鴎座俳句会&松田ひろむの広場

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2020年12月05日
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テーマ: 楽しい俳句(373)
カテゴリ: 句会

第8回鴎座通信句会 選句結果発表

第8回鴎座通信句会は、 37 名 185 句となりました。選句と講評は作者名を伏せて鴎座代表、編集長,副編集長・顧問などに依頼しました。また投句された方の互選(5句選)も行いました。句番号はランダムに変換されたものです。結果は全投句者にメールまたはFAXでお返しします。また次号「鴎座」に発表するとともにFACEBOOKなどにも発表します。

毎月開催(締切 26 日)しますので、よろしくお願いします。

2020 年 12 月 5 日鴎座俳句会 代表 松田ひろむ


〈第8回鴎座通信句会結果〉作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。
石口  榮(編集長)選
16聖樹の灯マスクの下に紅をひく
39ガムテープ貼って剥がして十二月
45もう誰も帰らぬ家の柿花火
82赤裸々にフリーランスの着ぶくれる
(特選)112星冴ゆるナスカの地上絵羽搏けり(須田正子)
125手と足を伸ばす勤労感謝の日
183太陽にもっとも近くマスク干す
(選評)特選に112の「星冴ゆる・・」の句を頂いた。「ナスカの地上絵」といえばハチドリが有名である。この地上絵は全長九十六メートルと大きく上空からでないと全貌がはっきり分からない。そのハチドリが大気の澄んだ星空へ羽搏いた。神秘的でスケールの大きいところに心惹かれた。
16「聖樹の灯」の句。普段マスク着用のときは口紅を塗らないが、「マスクの下に紅を引く」と詠んでクリスマスの女性のお洒落感と華やかさが良く表白されている。

45「もうだれも」の句。空き家の増加は社会問題。無常感が漂う。
82「赤裸々に」の句。赤裸々と着ぶくれの取り合わせに妙。諧謔性あり。
125「手と足を」の句。五体満足がよく分かる。そして感謝の気持。
183「太陽に」の句。太陽に近いと殺菌効果があるのだろうか。高いに共感。

小髙沙羅(副編集長)選
45もう誰も帰らぬ家の柿花火
88星月夜八十四の老衰は
137沈黙も喧嘩のひとつ裘(かわごろも)
138一位の実せめての噂供養など
(特選)157コロナ禍の虫養いや豊の秋(石口榮)
165銀座線インバネスなら似合う人
166障子貼り影絵となった二枚の葉

45「もう誰も」の句。誰も帰らぬ家に注目した。88「星月夜」の句。八十四歳で老衰だろうか。137「沈黙も」の句。裘が効いている。138「一位の実」の句。噂供養にしみじみさせられた。165「銀座線」の句。確かにインバネスには銀座線がぴったり。166「障子貼り」の句。影絵がなつかしい。

古川 塔子(副編集長)選
45もう誰も帰らぬ家の柿花火
77丸薬のころがりやすき冬の朝
83神無月ほどけて碧き杜の空
(特選)101母の忌の母に茶の花陽が眩し(増田萌子)

157コロナ禍の虫養いや豊の秋
163日向ぼこいつかいい日がきっと来る
(選評)特選は101「母の忌の母に」の句は、は行の韻をふんでリズム感も良く、特に母と渋い茶の花の取り合わせが印象的であった。
45「柿花火」の句。故郷へのノスタルジア。柿の木への思い、花火を連想させる柿の実にスポット。
77「丸薬の」の句。とても繊細で冬の朝が効果的、大いに臨場感あり。
83「神無月」の句。韻律があり「ほどけて碧き」という美的表現に感動。ポエジーのある句。
102「冬枯の」の句。身に覚えがあり共感。冬枯れが悲しい。
157「コロナ禍」の句。「虫養い」の言葉が効いていて、コロナ禍と豊の秋、何気に詠んでいる句のようであるものの、とても惹かれた。
163「日向ぼこ」の句。世界中が新型コロナウイルスに侵され約一年、収束の目途も経っていないこの時期、日向ぼこに浸りながら「いつかいい日」と願っている。心からの声であろう。

宮 沢子(顧問)選
34山茶花の口とがらせて紅薄く
39ガムテープ貼って剥がして十二月
41小春日の雀いつから噂好き
68行き先を告げずに誘う落葉風
108久女には及びもないが菊膾
(特選)110流れにはなかなか乗れぬ石蕗の花(小柳梓)
137沈黙も喧嘩のひとつ裘
(選評)特選に頂いた110「流れには」の句はしみじみと味わった句である。どんなに頑張っているつもりでも、どうにもならない老いが覆いかぶさってくる。社会の流れどころか日常生活にさえ乗れなくなったとみるのか、石蕗の花はどんなに頑張っても花筏にはなれないのだと、作者はきれいな石蕗の花を眺めながらそれぞれの道のあることに気づいたのかも知れない。しっかり根のついた作品である。
34「山茶花の」の句は山茶花に愛情をもって観察しておられる姿に感動させられた。
39「ガムテープ」は雑用の多い十二月の様子が浮かんでくる。生活感があっていい。
41「小春日の」は小春日の様子を上手く表現している作品。雀に焦点をあてて一句となった。
68「行き先を」の句は行き先を告げぬミステリーの旅を落葉風がよく表している。
108「久女には」の句は久女の菊枕を思い出させる句で奥が深い。
137「沈黙も」そうか沈黙は心の葛藤であり、裘がいかにもその思いを表現している作品にクスッとしてしまった。

鈴木 砂紅(招待)選
(特選)2口紅の枯れいつまでの妻の留守(松田ひろむ)
16 聖樹の灯マスクの下に紅をひく
27 北窓塞ぐ内面(うちづら)はいいらしい
55 談合と言わず肝煎りふぐ料理
113 酉の市幼馴染はもういない
133 ゆく秋のおでこと腕に庇い傷
183 太陽にもっとも近くマスク干す
(選評)特選2の「口紅の枯れ」は使われない口紅の乾きと妻の居ない喪失感を余す所なく表現。同時に、木や花ではなく口紅に被せたことで「枯れ」という季語に無限の拡がりを感じさせたことに脱帽。
16 「聖樹の」は女心がちょっと切ない。しかしマスクの下の汚れが気になる。
27 「北窓塞ぐ」人は内面(うちづら)がいい、という発想が何とも可笑しい。他人には仏頂面でも、家へ帰ればいそいそと家事に励む男は現代の理想像。
55「 談合」は不正、「肝煎り」は単なる世話役。しかし「ふぐ料理」に肝が入るのはかなり危ない。現代性と諧謔性と毒性を持った一句。
113「 酉の市」と「幼馴染」の取り合わせの妙。東京下町の懐かしい風景画。
133「庇い傷」は誰からの傷か、誰を庇ったのか、或いは転んだだけなのか、謎。
183 洗濯したマスクは「太陽にもっとも近く」干すのが日本の新しい常識。

松田ひろむ(代表)選
3コスモスの丘明日嫁ぐ娘と母と
10朴落葉今日は私の指定席
16聖樹の灯マスクの下に紅をひく
25「イマジン」を歌わん十二月八日
47冬めきて内股で立つ男の子
58年金手帳ひらく勤労感謝の日
72アクセルとブレーキ栗を裏漉しに
110流れにはなかなか乗れぬ石蕗の花
130神の留守地球儀を持ち入院す(木野俊子)
146一葉忌しおり紅葉のあせぬまま
(選評)特選にいただいたのは130「神の留守」の句。最初は単なる報告の句と思ったが、よく考えてみると地球儀を持って入院するのは創造主だけだろうと思う。神の留守の季語はそれを暗示している。これは大変な一句。地球も神も病んでいる。どうすればいいのかと考えている。作者も神に成り代わって考えている。驚愕の一句であった。
3「コスモスの」の句。コスモスは風に顔えりゃすい可憐な風情が愛されている。嫁ぐ娘と母の最後の散策である。
10「朴落葉」の句。初冬の明るい景である。「指定席」は自己主張かも。
16「聖樹の灯」の句。女性ならでは句である。「紅をひく」ならいいが、もしかしたらマスクを取ると怖い顔かも。
25「「イマジン」を」の句。十二月八日はジョン・レノンの忌日。やや付き過ぎかも知れないが「歌わん」でいただいた。
47「冬めきて」の句。「内股で立つ男の子」とはなんともシャイな感じである。季語がもう一工夫か。
58「年金手帳」の句。永年の勤労の証がこの手帳と思うと。なにか勤労感謝の日の意味も再考したくなった。
72「アクセルと」の句。「アクセルとブレーキ」を同時に踏むようなGoToキャンペーン、第三波になっても止めないとは。「栗を裏漉し」というのはちょっと優雅な生活だろうか。
110「流れには」の句。「石蕗の花」がいいのかどうかと思ったが、わが道を行く思いだろうか。
146「一葉忌」の句。紅葉の栞もいつか褪せるだろうが「あせぬまま」というのも思いの深さであろう。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位2 口紅の枯れいつまでの妻の留守 ⑧ 松田ひろむ
二位45 もう誰も帰らぬ家の柿花火 ⑥ 宮 沢子
三位77 丸薬のころがりやすき冬の朝 ⑤ 中村ふみ
四位130神の留守地球儀を持ち入院す ④ 木野俊子
五位183太陽にもっとも近くマスク干す④ 小髙沙羅
七位16 聖樹の灯マスクの下に紅をひく③ 栗原かつ代
七位36 皇帝ダリア夫婦揃って背が縮む③ 鈴木砂紅
七位39 ガムテープ貼って剥がして十二月③ 川目智子
七位51 つわぶきの咲き始めるや喪のはがき③ 安藤利亮
七位55 談合と言わず肝煎りふぐ料理 ③ 川目智子
七位87 返り花婆三人の恋談義     ③ 安原南海子
七位110流れにはなかなか乗れぬ石蕗の花 ③小柳 梓
七位137沈黙も喧嘩のひとつ裘(かわごろも)③石口 榮


(第8回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1かいつぶり耳が聡くて恋はまだ 0 増田萌子
2口紅の枯れいつまでの妻の留守 8  松田ひろむ
3コスモスの丘明日嫁ぐ娘と母と 1 松本修
4目方増え丈は縮みて狸汁     0 川目智子
5しんがりを忘れ水鳥渡月橋 0 増田萌子
6マスクが重い雁来紅が軽い 1  石口りんご
7感染者五百を聴く日榾の宿 0 小林則子
8茶の木咲く吹奏楽部の音しずか 0 宮 沢子
9山茶花や口を衝いたる褒め言葉 0 小柳 梓
10朴落葉今日は私の指定席     2 増田萌子
11山荘の薪の古びて時雨くる 0  辻田ちか子
12古文書に闇の声聴く時雨宿 1 須田正子
13談(かた)らいの山の紅葉や絵具の朱0 近田吉幸
14忌納めや街路樹秋に着替えをり 0  安原南海子
15丸投げのGOTOキャンペーン且つ散って1 古川塔子
16聖樹の灯マスクの下に紅をひく 3  栗原かつ代
17テレビだけ巣ごもり生活文化の日 0 石黒宏志
18大根の個性丸ごと引き抜いて 2 小林則子
19待ち人来たり風花を見失う 2 磯部薫子
20障子貼り終ればすぐに新世界 1 古川和美
21ムンクの叫び霜月の夕空へ 0 須田正子
22栗ごはん今幸せと思はなきゃ 1 中村ふみ
23シンバルが最後に鳴って冬に入る 2  白石みずき
24掃除士の技浴室に冬日差す 0 古川和美
25「イマジン」を歌わん十二月八日 1 川崎果連
26十一月朱塗りの椀を重ねおり 0 行成知子
27北窓塞ぐ内面はいいらしい   1   石口りんご
28月あかり娘を帰すべきバスを待つ0   鈴木ひろ子
29茶の花や健忘症を競い合う 0 翠雲母
30二人分種いっぱいの柿をむく 0 小髙沙羅
31葉を分けて鴨の後に一水路 0 安藤利亮
32自粛自粛こころは自由冬の薔薇 0  白石みずき
33優秀な学者に僻むが宜し公孫樹の実1 翠雲母
34山茶花の口とがらせて紅薄く 1 石黒宏志
35この人とはサーモスタットこたつ出す0 川崎果連
36皇帝ダリア夫婦揃って背が縮む 3 鈴木砂紅
37冬服の疲れに蒸気あててやる 0 川目智子
38不意を衝くスッポンの頸小六月  0  橋本寿江子
39ガムテープ貼って剥がして十二月 3 川目智子
40秋の山バスが丁度来たので乗る 0 中條千枝
41小春日の雀いつから噂好き 1 田辺 花
42ムササビも加齢ですよと金庫番 0 翠雲母
43鮟鱇に食品ロスを学びたり 0  白石みずき
44ボーナスを口にせぬ子や夜勤明 1 川崎果連
45もう誰も帰らぬ家の柿花火 6 宮 沢子
46昼の虫壁で休んで地で眠る 0 古川和美
47冬めきて内股で立つ男の子 2   行成知子
48言葉失うもみじ葉のここまでの紅 0  辻田ちか子
49小鳥待つ男のカメラ所在なし 0 荻野樹美
50鯉跳ねる音一度きり冬の宿 0   中條千枝
51つわぶきの咲き始めるや喪のはがき3 安藤利亮
52仕切り無く欅落葉の吹き溜まり 0 田辺 花
53青檸檬あの娘も今は子を連れて 0 石黒宏志
54冬日和普請の音の澄み渡る 0 金丸善信
55談合と言わず肝煎りふぐ料理 3 川目智子
56草紅葉二人っきりの握り飯 0 荻野樹美
57百蔵山に寝そべって富士小春かな0   辻田ちか子
58年金手帳ひらく勤労感謝の日 2 鈴木砂紅
59強乾風妻子呼び寄せてみたものの 0 翠雲母
60落葉掃く偏平足の手抜きかな 0 田辺 花
6126円不足書簡戻りし日の短 1  安原南海子
62子らの声頁の落葉払い除け 0 安藤利亮
63黄落期色付き絵柄のマンホール 0 行成知子
64吊るほどに凝りの固まる冬着かな 0 川目智子
65直哉忌やコロナウイルス・スペイン風邪0 松本修
66秋の丸の内旅の気分でパエリアと 0 斎藤 藍
67咳止めの喉飴一つ指定席     0 小林則子
68行き先を告げずに誘う落葉風 2 石黒宏志
69裸木や明日の密度を四捨五入 0  栗原かつ代
70酒のみの一生尺八吹くばかり 1 木野俊子
71霜月の空へニーチェとラブソング 0 須田正子
72アクセルとブレーキ栗を裏漉しに 2   小平 湖
73と見こう見声かけそびれマスク顔 0 斎藤 藍
74せまりくる岩垣紅葉隠れなし 0 近田吉幸
75朴落葉風の悪戯世界地図     0 須田正子
76ポインセチア人の名前に幸不幸 0 木野俊子
77丸薬のころがりやすき冬の朝   5 中村ふみ
78花八手明日私は嫁ぎます     0 磯部薫子
79いくつの像があるのだろうか尊徳忌 0 石口りんご
80立冬の顔のつくづく酸っぱくて   1 古川塔子
81柚子風呂に入る夕刊来る前に   1 小髙沙羅
82赤裸々にフリーランスの着ぶくれる1 木野俊子
83神無月ほどけて碧き杜の空   2栗原かつ代
84マフラーを二重に巻いて実直派  1 金丸善信
85新海苔や人の集まる家なれば     0栗原かつ代
86磔刑と鵙の贄見事な相似     0  辻田ちか子
87返り花婆三人の恋談義    3    安原南海子
88星月夜八十四の老衰は     1   松田ひろむ
89街の音の静かなりしや枇杷の花 0 磯部薫子
90転んでも明日があるさ木の実独楽 1 石口 榮
91思い出は悲しからずや曼殊沙華 0 松本修
92朴もみじ添え見舞わるるラフランス0 鈴木ひろ子
93菰巻や木々はコロナ禍避けられる 0 荒井 類
94伊東屋の富士山消しゴム小六月 0 斎藤 藍
95冬りんご上手に剥いてろくでなし 1 吉村きら
96コロナ禍に試飲遠のく新走 0 小林則子
97喉飴の罪な味とは冬うらら 0 小平 湖
98スキップは戦後の記憶木の葉髪    0橋本寿江子
99逢いたくて逢えなくてコロナ禍冬へ  0白石みずき
100ななかまど兄の誘いは断らず 0 小髙沙羅
101母の忌の母に茶の花陽が眩し 1 増田萌子
102冬枯のこきこき笑う股関節 2 宮 沢子
103コロナ禍を作句上手の冬にする 0 金丸善信
104狸汁いまさら夫婦別姓など 2 鈴木砂紅
105人通り一気に増えて寺紅葉 0  安原南海子
106凍雲に飛行機雲の突入す 0 荒井 類
107試歩伸ばす楓橅よと落葉愛で 0  鈴木ひろ子
108久女には及びもないが菊膾 2 鈴木砂紅
109寒桜生きるかなしみ知りもせず 0 吉村きら
110流れにはなかなか乗れぬ石蕗の花 3 小柳 梓
111送電線曠野へ続く鵙日和 0 翠雲母
112星冴ゆるナスカの地上絵羽搏けり 1 須田正子
113酉の市幼馴染はもういない 2 宮 沢子
114調合はネイルアートの唐辛子 0 田辺 花
115いつからか障子に穴のあかぬ家 2 川崎果連
116大津絵の鬼の念仏文化の日 0  橋本寿江子
117夫の裾に飯つぶ乾く石蕗の花 1 増田萌子
118おのが身の自由不自由小六月 1 荻野樹美
119リモートの天皇賞を巻戻し 0  栗原かつ代
120焼芋を買って定年知られけり 0 川崎果連
121アンネの薔薇リルケは遠くなりにけり0鈴木ひろ子
122温室の食虫植物素通りす 0 荻野樹美
123ボタン孔(あな)覗けば枯野無限大2 石口 榮
124GoToを使わず赤いシクラメン 0 小平 湖
125手と足を伸ばす勤労感謝の日 2  石口りんご
126山頂の若き夫婦やなかまど 0 安藤利亮
127店先に古地図並ぶ年の暮 0 行成知子
128デパートの正午の鐘や初時雨 0 行成知子
129失せ物のつとあらはれて冬に入る 1 荒井 類
130神の留守地球儀を持ち入院す 4 木野俊子
131且つ散って百年先も且つ散って 0 古川塔子
132太鼓腹ぽんと叩いて菊を焚く 0  安原南海子
133ゆく秋のおでこと腕に庇い傷 1 中條千枝
134小春日のどこに置いても第三波 2 小平 湖
135大縄跳び一人がこけてまたこけて 0  橋本寿江子
136消毒の匂う両手の悴むる 1 小林則子
137沈黙も喧嘩のひとつ裘(かわごろも)3 石口 榮
138一位の実せめての噂供養など 2  松田ひろむ
139歳聞かれいくつと言おうピラカンサ2 白石みずき
140冬天の道に平らな石を蹴る 0 田辺 花
141夕顔もダチュラもセフレだったよね1 松田ひろむ
142茶の花や金庫を持たぬまま生きる 1 木野俊子
143みぎひだり落葉踏む音競い合う 0 鈴木砂紅
144君に似たマネキンが呼ぶ月夜茸 0 古川塔子
145補聴器や民の声なり秋の声 0 松本修
146一葉忌しおり紅葉のあせぬまま 1  鈴木ひろ子
147ドライバーのプラスマイナス桜鍋 0  橋本寿江子
148秋めいて突然多摩に震度三 0 古川和美
149紅葉抜け山頂の空群青に 0 安藤利亮
150もの思う哲学の道紅葉川 0 近田吉幸
151全山紅葉十三重の搭添える 0 近田吉幸
152小春日のレッサーパンダ熟睡中 0   荻野樹美
153社員証よりマスクが大事だいこ引く0 石黒宏志
154湖を三つ見下ろし秋惜しむ 0 中條千枝
155ゆっくりと生きるが難し朴落葉 0 磯部薫子
156枯葦に渡るという児蒼い空 0 磯部薫子
157コロナ禍の虫養いや豊の秋 2 石口 榮
158冬薔薇孤独であってほしい空 1 吉村きら
159汽船より盃かざす翁の日 0 金丸善信
160侘助の心読まれるうかつさよ 0 小柳 梓
161折紙のカンガルー親子日向ぼこ 0 斎藤 藍
162冬ぬくしレム睡眠は父母のこと 0  石口りんご
163日向ぼこいつかいい日がきっと来る1 中村ふみ
164茶の花の浮足立つをはじらいぬ 0 小柳 梓
165銀座線インバネスなら似合う人 1 斎藤 藍
166障子貼り影絵となった二枚の葉 1 古川和美
167口紅が減らないままで青木の実 2 小平 湖
168初恋は忘れ難くて金木犀 0 松本修
169寒菊や表通りをひょいと逸れ 0 小柳 梓
170いつからかよろけることも小鳥来る0 中村ふみ
171フラットに生きて野菊の枯れ急ぐ 1 宮 沢子
172肩寄せることもなきまま冬立ちぬ 0 中村ふみ
173近松忌視線の先は交わって 1 吉村きら
174ちゃんちゃんこじいじと孫のおそろいで0 荒井 類
175親芋ごろん子芋・孫芋携えて 0  辻田ちか子
176浴室もトイレも手摺雪予報 0  松田ひろむ
177厭離穢土欣求浄土や冬至風呂 1 荒井 類
178これからが面白くなる日記買う 2   小髙沙羅
179文化の日おもちゃの電池直列に 1 石口 榮
180生臭き風よざくろの爆ぜるころ 0 古川塔子
181紅葉の嵐山ISS頭上     0 近田吉幸
182下山してよりの地図帳秋深む 1 中條千枝
183太陽にもっとも近くマスク干す 4 小髙沙羅
184玉子酒熱いあついと酒を足す 0 金丸善信
185一文字で変わる関係シクラメン 0 吉村きら

(第9回鴎座通信句会)12月26日締切

今回の新型コロナウイルス感染症から「テレワーク」(通信情報技術を利用した遠隔労働)という言葉も一般化したが、私たちの通信句会も図らずもそれに沿ったものとなった。ネット句会等といってもいいが、やはり日本語で〈 通信句会 〉が分かりやすいだろう。せっかく生まれた新しい出会いもあるので、コロナ禍はまだ去っていないが、これからも新しい思いで〈通信句会〉を継続発展させたい。句友をお誘いくだされば幸いである。

第9回通信句会。投句締切= 12月26日。5句まで。 参加費500円。その他要綱は従来通り。






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Last updated  2020年12月07日 02時46分58秒コメント(0) | コメントを書く


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