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今朝、オフィスのある千葉県柏市を探索していたら駐車場の一角でコチドリが座り込んでいる姿を発見しました。また別の一羽が移動しているのも見つけました。一羽は胸元の黒い帯が黒味が強くて太く、目を縁取る黄色い皮膚の輪(アイリング)が太い雄個、もう一羽は帯や耳羽に茶色や白色が混ざる雌でした。中核都市でありながら、住宅地の間に小砂利が敷かれた環境が点在してします。ぽっかりとあいたような植生のない駐車場のような場所では捕食者に対して巣が目立つと思われますが、茂ったところでは巣が作れないうえに植生により地表が見えなければ礫での隠蔽効果もないと思われ、周囲に溶け込むような環境に営巣したほうが繁殖成功率が高くなると考えられるのでコチドリが選択したとも考えられます。これから、散歩の楽しみが増えました。(写真)2024年4月29日撮影(参考)笠原里恵.2020.コチドリ.Bird Research News Vol.17 No.4.p1-2.
2024.04.29
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毎年シギ・チドリの探索をしている印西市から柏市にいたる水田地帯を訪ねました。国道408号線から国道356号線に挟まれた水田地帯にはシギ・チドリの姿は皆無だったので印西市安食から小林にかけて広がる水田地帯に移動したところ、田植えが行われていない水田の中と畔で腰をおろして休んでいるムナグロ、キョウジョシギを発見しました。ムナグロは大半が夏羽で、冬羽から夏羽の換羽中の個体でした。また、キョウジョシギは雄成鳥と若鳥でした。体形や採餌スタイルがムクドリ似に見えたので見過ごしそうでした。帰り道、手賀沼沿岸の水田地帯を探索しましたが、こちらはシギ・チドリの姿は皆無。ダイサギ婚姻色個体、電線に複数のツバメが休む光景を見かけたのみでした。昨シーズンは、この時期にムナグロ、キョウジョシギの小さな群れを見かけましたが今シーズンは少し遅い状況です。次回の探索に期待をして帰路につきました。(写真)2024年4月28日撮影
2024.04.28
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2024年4月26日(以下4月と表現)にミゾゴイ成鳥、2月29日(以下2月と表現)にミゾゴイ若鳥を首都圏の異なったフィールドで観察しました。観察した特徴を整理してみました。ご参考になれば幸いです。(1)成鳥と若鳥の目先の裸出部について1枚目から3枚目は4月に観察した成鳥個体です。目先の色は青色で、上面が赤褐色、下面は黄褐色で黒褐色の縦斑がありました。4枚目は2月に観察した若鳥個体です。目先は少し黄色がかった褐色、上面は赤褐色、下面は褐色で黒褐色の縦斑がありました。また、嘴は上嘴・下嘴ともに黒色には変化していない状態でした。白石・石井(2019)が繁殖期は上嘴・下嘴の色が黒色に変化したとしていることおよび本格的な換羽が個体にもよるが翌年の 5月頃からと記していることを考えると生後1年から2年にかけての個体ではないかと考えられます。(2)成鳥と若鳥の目先以外の比較・4月の個体では頭上は赤褐色、2月の個体は頭のてっぺんが少し紺色がかっていました。・川上(2013)が記している脚の前側が黒色で後側が黄色の点については確認できませんでした。5枚目の画像をご覧ください。・4月の個体では上面が赤褐色、雨覆付け根付近がチョコレート色、下面は黄褐色で黒褐色の黒い筋模様(縦斑)がありました。2月の個体では翼に白と黒の斑が点在し、顔にまだら模様が見えていました。・川上(2013)が述べている翼に黒い部分があるとの点については確認できませんでした。(引用)川上和人.2013.ひっそりと暮らす里山の忍者ミゾゴイ.Toyota Technical Center shimoyama.トヨタ自動車.p3.白石利郎,石井裕之.2019.ミゾゴイの羽衣による年齢推定と繁殖期における色彩変化第66回動物園技術者研究会(口頭).横浜市繁殖センター研究事業報告書.発表資料p4
2024.04.27
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。一ヶ月ぶりに現地を訪ねました。昨シーズンの今頃は、雌が巣に入り抱卵していましたが、今年は2ペアが飛来しているもののいまだ巣をどこにしようかと雌雄が牽制している状態です。雄が餌を捕獲し運搬し雌にプレゼントしペアリングを目撃しましたが、雌が短時間巣に入る光景は見るもののそれ以上ではありません。年により産卵の時期は大きく変動しているようです。本村(2012)が、産卵は早いつがいで3月、遅いつがいで6月に行われると報告しており、宿場町に飛来しているペアがどのタイミングで産卵するのか注目しています。(写真)2024年4月26日撮影(引用)本村 健.2012.チョウゲンボウ. Bird Research News Vol.9 No.8.p4.
2024.04.26
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先週から姿を登場している首都圏でのミゾゴイの様子を見に出かけました。(なお、2月29日に観察したフィールドとは別の場所です。)(観察したミソゴイの特徴)・眼の周囲と眼先は水色でした。・頭上は淡い紺色で冠羽は短いのか目立ちませんでした。・頭頂から額にかけて暗青色。・下面に黒褐色の縦斑がありました。・嘴は短めでした。上記のことから成鳥雄と思われました。(2月に観察したミゾゴイの特徴)頭上が紺色(成鳥は暗赤褐色)で、後頭に冠羽(成鳥は短い冠羽あり)は認められません。また、若鳥の雨覆や肩羽には褐色斑がありますが、認められませんでした。このことと頭や翼に白と黒の虫食い斑があるので幼鳥と思われました。(写真)2024年4月25日撮影(最後の写真、幼鳥は2月29日撮影)今回も絶滅危惧種であり、観察地は非公開とさせてもらいます。
2024.04.25
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20日茨城県浮島でシギ・チドリを探索していましたら、タカブシギ、クサシギが同じ蓮田に姿がみつけました。全部タカブシギと思っていたのですが、一羽はクサシギでした。違いに気づいたのは尾の黒い横縞の違いでした。クサシギのほうが横縞が少なく、タカブシギでは本数が多いのです。帰宅後、複数の図鑑を見てみると、桐原(2000)にクサシギでは尾に黒い横縞、タカブシギに黒い横縞がある、永井(2014)にクサシギに尾の先端にわずかに黒帯、タカブシギに尾全体に黒帯があると記載がありました。ただし、本数については記述がありませんでした。しかし、日本野鳥の会三重(2018)に同様の見分けのポイントが報告されていました。それによると、「タカブシギとクサシギは腰が白く尾羽も白いですが、尾羽にある黒褐色の横斑の濃さや太さで両種を見分けることができます。尾羽の横帯がタカブシギは5-6 本、クサシギは2-3本、イソシギは腰が褐色で尾羽は外縁だけが白い」と記されていました。(過去の写真で復習してみると)写真一枚目(2020年5月17日千葉県柏市)、二枚目(2019年9月9日茨城県浮島)は、クサシギです。いずれも尾羽の横縞は3本あるように見えます。写真三枚目(2019年8月24日茨城県浮島)、四枚目は(2018年9月8日茨城県浮島)は、タカブシギです。尾羽の横縞は5本あるように見えます。写真五枚目(2018年8月18日千葉県谷津干潟)、六枚目(2018年9月9日千葉県谷津干潟)は、イソシギです。いずれも尾羽は外縁だけ白くなっているのがわかります。(尾羽以外の特徴)クサシギは、タカブシギよの少し小さめで上面の白斑はやや大きく、色が明るい印象があります。また、眉斑は目の後方まで続き、嘴は短めの印象があります。また、羽縁の白斑は小さい点はイソシギと似た印象があります。こうした点とあわせて、尾羽の横縞の違いを観察すると識別に役立つことがわかりました。(引用)桐原政志.2000.日本の鳥550.水鳥の鳥.p228-229.p234.文一総合出版.今井 光昌.2018.シギ・チドリ類の年齢・季節による羽衣の変化第12回タカブシギ、クサシギ、イソシギ. 日本野鳥の会三重会報しろちどり96号.p8-12.永井真人.2014.野鳥図鑑670.p291、p304-305.文一総合出版.
2024.04.24
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久しぶりに松戸市八柱霊園内を探索しました。キビタキのヒッヒッと鳴き声がし、エナガ数羽が動いていました。このほか、センダイムシクイと思われる小鳥も移動しているのを目撃。また、ツミの雌が枝に止まっている姿を観察しました。しかし、小鳥は林の中から姿を現してくれず、ツミも記録しようとしたら渡去。こんな日もあるものですね。(写真)キビタキ:2018年撮影、エナガ:2023年撮影、ツミ:2021年撮影
2024.04.23
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今月1日ヒメアマツバメが巣に入る光景を目撃したので様子を見に出かけました。巣には姿がないものの、巣の形は維持されているので近郊に餌探しに出かけているものと思われました。近くの商業施設ではツバメが巣に座り込み抱卵している姿を観察しました。雄が餌の捕獲で頻繁に飛び回り、その途中に池の縁の土を巣の補強用として運搬したり、大活躍でした。なお、複数のツバメのうち、1羽が下面に赤みのがある亜種アカハラツバメ似の個体でした。ただし、胸の黒帯が太いはずが亜種ツバメと差がないので、亜種ツバメと亜種アカハラツバメの交雑である可能性もあります。このほか、商業施設前の池では複数のバン、近くの調整池では水路にタシギ、水面にコガモ、オカヨシガモ、ハシビロガモ、ヒドリガモの姿がありました。(カモの観察メモ)・コガモ雌は、全体に褐色ががり、三列風切に橙褐色の斑が出ていましたので生殖羽です。・オカヨシガモ雌は三列風切が生殖羽のような三列風切に薄橙色の斑がなく非生殖羽です。・ハシビロガモ雌は脇の羽に丸みがあり橙色の嘴に小黒斑があり、非生殖羽です。・ヒドリガモ雌は、脇の羽に丸みがないこと、非生殖羽にある白色の羽縁が目立たないので幼羽が換羽中の個体と思われます。(写真)2024年4月22日撮影
2024.04.22
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東京在住の鳥友から5月に入ると手賀沼沿岸でホトトギスの声は聞くのにカッコウの声が聞こえない。いつ頃から記録がないのかと質問をもらいました。手賀沼とその周辺地域で観察記録を振り返ってみました。あわせて、千葉県と隣接する都県での分布も文献を調べてみました。(まとめ)・手賀沼沿岸では、2017年6月12日の記録を最後に鳴き声が記録されていません。・手賀沼流域の街では、柏市南部で2003年繁殖期まで、利根川流域では2010年までは鳴き声の報告が寄せられていましたがそれ以降は寄せられていません。・千葉県と隣接する都県の埼玉県で2011年以降は鳴き声の報告がない、茨城県では分布が急減していると報告がある一方で東京都では2010年以降分布が拡大傾向にある、神奈川県では限られた地区で新たに定着するところもあると報告されています。(手賀沼沿岸での観察記録)1978年6月9日、1978年6月19日、1980年8月10日、2017年6月12日にいずれも手賀沼沿岸で記録があります。(手賀沼沿岸以外での観察記録)2000年5月29日、同年6月6日から9日いずれも柏市南部地区、2002年6月3日、20日柏市南部地区、2003年5月31日から6月15日柏市南部地区で鳴き声の記録があります。2005年5月18日から7月20日、2006年5月14日から7月23日、2008年5月16日から6月25日、2009年5月28日から7月5日、2010年5月13日から7月14日いずれも我孫子市利根川沿いで鳴き声の記録があります。ところが、2011年以降は報告が寄せられず現在に至っています。(近隣の都道府県の記録)朝日新聞デジタル(2019/5/17)が掲載した日本野鳥の会埼玉の記録によると、1996年に開催した計80回の探鳥会でカッコウの出現回数は12回、出現率は15%だったものが、2011年は0回だったと記されています。東京都(2020)では、1970年代から1990年にかけて急減したものが2010年以降分布を拡大していると報告されています。神奈川県(2022)では、箱根仙石原などに限られているが、相模原市、大和市にも定着する傾向があると報告されています。茨城県(2021)では、分布が2005年38から2016-2021年で14メッシュと63%減となったと報告されています。(引用)東京都.2020.レッドデータブック.p447-506.神奈川県.2022.神奈川県鳥獣生息分布調査報告書.茨城県.2021.茨城県鳥類繁殖分布調査報告 2016-2021.p7.(写真)2017年7月19日栃木県戦場ヶ原で撮影
2024.04.21
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茨城県浮島周辺にシギ・チドリの探索に出かけました。蓮田の東端の蓮田ではアオアシシギ、セイタカシギが採餌をしている姿を発見。その後、蓮田エリアを北上すると、クサシギ、タカブシギ、オジロトウネン、タシギ、コチドリが餌探しに余念がない光景を観察できました。また待機中、農道をイタチが通過していく姿を見かけたり、楽しい時間でした。(写真)2024年4月20日撮影
2024.04.20
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これから夏にかけて森林、林などでキビタキと出会う時期となりました。繁殖期に空中を移動する昆虫類を空中で捕獲する姿を捉える姿を見かけます。実はこの採餌高が雌雄で差異があること、植生によって採餌する高さが違うことが研究者の調査で判明しています。参考としてその一部を紹介します。岡久ほか(2012)は、山梨県富士山麓の落葉広葉樹林と常緑針葉樹林でキビタキを対象として雌雄で採餌行動に違いがあるか、植生に応じた採餌行動で雌雄の差があるかを調査した結果を報告しています。その結果、キビタキの雄は植生に関わらず樹冠下部で囀り、なわばりの防衛のためにソングポストに留まっており、採餌高はソングポストの高さのみによって決まっていたことが判明しました。一方、キビタキの雌の採餌高には巣の高さが影響していたことが判明し、巣の傍で採餌する傾向があり、巣が高い位置にあるほど高い位置で採餌を行っていたと記しています。さらに、雌は植生によって採餌する高さが異なっており、常緑針葉樹林では落葉広葉樹林より高い場所で採餌を行ったと述べています。調査結果から、キビタキ雌雄で採餌高に性差が見られ、それは雌雄の繁殖分担と環境に応じて採餌戦略を変化させていたことがわかったとむすんでいます。(引用)岡久雄二・森本 元・高木憲太郎.2012.キビタキの採餌行動の性差.日本鳥学会誌.第61巻.p91-99.(写真)2024年4月18日水元公園、2016年4月24日松戸市で撮影
2024.04.19
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夏鳥到来のシーズンとなり、都内水元公園内を探索しました。林の一角でキビタキ、複数のセンダイムシクイ、オオルリが登場。このうち、枝にとまり姿を披露してくれたのはキビタキのみでしたが、橙色の喉の色が艶やかな雄の姿に見惚れてしまいました。このほか、ユリカモメの頭巾をかぶったような夏羽、冬羽から夏羽に換羽中の個体、コサギの婚姻色個体(目先がピンク色、趾が赤味を帯び、飾り羽の先も黄金色)、あちこちの芝生エリアで群れとなっていたツグミは、下面が真っ黒な個体、黒色斑のある個体、上面の褐色が淡い雌個体と実にいろいろでした。(写真)2024年4月18日撮影(参考:黒い部分の多いキビタキと褐色の個体)岡久(2015)はキビタキの生態などの知見を整理し紹介しています。越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあると述べています。また、繁殖地では褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く激しいオス間闘争を回避する傾向にあると記しています。(引用)岡久雄二.2015.キビタキ.Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.
2024.04.18
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これから初夏にかけて水田などでタマシギの姿を見かけます。多くの図鑑類では一妻多夫の鳥類として紹介されていますが、実は番いになっている期間が短く、抱卵・育雛は雄だけが担当しているので一妻多夫とは言えないのではないか米田(2015)が指摘しています。米田(2015)は、タマシギのオスとメスがどれくらいの時間一緒にいるかを調べてみたら、合計200時間の観察の中で、産卵の日齢が進むにつれて一緒にいる時間を調査した結果、産卵を始める3~4日前から産卵期の前半まではいつもオスとメスが一緒に行動し、巣から離れる時も必ず連れ立って飛んでいき、後半になるとオスは巣に留まって抱卵をします。ところが、メスはどこかに飛んでいくことが多くなり、4個の卵を産み終えるとメスはその巣から離れてしまい、その後巣に戻ってくることはなく、オスは1羽だけでヒナが孵化するまでずっと抱卵を続けたと記しています。つまり、オスとメスが一緒にいる期間は約1週間だけで、その後はバラバラになって暮すことが分かったと報告しています。さらに、タマシギについて言えば番いの期間が非常に短いこと、抱卵や育雛をオスだけが行うことがほかの一夫一妻制の鳥と大きく違うとして指摘しています。(引用)米田重玄.2015.タマシギの繁殖生態「一妻多夫?」.山階鳥研ニュース2015年7月号.(写真)2017年5月27日さいたま市、2023年2月18日、22日都内水元公園で撮影
2024.04.17
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3月末に今シーズンもチョウゲンボウが飛来しているのを観察しました。その後の様子を見に出かけました。1971年オーブン以来親しまれてきた商業施設が10月27日をもって閉店となる旨が店長名で掲示されました。チョウケゲンボウを2001年以来、近隣の皆さんたちと見守ってきました。ビルが取り壊しとなるか、売却されるかで繁殖がどうなるかはわかりませんが今シーズンの様子をリポートしていきます。今朝は、複数のハシブトガラスが存在していたので、壁面や最上階にチョウゲンボウ雄がとまり周囲を監視していました。その後、2羽が加わり計3羽で高層ビル上空を飛翔。約1時間程度、その動きを見守っていましたが例年営巣場所としている換気口に入る姿は角確認できずでした。例年は3月最終週には換気口に入り営巣をスタート、最も早い年では2007年5月9日には幼鳥の顔を観察してしますので、いまだ営巣を確認できないのでやきもきしています。帰り道、隣駅の駅前で毎年繁殖しているイソヒヨドリの様子を見に立ち寄りました。ソングポストとしている商業施設最上階にとまり、ヒーリーリーと朗らかな声を披露し乗降客の皆さんの人気ものとなっていました。今まで、ムカデ、トカゲ、バッタ、イモムシを捕獲し食べているのを目撃していますとお話しすると皆さんびっくりされていました。駅前を飛翔するツバメも同じ商業施設の一角で営巣しています。こちらも上空で昆虫類を捕獲する姿を目撃しています。買い物ついでのウォッチングが楽しみな時期です。(写真)2024年4月16日撮影
2024.04.16
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柏市側では田んぼの代かきがスタートし、コチドリ雌雄が複数飛来しテリトリー確保で大忙しです。谷津田でも耕起が行われ、サシバがトラクターの動きを凝視し小動物の登場をひたすら待機していました。その後、我孫子側に移動し沼の遊歩道を探索すると、地面で餌を探すアオジ、縄張りを巡回していたキジの雄、そしてコガモを捕獲して羽をむしり内臓をたいらけげているオオタカを発見しました。そこにハシブトガラスが飛来し餌のコガモを横取りしようと激しいバトルが展開となりました。カラスの執拗な動きにオオタカは餌を放棄し近くの木に渡去。すぐそばには、セグロカモメの姿があり、バトルを見ていたと思いますが静観の構え。(写真)2024年4年15日撮影
2024.04.15
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ガンカモ科シマアジは、和名を「縞味」とつけられています。石田(2015)が食用にされた歴史があり、和名「アジ」は味がよかったことに由来すると述べています。味についてはカモ肉の中ではどんな位置だったかについて文献を紐解いてみました。皆さんのミニ知識として参考となったら幸いです。(当流節用料理大全が記載している鳥類)真鶴、こん鳥、黒鶴、真雁、雁金、白雁、海雁、真鴨、真鴨、僧鴨、真崎鴨、吉崎鴨、足鴨、口鴨、小鴨、あぢ鴨、嶋あぢ鴨、赤頭鴨、川喰鴨、ひでかげつ鴨、羽白霜振鴨、鈴鴨、大赤頭、神子鴨、ほひらき鴨、黒鴨など約82種類の調理法が掲載されています。嶋あぢ鴨がシマアジのことを指しているものと思います。(あぢ鴨はトモエガモのことを指しているようです)(シマアジは肉のランクとしてはどんなポジションか)石田(2015)が味がよかったと紹介している点を文献でたどってみましたが、食用ランクのようなものは見つけらませんでした。しかし、マガモ雌雄1ペアを基準とした販売価格が存在していたことを菅(1995)が紹介していました。それによると、カモ肉の場合、マガモ雌雄番いの価格を決めそれを基準にして相場価格が決定されたとあります。マガモ1に対してガン1.5、オナガガモ0.3、ヒドリガモ0.25、キンクロハジロ0.2、シマアジ0.14、ハシビロガモ0.14などの売買比率が記されていました。(江戸時代の建前と実際)江間(2013)が報告しているように、文献を振り返ると、仏教の伝来とともに天武天皇(675)が肉食禁止令を発して以来、牛、馬、犬、猿、鶏などの肉を口にしなくなった、また1687年徳川綱吉が生類憐みの令を出し、1709年に廃止されまで料理本の出版物も控えられていたと記されています。その後も徳川吉宗が1718年に鶴、白鳥、雁、鴨が少なくなり食用にすることを禁止しました。しかし、菅(1995)が述べているように、1744年に水鳥荷物の検査所を設け水鳥問屋が売買するという幕府公認の仕組みが存在し、1842年問屋組合が停止されるまで続き、その後も第二次大戦以前まで農閑期の冬場に水鳥猟が続けられていました。それは、農家の閑散期の生活を支える意味と貴重な蛋白源として重用され東京などの大消費地へ供給されていました。(引用)当流節用料理大全.1978.江戸時代料理本集成3巻.pp12-260.臨川書店.菅 豊.1995.朝日百科日本の歴史別冊.通巻18号.p35-51.江間三恵子.2013.日本食生活学会誌.第23巻.第4号.p247-258.石田光史.2015.野鳥図鑑.p46.ナツメ社.(写真)2024年4月13日さいたま市、2017年4月16日習志野市秋津、2019年10月7日水元公園で撮影
2024.04.14
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待ち望んでいたガンカモ科シマアジとさいたま市内で出会えました。雄2羽、雌1羽が暖かな日差しのもと、眠りこんでいました。雄の白く太い眉斑、眉斑の白色は後頭まで伸びている特徴、黒、白、青灰色の三色から構成される肩羽、雌の羽色が明るい色になっていたのをじっくりと観察できました。(写真)2024年4月13日さいたま市内で撮影
2024.04.13
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4月1日に雌の姿を目撃したものの、まだペアの相手や造巣する様子も確認できず、日数が経過していくばかりです。しかし、近郊の公園の一角で3羽が飛翔する姿を観察したり、今朝は少し離れた谷津田上空で鳴きながら飛翔する個体と上空を飛翔する個体の2羽を観察できました。ツミは、越冬期過ごした林から営巣林に移動する時期は、行動圏がとても広いのが特徴です。その後、営巣林の候補地をいくつか抱え、雌がその林に執着する時期となると雌が林に長時間滞在するようになります。その後、4月に造巣期に入り、独自で巣作りをスタートするか、カラスなどの巣をベースにして枝や葉を搬入して巣を大きくします。(写真)2024年4月1日、2023年4月13日撮影
2024.04.12
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手賀沼沿岸で最も面積の大きい谷津田にサシバを探索に立ち寄りました。地区の一角に京都祇園祭と同じ七月二十三日、二十四日の夏祭りが行われる神社があり、住宅地として開発されたエリアとの間に谷津田が残されています。サシバの姿を見つけたのは車の行き来の多い道路沿いの電柱のてっぺんでした。ひたすら眼下の水田を見つめ、到来直後から育雛初期まで主食としているカエル類の動きを凝視していました。水路沿いをカエルが移動するとサシバも止まる電柱をかえやや低い位置に止まる位置を変更。その集中力に感服。いつもの年ですと、5月半ばまでは水田の脇の電柱、5月下旬には畔や土手、農道、雑木林で餌を探索しています。季節の進行とともに採食場所をかえてその時期に捕獲しやすい餌を捕獲するのがサシバの特徴です。今日観察した個体は、胸が一様に褐色の雄で、雌ほどではないけれど眉斑がありました。(写真)2024年4年11日撮影
2024.04.11
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まだ滞在している冬の水鳥と春の渡りの鳥たちと会いを期待して船橋市三番瀬を訪ねました。12時近くが干潮でその時刻にあわせて現地に到着。お目当ては、ヒメハマシギ、オバシギなどの春の渡り鳥と北帰行を控えている水鳥たち。最初は干潟の先に広がる小島にダイゼン、ハマシギ、オバシギ、オオソリハシシギ、ミヤコドリなどが羽を休めていて距離が遠すぎてなかなかじっくり観察できず。それでも、14時すぎに潮が満ち始めると干潟に移動し姿を披露してくれました。そのほか、水鳥では、ススガモにくわえてビロードキンクロの姿、金色の飾り羽と虹彩の赤色が素敵なハジロカイツブリ夏羽、沖合を移動する27000羽の群れで移動するカワウの姿を目撃したり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年4月10日撮影
2024.04.10
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昨日、谷津干潟でハシビロガモ生殖羽を観察しました。生殖羽も嘴が橙色のもの、黒色のもの、三列風切の薄橙色の斑の大小の違いがあります。これまで観察した個体の写真を使って紹介します。一枚目の個体は雄と一緒に水面を移動していたときの一枚です。この個体の嘴は黒色、虹彩は暗色、羽縁が薄い橙色で体全体が明るい印象がありました。ただし、三列風切には薄橙色の斑が小さく見えていました。二枚目の個体は、嘴は橙色で、虹彩は暗色、羽縁は薄い橙色でした。三列風切の薄橙色の斑は横に長く見えていました。図鑑類で雌生殖羽と記載されるのはこの個体が多いと思います。三枚目の個体は、虹彩は茜色、雌成鳥と比べると雨覆に褐色味があり、脇の羽に丸みはありませんでした。幼羽から第一回生殖羽に換羽中のものと思われました。四枚目の個体は、虹彩は茜色、脇の羽は丸みが強く、非生殖羽と思われます。五枚目は、雄エクリプスと思われる個体で虹彩が黄色です。雌の虹彩は暗色から黒っぽい赤や茜色などの変化に富みます。雄エクリプスでは嘴は橙色の個体が多い気がしますが、この個体は黒色です。(写真)一枚目、二枚目:2024年4月8日千葉県習志野市谷津干潟三枚目:2018年1月3日千葉県市川市中国分四枚目:2009年11月8日千葉県成田市五枚目:2009年10月17日茨城県つくば市
2024.04.09
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昨日、オバシギ、ダイゼンなどの姿があったと鳥友に教えられ谷津干潟を訪ねました。干潮時刻にあわせて現地に到着し干潟を見渡しましたが、コチドリ以外のシギ・チドリの姿はありませんでした。大潮で近郊の三番瀬に餌探しに出かけてしまった模様でした。しかし、複数のコチドリが縄張り争いで活発に動き回り、体を膨らませて威嚇したり、鳴きながら追尾したりしていました。このほか、コガモ雌、オナガガモ雌、ハシビロガモ雌の各生殖羽の個体を複数見つけました。いずれも非生殖羽に比べて褐色味が強くなっていました。あわせて、アオサギの婚姻色個体(目先から嘴、足が赤味を帯びている)と夏羽個体の姿、葦原では葦の中にいるカイガラムシを採食しているシジュウカラの姿を観察。シギ・チドリを堪能とはいきませんてしたが、旬の時期の観察の醍醐味を楽しみました。(写真)2024年4月8日撮影
2024.04.08
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昨日、手賀沼沿岸の谷津田でアオゲラを観察した旨のリポートしました。鳥友から今までアオゲラの観察記録が少ないのはどうしてかと質問をもらいました。(関東はアオゲラの分布の空白地帯)バードリサーチ(2023)は、アオゲラの分布についての知見を整理し報告しています。それによると、本州以南に広く分布して拡大していますが、分布の空白域になっているのが関東地方の平野部から房総半島にかけてと記しています。関東地方のアオゲラの記録率は28%と低く、次いで低い中部太平洋側(57%)の半分以下の順となっていると述べています。その理由として、関東の平野部は,農地や住宅地が中心で,そこに樹林が点在しています。こうした環境は樹林性のアオゲラにとっては生息地として適していなかったこと、南方系のアオゲラは厳冬期に移動しない留鳥性の高さ(*)があることをあげています。(*)北方系のアカゲラは厳冬期に移動する習性をもちます。手賀沼とその沿岸では1997年以降、10月から翌年2月まで少数が観察されています。(ナラ枯れとアオゲラの分布)バードリサーチ(2023)は、関東地方にカシノナガキクイムシが媒介するナラ菌によるナラ枯れが2010年代後半から拡大していることをあげ、かつて佐渡でナラ枯れが増えた時期にそれまでいなかったアカゲラが定着・増加し、現在は普通種となっています。関東でもナラ枯れの増加でアオゲラの分布拡大が加速するのかと注目される旨を記しています。(引用)バードリサーチ. 2023.日本の森の鳥の変化:アオゲラ.2023年05月12日.(写真)アオゲラ:2024年4月6日手賀沼沿岸、アカゲラ:2020年1月13日柏市内で撮影
2024.04.07
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明け方から9時頃まで小雨がふっていましたがその後やんだので春のシギ・チドリを探索しに茨城県浮島まで足を延ばしました。しかし、到着し小雨が降り出し風も吹き抜ける探索には不向きの条件となりました。それでも、セイタカシギ4羽、オオソリハシシギ1羽、タシギ8羽が蓮田と畔に見つけて現地を後にしました。手賀沼沿岸の谷津田まで移動し、サシバが飛来したポイントで待機。一羽は電柱のてっぺんに止まっている姿を見つけました。その後、2羽で上空を鳴きながら旋回していました。どうやらペアのようでした。しばらくその動きを観察していたら、木のへっぺんにキツツキの姿を発見。後頭部のみ赤い、上面は黄緑色で下面に波状斑があり、アオゲラ雌個体でした。(写真)2024年4月6日撮影(浮島、手賀沼沿岸ともに小雨、曇天で証拠写真です)(メモ)アオゲラは手賀沼沿岸とその周辺地域では、2014年12月、2015年3月に観察したことがあるのみです。
2024.04.06
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そろそろ、キビタキが子育てのため日本に渡ってくる時期となります。キビタキというと艶やかな喉の黄色と頭部から体上面の黒色が特徴の雄を思い浮かべる方が多いと思います。ところが、体上面がオリーブ褐色の雌は、林の中から姿を現すのが少ないので観察するとさて種類はと悩む方が多い気がします。その識別のポイントを整理してみました。(お腹の色と喉の色)まず確かめたいのが、お腹が白く、喉が薄黄色味を帯びているかです。同じような環境で出会うオオルリはお腹の下まで淡い褐色です。(背中の色)キビタキ雌は背はオリーブ色をしています。オオルリでは背はグレーがかった茶色です。(喉の下の色)キビタキ雌は喉の下はまだら模様です。オオルリでは喉の下に白い線が見えます。(参照)五百沢日丸.2000.日本の鳥550山野の鳥.p228-229.文一総合出版.(写真)2018年10月13日、14日、2019年10月6日柏市内で撮影
2024.04.05
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埼玉県草加市の鳥友から自治体発行のそうか生き物だより(2023/11 no26)に「最近では気候変動の影響で冬が暖かくなってきているため、ツグミの日本での滞在期間が短くなってきているようです。23 年間で 40 日以上も短くなったと言われています」と記されているが、隣接する千葉県ではどうかと問い合わせをもらいました。そこでホームグランドの手賀沼沿岸地区のツグミの初認と終認の記録を見返してみました。記録を確認できる2000年以降2023年までの初認と終認を整理すると次のようになります。変動を繰り返しながら、滞在日数は減少傾向にあることがわかります。2000/11/13-2001/4/5(143日)、2001/10/29-2002/4/7(160日)、2002/11/7-2003/5/4 (178日)、2003/11/3-2004/4/11(160日)、2004/11/10-2005/5/9(180日)、2005/11/1-2006/4/23(173日)、2006/11/13-2007/4/29(167日)、2007/11/7-2008/4/29(174日)、2009/11/5-2010/5/13(189日)、2010/11/3-2011/5/3(181日)、2011/11/16-2012/4/23(159日)、2012/10/25-2013/4/28(185日)、2013/11/14-2014/4/26(163日)、2014/11/4-2015/4/26(173日)、2015/11/16-2016/4/25(161日)、2016/11/13-2017/4/15(153日)、2017/11/13-2018/4/14(152日)、2018/12/3-2019/4/24(142日)、2019/11/16-2020/04/25(161日)、2020/11/16-2021/4/25(160日)、2021/11/21-2022/4/13(143日)、2022/12/15-2023/4/27(133日)(滞在日数の変化)・最も長い滞在2009年から2010年189日、最も短い滞在2022年から2023年133日その差は56日であり、草加市の40日以上を大きく上回っています。(初認の変動)・最も早く渡来したのが2012年10月25日、最も遅かったのが2018年12月3日でした。(終認の変動)・最も早い終認が2001年4月5日、最も遅い終認が2010年5月13日でした。(写真)2024年4月4日柏市内の公園にて撮影
2024.04.04
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冬の間は、谷津の水路沿いでチャッチャとウグイスに似た地鳴きをしていたミソサザイが山地の湿った場所、渓流沿い、崖地に移動し驚くべき声量で囀る姿を観察できる時期です。以前、沢の近くなどの騒音がある場所に生息する個体と森に生息する個体を比較すると、前者のミソサザイは大きな声で囀ることを紹介しました。今回、紹介するのは、ミソサザイは誰から囀りを学ぶのか、バリエーションはどの程度持っているのかについて、惣田(2022)が京都府芦生研究林で行った調査報告てす。それによると、雄の囀りのバリエーションは平均6.4で、300m程度の縄張りを持っていたことが判明したと記しています。さらに、雄の間で共有されているさえずりタイプもあることが判明し、さえずりの要素の共有も観察されたことから雄は近隣の個体からさえずりを学んだと考えられると述べています。雌が囀りのバリエーションの多い雄を好むのかといった点は未解明ですが、今後の調査を注目したいと思います。(引用)惣田彩可.2022.年間を通じたミソサザイの生態に関する調査.2022年第37回タカラ・ハーモニストファンド研究助成報告.pp15.(写真)2022年5月26日長野県戸隠、2021年6月29日長野県上高地、2015年5月23日栃木県日光で撮影
2024.04.03
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我孫子市側の手賀沼遊歩道沿いの桜の開花の具合を見学するのをメインに、アカガシラサギ、クイナ、ヒクイナ、水鳥たちを観察しながら散策しました。桜は一分咲き程度で週末あたりが満開となる模様です。さて、野鳥たちの様子ですが、雨の影響で手賀沼の水位が上昇しており、アカガシラサギが採食場所としているエリアにはその姿はありませんでした。それでも、もうそろいろ北へ旅立つクイナ、沼沿岸で繁殖するヒクイナは健在でした。クイナは体上面が褐色で、下面は青灰色で腹と脇に黒と白の横縞、上嘴が黒く下嘴が赤い成鳥冬羽個体でした。時折、キューイと首を絞められたような声を出しているのを聞きました。このほか、水面にカイツブリ、カンムリカイツブリ、コガモ、カルガモ、セグロカモメ、ユリカモメなどの姿がありました。(写真)2024年4月2日撮影
2024.04.02
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ツミが昨年まで営巣していた林が相続のため売却され宅地造成となったため、その動向が気になっていましたが、今朝探索していたら2014年まで営巣していた林に雌の姿を見つけました。コナラの木にとまり、キィキィキィと鳴き声を出したり羽繕いをしている姿を観察できました。雄が同じ林に来ているかは不明ですが、姿を確認できたのでホッとしました。(写真)2024年4月1日撮影
2024.04.01
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そろそろヒメアマツバメが飛来する頃なので柏の葉キャンパス駅近郊を探索しました。例年営巣をしているポイントを訪ねると、唾液で鳥の羽毛や草の穂などを壁面貼り付けて作った新しい巣となっていました。しばらく待機していると、2羽のヒメアマツバメが上空から巣の中に入りしばらく休憩する光景を目撃できました。このほか、アマツバメ5羽が上空を旋回し、ツバメが巣材をくわえて建物に出入りしている姿を観察したり、春らしい光景を堪能できました。その後、柏の葉キャンパス駅近くにある調整池を訪ねました。餌探しに余念のないコチドリ、水路沿いの泥に嘴を差し込んで餌を物色するタシギ、水面を移動するオカヨシガモ、ハシビロガモ、カイツブリを観察。ハシビロガモの雄は、ほとんど生殖羽となっているのにエクリプスに見られる嘴根元に白い縁取り状の模様がまだ残っていました。帰り道の途中で造成地のフェンスにキジの雄が止まって周囲を警戒する姿を発見。テリトリーを見張っていたものと思われます。(写真)2024年4月1日撮影
2024.04.01
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1971年オーブン以来親しまれてきた商業施設が今秋閉店と報じられました。チョウケゲンボウの観察をスタートしたのが2001年のことで、以来近隣の商店主の皆さんたちと産卵・ジュニア誕生、巣立ちを見守ってきました。しかし、今シーズンで最後になる可能性もあります。今朝、今シーズンはじめて現地を訪ねると、上空を雄が飛翔しハシブトガラスと制空権をめぐりバトルを展開していました。雌は、例年巣として使っている換気口にとまり、雄とカラスの空中戦の光景をみつめていました。その後、カラスが渡去するとようやく雌雄で飛翔し、ディスプレーフライトを披露したりを繰り返し、その後渡去しました。例年の巣を使うかどうかまだ流動的ですが、今シーズンも無事を確認できてよかった。(写真)2024年3月31日撮影(雄は2023年4月撮影)
2024.03.31
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27日に手賀沼沿岸でサシバを観察してきました。繁殖期は一日の大半を谷津田で過ごします。しかも活動している時間の大半を採食に費やします。その理由はなぜかと思い、文献に目を通してみました。東ほか(1998)は、千葉県印旛沼でサシバの生息調査の結果を整理し報告しています。それによると、1日の活動時間は平均14時間21分で、8箇所の止まり木に66回滞在したと記しています。捕獲した獲物を巣にいる雌や雛に運ぶとき以外は1回の飛行距離は短い傾向があったと述べています。また、採食場所が繁殖初期に谷津田でよく見られた理由は、効率よく採食することが必要であり、田植えが行われている田んぼにはニホンアマガエルやトウキョウダルマガエルが産卵のため集まり谷津田の草丈が低いので発見しやすいことにあると指摘しています。季節が進行するに伴い、採食場所が谷津田から林縁部、林冠部に移行するが、それは谷津田の草丈が高くなることと斜面林では餌動物が出現し始めるからと考えられると記しています。サシバの生息を支えている環境は、水田耕作が行われていること、谷津田に沿った斜面林が連続していることが必須という点を東ほか(1998)から教えてもらいました。(引用)東淳樹・武内和彦・恒川篤史.1998.谷津環境におけるサシバの行動と生息条件.第12回環境情報科学論文集別刷.p239-244.社団法人環境科学センター.(写真)2024年3月27日手賀沼沿岸で撮影
2024.03.30
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3月28日に東京都葛飾区水元公園で観察したアカハジロ交雑個体について観察した特徴と撮影画像を復習しました。その結果、観察した個体は、アカハジロ交雑個体と思われます。(観察した個体の特徴)頭部は焦げ茶(*)で、虹彩は暗色、眼先下にこげ茶の斑が見られ、アカハジロ雌を示唆しています。また、嘴先端の黒斑は嘴爪の外に広がり、雄の嘴爪に限られているのとは異なっています。胸は焦げ茶色に見え、幼鳥に見られる腹部の細かい褐色斑はありませんでした。(*)雌個体では頭部の色は緑色が光沢があるはずですが、観察個体では認められませんでした。しかし、夏羽から冬羽にかけて緑色光沢が顕著になるとされ、その逆の冬羽から夏羽に換羽する際には緑色光沢がないように見えることも想定されるます。(観察した個体が交雑個体と判断した理由)(1)下尾筒の白色が認められません。アカハジロであれば下尾筒の白色が認められますが、観察個体については認められません。(2)アカハジロでは脇に白い部分が見られるはずですが、観察個体については認められません。(メジロガモであれば白色部はないと思われます)(3)メジロガモであれば頭部の形状が尖らず傾斜が穏やかに見えるはずです。しかし、観察個体では後頭にかけて尖って見えます。(4)額から黒い嘴までが直線的に見え、印象としてはオオホシハジロと同様の印象です。(写真)2024年3月28日撮影
2024.03.29
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鳥友から水元公園にアカハジロが飛来しているとニュースをもらい、現地に出かけました。東アジアで繁殖していますが、世界的に個体数が減少し1000羽を切っていると言われている潜水ガモです。その姿は蓮田にありました。頭部は焦げ茶で、虹彩は暗色、眼先下にこげ茶の斑、嘴先端の黒斑は嘴爪の外に広がっていました。また、胸は焦げ茶色に見え、幼鳥に見られる腹部の細かい褐色斑はありませんでした。これらのことからアカシバロ雌の特徴を備えていました。しかし、氏原(2015)が述べているアカハジロの特徴である頭部の緑色光沢や胸のあずき色とは異なっていること、嘴先端の黒斑が嘴爪の外に広がる面積が広い印象があり、交雑を否定する材料ではないとの印象でした。アカハジロのほかは、ホシハジロ。キンクロハジロ、ヒドリガモ交雑個体、頭部がかなり黒く変化していたユリカモメ、ユリカモメ若鳥、林の一角で姿を目撃したオオタカなどが登場し、楽しい時間を過ごしました。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p188-192.文一総合出版.(写真)2024年3月28日撮影
2024.03.28
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昨日までの雨で寒い日から一転し青空。サシバが飛来する時期なので手賀沼沿岸の谷津田を探索して歩きました。渡来したてはサシバのキンミィの鳴き声を聞くことが多いのですが、今日は電柱に止まっていたノスリをサシバが追い払う光景から目撃しました。しかも、ノスリがサシバの執拗な追尾で移動して止まった電柱にサシバが追い払うといった行動を何度も繰り返しました。観察した谷津田ではサシバが営巣し子育てをしているのは毎年ですが、一角では数年前からノスリも繁殖をしています。テリトリー争いが熾烈です。このほか、谷津田の電柱にはチョウゲンボウの姿、湿地に降りて抱卵している雌への獲物をゲットしているモズの姿があったり、鳥たちの生きる活動をみせてもらいました。(写真)2024年3月27日撮影
2024.03.27
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ガンカモ科シマアジは、氏原(2015)によると、春は番いで見られることが多く、秋通過していくのは大部分が幼鳥と報告されています。我孫子野鳥を守る会によれば、手賀沼とその周辺では2010年4月4日我孫子市北新田雌雄各1羽、1980年3月29日1羽、1981年4月12日、1993年4月4日、1998年10月3日各2羽いずれも手賀沼、2009年9月16日北新田、2010年3月30日から4月27日我孫子市北新田で雄1、雌2羽、2023年4月24日手賀沼が滞在したとの報告が寄せられています。今春、再会ができればいいなあと思いながら、その羽衣を復習してみました。(春に出会えた個体)一枚目から三枚目は春に出会った個体です。1枚目は我孫子市北新田、二枚目と三枚目は習志野市秋津で観察した個体です。雄は眼の上から後頸まで伸びる白い眉斑、黒褐色の過眼線、黒、白、青灰色の3色の肩羽、長めの黒い嘴、雌は全身褐色で黒褐色の斑があり、顔に汚白色の眉斑と黒褐色の過眼線とその下に汚白色のもう一本の線があります。(秋に出会えた個体)四枚目から六枚目は、2017年4月16日に都内水元公園で観察した個体です。眉斑が雌に比べて白っぽく見えたことから雄エクリプスの可能性が考えられました。虹彩には赤みはなく成鳥の赤みが強い点とは相違しており、幼羽と思われました。また、下嘴が肉色に見えました。ただし、雄エクリプスであれば雨覆が淡灰色に見えるはずですが、この時は見えずでした。(引用)我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.1975年-2024年.第1号から第297号.氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p117-123.文一総合出版.
2024.03.26
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昨日、茨城県の宿場町のチョウケゲンボウを見に出かけた折、セッカを見かけました。観察した個体は、頭部上面が褐色の地に黒褐色の斑があり、頭がザクザクとした感じに見えた雌個体でした。なかなか静止したところを記録するにがむずかしいのですが、静止した姿を観察なさった時には雌雄で特徴が異なります。上田(2013)が雌雄の識別について報告している内容を紹介します。(頭部上面)雄は頭部上面は一様に褐色なのに対して、雌は昨日観察した個体のように褐色の地に黒褐色の斑があります。(尾羽先端の白色部)セッカでは中央の2枚を除く10枚の尾羽先端部に白色部が現れますが、雌では褐色ががっています。(口内の色彩)春から秋にかけての繁殖期のセッカでは、オスの舌及び上下の嘴の内側(つまり口の中)が真っ黒になる.メスは普通,舌の基部に,舌に平行に2個の黒班が存在する以外は嘴の内側は肉色と上田(2013)は記しています。繁殖期になると、ぜひ見てみたいと思っていますが、まだかなっていません。(写真)一枚目、二枚目は2024年3月24日茨城県で撮影三枚目は2020年5月3日茨城県稲敷市で撮影(引用)上田恵介.2013.セッカ.分類と形態.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.
2024.03.25
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。二週ぶりに現地を訪ねました。昨年の今頃は複数のペアが求愛行動をしたり巣に入ったりを繰り返していましたが、今春はまだ1ペアのみです。チョウゲンボウの様子を観察すると、雄がモグラらしき餌を捕獲し巣の近くの電線に止まり、キッキッと雌を呼ぶような鳴き声を出しました。雌が巣の中から顔を出すと、雌のもとに運搬。気配りがもてる雄の秘訣のようです。このほか、隣接する河川沿いにある柳の花芽をついばんむベニマシコ、ヒヨドリを見ていたら、そのポイントにカワセミの雄が飛来。花芽は鳥たちにとって人気の的。また、地面に咲いているホトケノザがあるエリアでは、耳羽が褐色のホオジロ雌、上面に光沢のある黒色が艶やかなハクセキレイ雄成鳥の姿、眼先が広く黒いアオジ雄成鳥夏羽、葦に嘴の会合線が黒くないセッカ雌が登場したり、楽しい時間を過ごしました。(写真)2024年3月24日撮影
2024.03.24
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鳥友から千葉県のコシアカツバメの分布について質問をもらいました。文献を復習し動向を整理してみました。仲真(1984)が報告しているように、関東地方では1938年から1940年にかけて千葉県、1941年に茨城県での繁殖記録があるもの限られた営巣地にすぎませんでした。その後、1940年代から1950年代に営巣地が増加し、1971年以降分布を拡大したことが知られています。(千葉県での営巣記録)千葉県内に注目してみると、天津小湊町で1940年代~、茂原駅周辺と館山市内、大原町、一宮町で1960年代~、富津市1968年頃に営巣した旨の伝聞記録があり、1976年に一宮町、、1977年に鋸南町、館山市、白浜町、千倉町、鴨川市で営巣が観察され海岸沿いに分布を広げたことが判明しています。手賀沼沿岸では、我孫子市湖北台で1986年、1987年に営巣・繁殖しましたが、その後は観察記録が途絶えて現在に至っています。(海岸沿いに分布を広げた背景)千葉県での営巣場所に注目すると、木造、漆喰、モルタルの建造物に営巣し、ツバメよりも高い位置である2階以上の高さを選択しています。くれらに加えて、巣材である泥や餌である昆虫類が確保できる環境が海岸造沿いだったと思われます。手賀沼沿岸で1986年、1987年に営巣・繁殖しながらその後継続しなかったのは、巣材の泥の確保や餌資源に恵まれなかったことやスズメの競合関係が存在した可能性が考えられます。(引用)仲真晶子.1984.関東地方およびその周辺部におけるコシアカツバメの繁殖分布と営巣場所の選択.Strix.第3巻.p55-65.日本野鳥の会.手賀沼の鳥.1994.手賀沼とその周辺地域の鳥類目録.p41.我孫子野鳥を守る会.(写真)2023年5月24日茨城県筑波山山麓(営巣地保護の関係で非公開)
2024.03.23
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連日北西の風が吹き抜けるお天気が続き、水辺のフィールドでは水鳥、小鳥たちが葦原の中に退避しているものが多く観察を堪能することがかないません。しかし、極力風の影響をさけて観察が可能な我孫子市側の手賀沼遊歩道を探索しました。強風の中でもアカガシラサギは健在で、風を避けられるポイントで餌探しをしていました。サギ科の鳥は、春は部分換羽(繁殖期の前に風切羽、初列雨覆、尾羽以外行う)ですので、どのあたりから換羽するのかと注目していますが、まだその兆しはありません。ただし、首が冬よりがっしりとし、喉から胸の縦斑がやや黒っぽくなってきたような気がします。このほか、葦原には上嘴に丸みのあるオオジュリン、水際ではクイナ、遊歩道脇にはハクセキレイの雌雄、セグロセキレイの姿を見つけました。(写真)2024年3月22日撮影アカガシラサギの観察場所については、撮影者が集中する可能性が高いので非公開とします。
2024.03.22
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北西の風が強く吹き抜け、風を極力さけた探索が可能な都内水元公園に出かけました。小合溜には、カルガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、カンムリカイツブリ、ユリカモメの姿がありました。カンムリカイツプリは、襟状の飾り羽の見事な個体、飾り羽が少し出てきた個体、冬羽個体とさまざまな個体が観察できるのもここの自慢です。地上に近い位置を移動しながら植物の種子を採食していたルリビタキも登場。白いアイリングがあり雌と思われます。このほか、水面には60羽をこえるユリカモメが羽をやすめていましたが、遊歩道の脇に移動した際に青いリングをしていたユリカモメを発見しました。足環番号:右足・8A32835、左足・青E/Nで2013/3/13に市川市行徳野鳥観察舎前丸浜川で標識を装着したユリカモメ成鳥でした。11年の長きにわたりよくも無事で過ごしてきたものです。(写真)2024年3月21日撮影
2024.03.21
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4月まであと10日余り、そろそろ夏鳥たちの姿をフィールドで見かけるシーズンです。頭が真っ黒のコジュリンは、関東地方では茨城県浮島、甘田干拓地、千葉県旭市などでその姿を観察できます。その羽色について過去の画像ライブラリーを見ながら復習。(1)成鳥雄夏羽一枚目は、2019年8月24日茨城県甘田干拓地で撮影した個体です。頭部全体、嘴が黒く、頭部から喉が真っ黒です。下面が褐色がかっていました。(2)成鳥雌夏羽二枚目は、2018年3月11日茨城県甘田干拓地で撮影した個体です。嘴が肉色で、頭部は雄に比べて乏しく、眉斑が白っぽく(角度によって褐色)見えました。雄に認められる腮と目先に小さな黒斑は確認できませんでした。(3)雄第一回夏羽と思われる個体三枚目から五枚目は、雄第一回夏羽と思われる個体です。(三枚目2023年4月20日浮島、四枚目2020年5月3日浮島、五枚目2015年4月27日浮島で撮影)頭上は黒褐色で、頭部と嘴は黒く、白色または淡褐色の眉斑が認められました。(観察メモ)雌個体、第一回冬羽は、3月下旬から4月の渡来初期に見かけます。
2024.03.20
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我孫子市側の手賀沼遊歩道脇の葦原では、オオジュリンの小群が葦原の中のカイガラムシを捕食している様子が観察できます。今朝は、5羽程度の群れを4グループを目撃しました。どの群れも2羽の雄と雄以外の3羽から構成されていました。真冬は、雌雄ともに灰褐色の姿ですが、雄は褐色の先端部分が摩耗して内側にある黒い部分が見えてきます。雄は黒い頭部と顎線と頸回りは白さが印象的です。例年ですと、4月4週頃まで姿を見かけますが、同じグループが滞在しているのか、順次わたっていくのかなどが解明できていません。(オオジュリンの標識調査から判明していること)(財)山階鳥類研究所が標識調査に整理し報告しています。それによると、日本では東北地方以北で繁殖し本州以南で越冬するオオジュリンは、小鳥類の中では非常に多くの回収記録が得られ、秋の移動時期には太平洋沿岸沿い・日本海沿岸沿いを北から南へ移動する個体が多いのですが、北陸地方から関東及び東海地方に内陸を移動する個体も少なくないこと、朝鮮半島を経由して九州北部から東に移動する個体もいると思われることなどが判明していると記しています。どこかに集結して渡っていくのか、それとも小グループで渡っていくのか等、興味のあるところです。(写真)2024年3月19日撮影(雌2枚は2015年3月15日、2018年1月20日手賀沼撮影)(引用)https://www.biodic.go.jp/banding/seen.html山階鳥類研究所.標識調査でわかること
2024.03.19
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首都圏のミソゴイを観察したリポートを配信した後、どんなものを餌としているのか、どんな環境が必要なのかと質問をもらいました。(餌について)川上(2009)は、ミゾゴイの生態などについての知見を整理し報告しています。主要な食物は、ミミズを中心とした土壌動物で、サワガニや昆虫,陸産貝類などを採食していると報告しています。さらに、ミゾゴイのくちばしを他のサギ類と比べると、太く短く、魚を捕獲するには適しておらず形態的に土壌動物食となっていると述べています。ただし、今回の生息地では、ミミズを捕食していたのは目撃しましたが、その他の餌については不明です。(生息環境について)川上(2013)が述べているように、食物網の上位に位置する生き物であり、土の中に生息している昆虫類を食べ物としており、それを支える広葉樹林が必要です。従来は、中国南部、フィリピンなどで越冬するとされていましたが、愛知県で2015年、2016年広葉樹の林で越冬した記録があります。(鳴き声にちなんだ呼び名)今回のフィールドではその鳴き声を観察できていませんが、図鑑類にはィボー、ィボーと聞こえる鳴き声と報告かあります。川上(2013)が鳴き声にちなんだ呼び名を紹介し、平安時代におずめどり、うすべどりと呼ばれ、江戸時代にはすでミゾゴイと呼ばれていたたようで、鳴き声からヤマイボ、イブと呼ぶ地方もあり、ウメキドリ、牛のような鳴き声からウシドリといった地方名があることも記されています。(引用)川上 和人.2009.ミゾゴイ.Bird Research News Vol.6 No.12.p4-5.川上和人監修.2013.ひっすりと暮らす里山の忍者 ミゾゴイ.pp26.トヨタ自動車(株).
2024.03.18
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一昨日、稲敷市でノスリの羽色のいろいろを観察しました。私のライブラリーの画像と見比べて復習してみました。日本では亜種ノスリ(B.b.japonicus)と亜種オガサワラノスリ(B.b.toyoshimai) が生息しています。後者は、千葉(2012)が報告しているように、個体の喉や脛は無斑で胸の縦斑はわずか、成鳥羽は年明けから褪色の気配が出て,6-7月には体羽が真っ白な個体となります。(喉から腹の色のいろいろ)(1)喉から腹が白い個体一枚目は2022年2月5日手賀沼沿岸で観察した個体で、眼は暗色、頭は褐色、喉に褐色があり、喉から腹は白い個体です。二枚目は2020年3月7日に手賀沼沿岸で観察した個体で、一枚目と同様の特徴ですが、頭と喉はこげ茶が印象的です。一枚目の個体が二枚目のように換羽した可能性があります。三枚目は、茨城県稲敷市で2022年3月20日に撮影した個体で、頭部から後頚が白く見えました。眼、頭から喉は一枚目、二枚目と同様です。なお、一枚目から三枚目は目が褐色なので成鳥です。(2)喉から腹が褐色の個体四枚目は、2020年11月15似に手賀沼沿岸で撮影した個体です。頭の上は黒褐色で後頚が淡褐色で褐色の縦斑があったので雄成鳥と思われます。五枚目は、2016年9月14日に手賀沼沿岸で撮影した個体です。四枚目と同様で頭の上は黒褐色で後頚が淡褐色ですが、胸にあたりが茶色をしていました。六枚目は、2018年10月13日流山市で撮影した個体です。頭の上は黒褐色で後頚が淡褐色な点は五枚目と同様ですか、胸のあたりの褐色が際立っています。この二枚目の写真の個体は、長崎大学(2022)が報告しているユーラシア大陸亜種(Buteo japonicus burmanicus)のような印象があります。(3)背の黒味のある個体七枚目・八枚目は2014年11月23日に流山市で撮影した個体です。背に黒味があり、雨覆に擦り切れた羽毛が見えました。脛に斑が見えず、雌雄の識別はかなわなかった個体です。(4)眼の色が黄色っぽい若鳥九枚目から11枚目は、目の色が黄色っぽい若鳥です。ただし、上面の色、喉から胸の色はそれぞれ違います。(引用)千葉夕佳.2012.ノスリ.Bird Research News Vol.9 No.11.p4-5.長崎大学.2022.猛禽類ノスリのユーラシア大陸亜種が国内で越冬していることを初めて確認.プレスリリース.2022年7月19日.(日本を含む東アジアに生息するノスリ(Buteo japonicus ブテオ・ヤポニクス)という渡り性猛禽類のユーラシア大陸亜種が日本にも越冬分布していること、そして大陸亜種とサハリンを含む広義の日本列島亜種の渡り経路が日本海の両岸に沿って分かれているを発表)
2024.03.17
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3月に入って初めて首都圏で越冬中のミゾゴイの様子を見に出かけました。林の中の倒木周辺で餌探しをしていたので観察できたのは頭部のみでした。頭上の紺色、頭に白と黒の虫食い斑がかろうじてわかる程度、嘴は短めである点などを観察できました。また、林の中で巣作りをスタートしたオオタカが巣材を運搬していた折、カラスとバトルがあり枝に止まった光景を目撃しました。このほか、湿地帯ではコサギ、ツグミが餌を物色している姿、葦の中にいる虫を捕食していたシジュウカラ、水面を移動していたカイツブリ、ヒドリガモとヒドリガモとオナガガモの交雑個体などを観察しました。(写真)2024年3月16日撮影(ミゾゴイ二枚目・三枚目は2月29日撮影)ササゴイは絶滅危惧種であり、観察地は非公開とさせてもらいます。
2024.03.16
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春のシギ・チドリのフィールドに通う時期となり、茨城県浮島、甘田干拓地を訪ねました。浮島近郊の蓮田ではあちこちにオレンジ色の防鳥ネットが設置され、水位の高いためシギ・チドリの姿は見つけられず。それでも、本新地区でタカブシギ若鳥とタヒバリの群れを発見。その後、甘田干拓地に移動し、探索。ノスリの個体のいろいろを観察しました。虹彩が暗色の成鳥、汚黄色をした若鳥、胸から腹の白っぽい個体と実にいろいろな個体を観察しました。このほか、ツグミ、タヒバリの群れを観察しました。(写真)2024年3月15日撮影(フィールドメモ)・浮島は野焼きが行われた後で鳥影はなし。・甘田干拓地は、北側で土砂の掘り返し工事が行われ猛禽・シギ・チドリの姿は皆無。・浮島は12日の雨の影響で水位が高く、防鳥ネットの設置の影響もあり、鳥影は少なめ。
2024.03.15
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鳥友からカワウとウミウの識別がよくわからないと質問をもらいました。識別のポイントは顔にあり、着目するのは、口角と黄色部の広さであることをアドバイスしました。参考までにその内容を紹介します。(口角と黄色部について)カワウの口角は尖っていません。これに対してウミウでは口角は尖っています。また、黄色部はカワウのほうが広く見えることが多く、ウミウでは狭い傾向にあります。(顔の白い部分について)カワウの場合は顔の白い部分が眼より下にありますが、ウミウでは眼より上まで白い点で違いがあります。(体の色について)カワウはほぼ全身が黒く、上面は茶褐色です。対して、ウミウでは全身が黒色で緑がかって見えます。(写真)一枚目:ウミウ、2021年1月3日茨城県ひたちなか市平磯で撮影二枚目:カワウ、2022年9月5日千葉県柏市手賀沼で撮影三枚目:カワウ、2021年11月23日東京都葛飾区水元で撮影四枚目:ウミウ、2018年7月3日神奈川県大磯町で撮影(顔の白い部分が眼の上にあること、体が黒色で緑がかっていることからカワウ若鳥と思われます)
2024.03.14
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北の風が強く一日でした。二週ぶりに柏の葉キャンパス駅近郊の調整池を訪ねました。昨日の雨で調整池の水位は上昇しカモはともなくシギ・チドリの姿は期待薄と思いましたが、イカルチドリ、コチドリは健在でした。湿地帯でいろいろな餌を捕食しているイカルチドリですが、意外と歩き回らないのが特徴です。対して、コチドリは小走りの移動し羽をやすめているコガモ、ヒドリガモの隙間をかい潜りながら餌探しをしていました。この他、カルガモ、コガモ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、オオバンが羽を休めていました。先週まではタシギの姿があったと聞いていましたが、水位がアップし他に移動した模様でした。(写真)2024年3月13日撮影
2024.03.13
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昨日、手賀沼沿岸でアリスイを目撃しました。バードリサーチ(2023)の全国鳥類越冬分布調査報告によると、1984年から1986年の間では関東以南から九州にかけて分布していたが、2016年から2022年の間では南関東でも観察されるなど分布が北上しています。手賀沼とその沿岸ではどうかと過去の観察記録を振り返ってみました。なお、観察地については、近年の撮影者が集中する危惧があるので原則非公開とします。(手賀沼沿岸でのアリスイ)1990年までは、稀に観察された記録があるだけだったものが、2019年秋以降観察記録が増加しています。全国的な傾向と同様の結果となっています。観察記録によると、近年は秋から翌年春にかけて滞在し越冬しているものと思われます。(1990年までの観察記録)我孫子野鳥を守る会の観察記録によると、1989年8月20日柏市布施での観察報告が認められるのみでした。(2000年以降の観察記録)2005年10月12日に柏市大津ケ丘で観察されて以来、2006年3月19日までの間と2006年11月5日から2007年4月1日の間、2008年3月29日、2009年9月18日に15件の観察報告が寄せられています。(2019年以降の観察記録)2019年11月1日から20204月7日、2020年10月から2021年3月7日の間、2021年10月24日から2022年3月24日の間、観察地は異なっているものの継続した観察記録が43件寄せられています。(写真)一枚目:2024年3月11日、二枚目:2018年2月17日、三枚目2014年1月27日、四枚目:2014年3月22日、五枚目:2014年3月22日いずれも手賀沼沿岸で撮影(引用)バードリサーチ.2023.全国鳥類越冬分布調査.2016-2022年.p我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.NO1-297.1975-2024年3-4月号
2024.03.12
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