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2023.10.20
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カテゴリ: 作家



あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職の為、神田川辺のアパートから引っ越しする。実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。大内人事課長と由美子の父親に会い、慰謝料も支払い由美子の心の問題を除けば問題は解決した。悠介は実習も終わり鹿沼工場に配属された。



写真はネットより借用

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悠介の即席歓迎会は、会社から歩いて10分の所にある居酒屋「よしゑ」である。総務部行き付けの居酒屋らしい。
「あ~ら、いらっしゃい! 今日は何名? 5名? じゃー、そっちの座席に上がって。」
お店はカウンター席が7~8つあり、テーブル席は3つ、そしてその奥に、1段高い小上がりが二部屋あった。ここは間仕切りを外して一部屋の大部屋で使う事も出来るようだ。総務部は、全員集合するとこの大部屋で会食をする事が多いらしい。

「寺本君は主賓だから上座に座ってくれ、成田さんはその隣、受付の二人は二人の前だ。俺は、何席と言うのだ? ここに座る。」
吉成課長はインテリ風だが、このような宴会の切り盛りも得意なようである。

「私、島谷頼子です。20歳です。」
二人とも受付を任されるように美しい。山中和江はお姉さんタイプである。島谷頼子はぽっちゃりしていて可愛い。
「23歳でおばさんはないでしょう?」
悠介が言った。
「いえ、もう23歳だと皆さん結婚して退職して行くんですよ。23歳で彼氏もいないで勤めているのはおばさんなんです。」
山中和江が言った。
「ま、おばさんはないだろうが、皆さん結婚は早いね。確かに23歳では大体結婚退職する人が多い。」
吉成課長が説明した。

「では、私はもうじき23歳になりますのでおじさんの寺本悠介です。よろしく。」
悠介が自己紹介すると受付の二人がクスクスと笑った。そうこうしている内にビールとつまみが運ばれて来た。
「皆揃ったね、では乾杯しよう。寺本君の総務部参加に乾杯!」

「乾杯!」
全員が声を揃えて乾杯した。コップを下ろして。皆さんが拍手した。悠介は黙って頭を下げた。こんな歓迎をされるのは初めてであろうか? 大学でも歓迎会などでなかった。強いて挙げれば、満腹食堂でおじさん達に歓迎された位であろうか?
「ありがとうございます。こんなに歓迎して貰って嬉しいです。」
「この人が今度入社した人? あ~ら、ハンサムねー。女子社員が放って置かないわよ、あんた気を付けなさい、ここの会社はね、大卒の新入社員をみんな狙っているのだから。」
女将が愛想笑いしながら言った。


「私は前科者で、謹慎中です。恋愛禁止なんですよ。」
悠介は言っておいた方が良いと思って説明した。
「私自身、恋愛は懲り懲りで全く関心がありません。これから仕事一筋で行きますので、よろしくお願いします。」
受付の二人がヒソヒソと話している。そして、山中和江が言った。
「前科者って、何ですか? 悪い事したのですか?」
「ええ、悪い事と言えば悪い事です。お付き合いしていた人の親御さんからから会社に手紙が届きました。それで会社に迷惑をかけたのです。」
「どんな手紙?」
山中と島谷が興味深そうに聞いて来た。成田京子は黙って聞いている。
「個人的な事なので詳細は言えませんが、兎に角会社に迷惑をかけました。実習中に人事部長に呼び出されたのですから。」
「それで人事部長を知っていたの? 新入社員がいきなり人事部長に挨拶しているのでびっくりしたわ。」
黙っていた成田京子が言った。内心、何かがあるのであろうと疑っていたようだ。
「まぁ、その話はこれ位にしていいだろう。寺本君が可哀そうだ。」
吉成課長が言ったが、この話は明日中には総務部内に知れ渡るであろう。恋愛の前科者とは格好の噂話である。会社中の女子社員にも数日中の知れ渡るはずだ。

悠介としては、誰に何を言われようと気にしないと思っている。この噂が流れて悠介に興味を抱く人がいなくなれば幸いであると思っているのであった。
吉成の言葉で話題は変わった。秋に行われる社内大運動会の件である。1年の一番大きな行事であり、準備作業が大変であった。総務部一堂が全員で分担して準備を行うようである。徒競走に玉入れ、綱引き、騎馬戦、借り物競争などなど、大がかりである。悠介も何かを担当して行わねばならないらしい。悠介はそう言うのは面倒だなー、出来れば関わりたくないなー、と思ったが、今はもう学生ではない。気乗りしない事もやらねばならない。それが仕事だよなー、と黙って聞いていた。

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Last updated  2023.10.20 19:07:14
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