来事が伏線になってはじめて最後に述べる結論があるので、省くわけにはいかない。だから、そういったすべてに必要な時間を子どもたちは一切の躊躇もなく存分に取る。それが結果的に三分であり五分になるんですね。
 初めて参観した人は誰しも子どもの語りの長さに驚くんですが、だから大切なのは物理的な長さではありません。重要なのはその長さを必然とする語り(=学び)の質であり、語り(=学び)に向かう姿勢なんですね。

(中略)

 だから、子どもたちは、自分に何かしら言いたいことがあると実感したならば、その語りが最終的にどこに着地するのか、そこにたどり着くのにどのような道筋が必要なのか見えなくとも、とりあえず語り始めます。そして、自ら語りを進行させながら、もう一人の自分が語っているその声の中に、自分が言いたかったことやそこに至る論理を徐々に発見していくのです。

(中略)

 特に危惧されるのは、思考や感情を内面へと深く掘り下げる動きを阻止しかねない点でしょう。定型化した語りの訓練は、語りをもっぱら上へ、外へと向かわせます。堀川の語りは逆で、下へ、内へと向かう。だからこそ、語りが進行する中で真の自分に出会うのです。語り始めの段階では、そこまでの深度で思考や感情が自身の内面に届いていないんですが、何周も語りをめぐらせる内に、だんだんと深度を増していき、ついには自身の存在の底まで到達するのですね。



この原稿は、4年前に雑誌「悠」(もしかしたら「悠プラス」)の連載で紹介されていたものである。実は、私も4年前にこの原稿に出会い、当時スタートしたばかりであった「論理科」カリキュラムの開発に大きな影響を与えている。紹介した2段目の分のある部分のプロットは「語る中で語りたいことが見えてくる」になっているが、当時の雑誌では(記憶は確かではないが、だぶん)「語りの中で論理が立ち上がる」であった。

この「ことば」は、3年間の研究の中心になる一つのキーワードであった。

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(昨年の11月につづき)今回の二日間で、そんな子どもの姿を堀川小学校で見ることができたことは、大きな収穫であった。

(つづく)





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最終更新日  2013.06.24 16:16:35
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