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牛久沼沿岸に農道脇に点在している水田があります。連休前後の時期にシギ・チドリ類が渡りの途中に降り立ち、羽をやすめたり採餌する姿を見かけます。南よりの強風が吹き抜ける条件でしたが、現地を訪ねました。水田は耕起してあるところと雨ふりで水が溜まっているところがありましたが、耕起してある水田にコチドリ、ムナグロ、キョウジョシギの姿を見つけました。(ムナグロは夏羽、冬羽から夏羽に換羽中の個体、幼羽が勢ぞろい)ほとんどの個体が強風で水田に座り込んでいるものが大半でしたが、何羽かは虫またはミミズのようなものを捕食していました。(1)夏羽(写真2枚目):顔・胸・腹が黒く、上面の斑は黄色(2)冬羽から夏羽に換羽中(写真3枚目から5枚目)写真3枚目の個体は、夏羽への換羽がかなり進んでいる個体です。写真5枚目の個体は、上面に黄色味が弱く、下面も白っぽい部分が多い個体でした。写真6枚目の個体は、全体に黄色が強く、下面に黒い羽(夏羽)が点在している幼羽です。1羽ずつ見ていくと、それぞれ羽衣に少しずつ違いがあり、その特徴を観察しているとあっという間に時間が過ぎていきます。(キョウジョシギの羽衣)写真7枚目、8枚目はキョウジョシギ夏羽です。頭から胸にかけて白と黒、背と翼上面が赤褐色と黒色の模様があります。時折、ゲッケッと鳴き声を披露してくれました。キョウジョシギは、2010年以降減少となり年率6%程度のペースで減少していると聞きます。自然環境局生物多様性センターが行っているモニタリングサイト1000の調査結果でもキョウジョシギの個体数が2016年春は前年に比べて37.3%減少とショッキングな動きとなっています。(写真)2026年5月4日撮影
2026.05.04
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今シーズンの初認は3月25日で、39日目の朝となりました。雌が二か所のカラスの古巣に入る姿と新たに枝を運搬している姿を見かけます。今朝は、新しい木の又に何度も枝を運搬していました。やはり、子育て期間内でずっと使うので新築が最善なのでしょう。(造巣期は枝を運搬している以外は、巣が見える別の枝から監視する雌)造巣期は、雌はほとんどが林内に留まっています。巣が整うといよいよ産卵となりますが、産卵前は雌雄ともに林の中に留まる姿が見られます。これは、植田・平野(2003)が「産卵前の妓後の交尾が賎も受精に影響するので、この期間は最も受精に影響する期間にあたる。この時期に雄が雌と一緒にいる時間が長いことは、多くの種でみられており、つがい相手をつがい外交尾(*)から守るために行なっている行動と考えられる」と記している行動と考えられます。(*)採食地と鴬巣地が離れており、雄が採食のためなどに雌を営巣場所に残して遠くに離れる必要があり、雌を常時ほかの雄から防術することができない。そこで、つがい外交尾がおきる瀕度がほかの烏に比べて高くなると考えらると解説が付されています。(産卵前のディスプレー)平野(2005)は、ツミが産卵前にディスプレイに関して「産卵前の雌雄間のディスプレイには尾上げディスプレイと翼震わせディスプレイがある」と報告しています。一度観察してみたいとひそかに期待しています。(引用)植田睦之・平野敏明.2003.ツミの交尾行動一多数回交尾の適応的意義の検討一.Strix第21巻.p131-139.日本野鳥の会平野敏明.2005.ツミ Bird Research News Vol.2 No.2.p2-3.(写真)2026年5月3日撮影
2026.05.03
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4月に入ると水田にムナグロが飛来し、初夏到来を実感できます。胸が黒いチドリ科ムナグロとダイゼンの違いについて質問をもらうことがあります。違いについて整理してみました。(ムナグロとダイゼンの飛翔している場面の決定的な違い)決定的な違いは、ダイゼンの脇羽は黒く、ムナグロの脇羽は黒くないことにあります。飛翔している時にこの点を確認できれば遠距離であっても種類の同定が可能です。ダイゼンでは年齢に関係なく翼下面の大部分が白く黒い脇羽が目立ちます。対するムナグロは、翼下面は淡い灰褐色で、脇羽は淡褐色でありません、また、飛翔時に見えるムナグロの腰は褐色斑があり白く見えず、翼帯は不明瞭です。ダイゼンでは飛翔時に翼上面に明瞭な白帯が出て腰が白く見える点で違いがあります。(ムナグロ雄夏羽について)ダイゼン雄夏羽は、頭頂が白く、顔、腹が黒く、体上面は白く黒斑が散在します。ムナグロ雄夏羽では、頭頂には黄褐色斑と黒色斑があり、ダイゼン夏羽のように白くはありません。額から側頸、脇に続く白い帯は下尾筒まで続いていて体上面は黄褐色、黒色、白色の斑模様があります。(写真1枚目、2枚目のムナグロと7枚目のダイゼン成鳥をご覧ください)(ムナグロ夏羽、冬羽から夏羽に移行中の個体)写真3枚目から5枚目が冬羽から夏羽に移行の個体です。同じ水田に採餌しているムナグロを観察していると、実に羽衣はいろいろです。写真5枚目のような顔の黒色が不鮮明で下面の黒色斑がで始まった個体を見かけたと思ったら、換羽が進行して3枚目、4枚目のような顔や下面の黒さが濃くなっている個体と遭遇します。(ムナグロ幼羽)写真6枚目は手前が幼羽、奥が冬羽から夏羽の換羽が進行している個体です。幼羽は冬羽に似ていますが、眉斑の黄色味が強く、背や翼の黄色味が出ています。(ダイゼン雄夏羽について)写真7枚目はダイゼン成鳥夏羽です。頭上、背、翼に白斑が散在しています。くわえて、額から脇にかけての白い帯が目立ちます。ダイゼンの頭上は白色ですが、ムナグロの頭上は黄・黒・白の斑があります。このほか、ダイゼンは頚が太く、嘴も太い印象があります。(ダイゼンの冬羽から夏羽に移行中の個体)写真8枚目は、ダイゼンの冬羽から夏羽に移行中の個体です。顔と下面の黒色が濃くなりつつあります。(写真)1枚目:ムナグロ、2020年4月26日印西市、2枚目:ムナグロ、2022年5月4日手賀沼沿岸、3枚目:ムナグロ、2000年5月3日茨城県、4枚目:ムナグロ、2020年4月25日手賀沼沿岸、5枚目:ムナグロ、2019年4月24日手賀沼沿岸、6枚目:ダイゼン、2021年4月28日船橋市、7枚目:ダイゼン、2022年4月21日船橋市で観察・撮影
2026.04.02
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ホオジロ科やカラの仲間の鳥たちは、葦原の茎の鞘を割って中にいる昆虫を食べる光景をみかける時期となりました。そんな光景に出会いたくて柏市内の小さな谷津田に出かけました。谷津田は、拙宅の亭主が高校生の頃、ホームグランド手賀沼で何度かお目にかかっていた当時の柏市の文化会館の館長さんのご自宅周辺の一角にあります。晩秋から冬は、シジュウカラ、エナガなどが小さな池の葦原に飛来し、葦原の茎の鞘を割って餌を探す光景を見かけます。今朝は、エナガ、シジュウカラが飛来し、そんな光景を目撃できました。(写真)2021年11月19日撮影、2013年12月撮影、2016年11月撮影
2021.11.19
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9月に入るといよいよカモの仲間が飛来します。鳥友から質問をもらうエクリプスについて画像とその特徴を整理してみました。(1)そもそも、エクリプスとは氏原(2015)が述べているように、普通カモ類の雄に使われる用語で、雌のような地味で目立たない羽色に換わる個体をエクリプスと呼ばれています。完全なエクリプスが見られる種類は、叶内(2020)が記しているようにオシドリ、ヒドリガモ、マガモ、オナガガモ、コガモなどとされています。(1)エクリプス個体の特徴一枚目の写真は、は2016年9月14日に手賀沼で観察したエクリプス個体です。嘴基部側面に黄色味があり、脇羽は丸みがあります。さらに、最外三列風切の黒条の出方に注目すると、黒条の上辺がは羽先に向かって伸びています。アメリカコガモでは黒条の上辺が羽先3分の一程度の位置にむかって伸びており違いがあります。(2)雌非繁殖羽個体の特徴二枚目の写真は、2020年1月4日に手賀沼で観察した雌個体です。嘴基部はほぼ黒くなっています。(秋には黄色味があります)脇羽は丸みを帯びています。(幼鳥では脇羽がV字状に見えます)また、最外三列風切の黒条の出方に注目すると、エクリプスと同様に黒条の上辺がは羽先に向かって伸びています。(3)雄エクリプスから生殖羽に換羽中三枚目の写真は、2020年12月12日に手賀沼で観察した個体です。脇羽は大きめで丸みがあります。肩羽の模様は幼羽と比べると明瞭さがありません。(引用)氏原巨雄・氏原道昭.2015.日本のカモ識別図鑑.p131-137.誠文堂新光社.叶内拓哉.2020.フィールド図鑑 日本の野鳥.p36-37.文一総合出版.
2024.08.30
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3月に入りはじめて手賀沼を探索しました。東端の水田地帯をスタートし、西端の柏市大堀川河口までの計8キロを見て回りました。(コブハクチョウ上嘴基部の瘤のサイズの違い)東端の水面に64羽のコブハクチョウが水面で休んでいました。瘤が短くて薄い若鳥、成鳥で瘤の厚みがあり鼻孔が隠れている個体、鼻孔は見えてして瘤の発達している個体と実にさまざまでした。3月から6月の期間では繁殖に関連して瘤の長さは変動すると聞いているので、個体識別に使えるのかどうかは。嘴爪、眼、下顎部などの顔面にどんな違いがあるかなどを観察してみる必要があるものと思います。(利根川方面から手賀沼上空にコウノトリが出現)14時すぎ緯度35.852779、経度140.055429の上空をカラス2羽に追尾されてコウノトリが上空を飛翔する姿を目撃しました。我孫子市布佐方面より飛来し、上空を旋回し印西市方向に渡去しました。上空高くを飛翔していたので標識その識別はかないませんでした。(オオジュリン成鳥冬羽の上嘴の特徴)沼の遊歩道脇の葦原には複数のオオジュリンが葦の中に潜む虫を採食していました。上嘴が暗色で下嘴が鉛色、上嘴の丸みがあるのをあらためて観察できました。近似種シベリアジュリンの上嘴が直線的で黒いのとは違うのでしっかり観察できてよかった。(複数のミサゴの姿)手賀沼大橋から東側で1羽、西側で1羽のミサゴの姿を見つけました。ボラ、スズキ、マス、コイ、フナなどを捕食することが知られています。手賀沼ではボラ、コイ、フナなどを捕獲しているものと思われます。普段は水面の杭に止まり、接近するカラスなどはあまり気にかけないのですが、今日は視線の先をコブハクチヨウ7羽が接近してきた時にその様子を睨んでいました。(その他観察できた鳥類)ハシビロガモ、ヒドリガモ、カルガモ、マガモ、コガモ、ミコアイサ、キジバト、バン、オオバン、カイツブリ、カンムリカイツブリ、セグロカモメ、コウノトリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、ミサゴ、ノスリ、トビ、チョウゲンボウ、カワセミ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、ヒヨドリ、ツグミ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ、ホオジロ、ホオアカ、アオジ、オオジュリン、(写真)2026年3月9日撮影
2026.03.09
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鳥友から何回見てもミユビシギとトウネンの識別を迷ってしまうと連絡をもらいました。私の復習もかねて過去の画像を見返してみました。一枚目、二枚目の写真は2018年8月に三番瀬で記録したミユビシギです。一枚目は上面に赤褐色が残り、頭上や背に灰淡色の羽が見える夏羽から冬羽に換羽中に個体です。二枚目は同日に記録した個体で、額が白っぽく上面の軸斑が黒色、足と嘴は黒いなどの特徴から若鳥と思われます。三枚目、四枚目はトウネンです。三枚目は2017年8月三番瀬で記録した個体、四枚目は2014年9月に記録した個体で、肩羽に赤褐色羽があり、嘴基部が太く見えます。初列風切が尾羽より突出していることから若鳥から第一回冬羽に換羽している個体と思われます。迷ったら何度でも撮影画像を復習してあっそうかと覚えるしかありませんね。当ブログを閲覧してくださっている皆さんは、どんなふうにしていらっしゃいますか?
2019.09.20
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9月に入りはじめてホームグランド手賀沼にでかけました。柏市戸張先からスタートし、岩井、染井入、片山、布瀬、印西市発作までの約12キロを探索しました。手賀沼の東端まできたところで、チリリリと鳴き声がしたので沼の浅瀬に目をやるとイソシギとオジロトウネン姿を発見しました。帰宅後、拙宅の亭主に聞くと1980年代前半までは柏市柏下、岩井、染井入、片山などの浅瀬に少数のオジロトウネンが飛来し越冬した由。当時の鳥見人の中では手軽にオジロトウネンが観察できるフィールドとして知られていたそうです。このほか、下手賀川の水面にはカンムリカイツブリの姿、川の真ん中の小島には30羽をこえるゴイサギの群れとチュウサギ、コサギ、アマサギの姿がありました。なお、オジロトウネンは、上面の背、肩羽、雨覆の羽縁が白色で、胸が灰褐色で若鳥と思われます。(写真)2021年9月13日撮影
2021.09.13
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松戸市内の小さな公園で観察会を開催した折、観察したジョウビタキについて背に赤褐色味がある縞模様がありましたが、以前水元公園の個体は背が黒かった、その差はどうしてですかと質問をもらいました。一枚目と二枚目は本日観察した個体です。頭部は銀色で背に褐色味があり、雨覆先端と風切羽縁にバフ色が見えます。これは、雄第一回冬羽の特徴です。雄成鳥冬羽は、背が黒く羽縁には褐色味はありません。三枚目と四枚目は、都内水元公園で観察した個体です。背は背が地がグレーで黒い部分が点在し、雨覆先端と風切羽縁が淡色に見えています。雄第一回冬羽から換羽している途中の個体だと思われます。五枚目は都内水元公園で観察した個体です。背が黒く、羽縁には褐色部はない雄成鳥冬羽と思われます。珍しい種類ではありませんが、身近なところに出現するジョウビタキもよく観察してみると、年齢を識別するポイントがあります。
2021.12.15
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茨城県北部の那珂川沿いにある林道を訪ねました。お目当てはサンコウチョウは、杉林の一角に雄2羽、雌1羽、別の林で雄が各2羽を発見しました。林の中をギッギッと濁った声を出してからツキヒホシ、ホイホイホイと囀りを繰り返していました。夏鳥以外では、ミヤマカワトンボがじっくり観察できるフィールドです。写真は雌個体で雄ほど翅は濃くなく、薄い褐色に濃い褐色の帯が目立つのが特徴です。腹部は雄ほど金属光沢は強くありません。(雄の翅は濃い褐色をしており、腹部は青味がかった金属光沢色)国内のカワトンボの中では最大で、威圧感がある大きさです。(写真)2022年6月10日撮影
2022.06.10
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鳥友からカワウとウミウの識別がよくわからないと質問をもらいました。識別のポイントは顔にあり、着目するのは、口角と黄色部の広さであることをアドバイスしました。参考までにその内容を紹介します。(口角と黄色部について)カワウの口角は尖っていません。これに対してウミウでは口角は尖っています。また、黄色部はカワウのほうが広く見えることが多く、ウミウでは狭い傾向にあります。(顔の白い部分について)カワウの場合は顔の白い部分が眼より下にありますが、ウミウでは眼より上まで白い点で違いがあります。(体の色について)カワウはほぼ全身が黒く、上面は茶褐色です。対して、ウミウでは全身が黒色で緑がかって見えます。(写真)一枚目:ウミウ、2021年1月3日茨城県ひたちなか市平磯で撮影二枚目:カワウ、2022年9月5日千葉県柏市手賀沼で撮影三枚目:カワウ、2021年11月23日東京都葛飾区水元で撮影四枚目:ウミウ、2018年7月3日神奈川県大磯町で撮影(顔の白い部分が眼の上にあること、体が黒色で緑がかっていることからカワウ若鳥と思われます)
2024.03.14
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葛西臨海公園三日月干潟にカラシラサギが飛来したとニュースをもらい、現地に出かけました。頭を斜めにして走り回っている姿で遠目からでもその姿がわかりました。走り回り翼を複数回半開きにする動きは他のサギ類にはない動きです。時折、巻き貝のようなものを捕食していました。飛来している個体を観察すると、コサギと違ってふさふさした冠羽、嘴のベースの色は黄色なのですが、基部から真ん中あたりまで赤っぽく、眼先は青緑色の婚姻色個体でした。なお、頭上から額の露出部は弧を描くようになり、コサギの直線的なものとの違いがありました。カラシラサギのほかは、ダイサギ、コサギ、アオサギ、ウミネコ、コアジサシ、カワウ、オオヨシキリの姿を観察しました。(写真)2024年6月25日撮影(気温と潮位のデータ)12時時点で32℃、中潮で干潮12時30分(潮位マイナス3cm)
2024.06.24
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師走の吉川美南駅西口と東口の調整池を探索しました。西口調整池の周囲の遊歩道下の草地でベニマシコ雄3羽、雌1羽がアキニレと思われる実をついばんでいました。また、ケッケッと声を出しながら枝にツグミが降り立ちました。カモはマガモ、コガモが水面で羽を休めていましたが、水辺ギリギリの草地に釣り人が立ち入ったのに驚いて北西方向に群れで渡去してしまいました。次に訪ねた東口調整池では、マガモ、コガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、オオバンが水面で羽を休めている姿、電柱に止まり何度も地面に降り立ち餌を捕獲していたチョウゲンボウの姿を観察しました。(写真)2024年12月26日撮影
2024.12.26
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4月に入るとセッカ科のセッカが姿を見せるようになります。探鳥会の折、リーダーがセッカの雄は「ヒッ、ヒッ、ヒッ」と鳴きながら上昇し、下降しながら「チャチャッ、チャチャッと鳴く一夫多妻性の鳥です」と解説しているのを見かけます。「一夫多妻ということは、雌が多いのでしょうね」と聞かれることがありますので理解をすすめるために知見を整理してみます。(1)セッカの一夫多妻性について上田(2006)は、セッカの形態、生活史、生態についての知見を整理し報告しいます。一夫多妻制については、「一夫多妻だが、特にメスの数が多いわけではない。ヒナの性比は、判定ができていないので断定はできないが、おそらく性比は1:1だろうと思われる」と述べています。くわえて、一夫十一妻となった例を紹介し、「1羽の雄が同時に11羽ものメスとつがっているわけではなく、次々とつくった巣にメスを引き入れて、連続的に一夫多妻になる」と記しています。(参考:オオヨシキリの一夫多妻性)ヨシキリ科のオオヨシキリも一夫多妻性の小鳥です。西海(2007)がセッカについて「一夫多妻制。オスの20~30%が2~3羽のメスとつがう半面、なわばりを持っても1羽のメスともつがえないオスが15%前後いる。同一なわばり内で複数のメスが別々に順次営巣する」と報告しています。(2)セッカの雌雄a.頭部上面と尾羽先端部上田(2006)が「繁殖期のオスの頭部上面は一様な褐色であるのに対し、メスの頭部上面は淡い褐色の地に黒褐色の縦班が存在するため、一見してザクザクした感じになる。この縦斑はメス幼鳥ではよく目立つが、成鳥ではいくぶん不鮮明になるので注意が必要。またセッカでは中央の2枚を除く、10枚の尾羽の先端部に白色部があらわれるが、この白色部分がオスでは鮮明であるのに対し、メスではかすかに褐色がかっている」と報告しています。茨城県稲敷市浮島で2020年5月に観察した個体(一枚目の写真)を見ると、たしかに尾羽先端部に白色が現れています。これに対して、2016年7月に浮島で観察した個体(二枚目の写真)の尾羽先端部をみると褐色がかっています。b.口の中の色上田(2006)は、「繁殖期のセッカでは、オスの舌及び上下の嘴の内側(つまり口の中)が真っ黒になる。メスは普通舌の基部に舌に平行に2個の黒班が存在する以外は嘴の内側は肉色」と記しています。(引用文献)上田恵介.2006.セッカ.Bird Research News Vol.3 No.5.p2-3.
2026.03.26
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先月27日にサシバを初認してその後の様子を見に出かけました。サシバの生活ステージは、求愛期(テリトリー誇示や求愛給餌)、造巣期(雄が巣材運びと造巣、雌は主に産座つぐりを担当)、抱卵期、巣内育雛期、巣外育雛期から構成されています。(求愛期の雌はなわばり内でたたずみ、雄がひたすらテリトリーを守り、餌探し)今日訪ねた谷津田では雌が例年巣作りしている一角の電柱小一時間以上止まっていたのに対して、雄はテリトリーに侵入してきたハヤブサ、トビを追い払い、雌への求愛給餌の餌探しに余念がありませんでした。電柱のてっぺんに止まり、水田の畦を動く小動物を捕食する光景を目撃しました。捕獲した餌は電柱に止まる雌に運搬し、さらにそのあとも餌探しをしていました。雌からすれば、雄の餌獲得の能力、テリトリー防衛の能力などを求愛期に見極めているのかもしれません。(サシバの雄、雌の特徴)雄は頭が灰色味があり、胸が茶色、対する雌は眉斑が雄に比べると目立つこと、胸が斑状となっています。(サシバが住む谷津田には食べ物のヘビ、カエルが豊富)水田が耕作されている谷津田ではサシバが餌とする両生類(カエルなど)、爬虫類(シマヘビ、ヤマカガシ)、哺乳類(ネズミ)、昆虫(カミキリなど)、その他(ムカデなど)が豊富です。これらにくわえて、草刈が行われているのでサシバが餌を捕獲しやすいということも大事に要素となっています。農家の営みとサシバの暮らしが結びついていることを表しています。(写真)2026年4月6日撮影1枚目から4枚目:雌成鳥個体、5枚目から7枚目:雄成鳥個体
2026.04.06
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鳥友からコサギの飾り羽について質問を受けました。コサギの羽毛について整理しました。参考となれば幸いです。繁殖期のコサギには頭部に2本程度の飾り羽と胸や背に飾り羽がのびています。独身の雄が背と胸につけている蓑毛(繁殖羽)をディスプレーのときに広げてのダンスお見事です。なお、非繁殖期で灰黄色だった嘴基部が赤色に変化し婚姻色と呼ばれます。(飾り羽について)飾り羽は正羽と呼ばれるもので、1本の軸を中心に膜のように広がる羽毛です。これに対してダウンのような軸がない羽毛は綿羽と呼ばれます。(羽毛の種類)コサギの羽毛は正羽、綿羽、半綿羽(半正羽)、粉綿羽、糸状羽、剛毛羽の6種類から構成されています。正羽は,羽弁,羽軸,羽軸根(羽柄)で構成され、羽には分岐構造がある点で動物の毛髪と異なります。(写真)一枚目:飾り羽が長いコサギ、2022年3月21日谷津干潟二枚目:蓑毛と嘴基部がピンク色の婚姻色となったコサギ、2015年5月31日越谷市三枚目:上から見た蓑毛、2021年5月23日土浦市四枚目:後方から見た蓑毛、2021年5月23日土浦市五枚目:正面から見た蓑毛、2022年2月19日柏市六枚目:横方向から見たコサギ、2016年7月12日葛西臨海公園
2022.04.10
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印旛沼と房総のむらを探索しました。印旛沼吉高機場から甚平渡しの間の遊歩道を探索し、沼の水面の水鳥を観察しました。ケリ10羽が水田で休んでいる姿を発見したり、沼の水面にマガモ、オナガガモ、ススガモ、モモイロペリカンのかんちゃんの姿、ダイサギがカモのように水面に浮かぶ姿を観察しました。また、帰り道に立ち寄った房総風土記の丘では、オオルリ、キビタキ、エナガ、シジュウカラ、ヤマガラ、コゲラ、メジロ、モズの姿も観察できました。(写真)2023年10月16日撮影
2023.10.16
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ガンカモ科シマアジは、和名を「縞味」とつけられています。石田(2015)が食用にされた歴史があり、和名「アジ」は味がよかったことに由来すると述べています。味についてはカモ肉の中ではどんな位置だったかについて文献を紐解いてみました。皆さんのミニ知識として参考となったら幸いです。(当流節用料理大全が記載している鳥類)真鶴、こん鳥、黒鶴、真雁、雁金、白雁、海雁、真鴨、真鴨、僧鴨、真崎鴨、吉崎鴨、足鴨、口鴨、小鴨、あぢ鴨、嶋あぢ鴨、赤頭鴨、川喰鴨、ひでかげつ鴨、羽白霜振鴨、鈴鴨、大赤頭、神子鴨、ほひらき鴨、黒鴨など約82種類の調理法が掲載されています。嶋あぢ鴨がシマアジのことを指しているものと思います。(あぢ鴨はトモエガモのことを指しているようです)(シマアジは肉のランクとしてはどんなポジションか)石田(2015)が味がよかったと紹介している点を文献でたどってみましたが、食用ランクのようなものは見つけらませんでした。しかし、マガモ雌雄1ペアを基準とした販売価格が存在していたことを菅(1995)が紹介していました。それによると、カモ肉の場合、マガモ雌雄番いの価格を決めそれを基準にして相場価格が決定されたとあります。マガモ1に対してガン1.5、オナガガモ0.3、ヒドリガモ0.25、キンクロハジロ0.2、シマアジ0.14、ハシビロガモ0.14などの売買比率が記されていました。(江戸時代の建前と実際)江間(2013)が報告しているように、文献を振り返ると、仏教の伝来とともに天武天皇(675)が肉食禁止令を発して以来、牛、馬、犬、猿、鶏などの肉を口にしなくなった、また1687年徳川綱吉が生類憐みの令を出し、1709年に廃止されまで料理本の出版物も控えられていたと記されています。その後も徳川吉宗が1718年に鶴、白鳥、雁、鴨が少なくなり食用にすることを禁止しました。しかし、菅(1995)が述べているように、1744年に水鳥荷物の検査所を設け水鳥問屋が売買するという幕府公認の仕組みが存在し、1842年問屋組合が停止されるまで続き、その後も第二次大戦以前まで農閑期の冬場に水鳥猟が続けられていました。それは、農家の閑散期の生活を支える意味と貴重な蛋白源として重用され東京などの大消費地へ供給されていました。(引用)当流節用料理大全.1978.江戸時代料理本集成3巻.pp12-260.臨川書店.菅 豊.1995.朝日百科日本の歴史別冊.通巻18号.p35-51.江間三恵子.2013.日本食生活学会誌.第23巻.第4号.p247-258.石田光史.2015.野鳥図鑑.p46.ナツメ社.(写真)2024年4月13日さいたま市、2017年4月16日習志野市秋津、2019年10月7日水元公園で撮影
2024.04.14
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先週25日に葛西臨海公園でカラシラサギと出会うことができました。葛西では2008年9月14日に観察して以来、16年ぶりの再会でした。雨降りでフィールドに出かけられないので、特徴を復習していました。(アップした画像のうち、コメントがないものは葛西で撮影)(1)観察した個体について観察した個体は夏羽で、コサギと違ってふさふさした冠羽、嘴のベースが黄色で基部から真ん中あたりまで赤っぽく、眼先は青緑色の婚姻色個体でした。なお、足は黒色、趾は黒っぽく見えていますが本来は黄色です(泥で汚れていた可能性あり)(2)夏羽と冬羽について前回の個体は嘴が黒味がかって基部近くが黄色で冬羽にかわりつつあり、後頭の冠羽は短いものが残っているだけでした。完全な冬羽の冠羽はなくなります。一枚目の画像:夏羽、2024年6月25日撮影、二枚目の画像:冬羽に換羽中、2008年9月14日撮影(3)嘴の長さ嘴先端から後頭までを100とすると、カラシラサギでは嘴が35%、コサギが54%を占めています。第一印象ではカラシラサギの嘴が長く感じましたが、嘴の割合を調べてみると逆でした。三枚目の画像:2024年6月25日撮影(左カラシラサギ、右コサギ)(4)後頭の冠羽画像では14本まで数えることができました。コサギより冠羽の本数が多いのがわかります。なお、コサギの冠羽は2本と記している図鑑類がほとんどですが、その長さは個体差があります。四枚目の画像:後方からの姿、2024年6月25日撮影五枚目の画像:コサギ、2022年3月5日谷津干潟で撮影(5)餌の取り方の違いカラシラサギは、魚の動きを見て、バスケットボールでいうピボットターンのような動作をしているのを観察しました。足を軸にして90度近く回るような動きをしていました。それに対して、コサギは魚を狙う時、浅瀬を直線的に羽を広げて移動し小躍りするようにステップを踏んで水中の魚を驚かせているように見える動きをしていました。同じサギなのにずいぶん違いがあるものだと思いました。六枚目、七枚目の画像、2024年6月25日(最初左側を向いていたものがくるりと回転)八枚目の画像:コサギ、2020年9月20日撮影
2024.07.01
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8月に入りはじめて印旛沼(北部調整池)を訪ねました。先月は沼の東端の水域にクロハラアジサシ、コアジサシが飛翔していましたが、今日は成田市側の水域を飛翔しており、写真記録はかないませんでした。しかし、幼鳥が誕生したヨシゴイは、餌の捕獲で沿岸の田んぼへ出かけて捕獲、すぐ巣にいる幼鳥のもとに帰還のパターンを繰り返していました。沼の水面に注目すると、水面を全体はマガモ似の個体を発見。マガモであれば黄色であるはずの嘴がこげ茶色、虹彩は暗色、不明瞭な過眼線、嘴基部に白っぽい部分がある個体でした。このほか、上尾筒、下尾筒が黒色のカルガモ雄、上尾筒、下尾筒が淡色の雌、水草が堆積して浮いている水域でカイツブリの親子の姿、モモイロペリカンがー君、沿岸の電柱、電線、フェンスの上には複数のホオジロが囀っている姿がありました。ホオジロは頭と耳羽が黒色、上面は赤褐色が鮮やかで夏羽雄個体と思われました。(写真)2025年8月3日撮影
2025.08.03
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使う巣の場所が決定した模様のサシバペアの様子を観察しに出かけました。到着してからのルーティンは、ペアの姿の位置関係を把握することから始めます。そうでないと、営巣した場所に出入りしなくなったり影響を与えてしまうからです。(テリトリー防衛と餌探しに全力投球のサシバ雄)雄の姿は谷津田を見渡せる最も高い木のてっぺんにありました。その後、田んぼ脇の電柱に止まり、畔を移動する小動物の動きを凝視し捕獲。(写真1枚目、2枚目を参照)途中、上空にオオタカ、トビが出現し飛翔し追い払うために一時的に渡去しました。(この2種は、サシバと同様に見晴らしのよい場所に止まり待伏せ型の狩りをしますので餌場が重ならないように防衛しています)(営巣場所の近くの電柱で雄の帰りを待つ雌)雄が狩りに出かけている間、雌は羽根の手入れに没頭。前日の雨で手入れができなかったのでいつもより念入りの印象を受けました。雄が出かけて30分弱経過した時、ピークィーと鳴き声をあげたのでどうしたのかと待機場所から確認すると、雌の止まっている電柱に雄が飛来し小さな虫をプレゼントした模様でした。(写真6枚目、7枚目)その後雌は、電柱の直下の畔に動く小動物を発見した模様で凝視している様子を観察し、谷津田を後にしました。(写真)2026年4月11日撮影
2026.04.11
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サンショウクイ科サンショウクイとリュウキュウサンショウクイは、サンショウクイが夏鳥として主に本州から九州で繁殖している種類、リュウキュウサンショウクイは南西諸島で繁殖し、九州南部等でもまれに繁殖、越冬している種類です。ところが、2012年以降、もともと南方系の亜種リュウキュウサンショウクイが越冬期に大阪府、静岡県、神奈川県で観察されてその後、都内水元公園でも2020年前後から姿が目撃されています。越冬してきた個体がそのまま繁殖にいたる可能性も考えられることから動向が注目されています。(1)全国的な分布傾向奴賀・森本(2022)は全国規模で行っている陸生鳥類調査の結果を報告しています。報告では「近年,亜種リュウキュウサンショウクイは分布が拡大傾向にある(中略)亜種リュウキュウサンショウクイの過去6年間(2016~2020年)の出現率は増加傾向にあり、2018年度以降は10%前後で推移しています。2019年度までは,沖縄県,九州,四国での確認でしたが、2020年以降は,関西,関東でも記録され、2016~2021年度で記録のある都道府県は,沖縄,鹿児島,熊本,宮崎,佐賀,福岡,徳島,高知,愛媛,岡山,大阪,和歌山,三重,東京です」と報告しています。(2)西日本における分布拡大三上・植田(2011)はアンケートや文献調査から,亜種リュウキュウサンショウクイの西日本における分布拡大状況を把握し「1970 年前後には既に九州南部に生息し,繁殖していた。1980 年代後半から 90 年代後半にかけて九州南部から北部へと確認地点が増加したが、福岡よりも早く四国で確認され、2000 年代には高知,広島,奈良などで記録されるようになった」と報告しています。(3)リュウキュウサンショウクイの関東地方における動向現時点では、関東地方での繁殖は認められていないものの、営巣しようとした事例も耳にします。越冬したリュウキュウサンショウクイがそのまま繁殖する可能性も捨てきれないことから注目されています。関東地方各県ではじめて観察された記録を整理してみると、つぎのとおりです。(なお、茨城県は確認できず)(1)神奈川県八木(2020)の報告では、2012年12月に松田町、2015年 3月に秦野市で観察したと記されています。(2)東京都(ユリカモメ No.749 2018.3)ゆりかもめ(2018)に2017年1月11日に都立野川公園の小金井市内、同公園で同年2月17日に観察記録があると記されています。(3)埼玉県(そうかいきものだより 2020年2月 p6草加市(2020)に2019年11月2日、そうか公園で観察されていると記されています。(4)千葉県(千葉県立中央博物館 しいむじな p2.2018年5月26日に鴨川市清澄寺で観察されたと記されています。(5)群馬県(群馬県立自然史博物館研究報告(29):124)深井(2025)2021年1月8日に高崎市寺尾町で観察されていると記されています。(6)栃木県(日本野鳥の会栃木県支部の調査研究報告書(Accipiter Volume 24)2019年11月4日および6日宇都宮市内で観察されたと記されています。(2)リュウキュウサンショウクイとサンショウクイの識別についてa.声による識別三上・植田(2016)が鳴き声を解析した結果を報告しており、その中で「言葉で表現すると「尻上がり調子なら亜種サンショウクイ,フラットか尻下がり調子なら亜種リュウキュウサンショウクイ」といえるだろう」と報告しています。b.観察での識別五百沢(2000)は、リュウキュウサンショウクイについて「胸が黒っぽい、正面の灰色が濃く、黒味を帯びる、額の白色部は狭いなどの点でサンショウクイと異なる」と報告しています。永井(2014)は、リュウキュウサンショウクイ雄は額の白色部はわずかで、サンショウクイ雄との識別点であり、上面は黒灰色、下面は黒味のあるものが一般的だが白い個体もいる。雌は頭が黒灰色で上面はサンショウクイに似るがより暗色、胸や脇に黒色味があると記しています。(引用)ゆりかもめ.2018.日本野鳥の会 東京支部報.第749号.しいむじな.2018.千葉県立中央博物館 ニュースレターしいむじな.p2.平野敏明・戸室由美.2019.日本野鳥の会 栃木県支部研究報告書Accipiter.第24巻.五百沢日丸.2000.日本の鳥550山野の鳥.p142.文一総合出版.永井真人.2014.比べて識別 野鳥図鑑.670.p78.文一総合出版.八木 茂.2020.神奈川県秦野市におけるリュウキュウサンショウクイの造巣から巣立ちまでの観察.日本野鳥の会神奈川支部研究年報 BINOS vol.27.p1-10.草加市.2020.そうかいきものだより.2020年2月号.p6.(写真)1枚目、2枚目:2024年1月3日都内で観察・撮影、3枚目、4枚目:2025年5月22日長野県で観察・撮影
2026.04.27
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群馬県館林市城沼のほとりにサギのコロニーが形成されており、その様子を観察しに出かけました。来週10日から8月にかけて夏の城沼花ハスまつりが開催されます。ハスにヨシゴイが飛来する光景を目撃できたらと思っていましたが、探索した範囲ではその姿は目撃できず。それでも、館林市市役所近くの林には、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アマサギ、ゴイサギ、アオサギといったサギ類が集団で営巣し、子育てに大忙しでした。ハスの花はまだ咲いていないエリアが圧倒的でしたが、開花とサギ類、カワセミとのコラボ、楽しみです。(写真)2023年7月5日撮影
2023.07.05
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一昨日、市川市大町自然公園でキセキレイを見かけました。図鑑によっては都市部で見ることは稀と記しているものがありますが、植田(2023)が記しているように、(全国鳥類繁殖分布調査で報告されている標高帯別の記録率では、キセキレイは0-100mの低標高地こそ記録率が低いものの、それ以上の標高帯では高い頻度で記録され、低標高の場所を除くと高確率で見られるのがキセキレイが一番よく見られるセキレイです。また、キセキレイは、季節移動をし北東北よりも北の地域では冬にキセキレイはいなくなり、そして日本海側ではより南の地域でもいなくなってしまうと前出の植田(2023)が報告しています。くわえて、冬の平均気温(12-2月)、最深積雪深を集計してみた結果、冬の平均気温が0℃を下まわるような場所、積雪深20cmを上回るような場所では、キセキレイは冬期にはあまり分布しないことが判明したと述べています。大町で見かけたキセキレイは厳しい冬に移動してきたものではないかと思われます。(キセキレイの冬羽の雌雄について)永井(2014)は、キセキレイの冬羽では雌雄の識別は困難と記しています。ところが、叶内(2011)が成鳥冬羽は雌雄とも似ているが雌より雄のほうが多少黄色味が強いと報告しています。いくつかのフィールドで記録した画像を見返してみましたがそれらしい個体は見当たりませんでした。これから春までの間、注視してみようと思いました。(写真)一枚目、二枚目:2024年1月26日市川市大町、三枚目、四枚目野田市座生、五枚目:2015年5月23日栃木県奥日光、六枚目:2011年5月15日栃木県奥日光で撮影(引用)永井真人.2014.野鳥図鑑670.p166.文一総合出版.植田睦之.2023.日本の森の鳥の変化:キセキレイ.バードリサーチニュース.2023年11月.
2024.01.28
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2月7日都内水元公園で標識を装着したユリカモメ4羽を観察しました。観察した個体に装着されていたのはいずれも青いカラーリングで、E/N、G/V、A04、7Vでした。観察した当日、早速山階鳥類研究所経由でユリカモメ標識グループに報告しました。一昨日、その結果について報告をもらいました。どこから来て、どこで越冬しているのかがわかるので観察する都度、とても楽しみにしています。(1)E/Nの標識個体について標識装着2013/3/13、、千葉県市川市行徳野鳥観察舎前丸浜川、成鳥と判明。訪朝後10年10ヶ月経過。(2)G/Vの標識個体について標識装着2013/12/19、千葉県市川市行徳野鳥観察舎前丸浜川、成鳥と判明。放鳥後、10年1ヶ月経過。(3)A04の標識個体について標識装着2023/01/06、茨城県水戸市千波、成鳥と判明。(4)7Vの標識個体について標識日時2021/04/02、東京都墨田区隅田川水神大橋、成鳥と判明。放鳥後、はじめての記録。(ユリカモメの標識調査)事務局からは、2010年から東京都墨田川でユリカモメの標識調査をスタートした由。関東地方では、ユリカモメの標識調査はほとんどされておらず、冬の間、ユリカモメがどのような動きをしているのかは、わかっておらず、ユリカモメに足環をつけ、観察情報を集めることで、ユリカモメの冬の間の行動範囲を調べることとなったとのこと。これまでの結果では、ユリカモメの中にも個性があるようで、冬の間、東京近郊のほぼ同じ場所で観察されるものもいれば、広く動き回っているものもいるとのことでした。(カモメ類の最年長記録)私が観察した個体の中では、2018年11月14日に都内不忍池で観察したウミネコが訪鳥から15年1ヶ月経過した個体でした。
2024.02.14
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干潮が11時前で穏やかなお天気で春の三番瀬を探索するのに絶好の条件でした。(三番瀬のカモたち)水面にはススガモ、ビロードキンクロの姿を発見。ビロードキンクロは浅瀬で寝入っていましたが少し経つと水面に出て移動をはじめました。全身黒っぽく、眼の後に吊り上がった三日月型の白色部、嘴上部基部の瘤状突起があり、嘴前半は紅色で外縁に沿って黄色部があり、翼を広げた時に次列風切の白色部が目立ちました。(三番瀬のシギ・チドリ)浦安側の干潟からスタート。ダイゼン夏羽の頭が白くなっている個体、上面の各羽の羽縁は白色ですが、遠目では黄色味があるように見えましたが胸に細かい斑があった第一回冬羽、背や翼の各羽に黒い軸斑があった幼羽個体と実にいろいろなバリエーションを観察しました。続いて出会ったオオソリハシシギ、下面の橙色。上面の黒い軸斑と橙色の羽縁の夏羽、背と翼の羽縁が白っぽい幼羽個体を観察しました。このほか、近年激減したと言われているハマシギも群れで降り立ってくれて頭と背の赤褐色の地に黒褐色の斑を堪能しました。なお、サルハマシギはハマシギの群れの中に1羽で下面は赤褐色で、背と翼は黒、赤褐色、白の斑がある夏羽でした。記録撮影はかなわず、残念。(その他水鳥)14時前後から潮が満ちてきて、水面のあるか遠くに姿のあったユリカモメが近くに降り立ち、姿を観察することができました。頭部が褐色味のある黒の成鳥夏羽、雨覆や風切に褐色の斑が残っている第一回冬羽と出会えました。このほか、波打ち際を餌を探して忙しく動き回っていたコサギ。こんなに長かったのと思うくらいの冠羽が目立ちました。(写真)2026年4月17日撮影
2026.04.17
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20日に姿をみつけたカモ科シマアジをもう一度観察したいと思い、手賀沼沿岸に出かけました。ほとんどのカモ類が北帰行となった後ですが、シマアジのほか、コガモ、ヒドリガモ、カルガモの姿がまだ観察できました。このほか、遊歩道脇の荒地ではコチドリ雌雄が鳴きながら移動。産卵できる場所探いで忙しい模様でした。(シマアジ再会)非繁殖羽の期間が長いと言われているシマアジ雄生殖羽をじっくり観察できる機会はなかなかありません。もう一度観察して気が付いたのが、目の上から後方にかけて眉のように走る模様が眉斑と呼ばれますが、シマアジを前方向から見ると意外と立体的でした。また、脇から下腹にかけて白地に波状の黒いさざ波のような模様が入っているのも発見でした。このほか、雌の姿も発見。羽縁の幅広で羽衣が明るく見えるのが特徴です。(コガモ雄成鳥生殖羽の翼)コガモは尖翼中腕型の翼は、翼面荷重が軽く狭い空間でも離着陸が可能です。このおかげで天敵が登場しても水面からすぐに飛び上がり、狭い空間を逃げ延びることが可能です。雨の翌日、浅瀬で翼を広げて羽づくろいを余裕たっぷりに行うのもコガモのなせる業です。(草地を威風堂々と移動するキジ雄成鳥)手賀沼遊歩道脇には草地があります。ここを縄張りにしているのがキジ。ケン、ケーンし鳴き母衣うちを披露しながら雌を呼ぶのがキジの雄。縄張りを移動して餌を探す光景をよく見かけます。(ツバメの採餌)畑地の地面に何度もツバメが降り立ち、採餌する光景を見かけました。飛翔性昆虫を採食することが知られていますが、畑地で虫を捕食する光景を目撃しました。(遊歩道脇のベニシジミ)ハルジオンの花蜜を吸いにベニシジミが登場。草地があると姿を現すシジミチョウ科の蝶です。白い花に飛来するその姿のコラボが素敵でした。(写真)2026年4月24日撮影
2026.04.24
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海鳥を探しに茨城県神栖市波崎新港まで出かけました。港の水面にはホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、ウミアイサ、アカエリカイツブリ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、セグロカモメ、オオセグロカモメ、ウミネコ、シロカモメ、ユリカモメの姿がありました。また、帰りがけに立ち寄った銚子第三漁港内でクロサギの姿も発見。(写真)2020年1月25日撮影
2020.01.25
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千葉県北西部に姿のあるチョウゲンボウとハヤブサを見に出かけました。チョウゲンボウの営巣場所の換気口を見ると、若鳥と思われね個体が外に向かってキィキィと餌を要求しているような鳴き声を出していました。その10分後、成鳥雄が獲物をぶら下げて帰還。巣の中に入りしばらく出てきませんでした。その間も若鳥は鳴き声を出し続けていました。若鳥ではなく抱卵している雌に雄が獲物を持ってきたようでした。その後、雄は巣とは反対側のビルの一角にとまり、羽繕い。ハヤブサは相変わらず地上高100m前後の場所に姿があり、ウトウトしていました。おそらく、夜明けともに狩りに出かけ、その後は休息をとっているものと思います。先月25日に姿を発見して以来、20日以上が経過しています。未だ、雌の姿が確認できていないので雌が抱卵に入っているかどうかは不明です。抱卵期に入っていれば30日程度が日数経過後に孵化、孵化2週間程度が経過すると雌が雛を見守りながら雄からの餌を受け取るようになると思いますので、今後の動きに注目しています。帰り道、オフィスに戻る途中、別の商業施設に複数のイソヒヨドリ雄が囀っているのを見つけました。これまでは、複数の雄の存在はなかったのですが、今シーズンはそれぞれの縄張り内での行動に注目しています。(写真)2025年4月17日千葉県北西部で撮影
2025.04.17
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昨日雨が降り続きツミの様子を確認できませんでしたが、今日は曇りで蒸し暑い朝。現地を訪ねてみると、巣に雄が座り込んでおり、雌は巣の外にでかけていました。巣の大きさが少し大きくなっており、青葉も搬入していました。青葉は造巣している時期に搬入するのですが、今年はパターンの違いがあります。到着直後に雌が巣の下方向からすーと巣に入り、雄と巣の番を交代。いつもは巣に雌の姿、餌を持参した雄が雌に餌を受け渡した後に巣に入ります。それがいつもとは逆で、交代が瞬時に行われたのはなぜと思い、林の中を確かめるとオナガの巣が地面に落ちていて、卵も破壊されている状態を見つけました。たぶんカラスが襲撃して巣を破壊した可能性が高いものと思われました。カラスからの防御もあり、より俊敏に追尾できる雄が巣を見渡せる枝に移動したのだと思われました。その後、接近してくるキジバト、オナガ、カラスを全速力で追尾し追い払っていました。(ツミの捕獲している餌について)鳥友からツミが捕獲している獲物について質問をもらいました。今年の造巣場所ではまだ未確認ですが、従来見かけた獲物は、スズメが最も多く、ついでシジュウカラ、ムクドリ、オナガの順でした。ただし、シジュウカラは雛の成長期に多く捕獲し与えているのを見かけています。誕生から生育期は、誕生した雛に均等に量を与える必要があるので多く捕獲し与えているのではないかと思われます。アップした写真のうち、七枚目はスズメの頭を削ぎ落としてから解体していた時のもの、八枚目はオナガを捕獲し羽毛をむしりとり解体していた時のものです。(写真)一枚目から四枚目はツミ、五枚目、六枚目はオナガと巣と地面に落下していた卵の一部(写真の画面中央)です。いずれも2025年5月18日撮影
2025.05.18
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(各地の川が生物のゆりかごになっている)6月5日に新聞で国土交通省が実施した河川水辺の国勢調査の結果、河川の自然度を示す指標と調査対象16河川のうち、14河川でコチドリが継続的に確認されたと報じられました。国土交通省の資料を確認すると、コチドリは、平成3年から平成7年は80.2%、平成8年から平成12年は92.4%、平成13年から平成17年は95.9%、平成18年から27年では93.5%、平成28年から令和5年では97.2%で確認したと報告されています。日本各地の川が生物多様性を支える重要な生き物のゆりかごであることが浮き彫りになったと記されています。(コチドリは河川環境をほとんど利用しない)笠原(2020)は、日本に春に渡ってきて河川の砂礫地で繁殖するを対象に、GPSロガーを用いて年間の移動経路と利用環境を把握した結果を報告しています。春の渡りではフィリピンの越冬地を出発後、秋の渡りを逆になぞるように台湾や中国を経由して日本に戻ってきたと報告しています。報告で注目されたのは、「繁殖地のような河川環境を移動していくのではという予想に反して、水田での記録が圧倒的に高い割合を占めた」「7月以降、コチドリたちが水田で採食することは知られています。しかし、河川環境の利用がほとんどないという結果は衝撃でした」「繁殖場所となる河川等の砂礫地は、植生遷移や外来植物の侵入などによって全国的に減少しており、将来的な個体数減少のリスクを抱えています」と述べている3点です。(内陸部、柏市を選んで繁殖しているコチドリ)柏市とその周辺では、砂礫地のある環境はほとんど見かけません。しかし、1975年から2025年の間でコチドリが継続して観察され、水田、畑地、住宅地で繁殖が認められています。多くの図鑑類が「砂礫地や埋立地の地上に営巣し、住宅地の空き地に営巣することもある」と解説をしていますが、柏市内では、身近な環境で造巣、産卵、子育てをしており、都市環境を選んで飛来しているとも表現することができます。河川、水田、そして都市環境それぞれの保全に多くの皆さんが関心をもってくださったら幸いです。(1)水田での観察記録春と秋の時期に柏市曙橋で2005年以降、柏市片山新田で2007年以降、柏市水道橋で2007年以降観察されています。水道橋では秋期最大35羽の姿が記録されています。(2)畑地での観察記録市内の畑地で繁殖期に観察されています。(3)住宅地での観察記録1999年6月以降で柏市南部の複数の駐車場で記録され、繁殖が認められます。(4)湿地での観察記録柏市北部の湿地で2018年4月以降、ほぼ通年観察され、繁殖期に幼鳥、若鳥が確認されていることから繁殖している可能性が高いと思われます。(引用)笠原 里恵.2020.どこからきてどこへいく?日本で繁殖するコチドリの渡り 報告編.Bird Research Water Bird News.p2-3.(写真)一枚目、二枚目:成鳥、雌2025年6月7日、三枚目:成鳥雄、2025年6月13日柏市内で撮影
2025.06.14
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朝から曇りで肌寒い日となりましたが、手賀沼沿岸をシギ・チドリの姿求めて探索しました。耕起されていた田んぼにムナグロ、チュウシャクシギ、キョウジョシギ、キアシシギの姿を見つけました。帰り道、谷津田に立ち寄り、木のてっぺんに止まり田んぼの餌の動きを凝視していたサシバ雄成鳥の姿を見つけました。(ムナグロの羽衣)最初は群れのすべてが耕起してある田んぼに座り込んでしましたが、待機していると起き上がり餌探しをはじめたので記録写真をとらせてもらいました。全体的に黄色味が強く頭部が小さめの印象のある幼鳥、下面に黒い羽(夏羽)が点在する冬羽から夏羽に換羽中の個体、下面が真っ黒になっている成鳥夏羽個体といろいろでした。(チュウシャクシギの羽衣)ムナグロが休んでいた田んぼに飛翔してきたチュウシャクシギが降り立ち、餌探しをスタートした光景を記録写真をとらせてもらいました。明瞭な眉斑と側頭線、喉から脇にかけて褐色斑があり、雨覆・三列風切の摩耗がないように見えるので成鳥夏羽と思われました。(キョウジョシギの羽衣)キョウジョシギは、ムナグロの群れの外側をせわしなく移動し餌探しをしていました。上面の暗色部が残り、雨覆の羽縁に白っぽさがあり幼鳥または第一回冬羽と思われました。(キアシシギの羽衣)キョウジョシギ以上の忙しそうに水田を動き回るキアシシギを見つけました。頭部から体上面が灰色で眉斑が見られたので成鳥夏羽と思われました。(幼鳥は上面が灰色で小さな白斑があります)(その他)ムナグロなどの姿があった田んぼでキジバトが餌探しをしていました。普段は地面で餌探しをしている姿を見ることか多いので、シギ・チドリと思って注目してしまいました。(キジバトさん、失礼)(写真)2026年4月30日撮影
2026.04.30
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国道356号線沿いに広がる水田地帯をシギ・チドリの姿を求めて探索しました。1998年から今シーズンで28シーズン目となりました。かつては、キョウジョシギ150羽前後、ムナグロ250羽前後、タシギ、キアシシギ、チュウシャクシギ20羽前後などが水田で採餌していたり、畔で休む姿を見かけましたが、2011年以降はチュウシャクシギ10羽未満の姿を見かけるのみとなっています。北西の風が強かったのですが、ホィ、ピピピピヒと鳴き声でその存在に気がつきました。(チュウシャクシギの渡り経路)5月連休前後からその姿を観察できるチュウシャクシギ、図鑑によっては春の田んぼで大群になるとか、ユーラシア北部、北アメリカ北部で繁殖し、アフリカ、中東、インド、東南アジア、オーストラリア。北アメリカ南部、南アフリカで越冬し、日本には旅鳥として飛来と解説されています。ところが、細谷ほか(2024)が指摘しているように、繁殖地、越冬地、中継地の生息場所詳細が解明されておらず、日本での移動情報は限られたのみで、標識調査での確認も6件のみです。にもかかわらず、多くの図鑑類に解明されているような記述がするのは摩訶不思議です。(本日見かけたチュウシャクシギ)国道356号線沿いの水田地帯で観察したチュウシャクシギの写真をアップしました。写真一枚目のような整った羽衣の成鳥、雨覆・三列風切が摩耗している第一回夏羽と思われる個体と実にいろいろでした。これらの個体がどこから来てどこへ向かうのか興味のあるところです。(その他)水が張られた田んぼの一角でツグミの姿を複数見かけました。(写真)2026年5月1日観察・撮影(引用)細谷淳・田谷昌仁・井上遠・仲村昇.2024.春を告げる渡り鳥、チュウシャクシギの命をつなぐ渡りルートを探る.バードリサーチ調査研究支援プロジェクト 2024年度.pp2.
2026.05.02
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東京湾や内陸の湖沼ではほぼ通年ミサゴの姿を見かけます。鳥友から雌雄をどのように識別したらよいかと問い合わせをもらいました。森岡ほか(1995)は、日本のワシタカ類の分布、野外での見分け、生態などについての知見を整理し報告しています。ミサゴの雌雄については、「成鳥の雄と雌はほとんど同じ羽色を持つが、大きさと胸帯にわずかな性差があり繁殖つがいが並んだ時には識別できることが多い。平均的には雌の方が15%強大きい。雄では前頸に斑がないかわずかしかなく、胸帯の幅が狭くかつ黒色斑が少ない。雌では前頸に羽央が暗褐色で幅の広い白色羽縁がある羽毛が並び胸は一様な暗褐色または暗茶褐色である。(中略)時には胸の中央にほとんど黒色斑がなく茶褐色のシミのように見える雄や胸側に黒色斑が少しあるだけの雄やまったく斑がない雄がいるがこのように極端なものは常に性の識別が可能」と記しています。また、幼鳥については「すでに胸帯の大きさに成鳥同様の性差が現れているものと思われる」と記しています。多くの図鑑は、雌雄同色と記していますが、いくつかの図鑑と文献では胸の帯の太さまたは濃さについて言及しています。永井(2014)は、「雄の胸の褐色帯は雌より細く淡い。雌の胸の褐色帯は雄より濃く太い。若鳥は雌でも胸の褐色帯が淡く雌雄の識別は困難」と報告しています。叶内(2020)は、「雄成鳥の胸の帯は細く目立たない。雌成鳥の胸の帯は太い。幼鳥の胸の褐色部は多少ある」榊原・森・佐藤(2021)が「成鳥は後頸から上尾筒までの体の上面と雨覆は暗褐色で、頭頸部と体の下面が白い。雌は胸の黒斑が濃く、雄は胸の黒斑が薄い傾向がある。しかし黒斑の濃い雄もいるため、雌雄の判定には注意が必要」と指摘しています。(図鑑・文献の記述から)ミサゴ成鳥雄にはいくつかのタイプが存在していると整理することができます。(1)胸の中央にほとんど黒色斑がなく茶褐色のシミのように見える雄(2)胸側に黒色斑が少しあるだけの雄(3)胸側に斑がまったくない雄また、ミサゴ成鳥雌については、胸は一様な暗褐色または暗茶褐色と整理することができます。最後に若鳥については、胸の褐色部は多少ある、雌でも胸の褐色帯は淡く雌雄の識別は困難と見解が分かれるので決め手にかけます。これからも野外で丁寧に観察していく必要があると痛感しました。(写真について)一枚目の写真は2017年9月3日の茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。永井(2014)、叶内(2020)で雌と記されているものと同様に褐色帯は濃く太い個体です。二枚目の写真は、2022年10月24日に谷津干潟で観察・撮影した個体です。ほぼ一枚目と同様ですが、頭が白く目立ちますので雌若鳥ではないかと思われます。三枚目は2015年3月28日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。胸の褐色帯は二枚目の個体に比べると細い感じがします。四枚目は、2017年7月8日に茨城県稲敷市で観察・撮影した個体です。胸の帯は淡く若鳥ではないかと思われます。(引用)森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男.1995.日本のワシタカ類.p10-21.文一総合出版.永井真人.2014.野鳥図鑑670.p28.文一総合出版.叶内拓哉.2020.フィールド図鑑日本の野鳥.p210-211.文一総合出版.榊原貴之・森 航大・佐藤和人.2021.ミサゴ.Bird Research News.2021年5月.p1-2.
2023.08.29
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茨城県桜川市の雨引山の林道を探索しに出かけました。複数のホトトギスが鳴きながらと移動する姿、複数のキビタキの囀り、アカゲラ、アオゲラ、そしてお目当てのサンコウチョウも複数が鳴きながら移動していきました。そのあと、約5キロほど離れた山麓にある建物に営巣しているコシアカツバメに会いに移動。到着直後は、コシアカツバメが補強した巣、スズメに乗っ取られた巣(*)を見かけたのでは心配しましたが、ほどなくコシアカツバメが帰還し、既存の巣を使っている個体はその中に、新しく造巣している個体は壁面に唾液と土をミックスして貼り付けている光景を観察しました。(*)コシアカツバメの巣は出入り口が細長いとっくり型はスズメにとって好みのタイプのようで乗っ取っている数が多い傾向でした。カラスなどの外敵に襲撃されにくいので好まれているようです。(写真)2024年5月24日撮影コシアカツバメの営巣場所は、撮影者が殺到すると市民の方に支障があることから地名などは非公開とさらてもらいます。
2024.05.24
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春・秋の渡りの時期、行動を共にするオオメダイチドリとメダイチドリは、ゴカイ類、貝類、甲殻類、昆虫類などを捕食する食性もよく似ています。メダイチドリの群れにオオメダイチドリが混じっていることが多い印象があり、干潟では一羽ずつ嘴の長さ、足の長さ、足の色を確かめていくしかありません。8月から9月に出会うことが多い個体について復習してみました。(1)幼鳥について一枚目の写真は2016年8月7日に三番瀬で観察したオオメダイチドリ幼鳥です。羽先は尖り気味で、メダイチドリの羽先が丸いのとは違いがあります。また、羽縁は太いのが特徴です。なお、幼鳥の羽縁は太く淡い茶褐色ですが、それは見当たらず幼鳥から若鳥に換羽している個体の可能性があります。二枚目の写真は2020年9月5日三番瀬で観察したメダイチドリ幼鳥です。上面各羽に淡色の羽縁があり、わかりにくさがありますが、羽縁の内側に褐色のサブターミナルバンドがありました。(a)体の大きさで識別できるか図鑑によってはメダイチドリはオオメダイチドリより体が小さいと解説しているものも見受けますが、メダイチドリは数亜種が飛来していると言われており、オオメダイチドリより体の大きいものに遭遇することがあります。(b)嘴の長さについてオオメダイチドリの嘴は長く(嘴基部から眼の後端までの長さと同長かそれ以上)で、メダイチドリは嘴が短く(嘴基部から眼の後端までの長さと同等かそれ以下)点との違いがあると解説している図鑑類が多いのですが、真横からでないと長さの把握は難しいので注意が必要です。(c)足の色についてオオメダイチドリの足の色は黄緑色のものが多いですが黒っぽい個体も存在します。メダイチドリの足は淡色から黒っぽいものまで存在します。(2)若鳥について三枚目の写真は2016年8月7日三番瀬、四枚目は2013年8月24日三番瀬で観察したオオメダイチドリ若鳥です。翼の羽縁が白いのが特徴です。(3)第一回冬羽について五枚目の写真は2016年7月31日に谷津干潟で観察した第一回冬羽です。体がほっそりした印象で上面の羽縁が白いのが特徴です。なお、若鳥のほうが羽縁の白さが目立ちます。(4)夏羽が冬羽に換羽中六枚目の写真は2020年8月21日に三番瀬で観察した夏羽が冬羽に換羽中の個体です。胸の橙色が残っており、背や頭に赤褐色味があり換羽中の個体と思われました。
2024.08.12
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鳥友から秋の三番瀬で見かけるオオソリハシシギは、若鳥が多いがどうしてかと質問をもらいました。(オオソリハシシギは、成鳥が越冬地に向かった後に幼鳥が出発)シギ・チドリは秋では繁殖を終えた成鳥が越冬地に向かって渡り始め、その後幼鳥が旅立つ言われています。しかも、幼鳥と成鳥の渡りルートが違うとも耳にしています。これに対して、オグロシギは成鳥と幼鳥の比率も偏りが少なく、渡りのルートが違うということはないと考えられています。(オオソリハシシギとオグロシギ幼鳥について)オオソリハシシギは、嘴が長く、上に反っていることから識別は容易と思われる方がいらっしゃいます。しかし、嘴の反りに個体差があり、オグロシギ似で嘴が真っすぐに見える個体を見かけることがあります。オグロシギとの識別に注意が必要です。(1)オオソリハシシギオオソリハシシギ幼鳥は、全体に淡い灰褐色を帯びて胸・腹部に褐色の縦斑があります。また、肩羽や三列風切の軸斑の先は尖り、上面各羽の羽縁はオグロシギ幼鳥より白味が強い印象があります。(成鳥では翼羽縁は先端が尖った笹の葉状ですが、幼鳥ではオグロシギのように先端が丸くなっています)(2)オグロシギオグロシギ幼鳥は頭部から背、頸から胸・腹部に橙色味を帯びます。肩羽の黒褐色の軸斑はオオソリハシシギ幼鳥に比べて黒味が強く、軸斑の先は尖らず丸味があります。また、羽縁も橙色味を帯び、雨覆・三列風切に黒褐色斑と橙色斑の模様があります。(写真)オオソリハシシギ、一枚目、二枚目:2013年9月21日三番瀬、オグロシギ、三枚目:2018年9月22日茨城県稲敷市、四枚目;2018年10月6日茨城県稲敷市
2025.09.09
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橙色の喉とヒコリと一声出した後に長い節で囀るキビタキは、夏鳥の代表で、5月上旬にかけて飛来します。その囀りを聞くと初夏の訪れを実感します。雄成鳥と雄第一回夏羽の羽衣の違いし、齢と攻撃性、雄と雌の採餌行動に関するの報告の一部を紹介します。(雄成鳥と雄第一回夏羽)キビタキ成鳥は喉は橙色、眉斑、胸から腹、腰は黄色であるのに対して、キビタキ雄第一回夏羽(*)は喉の橙色は淡く全体的に淡く後頭と翼に褐色部がある点で異なります。また、光彩の色の変化について、岡久ほか(2011)がキビタキの羽衣の経年変化を調査し報告しています。報告では「虹彩の色は雄の齢によって有意に異なっていた(中略)第1回夏羽では全ての個体が灰色みを帯びた灰褐色の虹彩であった。また、第1回夏羽では全ての個体が褐色の虹彩をしていた。さらに第3回夏羽以降では強い赤みを帯びた赤褐色の個体が認められ一部は赤みの弱い褐色の個体があった」と述べています。(*)キビタキの雄では体羽が換羽し、初夏に見かけるあの鮮やかな色彩になります。初夏に見かける前年に生まれた鳥は第一回夏羽と表現されます。(齢による攻撃性)岡久(2015)が「越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあることが分かってきた。若い個体にとって黒い羽を身にまとう事は換羽のためのエネルギー消費とった不利益がある(中略)褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く、激しいオス間闘争を回避する傾向にある」と述べています。(キビタキの採餌行動での性差)岡久ほか(2012)は、山梨県で行ったキビタキについての調査結果を整理し報告しています。報告には「繁殖期におけるキビタキの採餌高は雌雄で異なり、かつ、植生に応じて性差の傾向が変化する」「キビタキの雄は植生に関わらず樹冠下部で囀り、なわばりの防衛のためにソングポストに留まっていた」、雌では「常緑針葉樹林では落葉広葉樹林より高い場所で採餌を行った」と記されています。つまり、雌は雄に比べて柔軟に環境に対応しているということになります。(引用)岡久雄二・小西広視・高木憲太郎・森本 元.2011.キビタキの雄の齢査定法の検討.鳥類標識誌第23巻.p12-18.岡久雄二1・森本 元・高木憲太郎.2012.キビタキFicedula narcissina の採餌行動の性差.日本鳥学会誌第61巻.p91-99.岡久雄二.2015.キビタキ Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.(写真)雄成鳥、1枚目:2024年4月18日都内、2枚目:2019年6月1日栃木県奥日光、雄第一回夏羽、3枚目:2015年5月23日栃木県奥日光、4枚目:2024年4月18日都内で観察・撮影
2026.05.01
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昨日、都内水元公園でマミチャジナイに出会いました。秋には、ツグミやアカハラと一緒に行動することも多いような気がします。私の識別力向上のため、マミチャジナイとアカハラを比較し復習してみました。一枚目から三枚目昨日出会ったマミチャジナイです。大雨覆先端にバフ色の白色の斑があり、頭部に褐色味があったことから雄の第一回夏羽が冬羽に換羽している個体ではと思いました。四枚目、五枚目はアカハラです。頭に丸みがあり黒色味も強いことから雄個体と思います。ミマチャジナイでは、嘴基部から目の下にかけて白斑がありますが、アカハラにはないこと、アカハラには眉斑がないなどが違いになると思います。
2019.10.08
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新潟県長岡市の470年の歴史のある蔵元吉乃川の朱鷺が、最寄り駅のnewdaysで見かけ、思わず購入してしまいました。180mlのスリムボトルの水色のラベル(吟醸酒)、橙色のラベル(純米酒)の2種。本当は、新潟の鳥友のところを訪ねたいところですが、新型コロナウィルス感染拡大の影響があるので出かけるのを控えなくっちゃいけないし、でも会いたいなあと思いが強くなるばかり。帰宅してからさっとおかずを作って晩酌にしました。友達と朱鷺を思い浮かべて今夜は夢ん中~♫
2020.07.29
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4日三番瀬でズグロカモメを観察しました。鳥友よりユリカモメとの違いについて質問がありました。復習を兼ねて整理してみました。(三番瀬で観察したズグロカモメについて)三枚の写真をアップしました。一枚目、二枚目個体は成鳥夏羽で頭部は黒く、目のまわりは白く、初列風切は白と黒が交互にはいって見えました。嘴は黒く、ユリカモメに比べると短く見えました。なお、足は写真ではすべて写っていませんが赤みがかった黒色でした。三枚目の写真は、もう少し拡大したものを記録できればよかったのですが、冬羽個体です。頭部には淡い線が2本あり、耳羽の後方に黒斑がありました。嘴はユリカモメに比べて短く黒色でした。(ユリカモメについて)四枚目は印西市で2018年4月、五枚目は水元公園で2017年4月に撮影したものです。四枚目のユリカモメ成鳥夏羽は、頭部が黒く、嘴は少し赤みのある黒色、上面は青灰色です。五枚目の成鳥冬羽は、頭部は白く、目の上と耳羽の後方に灰黒色の斑があります。
2022.03.08
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濱尾・秋葉・棗田(2013)が述べているように1970年代の繁殖分布はアオサギが北に偏り、南に多かったダイサギと一緒に観察できることは少なかったものの、2種の繁殖地域が拡大しを同所で観察できるようになっています。非繁殖期の両種の分布は1980 年代から重なっており、2 種の間であいだで潜在的に食物をめぐる競争があると考えられると言われています。米の消費量減少や稲作農家の減少傾向などで水田環境が変化することが予想される中、2種の分布が変化していく可能性も考えられます。身近な鳥が観察できたかどうかの記録を蓄積していくのも大切だと思います。(アオサギとダイサギの餌などについて)濱尾・秋葉・棗田(2013)は、千葉県九十九里浜の水田地帯で2012年11月8日から12月26日の間に18 日間の調査を行った結果を報告しています。それによると、アオサギとダイサギはいずれもタニシ・ドジョウ・アメリカザリガニを採食し、ダイサギでのみダルマガエルを採食した1 例はあるものの、2 種の餌生物種は似かよっていたと述べています。ただし、統計上有意ではないもののダイサギが小型のタニシを多く採食するのに対し、アオサギはより大きなドジョウやアメリカザリガニを多く採食する傾向がみられたと記しています。アオサギとダイサギで餌生物や大きさが異なる理由は、採食方法(餌生物の発見方法)の違いであり、ダイサギが水の中をゆっくりと歩いて餌を探すのに対してアオサギはじっと立ち止まって餌生物が近づいてくるのを発見する待ち伏せるという採食方法の違いによるものと報告しています。また、2種の嘴の形状の違い(アオサギはダイサギよりも明らかに太い嘴、ダイサギは細い嘴)も関係があるものと考えられると指摘しています。(引用)濱尾章二・秋葉 亮・棗田孝晴.2013.採食環境が競合するアオサギとダイサギにおける餌生物および獲得食物量の比較.Bird Research Vol. 9, A23-A29.(写真)私のライブラリーからダイサギ:2020年5月2日手賀沼沿岸、2018年9月16日手賀沼沿岸、アオサギ:2020年8月2日柏市内で撮影
2023.05.20
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今朝、公園を探索していたら、2羽のハシブトガラスが木陰で長時間休んでいる姿を目撃しました。過日もハシボソガラスが地面に横ばいになっている姿を見ていたお子さんがカラスが死んでると教えてもらいました。でも、覗き込み撮影をしていたらすぐに立ち上がり生きているよとばかりに鳴き声をあげてくれました。獣医師の鳥友に聞くと、鳥類の体温は一般に40~42度の範囲で、多くの哺乳類より数度高いのだそうです。体温が高いのは、新陳代謝を促進させて空を飛ぶという激しい運動に伴う大きなエネルギーを得るためなのだそうです。自動車に例えると直ちに高速回転できるように常時アイドリング状態を保つ役割なのだそうです。鳥類は、パンティング(あえぎ呼吸)で熱を蒸発させるので口をあけて浅く早い呼吸を行い、気道からの蒸発を活発して熱の発散を行っているのだと教えてもらいました。なお、パンティング以外にも体温を下げるさまざまな機構があり、羽毛におおわれていない足の表面温度はぐっと低く、コウノトリの場合、体温40度に対して足は15度程度で足は放熱に重要な役割を果たしているのだそうです。(写真)2023年7月28日、7月17日撮影
2023.07.28
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夏鳥到来のシーズンとなり、都内水元公園内を探索しました。林の一角でキビタキ、複数のセンダイムシクイ、オオルリが登場。このうち、枝にとまり姿を披露してくれたのはキビタキのみでしたが、橙色の喉の色が艶やかな雄の姿に見惚れてしまいました。このほか、ユリカモメの頭巾をかぶったような夏羽、冬羽から夏羽に換羽中の個体、コサギの婚姻色個体(目先がピンク色、趾が赤味を帯び、飾り羽の先も黄金色)、あちこちの芝生エリアで群れとなっていたツグミは、下面が真っ黒な個体、黒色斑のある個体、上面の褐色が淡い雌個体と実にいろいろでした。(写真)2024年4月18日撮影(参考:黒い部分の多いキビタキと褐色の個体)岡久(2015)はキビタキの生態などの知見を整理し紹介しています。越冬地で多くの羽を換羽した黒色の個体は体重が軽く、一方あまり換羽していない褐色の個体は体重が重い傾向にあると述べています。また、繁殖地では褐色の割合が高い個体ほど攻撃性が低く激しいオス間闘争を回避する傾向にあると記しています。(引用)岡久雄二.2015.キビタキ.Bird Research News Vol.12 No.6.p4-5.
2024.04.18
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茨城県稲敷市浮島にコジュリン、オオセッカ、シギ・チドリを探索しに出かけました。湿原のあちこちでオオヨシキリ行々子と鳴き声をあげテリトリー争い、オオセッカもジュクジュクと鳴き声を出して垂直に舞い上がる姿を複数見かけました。また、お目当てのコジュリンは少し遠くの草原の上にその姿があり、囀りを披露。また、近郊の蓮田にセイタカシギ7羽の姿を見つけました。片足を羽の中に収納し人間でいうと寝落ちしている印象のある2羽、成鳥、若鳥などじつにいろいろな羽色でした。このほか、県道沿いの水田にチュウシャクシギの群れが休んでいたり、蓮田の上をオオタカが飛翔したり、楽しい時間でした。(写真)2024年5月17日撮影
2024.05.17
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今週はじめ埼玉県南部のサギのコロニーを訪ねた折、チュウダイサギを観察しました。その特徴について、復習してみました。参考になれば幸いです。(1)そもそもチュウダイサギとは吉井(1988)が述べているように、日本では本州、九州で繁殖する亜種チュウダイサギと南シベリアで繁殖する亜種オオダイサギの2亜種が記録されています。足は緑色を帯びた黒色で脛が桃色ないしは赤味を帯びる。このため前者をコモモジロ、後者をモモジロと呼ばれたことがあります。(2)亜種チュウダイサギの特徴桐原(2000)が述べているように、亜種チュウダイサギ夏羽は嘴が黒く、眼先は黄緑色、脛はピンク色を帯びています。婚姻色の個体では眼先がコバルトブルーで脛や跗蹠も濃いピンク色です。また、冬羽では嘴は黄色、眼先は黄緑、足全体が黒くなるのが特徴です。一枚目から三枚目の写真が亜種チュウダイサギです。(3)亜種オオダイサギとの違い桐原(2000)は、亜種オオダイサギは、体が大きくアオサギと同大かそれ以上で、冬羽では足の上方は白っぽいのが特徴であるのに対して亜種チュウダイサギは体が小さくアオサギより小さめ、冬羽では足全体が黒いのが特徴と記しています。四枚目と五枚目の写真がオオダイサギです。前者が夏羽、後者が冬羽です。(写真)一枚目、二枚目:2024年6月16日埼玉県で撮影三枚目:2021年6月20日茨城県稲敷市で撮影四枚目:2021年5月2日千葉県成田市で撮影五枚目:2023年5月1日茨城県稲敷市浮島で撮影六枚目:2022年10月17日都内水元公園で撮影(引用)吉井 正.1988.コンサイス鳥名事典.p313.三省堂.桐原政志.2000.日本の鳥550水辺の鳥.p82-83.文一総合出版.
2024.06.21
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茨城県稲敷市浮島のシギ・チドリを探索しに出かけました。新利根川脇から広がる蓮田を甘田干拓地近くを流れる野田奈川までの間を探索しました。久しぶりに33℃前後まで温度が上昇し、お盆明けの暑さにむけた暑熱順化に最適。例年に比べて蓮田の栽培を休んでいるエリアが限られていることもあり、鳴き声と飛翔する姿を目で追いその方向に移動しひたすら待機。コチドリ若鳥の羽縁がバフ色で翼が鱗のように見える個体、全体が淡色の個体の両方を観察。その近くには、クサシギの姿を発見しました。上面に小さな白斑、アイリングと周りが白色の冬羽に変わりつつする個体でした。このあと、ヒバリシギ4羽が蓮田を移動しながら採餌している姿を発見。嘴が下方向に曲がっていること、背に2本の白帯、頭上の赤褐色の特徴を観察しました。帰り道、水田の中の電柱の上にミサゴの姿があるのを見つけました。霞ヶ浦で捕獲した魚をお気に入りの電柱でたいらげていました。そのあと、農耕車が通行してきて渡去。このほか、電線に複数のツバメ若鳥の姿を観察。そのうちの1羽は、下面が茶褐色の亜種アカハラツ。(写真)2025年8月15日撮影
2025.08.15
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寒い朝となり、昼過ぎから冷たい風が吹き抜けるとの予報でしたので風を避けて冬鳥との出会いが楽しめるつくば市高崎自然の森に出かけました。(冬の小鳥が次々と登場)待機していると、木の幹をつついて中の虫を引っ張り出してついばんでいたコゲラ、地面に落ちている木の実の果皮を取り去って種子を取り出し食べていたヤマガラ、木の実をたらふく食べて枝で一休みしていたヒヨドリ、木の窪みから虫を取り出して食べていたメジロと次々に小鳥たちが登場。(リズミカルに尾を振るルリビタキ)その後、地面でミミズや昆虫類などの餌探しに余念のないシロハラ、ツグミ、そして今日のお目当てのルリビタキが姿を現しました。尾羽をリズミカルに振りリズムをとっているように見えました。脇のオレンジ色や腰から尾の青色が淡い印象がありましたので雌個体の可能性があると思いました。帰り道、木のてっぺんに複数のシメが止まる姿や地面で種子をほおばるアオジの姿も観察できました。(写真)2026年1月8日撮影(現地へのアクセス)園内に駐車場は整備されていますが、JR牛久駅からTXみどりの駅行き路線バスがあり、 高崎入口停留所下車徒歩5分(所要時間約20分)です。なお、日中は一時間に一本程度なので調べてからお出かけになることをおすすめします。
2026.01.08
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オフィス近くの谷津田のカワセミの様子を見に出かけました。ハイライトは、眉の薄いチバエナガと出会えたことでした。(カワセミがザリガニを捕食)寒波で観察開始時の気温2℃。凍えるような寒さですが、池は結氷していない状態です。これならカワセミが餌を探すのに問題ないと思っていた瞬間、チイーッと声がしその方向を見るとカワセミ成鳥雌の姿が枝にあり、池に飛び込みザリガニを捕獲。ザリガニを横向きにくわえて尾の付け根あたりをくわえて複数回枝にたたきつけてから捕食する光景を観察できした。満腹になると、水面に近い枝、さらに高さ4m前後の位置にある梅の木の枝に移動しまったりと過ごしていました。背景に梅の蕾があるので、開花後が楽しみです。(眉の薄いチバエナガが登場)カワセミのいる池と隣り合わせのにある池の小島の葦原にエナガ、シジュウカラが降り立ち葦の中の虫を捕食していました。エナガ8羽のうち1羽が眉の薄い所謂チバエナガでした。眉斑・後頭・背が黒色、背がぶどう色で瞼が黄色のエナガ7羽と行動を共にしていました。チバエナガの羽衣は、エナガの黒くて太い眉斑の部分が薄く、背のぶどう色も色が淡く、頭上は白色でした。葦に逆さまに止まれるのは、8gと言われる軽い体重と爪を葦に引っ掛けることができる脚の力の強さゆえなのでしょうね。2015年11月30日、2021年12月24日、2025年12月28日、12月29日に続き、五回目の出会いとなりました。(写真)2025年1月21日撮影
2026.01.21
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守谷市にある守谷野鳥のみちを訪ねました。鳥のみち駐車場を出発し、湿地コースから水辺ルート経由で愛宕北口で折り返し湿地コース(上流域)から湿地コース(下流域)を経由し守谷沼に立ち寄り、再び湿地コース(下流域)に戻.る前回と同じコースを探索しました。(地上行動が多いミヤマホオジロと出会う)今日のハイライトは、国内でも局所的に分布すると言われており、地上行動の多いミヤマホオジロに出会えたことでした。眉斑と喉が黄色が魅力的で、時折チョッと警戒する声を上げますが待機していると再び地上に再登場。冠羽が目立つ成鳥雄個体でした。写真13枚目から15枚目を御覧ください。(顎線の有無に注目のカシラダカ冬羽)時折、ミヤマホオジロ雌とカシラダカ雌の識別について質問をもらいます。カシラダカ雌は、眉斑が上嘴基部に及び顎線がありますが、ミヤマホオジロは顎線がなく確認したいポイントです。(守谷沼では活発にカワセミが活動し、複数のカモが羽をやすめていました)コース最北部にある守谷沼では、オカヨシガモ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヒドリガモが羽を休めていました。くわえて、カワセミが何回も水に飛び込み採餌する様子を観察しました。なお、マガモ似の個体は、カルガモとの交雑個体と思われました。(水田エリアで見つけたタシギ)守谷沼近くの蓮田では複数のタシギが採餌する姿を観察しました。体の割に長い嘴、長めの尾、全身黄色味のある褐色が印象的でした。(写真)2026年2月27日撮影
2026.02.27
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