貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2021.09.25
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カテゴリ: 作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了した。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなった。




写真はネットより借用

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「次のデートはいつ?」
由美子には悠介の心の惑いが通じてないようである。あくまで恋人として考えている。そう積極的になられても困る。
「来週は大学の集まりがあるし、教授と面談もある。」
「土曜も、日曜も?」
「そうなんだ、来年の春には卒業だから色々とあるのだよ。」

「卒論があるんだよ。これが大変なんだ。」
「卒論? 大変なの?」
「そう大変なんだ、それが最後の難関なんだ。」

ではいつ会えるか? と問われて3週間後の11月第4土曜日とした。その位日にちを開ければ恋熱も冷めてくれるのではないかと期待したのである。
「3週間も会えないの? そんなに待てないよ。短くても良いからもっと早く会えないの?」
「ちょっと無理かなー?」
「その替わり、僕が食事を作るから、17時半頃来てくれる?」
悠介は、可哀そうになって由美子が喜ぶような事を言ってしまった。
「うん、じゃ、その土曜日ね。泊っていいわよね?」
昨夜も泊っているのにダメとも言えず、結局泊まる約束もさせられてしまった。

由美子は帰った。悠介は部屋にいても居心地が悪かった。バイトに行くと言ったのに、部屋でゆったりしている気分になれないのである。それに由美子の親しい態度に対して今後、どのように接するべきか分からない。分からないのに、3週間後に又、泊まる約束までさせられた。それも心の重荷になっている。

一人ごとを言って悠介は立ち上がった。喫茶店へでも行って卒論の考えを纏めるとか、素案を書くとかその作業に集中しようと思った。

喫茶店は御茶ノ水駅の近くにあった。3階のフロアが全部喫茶店になっているようである。大きなソファである。深々と腰を下ろした。書きものには合わない。物思いに耽ったり考え事には向いている。悠介はバッグよりノートを取り出した。もう既に概論は記載してある。それを読み返すことにした。これがしっかり出来ていれば、後は詳細を書くだけであり出来上がったも同然であるのだ。集中して読んだ。修正すべきヶ所もあった。それをメモする。1時間ほどノートに釘付けで読み、疲れたのでノートをテーブルに置いた。

そうすると又しても由美子の事が思い浮かべて来る。
「どうしたら良いか?」
どうするも何ももう既に深い関係になってしまっている。由美子は恋人と思っているし、又会える事に喜びを表している。据え膳食わぬは男の恥と言うが、まさに据え膳であった。その後の事も深く考えず行動してしまったのである。今更悔やんでみても始まらない。始まらないが結婚はしたくない。まだ就職もしていないし、生活の基盤も出来ていない。それから問題は由美子を愛していない事である。結婚披露宴で初めて会って良いな、と思ったがそれだけの事である。愛し合って見てかなりの経験者である事も分かった。それも悠介の気に入らない一つである。すぐに身体を与えてしまう所もふしだらに思える。あまり考えたくないが、考えてしまう。自分ながら困ったものだと自嘲する。



指定された日は平日であった。夕方6時に美恵子の部屋に行くと、いい匂いがしていた。美恵子も仕事帰りのはずであったが、料理を作る暇があったのであろうか? と不思議に感じた。
「久しぶり。変わってないね。」
「外見はね。しかし内面は大きく変わっているわよ。」
料理は昨日から買い物などは準備しており、時間も手間もかからない鍋であった。既に鍋は沸騰しており肉や野菜も入っていた。その匂いが玄関まで届いていたのである。
「食べよう。ビール飲むでしょう?」
「ええ、飲みたいね。何を言われるのか心配で素面では居られないよ。」
「あなたにとっては大した事ではないでしょう。 まぁ、取り合えず乾杯!」
「何に乾杯か分からないけど、再会に乾杯!」

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Last updated  2021.09.25 09:28:25
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