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2015年12月19日
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後場は会合の結果がなかなか出ないことで期待感が膨らんでプラス転換。そして12時50分頃出た第一報が「量的質的緩和を補足するための諸措置導入」と伝わると、「緩和」のキーワードに反応したアルゴがまず働いて先物が急騰。わずか5分で600円超急騰する動きになりました。その際日銀のHPにアクセスし辛い状況になったことも期待感に拍車をかけた様子。

ところがよくよく内容が伝わると「ETF枠の増額(3000億円増)」「REITの買い付け可能最大枠を発行済投資口数の5%→10%まで拡大」「来年4月以降設備・人材投資に積極的な会社で組成されたETFが組成されればそれを買い付ける」というもので、緩和には程遠いものでした。

となると今度は一転それを嫌気する動きが出て売られ、あっさりとマイナス転換。その後も引けにかけて断続的に売られました。引け後の黒田総裁の会見に対する期待感も出ずにほぼ安値引け。売買高は30億株弱、売買代金は3.6兆円台と8月以来の高水準でした。


投資判断は「中立」に。金曜のNYは大幅続落。また安値を割り込んだ原油安や利上げが嫌気されて売られる流れになりました。加えて日本のSQに当たるクアドルプル・ウィッチングでもあり、思惑に絡んだ売買もあって安値引け。ダウ・S&Pは終値ベースで10月以来の安値水準を付けてきました。それを受けてシカゴ225先物は18805円ということで、来週の月曜は売り先行のスタートになりそうです。

これは正直参りました。つい最近もそんなことを言った覚えがありますが、先般は「値動きの方向性は読んでいたけれども、下落の幅の大きさが予想外だった」ことに対する「参った」で、今回は「値動きの読みを外したかも知れない」という意味の「参った」です。今回の方がより深刻かも知れません。

前回「これで今年最大のイベントは乗り切りました」と書きましたが、まだ結論を出すのは尚早のようです。「まだボラが落ち着くまで多少の上下動はあるとは思いますが、年末に向けてアメリカ株共に着実な上昇方向に向いていく」・・・とした感じでもなさそうです。そんなわけで、今回リスク回避のため、投資判断を一段階引き下げました。

また改めて振り返ってみると、ここまでの動きが「出来過ぎ」でした。そもそも12月に入って強引に2万円に乗せたところが運の尽きだったのかも知れません。そこで変に達成感も出てしまったものですから、その後の売りに拍車がかかった印象です。

素直に皆が予想する通りに金融政策が決まり、そしてこれまで予想通り株価が動いてきたのも正直気持ちの悪い感じでした。予想通りFOMCを警戒して下がり、予定通り利上げがあれば上がり、予想通り日銀の現状維持が決まれば下がり・・・。

本来株価は大多数側の方向に動くものですからそれはそれでおかしくないかも知れませんが、本当にそう皆が思うならば事前に手を打つはずです。なので実際にそうなってしまったら後に付いてくるものがいないはず。

12月に崩れた最初の原因を作ったのがECBと言われています。先月事前に追加緩和期待感を高めたドラギ総裁が、その高過ぎた期待値を受け止めきれない程度の緩和策だったことで失望売りが出ました。結果、今月1日~18日までの下落率を見てみると、ドイツDAX-6.8%、日経平均-5.1%、S&P-4.6%、香港ハンセン指数-1.8%(上海にいたってはプラス)という順になっています。

そしてその後アメリカ、日本と中央銀行の順番が回ってきました。イエレンさんは事前の予想通り「利上げ」という結果を出しました。しかし昨日の反応から見るに限り、少なくとも黒田さんは市場の期待感を上回る内容は出していません。



ただ、株式市場が一番わかりやすい例ですが、事前の期待で買って実態で売る、というのが人間の心理の山谷をはっきりと表しています。1、2発がこれだけすごかったのだから、3発目に期待するのは当然です。それは我々が人間であり感情を持っているからでしょう。もし今後人工知能が発達しても感情を持たないのであれば、冷徹に瞬間的にその適正水準を織り込んで、後は基本的にはヨコヨコで動くはず。期待感が高まり過ぎるというのは人間らしさの証明でもあります。

昨日公開されたスターウォーズの新作も、ここまでの実績があってそれを超える面白さを観客は期待しています。それはストーリーか、画質か、それ以外の何かかはわかりません。人それぞれの基準があるでしょう。作り手としてはそれを超えないと興行収入に結びつきません。ですから、観客の期待を良い意味で裏切ろうとそれぞれ必死に色々考えているのだろうなという苦心の程はよくわかります。

ある種、政策担当者と映画プロデューサーは似ている職業と言えそうです。映画と同じなのは限られた予算の中でどれだけ趣向を凝らすか、ですが、映画の場合は大して面白くなくてもマーケティング戦略を上手くやれば数字は付いてくるかも知れません(なお、誤解の無いように言っておくと、私はスターウォーズは1作目しか見ていないので、最新作を皮肉っているわけではありません。007は観ましたが)。

私の意見としてはストーリーテーラードラギ、黒田は悪くないと思います。悪いのは偏に現政権が日本全体を高揚させるような施策を打てないこと、または黒田さんの前任者達なのかも知れません。白川さんがやってこられたこともよくよく考えられていることなのだろうとは思いますが「座して死を待つための延命措置」か「一発逆転を狙って大きく出るか」の趣向の違いのような気もします。

そして、それらは今や日本だけで決められるものではないことも確かです。世界の金融市場は自由経済の中で否が応でもリンクしていますから。日本だけで閉じられた経済なのであれば、政策担当者も不可抗力の変数が混ざってこない分、意思決定が簡単だと思います。ですから場面場面で対応が異なるのは当然です。



そもそもノーベル経済学賞を受賞された方ですら、あくまで過去の分析に秀でている方であって、それが現在以降を良くするかどうかは不明です。実際、97年の受賞者が創設したロング・ターム・キャピタル・マネジメントというファンドは破綻しています。ただ過去の検証はすべきですから、彼らのやっていることが無意味ということを言うつもりはさらさらありません。

また休日で調子に乗って話が逸れ始めてきたので少し軌道修正しますが、マスコミの中には「黒田バズーカ3発目不発」と書くところまであります。これはやや悪意すら感じます。少なくとも今回これはバズーカではないでしょう。別にマイナス金利を導入したわけでもないですし、ETFの買い付け枠を倍にした・・・というわけではありません。

そもそも今回の3000億円の増額はあくまで日銀が02~10年に金融不安の解消のため銀行から買い取った株式を、来年4月から年間3000億円ペースで売却するための相殺に過ぎません。なので、まだバズーカの弾は来年に向けて温存されているという見方が正しいとは思います。

ともあれ、そのバズーカと勘違いした手合いのせいで、上値にしこり玉を作ってしまったことから、ちょっと谷の深さを警戒しないといけないような感触になってきました。もうこれで12月のイベントが過ぎ、次は来年まで大きなイベントがありません。

反転のきっかけとして残されたのは「今回のアメリカの急落はクアドルプル・ウィッチングによる需給的な影響で、来週から需給が反転する」か「WTIがリーマンショック後の安値32.4ドルを割り込んで達成感が出る」か「大統領選挙の前年は高い、12月は掉尾の一振で高いアノマリー」に頼る他ありません。特に原油はドバイ原油が既にリーマンショック後の安値を割り込んでいるので、WTIの割り込みも想定線です。

なので、現状はなるべくポジションを軽くして一旦様子を見た方が良いということです。まだ上述のようなきっかけ次第でリバが出る可能性もありますから全部売る必要は無いでしょうが、20~30%だけ残してなるべく現金化しておいた方が無難なような気がします。

無論、個人投資家は比較的元気なので、正月の餅代稼ぎの材料系銘柄の上下は楽しめると思います。ただイメージとして今年の株式市場は早めに閉店したような感触を受けています。

ここで取り上げているポートフォリオ銘柄の撤退に関しても言及したいところですが、文字数の関係でとりあえずCYBERDYNE(7779)、ファーストリテイリング(9983)、ファナック(6954)に関しては月曜の寄り付きで売却、終了とします。長年持っていたみずほFG(8411)や日本プロロジスリート投資法人(3283)すら外しても良いのかも知れませんが、こちらはもう少しだけ様子を見てみることにします。


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※株式投資は自己責任でお願いします。文中の内容は現時点で予測できる範囲で想定されたものであり、正確性や投資成果を保証するものではありません。





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Last updated  2015年12月19日 14時18分06秒
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