貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2022.10.30
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カテゴリ: 作家


あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。


写真はネットより借用

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長姉・佳子の結婚式から東京へ戻った。神田川の辺のアパートも後2週間で引っ越しせねばならない。やる事もそう多くないので日程や時間的には問題ない。。引っ越しの準備を行えば良いだけである。まだ就職先の勤務先が決まっていない。取り敢えずは大阪本社で一ヶ月の新入社員教育がある。そこへは着替えと寝具を送ればいい。残った家具類はまだ決まっていないが次に入る下宿者に引き渡す事にしてある。下宿者が不要と言えば管理人さんが引き受けてくれる事になっているので心配は要らない。問題は唐橋由美子といつ会うかである。矢代美恵子の結婚式が3月28日(金)大安の日にある。出来ればその後で、布団を発送する前にしたい。以前から土曜に来て1泊して行く。それで、結婚式の翌日29日の土曜日にした。連絡すると由美子は大喜びしていた。

25日(火)は東京支社への出勤を命じられた。大阪での新入社員教育とその後のスケジュールに関しての説明会である。東京支社は赤坂にあった。9時半集合の10分前に着いたが数人を残してほぼ全員が集まっていた。初日から遅れて行ったら大きな罰点を付けられるだろうと余裕を持って出発した。しかしながら場所がわからなくて聞きながらようやくたどり着いたので途中間に合うか心配していた。同期入社は30数名だった。もっと多いと思っていたが意外に小人数だったので気抜けした。皆、悠介同様着慣れないスーツである。だが中には様になっている奴もいる。大学時代からスーツを着こなしていたのであろうか。

説明が始まった。大阪方面では東京よりもっと多く採用しているので、全体では100人近くになるそうである。やはり本社や工場が多い大阪方面での採用が多くなるのは当然であろう。関東方面での配属であれば東京支社、栃木工場、茨城工場の3ヵ所となる。東京採用者が全員関東地区を希望した場合、狭き門となる。悠介は必ずしも関東でなくても良いが出来れば実家にも近い関東地区で働きたかった。説明によれば今は東京支社であるが、近い将来東京支社を拡大し、大阪と東京の2本社体制にするらしい。栃木工場も生産量を現在の2倍にする計画もあるとの事である。東京は日本の中心地、他の多くの一流企業も東京に本社を置くので東京の仕事量が増えるようだ。それで東京地区の採用を増やしていると聞いた。

説明会は午前中で終わった。知り合いは勿論誰もいないので解散後一人で外に出る。緊張する説明会ではないが集中して聞いていたので疲れたようである。腹も減った。食堂かレストランを探して赤坂の町を歩いた。色んなレストランがあるがどこに入って良いか分からない。涼し気な冷麺の看板があった。重い物を食べたくなかったのでその冷麺屋に入った。メニューを見ると盛岡冷麺とあった。赤坂なのにどうして盛岡?と思ったが別にどこでも構わない。盛岡の冷麺は美味しいとどこかで聞いた事があった。注文するとほどなく運ばれて来た。つるつるの舌触りだ。強いコシがある。麺は弾力が半端なくあり噛み切れない程である。しかし不味くはない。美味しい。盛岡冷麺は初めて食べたが岩手県へ行った時に食べたかったなーと思った。昨年の夏休み北上の農家に泊めて貰った。短大のお姉さんが親切にしてくれたのである。盛岡の文字を見てそんな事を思い起こしながら食べた。腹一杯になった。冷麺を食べた後も赤坂をブラブラと歩いた。若しかしたら東京支社に配属になるかも知れないし、配属されないまでも出張で来る機会はあるだろう。この辺りの地理を知っておいて損はない。そして歩き疲れて家に帰る事にした。

新入社員として希望に燃えて張り切るはずである。勿論その気もあるし頑張りたいとも思っている。しかし気が重いのが唐橋由美子の事である。この事が頭から離れない。騙して別れねばならないからである。彼女とは絶対に結婚しないと思っている。それは彼女自身にも何度も伝えてある。しかしながら別れてくれない。いつまでも待つと言うのだ。会えば身体の関係を持ち、まるで愛し合っているようである。彼女はそのように思っている。出来るだけ理由を付けて会わないようにしていたが、少なくとも1ヶ月に1回、多い時は1ヶ月に2回会っていた。愛しているから会うのだろうと言われても反論出来ない。別れたいと言うのが面倒臭くなっていた。就職と共に別れると言う目標もあったので自分自身にはそのように言い聞かせていたのであった。

3月28日である。大安のこの日、矢代美恵子の結婚式だ。結婚式は高橋の司会、長姉で経験した。今回は3回目である。特に出番もないので緊張する事もない。矢代美恵子の花嫁姿が楽しみであった。受付にてご祝儀を提出し座席表を貰った。開けて見て驚いた。物凄い人数の参加者である。丸テーブルが数十とある。一テーブル10名ちょっととしても300名近くの人数である。長姉の披露宴も人数が多いなーと思ったが全くその比ではない。大パーティである。悠介の席は一番前の右手側である。花嫁花婿の近くだ。座席に座りもう一度座席表を見た。参加者の肩書を見ると社長とか専務とか常務とか役員の人ばかりである。花婿側は得意先や下請けの会社を多数招待したようである。将来の社長であるから出来るだけ多く招待したのであろう。矢代美恵子側はたった2テーブルだ。その差は歴然としているがそれでも美恵子は頑張って招待したのであろう。悠介まで招待されたのであるから。


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Last updated  2022.10.30 09:41:06 コメントを書く


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