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2021年10月05日
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カテゴリ: 句会
第18回鴎座通信句会選句結果のお知らせ

鴎座俳句会 代表 松田ひろむ

〈第18回鴎座通信句会結果〉作者名は特選のみ追加記入しました。他は一覧をご覧ください。
石口  榮(編集長)選
34敬老日百名山を利き酒に
64盤上のしばし黙考蚯蚓鳴く
76すべり台のぼる子おりる子秋高し
98別腹に小腹を加え豊の秋
119今年酒恋敵もう七回忌
特選143着るものを探してしまうすすき梅雨/
古川和美

(選評)特選に頂いた143「着るものを」の句。秋物を出す前に急に寒くなることがある。そんな着るものに困った体験を一句にした。生活の実感がこもる。季語「すすき梅雨」が効果的である。
34「敬老日」の句。日本酒には「磐梯山」、「浅間」など百名山に因んだ銘柄が多い。居酒屋などで「利き酒の会」が行われているがそこでの景か。また沢山ある銘柄を「百名山」のようだと詠んだのか。いずれにしても「百名山」でスケールの大きい句になった。
64「盤上の」の句。一読して藤井聡太三冠が浮んだ。季語「蚯蚓鳴く」で対局中の静寂が良く出ている。
76「すべり台」の句。「のぼる子」、「おりる子」と重ねて一句に子供の躍動感が出た。少子化で最近子供の元気な姿を見かけなくなった。季語「天高し」は子への期待。
98「別腹に」の句。食欲の秋、何を食べても美味しい。別腹に小腹が付いたという諧謔性に惹かれた。ユーモアたっぷりの句。
119「今年酒」の句。今年酒(新酒)を飲みながら、七回忌となった恋敵を想っているのだろう。作者はその恋が成就できたのだろうか。ドラマチックな句に魅かれた。
155「胡桃割る」の句。チロリン村は野菜や果物、動物たちが住む平和な村だが、それが路地裏にあったとは。メルヘンチックな詩情に惹かれた。

小髙沙羅(副編集長)選
12人は人に疲れて南蛮煙管咲く
143着るものを探してしまうすすき梅雨
158ワクチンを受く秋風/を身にまとい
162沈黙の神よ疫(えやみ)の百日紅

172耳朶はやさしきところ衣被
198昨日よりすてきな時間銀木犀
(選評)特選にいただいた166「立腹の」句。腹だたしいことがあっても、一晩寝れば忘れることもある。しかしそれでも納まらない怒りもある。それを「寝かして」というおかしみ。新型コロナウイルスの自粛中、ストレスはたまるばかり。だれもが秋暑しの思い。
12「人は人に」の句。これも人間関係の軋轢さろうか。妙に納得させられる句。
143「着るものを」の句。九月に入っていきなり十度も気温が下がった。すすき梅雨の季語で句に広がりが出来た。

162「沈黙の」の句。困ったときの神頼みというが神は語らず。沈黙の神とはなるほどと思った。遠藤周作の「沈黙」が背景にある。
172「耳朶は」の句。「やさしきところ」がいいなあ。衣被との取合せが不思議な効果。
198「昨日より」の句。昨日より今日がすてき。そして明日がある。いつも前向きな作者なのだろう。銀木犀はしぶい季語。

宮 沢子(顧問)選
17赤まんまあの日の夢を持ち歩く
48かりがねや母にもあった同じ傷
68出来秋を詰め放題に道の駅
120鹿の恋儀式なんかはなくていい
146舌足らずのティラノサウルス七五三
特選186 八十へ着地がぐらり隼人瓜/小平湖
198昨日よりすてきな時間銀木犀
(選評)特選に頂いた186「八十へ」の句は八十歳という実、個々の差はあっても知力、体力その衰えは無視することは出来ない。隼人瓜という不安定な形がその気持ちをよく表している。その取り合わせの妙味に尽きる。
17「赤まんま」の句は子供の時からの夢を追いかけている作者、すがすがしい作品である。
48「かりがねや」の句。深まってゆく秋に母と子の距離感の見える実感のある句である。
68「出来秋」あまり使われない季語だが秋の収穫が山に積まれている道の駅が浮かんでくる。詰め放題が満腹感を感じる幸せな作品となった。
120「鹿の恋」の句は愛があれば何もいらない。若いっていいですね。いま話題の真子様のことかもとも思った。
146「舌足らず」の句は七五三のお祝でしょうか。お兄ちゃんやお姉ちゃんを追いかけている三歳の子でしょう。舌足らずが可愛いい。
198「昨日より」の句は朝雨戸を開けると木犀の香りが突然流れてきた。なんて素敵な時間「昨日より」がいい。読む人にも香りが流れてきた作品である。

白石みずき(Ⅰ欄同人)選
特選12人は人に疲れて南蛮煙管咲く/木野俊子
36ポシェットに目眩の薬藍の花
50名月や誰にでもある別の貌
63秋の暮砂に加速の砂時計
84唐辛子花舗におさまり花となる
138探し物まだ見つからぬ秋の暮
192秋桜不自由なんて怖くない
(選評)特選に頂いた12「人は人に」の句。難解な句だが心ひかれた。コロナ禍での句とも思えるし、人間関係の複雑さを言っているのだとも取れる。季語の南蛮煙管は寄生植物。イネ科の根に寄生する。そんな不気味さもこの一句を際立たせている。
36「ポシェット」の句。常に目眩が起きるのは辛いこと。その大事な薬はきっと藍染のかわいいポシェットに入れてあるのだろう。
50「名月や」の句。大いにあるあると同感の句。人は誰でもいろいろな貌をもっているのは当たり前。世の中を上手に渡るには必要なのだから。名月の明るさで救われた句。  
63「秋の暮」の句。コロナ禍の二年は本当に早かった。まるで砂がさらさらと手からこぼれるように。秋の暮がそんな早さを象徴していておしゃれな句。
84「唐辛子」の句。元来唐辛子は薬味として料理などに使い食するものである。が最近は生け花などにも使われている。花屋さんに一人前の花の顔をして売られている。それをユーモラスに詠んだ。
138「探し物」の句。良くわかる、誰もが経験ありそう。しかしもう少し深く読むと季語の秋の暮は人生に通じる。探し物は人生の目標でもある。
192「秋桜」の句。コロナ禍の前は皆自由な暮らしだった。それが当たり前だと思っていた。そこへ緊急事態宣言などという長い間我慢の暮らし、ちょっとやそっとではなんにも怖くなくなってしまった。でもコスモスはちゃんと見ていてくれていた。 

鈴木 砂紅(招待)選
11マスカットときに兄弟らしくなる
48かりがねや母にもあった同じ傷
56 色鳥や飛び立ちそうな切手買う
62化せばモスラに鳳仙花の大毛虫
64盤上のしばし黙考蚯蚓鳴く
特選71どこ行きの逆さ階段秋刀魚焼く/信岡さすけ
152ワクチンを打てば安心智恵子の忌
(選評)特選に頂いた「どこ行き」の句。秋刀魚を焼きながら、作者の心は「逆さ階段」を上ってゆく。一体何処へという不安感を抱えながら、コロナ禍の日常を生きる私たちの姿をシュールに描いた。
11「マスカット」の句。男ふたり黙って緑の葡萄を食べる。七歳でも七十歳でも、兄弟はいつも反目と慣れあいの連続。
48「かりがね」の句。傷は指先にあったのか、あるいは心の傷なのか。不意に自分にもその傷がある事に気付く。私の中に何時も居る母。
56 「色鳥」の句。渡ってきた小鳥が木の上で騒ぐ。となれば切手はモモンガか飛蝗か。飛ぶことへの憧れに満ちた句。
62「化せば」の句。発想は単純だが、七十二候の「雀化して蛤となる」を思わせて可笑しい。可憐な鳳仙花が目に残る。
64「盤上」の句。藤井聡太三冠のイメージだが、誰を置いても絵になる句。季語も韻律も申し分ない。言掛りのようだがそこが難点。
152「ワクチン」の句。中七までは極普通の句だが、季語で見事に反転。智恵子の持つ、芸術家・純粋さ・精神病という多重性がすべてを混沌とさせる。

松田ひろむ(代表)選
4虫の声仏語のシャワー浴びてをり
特選9月光の重み一行はあけておく/古川塔子
12人は人に疲れて南蛮煙管咲く
48かりがねや母にもあった同じ傷
66秋の日のワクチン弾むベンガル語
準特選71どこ行きの逆さ階段秋刀魚焼く/信岡さすけ
77コロナ禍に生まれる子あり竹の春
準特選/123何度でもねえお母さん栗ご飯/小髙沙羅
135秋風のこつんとあたるパンの耳
172耳朶はやさしきところ衣被
186八十へ着地がぐらり隼人瓜
(選評)特選にいただいた9「月光の重み」の句。この「月光の重み」と「一行はあけておく」の間合の良さ。それを解釈する必要はない。これは理ではなく感性である。芭蕉のいう匂付といってもいい。
準特選の71「どこ行きの」の句。この「逆さ階段」は錯視(だまし絵)で「シュレーダーの階段」ともいう。したがって秋刀魚の煙も上に登ってゆくとは限らない。
同じく準特選の123「何度でも」の句は、ここは「何度でも」の措辞がいかにも泣かせる。栗ご飯で典型的な「母もの」であるが、これはこれで記憶すべき一句。
4「虫の声」の句。フランスに行けば当然のことながらフランス語ばかりである。作者はそれを「仏語のシャワー浴び」という。シャワーの心地良さとフランス語が響きあっている。フランスの虫はなんと鳴くのだろうか。
12「人は人に」の句。人間関係は考えれば考えるほど難しい。ここはナンバンギセルの妖しさの取りあわせで一句になった。
48「かりがねや」の句。すでに亡母の齢も越えたのかも。その年になって分る「傷」もある。「かりがね」で心が広くなる。
66「秋の日の」の句。ここではベンガル語にどきりとさせられる。これはフィクションでなく実の強みだろう。秋の日の季語はもう一工夫だろうか。
77「コロナ禍に」の句。原爆下のヒロシマの防空壕で生れた赤ちゃんのことも思った。竹の春が希望の姿である。
135「秋風の」の句。パンの耳という擬人化がなんとも軽妙。この秋風は生活のなかの風。
172「耳朶は」の句。「やさしき」という主観語を嫌味なく使った。衣被との取合せの妙。
186「八十へ」の句。いよいよ作者も八十なのかとどきりとさせられた。いやいや隼人瓜だからまだまだ。

(互選高点句)○数字は点数  3点以上
一位186八十へ着地がぐらり隼人瓜 ⑥小平 湖
二位12人は人に疲れて南蛮煙管咲く ⑤木野俊子
二位50名月や誰にでもある別の貌 ⑤吉村きら
二位56色鳥や飛び立ちそうな切手買う ⑤石口 榮
五位83初鴨の声病妻のご機嫌は ④松田ひろむ
五位98別腹に小腹を加え豊の秋 ④川目智子
五位172耳朶はやさしきところ衣被 ④増田萌子
八位9月光の重み一行はあけておく    ③古川塔子
八位14秋茄子姑の躾と褒められて     ③村田和子
八位20母と娘でおんなとおんな実むらさき ③白石みずき
八位48かりがねや母にもあった同じ傷 ③吉村きら
八位64盤上のしばし黙考蚯蚓鳴く ③近田吉幸
八位76すべり台のぼる子おりる子秋高し ③白石みずき
八位96ぶらさがることに糸瓜は明け暮れる③川崎果連
八位120鹿の恋儀式なんかはなくていい ③松田ひろむ
八位146舌足らずのティラノサウルス七五三③栗原かつ代
八位159ティーバッグ糸のねじれて秋思かな③ 飯島智

(第18回全句データ)掲載番号・作品・点数・作者の順
1夫婦喧嘩ほどほどにして秋刀魚焼く 0 津田文江
2父と子のはじける笑顔赤蜻蛉 0 荻野樹美
3胡弓の音聞こえるやうな九月三日 1 津田文江
4虫の声仏語のシャワー浴びてをり 1 飯島智
5それ以上それ以下でもなく吾亦紅 2  安原南海子
6吾亦紅山吹く風に育てられ 1 斎藤 藍
7土手からの試合観戦濃竜胆 0 安藤利亮
8秋暑しヘソ覗かせるティーンエージャー0 飯島智
9月光の重み一行はあけておく 3 古川塔子
10龍淵に潜む無数の骨粗鬆症 0 木野俊子
11マスカットときに兄弟らしくなる 2 小髙沙羅
12人は人に疲れて南蛮煙管咲く 5 木野俊子
13世に出れば男社会や富士薊 0 小柳 梓
14秋茄子姑の躾と褒められて 3 村田和子
15結界を越え束ねられ曼珠沙華 0 岡崎久子
16名月のいたずら上手迷い道 1 吉村きら
17赤まんまあの日の夢を持ち歩く 2 小髙沙羅
18耳鳴りか虫の集きか日暮れ時 1 岩渕純子
19身に入むや浅草オペラの街灯り 0 磯部薫子
20母と娘でおんなとおんな実むらさき3 白石みずき
21新米は王道らしく稲穂添え 0  安原南海子
22立札は球技の禁止赤とんぼ 1 金丸菜斗
23秋声や黄ばみし文庫の文字を追ふ 0 高良和子
24秋の蝉傘の中まで舞い込んで 0 古川和美
25からたちの熟れる実結婚適齢期 0 木野俊子
26手当なき在宅勤務捨案山子 1  百目鬼英明
27革命に疲れた夜長宮本百合子 0 木野俊子
28生きる術(すべ)こころえていく猫じゃらし 0翠雲母
29無花果の涙の粒を噛みしめる 1 鈴木砂紅
30箱根路や海原となる芒原 0     岩渕純子
31句と憐(あわれみ)令黙のままの翁忌0信岡さすけ
32新松子ビーチバレーはへそ見せて 0 金丸菜斗
33秋晴れや水上バスの屋根低く 0 安藤利亮
34敬老日百名山を利き酒に 2     川目智子
35鬼平と出かけてみたい風の盆 0 津田文江
36ポシェットに目眩の薬藍の花 1 古川塔子
37ポンペイのパン焼く窯や秋の雲 0 近田吉幸
38着信あり午後の途惑ひ萩の風 0 須田正子
39アフガンのクレーン猪吊るさるる 1  後藤よしみ
40赤とんぼどこでこんなに染めましたか1 石口りんご
41南天の幹の硬さを斬る力 0     古川和美
42これやこの弟切草のいわれなど 1  石口りんご
43青々と花梨の怒り沈黙忌  0 磯部薫子
44望郷や記憶の中の吊るし柿 0 石口 榮
45与党野党の間違い探し韮の花 0 鈴木砂紅
46ずぶっと厄日乾燥機ないのです 0   石口りんご
47八甲田のつらつらつらら草紅葉 0 宮 沢子
48かりがねや母にもあった同じ傷 3 吉村きら
49この時季の色とぞ思う菊膾 0 金丸菜斗
50名月や誰にでもある別の貌 5 吉村きら
51頬杖の母と目が合う秋彼岸 2   行成佳代子
52底紅の咲いて疫病の町密か 1 村田和子
53のうぜんかずら自転車のみなマスクの眼0 福島芳子
54夕顔や闇の深さのほの明かり 0 小柳 梓
55ひとり娘が厨に籠る敬老日 1 津田文江
56色鳥や飛び立ちそうな切手買う  5 石口 榮
57柘榴裂けけろり宜ふ氏素性 2 村田和子
58息弾む小さな丘の帰り花 0 荻野樹美
59宣言は延長なしで穴惑い 1 石黒宏志
60自虐ねた笑えぬことも秋の蝶 0 信岡さすけ
61身に染むやカリンの自由主義が好き2 木野俊子
62化せばモスラに鳳仙花の大毛虫 2 高良和子
63秋の暮砂に加速の砂時計 2 岡崎久子
64盤上のしばし黙考蚯蚓鳴く 3 近田吉幸
65スキンカラーの黄土の仲間鷹渡る0 松田ひろむ
66秋の日のワクチン弾むベンガル語 1 森谷路子
67風は水水は風なり秋の水 0 百目鬼英明
68出来秋を詰め放題に道の駅 1 川目智子
69画布に鉄骨下界は戦跡玉手山 0 翠 雲母
70秋天や女ごころの万華鏡 1 須田正子
71どこ行きの逆さ階段秋刀魚焼く 2 信岡さすけ
72コーヒーのことさら香る今朝の秋 0 白石みずき
73爽やかやときどきマスク忘れたり 1 古川塔子
74あてにせぬ暑さ寒さも秋彼岸 0 石黒宏志
75天高し自粛自愛をふくらます 0 古川塔子
76すべり台のぼる子おりる子秋高し 3 白石みずき
77コロナ禍に生まれる子あり竹の春 1 石黒宏志
78己が身も雁字搦めに葛垂るる 0 村田和子
79天高し俳人末期の伝わらず 0 後藤よしみ
80セーターに乳房なき憂さ抱きしめて0 宮 沢子
81弓をやめ介護の日々や秋刀魚焼く 0 百目鬼英明
82軍靴にて踏みつけ開く栗の毬 1 鈴木砂紅
83初鴨の声病妻のご機嫌は 4 松田ひろむ
84唐辛子花舗におさまり花となる 1 村田和子
85喪中さえ少なくなりし秋の暮 0 石黒宏志
86縄張は国家にあらず芋嵐 1 信岡さすけ
87今日だけはひとりで行けぬ鳥兜 0 小柳 梓
88手洗いを覚え二歳の夏終る 1 白石みずき
89止め無き会話の合間残る蝉 0 荻野樹美
90行列の渋谷ワクチン地虫鳴く 1 栗原かつ代
91曼珠沙華太極拳の描く丸 0 森谷路子
92絵手紙の墨美しき秋茄子 1 増田萌子
93富士の山初冠雪は取り消され 0 石黒宏志
94金貸しの軒にずらずら吊し柿 1 川崎果連
95拾ひたる木の実の棚の泪壺 0 飯島智
96ぶらさがることに糸瓜は明け暮れる3 川崎果連
97狐のカミソリは近く死は遠く 0 古川塔子
98別腹に小腹を加え豊の秋 4 川目智子
99敬老の日咲き上りたる花蔓穂 0 行成佳代子
100自粛してたまに窓から秋夕焼 0 中村ふみ
101月光にピクトグラムを指で描く 1 後藤よしみ
102医師の忙しさ秋ざくら乱れつつ 0 福島芳子
103月今宵貝殻骨に触れる指 0 鈴木砂紅
104風立つや一寸塩味栗ご飯 0 斎藤 藍
105ウオーキング道変え今日の韮の花 0 安原南海子
106カナリアを道連れにして霧の中 0 行成佳代子
107定年の朝の鈍行案山子見ゆ 0 川崎果連
108耳立てる鬼の子ふたつのぽっくり寺0 宮 沢子
109深秋や高齢期の三Kそこそこに 0 高良和子
110六十の指で五七五竹の春 0 森谷路子
111望月やウィルスの街眠りをり 0 近田吉幸
112もう一度会いたくなればほととぎす0 小髙沙羅
113無想なる日々を苦にせり捨案山子 0 後藤よしみ
114山際のわずかばかりを稲穂垂る 1 荻野樹美
115露天風呂黙浴中の秋落暉 1 岡崎久子
116過疎の町の学び舎閉じて秋の風 0 行成佳代子
117カンナ燃ゆバン焼く匂ひの小径かな 0飯島智
118最期の季の柿まに合わず獺祭忌 0 石口りんご
119今年酒恋敵もう七回忌 2 川崎果連
120鹿の恋儀式なんかはなくていい 3 松田ひろむ
121コロナ禍の軌道修正葛嵐 0 栗原かつ代
122顎あげて見るスカイツリー律の風 0 石口 榮
123何度でもねえお母さん栗ご飯 1 小髙沙羅
124その話なかったことに新走り 0 安原南海子
125魂の抜け殻同士初秋刀魚 0 宮 沢子
126鰡跳ねて水門の色陽のいろに 0 金丸菜斗
127赤とんぼタクシーの窓すれちがい 0 斎藤 藍
128閉店の張り紙破れ秋の暮 1 岩渕純子
129一冊はどこでも鷗座豊の秋 0 高良和子
130イタリア風スパゲッティに梨サラダ0 斎藤 藍
131秋風を通せるタオルに馘首とは 0 翠 雲母
132ワンピースは娘の仕立て生身魂 0 石口りんご
133草の花兎を抱いて家出する 0 翠 雲母
134無花果やグローバルなる熱気球 0 須田正子
135秋風のこつんとあたるパンの耳 1 増田萌子
136蟋蟀の演奏会のど真ん中 0 百目鬼英明
137色のない風は私の色にする 1 岡崎久子
138探し物まだ見つからぬ秋の暮 1 岩渕純子
139耳遠き友へLINEの秋桜 1 増田萌子
140蜘蛛の糸ウイズコロナに辿りつく 0 小平 湖
141コロナ禍やインフルエンザは冬の季語0 中村ふみ
142栗を剥く母さんなんて大嫌い 0 森谷路子
143着るものを探してしまうすすき梅雨2 古川和美
144白露今朝聖句インスタグラムより 1 森谷路子
145変り野分過去まで消せるボールペン0 信岡さすけ
146舌足らずのティラノサウルス七五三3 栗原かつ代
147デルタ株夏の球児を辞退させ 0 古川和美
148秋の野へちっちゃな私置いてくる 0 小髙沙羅
149橋下に秋の暗さも隅田川 0 安藤利亮
150秋海棠紅滲ませる小糠雨 0 岩渕純子
151秋津島波瑠の大宙水の秋 0 須田正子
152ワクチンを打てば安心智恵子の忌 2 福島芳子
153鵙の声われよわれよと生き急ぐ 0 磯部薫子
154吾亦紅止まったままの大時計 0 岡崎久子
155胡桃割るチロリン村は路地の裏 2 吉村きら
156故里は水路の町よ鳥渡る 0 行成佳代子
157実体験を好む俳人芋煮会 0 百目鬼英明
158ワクチンを受く秋風を身にまとい 1 福島芳子
159ティーバッグ糸のねじれて秋思かな 3飯島智
160分身の影を連れ行く秋の蝶 1 石口 榮
161つや姫の腰入れまでをばつたんこ 0 川目智子
162沈黙の神よ疫(えやみ)の百日紅 2 松田ひろむ
163風見鶏まかせや後の更衣 0 川目智子
164彼岸花彼方此方の浄土かな 2 高良和子
165秋富士の車窓は見ずにスマホかな 0 安藤利亮
166立腹を寝かせてみたが秋暑し 1 中村ふみ
167孫の手の届くあたりに月兎 1 鈴木砂紅
168かりそめの恋なら許す葉鶏頭 0 小柳 梓
169乱れ咲く風のコスモス沸騰す 0 近田吉幸
170高級魚一丁と亭主秋刀魚焼く 0 金丸菜斗
171一億円はご辞退します鹿の恋 0 松田ひろむ
172耳朶はやさしきところ衣被 4 増田萌子
173食べず嫌い本当はうまいだだちゃ豆0 古川和美
174平然と藤井三冠秋高し 1 津田文江
175枝豆のひと部屋ここの波の音 0 小平 湖
176萩の風かくれんぼうはやめにしよ 0 磯部薫子
177秋暑し戸越銀座を猿走り 0 中村ふみ
178五・六個の冬瓜退屈客を待つ 0 安原南海子
179灯を消せば鈴虫の夜となりにけり 0 近田吉幸
180舌頭に千転零余子飯炊く 0 宮 沢子
181聞きたくない話ばかりや黴の花 0 中村ふみ
182萩の花手拭ぬぐい皿ふきに 0 斎藤 藍
183早稲の香や立山連峰仰ぎみて 1 磯部薫子
184紅白の総裁選挙ましら酒 1 小平 湖
185芒原入る少女に尾が生えて 0 石口 榮
186八十へ着地がぐらり隼人瓜 6 小平 湖
187身中の虫もまじりて虫時雨 1 後藤よしみ
188パンのみに生きるためです稲を刈る2 翠 雲母
189陽の匂ひ山河に溢し大花野  0 須田正子
190冥界をのぞくみ仏敗荷 0 栗原かつ代
191秋うららタイヤの溝の礫を取る 0 安藤利亮
192秋桜不自由なんて怖くない 1 小平 湖
193未だ青き団栗を踏み頂きへ 0 荻野樹美
194あれもこれも今ならわかる秋の暮 0 川崎果連
195小鳥来る異国語消えた伽藍堂 0 栗原かつ代
196温め酒今日もあしたもあさっても 0 吉村きら
197金木犀吾が煩悩の捨て所 0 小柳 梓
198昨日よりすてきな時間銀木犀 2 白石みずき
199手のぬくみ添えて折鶴敬老日 1 増田萌子
200蝉時雨会えなくなりしひとの文 0 福島芳子
訂正124正=新走り 誤=粗走り 175正=枝豆 誤=仇豆
(第19回鴎座通信句会)投句締切=10月26日。5句まで。参加費500円。その他要綱は従来通り。





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Last updated  2021年10月10日 09時03分59秒
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