ジャッカー電撃隊 | メタボの気まぐれ

東映が誇るスーパー戦隊シリーズの第2弾が
石ノ森章太郎：原作による「ジャッカー電撃隊」である。

ジャッカーとはトランプのＡ（エース）Ｊ（ジャック）Ｑ（クイーン）
Ｋ（キング）を並び替えたＪＡＫＱと表記したネームである。

巨大犯罪組織「クライム」に対抗すべく国際科学特捜隊の
鯨井長官（田中浩）がオリンピック金メダリストの
桜井五郎（丹波義隆）ボクシングジュニアウェルター級
世界ランキング第2位の東竜（伊東平山）麻薬取締担当刑事
カレン水木（ミッチー・ラブ）海洋学者の大地文太（風戸佑介）を

生身の人間が変身しない戦隊である。

飛行要塞スカイエースで運ばれる強化カプセルの中で
桜井は核エネルギーで稼動するスペードエース
東は電気エネルギーで稼動するダイヤジャック
カレンは磁力エネルギーで稼動するハートクイン
大地は重力エネルギーで稼動するクローバーキングと

各々の強化エネルギーを浴びサイボーグ・プロテクターという
戦闘用特殊スーツを装着させスーパー戦隊・ジャッカー電撃隊に
チェンジしてクライムの機械怪物と戦うのだ。

ジャッカーの必殺技は４人で敵の周りを取り囲んで敵の体内に
原子・電気・重力・磁力の4つのエネルギーを流し込み

本作は犯罪組織と特捜隊の対立を描き、ジャッカーの知人や
その家族が被害に遭った殺人・麻薬密造・武器密売といった
生々しい犯罪でハードなスタイルを貫いたが
子供達に受け入れられず視聴率が低迷しました。

この結果、機械怪物を前作「ゴレンジャー」の怪人の様に

更に第23話より鯨井大助の後任として着任した
ジャッカー電撃隊行動隊長・番場壮吉（宮内洋）が登場し
戦隊初のホワイト戦士・ビッグワンが登場しました。

ビック１.jpg

ビッグワン登場後のジャッカーの必殺技は
４人が持っているパーツを組み合わせた大砲に
ビッグワンが持つ弾丸を撃ち出し敵を撃破する必殺武器
ビッグボンバーに変更となりました。

この結果、人気は回復となり同時期に放送されていた
巨大ロボット作品「大鉄人１７」と映画で共演する企画が
持ち上がり、ジャッカーが大鉄人１７を操縦するという内容で
実現していれば本作にて戦隊シリーズ初のスーパーロボット
登場という図式が誕生していた事になる。

この本作には多彩なるゲストが登場し志穂美悦子、
大葉健二、真田広之といったＪＡＣのメンバーや
小林稔侍、夏樹陽子、吉田義夫など後の大物俳優の起用、

更に「バトルフィーバーＪ」の谷岡弘規
「スパイダーマン」の藤堂新二「透明ドリちゃん」の
柿崎澄子といった後に東映ヒーローの主役に抜擢される
俳優を登場させていました。

またＪＡＣがアクション担当だった為、レッド戦士の
スーツアクター：新堀和男が唯一関わっていない
戦隊作品であるが後楽園遊園地での
「ジャッカー電撃隊ショー」では担当している。

しかし視聴率低迷という困難には勝てず僅か35話で打ち切りとなり
現在、スーパー戦隊シリーズの中で最も話数の少ない作品で
テレビシリーズ本編が年を越せなかった唯一の作品である。

後番組に「透明ドリちゃん」「宇宙からのメッセージ・銀河大戦」と
変身ヒーローからは逸脱した作品が登場する事になり
再びスーパー戦隊シリーズが放送開始するのには
1年2ヶ月間、待たなければならなかった。