曹操閣下の食卓

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2006.02.10
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カテゴリ: 芸術
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【キスカ・太平洋奇跡の作戦】

なんといっても、これは成功した撤収作戦であるから、ガダルカナル撤収作戦よりも生還者が多く、当時の参謀など幹部たちも映画撮影の現場に立ち会っている。
何といっても人間関係の再現がうまくできている。

DVDの一場面一場面に非常に含蓄のある教訓が引き出せるであろう。

私自身も戦略学講義で、この作戦について評論していることを覚えているだろうか。
【序・破・急の哲学☆】 の章だ。

ここでは次のように解説している。

 アメリカのペンシルヴェニア州カーライルにあるアメリカ戦略大学院(U.S.War College)で

 「最も成功した作戦は日本軍のキスカ撤退だ。最も成功した戦術はアメリカのノルマンディー上陸作戦だった。しかしながら、最も成功した戦略はコミンテルン・テーゼじゃないか」という議論になった。(中略)

 「キスカ」というのは、アメリカのアラスカ州に含まれるアリューシャン列島の中の一つの島で、ミッドウェー作戦の時にアッツ島とともに日本軍に占領された無人島であった。
 ミッドウェー作戦は無惨な失敗に終わったが、無人島とはいえアメリカの領土の一部を占領することは、国民の「戦意高揚」をはかる上で効果が大であるとされていた。
 やがて戦争も末期になると、アメリカが本格的にアリューシャン奪回に動き始め、南方のガダルカナル島と北方のアッツ島はほとんど同じ時期に「玉砕」という全軍総員の集団自決に追い込まれた。

 補給線のロジスティクスを全く考えない日本海軍の無謀な作戦は、アメリカ側をして「クレイジー」と笑わせるにすぎないものが多かったが、キスカ撤退ではアメリカ側に完全に傍受されていた暗号連絡は使用せずに、撤退作戦を立案した主任参謀が潜水艦でキスカに乗り込んで作戦指導にあたった。

 彼を送り届けた潜水艦は帰路にアメリカの戦闘機部隊に発見されて撃沈された。
 ところが、撤退作戦の本番はアリューシャン列島の深い濃霧の中で行なわれて、幸いにもアメリカ軍の空襲も受けなかった。

 アメリカ軍は数週間後にキスカに上陸したが、残っていたのは犬二匹だけだった。
 戦後になって、この「キスカ作戦」は、アメリカ側の死傷者もなかったことから、戦術的にも高く評価され、関係者、特に指揮官の木村昌福海軍少将はアメリカ海軍から普通は連合国向けに贈られる名誉勲章を授与された。


http://plaza.rakuten.co.jp/kakkanogourmet/5012

 ここで私は「アメリカ側にも死傷者はない」と書いたが、今回、映画を見直したら、アメリカ側では「同士討ち」でかなりの死傷者が出たらしい。
 すでに撤収後のキスカ島上陸作戦は二昼夜もかけて、「犬二匹」の発見で終わったとのことだ。

 アメリカ・連合軍は、アンツィオ上陸作戦、マーケット・ガーデン作戦で手痛い作戦失敗をしたし、パットンの救援がなかったら第一軍の前線は崩壊していたであろう。


真の指揮官、真の戦略とは何かを、この映画は教えてくれると思う。

 この戦略問題の検討については、 本店『曹操注解・孫子の兵法』 で語るとしよう。





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Last updated  2006.02.10 01:11:33


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