貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2023.02.06
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カテゴリ: 作家
あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。


写真はネットより借用

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「さぁ、行こうか?」
北村がロビーで待っていた。女性3人も一緒だった。遅れてしまったら帰ってしまおうと思っていたが、そう言う訳には行かなかった。披露宴の間、結構酒を飲んでしまったが自重しながらだったのでそれほど酔ってはいない。気分が良い程度である。
「新宿へ行こう。」
北村がそう言って歩き出した。悠介は付いて行くだけである。歩きだしたら先ほど声を掛けてきた女性が隣に来た。
「私、悦子って言います。皆から悦ちゃんて呼ばれているの。」

「そうですか? 良い名前?」
「うん、良い名前だと思うよ。」
「あなたは?」
「僕は寺本悠介。」
「寺本悠介さん?」
「そう。愛称はないなー? 親しい人は悠介って呼び捨てで言うけど。」
「じゃ、悠介さんで良い?私は悦ちゃんと呼んで。」
そんな会話をしながら歩いたら駅に着いた。

「新宿まで切符を買って。」北村が皆に言った。
5人は並んで切符を買った。
電車はすぐに来た。座席は空いている所もあったが、5人共座らず立って輪になった。

北村が聞いた。
「僕は寺本悠介です。よろしく。」
悠介は恥ずかしそうに名前を言った。そして其々が名前のみ紹介し合った。特技がどうの趣味がどうの家族がどうのと言うには電車の中では憚られる。悠介は3人の名前を頭の中で復唱していた。忘れないようにである。酔ってはいたが頭は正常を保っているようである。5人で雑談をしていたら新宿に着いた。北村が先頭になって全員をカラオケ屋に案内する。

こじんまりした部屋に入った。5人が座ると、カラオケの画面の前に少しスペースが出来る程度である。狭いので親近感が湧く。悠介の脇に悦子が座った。悦子は悠介に気があるようだ。皆がそれぞれ飲み物を頼んだ。悠介はウィスキーの水割りにした。悦子もアルコールが入った飲み物である。北村が乾杯の音頭を取った。
「乾杯!」

「今日の披露宴は凄かったね?」
「あの人数は凄い。私も初めてよ。」
「それに花嫁の衣装も綺麗だった。」
「衣装に負けず、矢代さんも綺麗だったね。」
女性陣がそれぞれ本日の披露宴の話を始めた。女性にとって花嫁衣装は興味があるのであろう。悠介も確かに花嫁の衣装も花嫁も綺麗だったと思っている。

カラオケが始まった。悠介は歌を歌うのは嫌いではないが好きでもなかった。好んでカラオケに行こうとは思わない。歌も上手くはないと自覚している。まぁ普通であろうと思っている。歌詞が回されて来た。自分が住んでいる神田川を選んだ。神田川の部屋ももう数日で引っ越しである。4年間色々とあった。想い出の詰まった部屋である。ただ離れ難いとは思わない。小平由樹枝、矢代美恵子、唐橋由美子と女性達との住処でもあった。感傷よりも新しい旅立ちの方に興味があった。
「悠介さんの番よ。」悦子がマイクを悠介に渡した。
「ありがとう。」
悠介は静かに歌いだした。確かに上手くはないが悪くはない。感情を殺した歌い方で情緒がある。1番を唄い終えたら、皆から拍手が湧いた。拍手はカラオケの儀礼である。上手いから拍手がある訳ではない。

北村は元気が良い歌だった。アクションたっぷりである。悦子は山口百恵の歌だった。上手である。悦子は唄い終わって悠介の隣に座った。そして小さな声で、
「二人で3次会に行かない?」
と悠介に言って来た。悠介が悦子の顔を見るとにっこりと笑った。
「二人で?」
「そう。今夜は泊っても良いのよ。」
悠介はあまりに積極的な悦子に驚いた。しかし唐橋由美子の二の舞はご免である。
「僕は結婚はしないよ。今晩だけの付き合いで良い? もう東京を離れるし。』
「それは構わないわ。貴方を好きになったの。」
「だったら良いよ。」
「東口の交番の前で待つから来てね。」
「分かった。」
今夜悦子と出来ると思ったら、興奮してきた。棚から牡丹餅のようである。そうなったら早くカラオケは止めて行きたいと思った。しかし他の連中はカラオケで盛り上がっている。全員が3曲づつ歌ってカラオケはようやくお開きとなった。支払いは北村と悠介で精算した。北村は社会人、悠介はバイトの金があったからである。

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Last updated  2023.02.06 11:26:46
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